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退職届・退職願の書き方は? 作成時の注意点やその他の必要書類もあわせて解説【テンプレートあり】

退職届・退職願の書き方は? 作成時の注意点やその他の必要書類もあわせて解説【テンプレートあり】

退職を考えている方にとって「退職願」と「退職届」は混同しがちな書類です。「どちらを先に提出すべきか?」「書き方に違いはあるのか?」といった疑問を抱える方も多いでしょう。

適切な書類を正しいタイミングで提出することが、スムーズな退職につながります。

本記事では「退職願」と「退職届」の違いを解説し、具体的な書き方や注意点についてもわかりやすく解説します。また、退職時に必要な他の書類についても紹介しましょう。

すぐに使えるテンプレートもご用意したので、ぜひ参考にしてください。


「退職願」と「退職届」の違い

「退職願」と「退職届」は似たような言葉なので、その意味を混同してる方がいるかもしれません。「退職願」「退職届」の双方とも従業員が会社に対して退職の意思表示をする書類ですが、その意味には違いがあります。

「退職願」は願書を提出した上で、会社側が承認すれば退職とする扱いです。会社の承諾を得る前であれば、退職の意思表示を撤回することができます。

一方の「退職届」は、「労働者の一方的な意思表示によって労働契約を解約できる」とする民法の定めにのっとった形式の届書です。そのため、会社側に受理された時点で退職日が決まり、受理された後の撤回はできません。

また、「辞表」は会社の経営者や役員、公務員等が退職意思(辞意)を表明する際に提出する書類であり、一般社員が使用することはまずありません。

退職届の書式テンプレート


退職届はいつまでに出すべき?

退職日を決めるときは、まず会社の就業規則を確認します。就業規則で退職の意思表示をする期日が定められている場合は、(例えば退職日の2カ月前など)その期日を考慮して決めましょう。

就業規則に定めがない場合は、事前に上司と相談して退職日を決めることになります。後任者の選任や業務の引き継ぎ等に時間を要するので、事情を考えて円満に退職できるようにしましょう。

しかし、会社側がなかなか退職に応じない場合はどうすればいいのでしょうか?民法では退職日の14日前までに意思表示をすれば退職は可能で、就業規則や会社の事情よりも法律が優先されます。

ただし雇用契約の内容によっては(契約社員の場合など)適用されないケースもありますので事前の確認が必要です。

退職届の書式テンプレート


「退職届」と「退職願」のテンプレート

退職届の書き方

退職届011
退職届011

① 提出日を記載します。
② 退職する企業名と代表者名を記載します。企業名は略さずに正式名称で記載し、代表者名の後には「殿」もしくは「様」をつけます。
③ 表題は「退職届」と記載します。
④ 理由に関わらず、「一身上の都合により」と記載。また年月日には、あらかじめ会社側と決めた退職日を書きます。退職届は退職の意思表示を一方的に告げる書類のため、「退職いたします」と書くのが一般的です。
⑤ 退職後の住所や連絡先を記入します。
⑥ 「以上」で締めくくります。
⑦ 自身の所属部署・氏名を記入して押印します。

退職届の書式テンプレート

退職願の書き方

退職願い01
退職願い01

退職願の書き方は退職届とほぼ同じですが、違う場所は以下の通りです。

① 表題は「退職願」と記載します。
② 退職願は退職を願い入れるための書類であるため、「退職いたしたく、お願い申し上げます」となります 。

退職届の書式テンプレート


「退職届」・「退職願」を作成する際の留意事項

会社都合で退職する場合

退職理由は「一身上の都合」ではなく、退職する具体的な理由を記載します。具体的な理由が示せない場合は「会社都合により退職すること」だけでも記載しておくようにします。

「退職届」と「退職願」はどちらを提出すればよいか?

退職届と退職願は意味に違いがあるものの、明確な区別扱いをしている会社は少ないでしょう。

どちらを提出すればよいかは会社の慣例によるところが大きいので、会社に確認しましょう。届書の提出先は社長、人事の長、直属の上司等が考えられますが、分からなければ事前に会社に確認するようにします。

退職届の提出方法

届書を入れる封筒は会社の封筒ではなく、市販の白い封筒を使用しましょう。届書は正面にして下3分の1を折り、さらに上3分の1をかぶせて三つ折りに。そして届書の右上の部分を上にして封筒の裏面を自分の正面に向けた状態で封入します。

封筒の表には退職届もしくは退職願と記載し、裏面には自分の所属部署とフルネームを左下に書きます。封をする場合はのり付けした上から「〆」を記入。封をしないときはのりしろ部分を折り曲げるのみにします。

届書を郵送する場合は、封筒に入れた届書と添え状を、さらに大きい封筒の中に入れて送付してください。

退職届の書式テンプレート


退職に伴うその他の必要な書類

ここからは退職が受理された後に必要となる各種書類や手続きを解説していきます。退職時に必要な書類は、会社へ返却するものと会社から受け取るものがあります。数が多いので、一つひとつ確認しながら手際よく進めていきましょう。

退職時に会社へ返却するもの

○ 健康保険被保険者証
退職と同時に健康保険の資格を喪失します。被扶養者がいる場合はその分の保険証もまとめて返却します。

○ 社員証、書類データー等会社から返却の指定があったものすべて

○ 通勤定期券精算後の残金

退職時に会社から受け取るもの

離職票

正式名称を「雇用保険被保険者離職票」といい、雇用保険の失業給付申請に必要な書類です。離職票は「離職票-1」と「離職票-2」の2枚が1セットとなっており、退職後しばらくして会社から郵送されます。

ただし転職先が決まっている場合は必要ないため、離職票の発行を希望する場合は退職時にあらかじめ会社に請求します。

会社から交付された離職票は雇用保険の額に関わる大切な書類なので、記載内容が正しいかどうか必ず確認をして、違っていた場合はすぐに会社に訂正を申し出てください。

雇用保険被保険者証

雇用保険の被保険者であることを証明する書類です。本来は資格取得時に被保険者本人に渡すものですが、退職時まで会社で預かっていることもあります。

転職先企業への提出や雇用保険の失業給付申請に必要となりますので、見当たらない場合は会社に確認しましょう。紛失した場合は、自分の住所を管轄するハローワークで再発行可能です。

年金手帳

入社時に会社に預けたままの場合は返還してもらいます。かつては国民年金や転職先での厚生年金加入等の手続きに提示が必要でしたが、昨今はマイナンバーで処理可能となったため原則不要です。

転職先の会社によっては提示を求めることもあるため、紛失時は年金事務所で再発行の手続きを行いましょう。

源泉徴収票

所得税の年末調整に使うための書類であり、会社から後日郵送されます。転職先の会社に提出するか、年内に就職しなかった場合は所得税の確定申告時に必要です。

退職届の書式テンプレート


退職後の諸手続きについて

雇用保険の基本手当給付手続き

雇用保険とは、失業した労働者を支援する国の保険制度で、失業から次の転職先が見つかるまでの間、一定額の失業手当が給付されます。

下記の条件を満たしている場合は、会社から離職票を受け取ったらなるべく早く自分の住所を管轄するハローワークで手続きを行いましょう。

雇用保険を受ける条件

  • 離職日以前の2年間に被保険者期間が12カ月以上あること。 (会社都合退職の場合は離職日以前の1年間に被保険者期間が6カ月以上あること。)
  • 本人に就職する意思と能力があること。 (病気、結婚、出産、介護等ですぐに就職できないときは雇用保険を申請できません。)
  • 積極的に求職活動を行っている、または行う予定であること。

手続き時に必要な書類等

  • 雇用保険被保険者証
  • 離職票-1および離職票-2
  • 写真付きの身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 印鑑
  • 写真2枚(直近3カ月以内、縦3cm×横2.5cm)
  • 本人名義の普通預金通帳

雇用保険の給付額

退職理由(自己都合の退職か、会社都合の退職か)のほか、退職前6カ月間の給料によって給付額は異なります。

健康保険の変更手続き

退職後は下記のいずれかの健康保険に加入します。それぞれ加入条件や手続き方法が異なるので自分はどの制度に入るのか確認が必要です。

退職した会社で加入していた健康保険の任意継続被保険者制度を利用する

退職後20日以内に、会社または健康保険組合での手続きが必要です。

国民健康保険に加入する

退職後14日以内に居住地の市区町村役所で手続きをします。その際には、会社を退職したことを証明できる書類(退職証明書・健康保険の資格喪失連絡票など)を持参します。

家族の扶養に入る

家族が健康保険の被保険者になっている場合、要件を満たせば被扶養者になることが可能です。ただし、被扶養者となるには保険者である健康保険組合等の認定基準を満たしていなければなりません。

主な要件は、被保険者に生計を維持されている3親等以内の親族であることや、年収130万円未満(60歳以上や一定の障害者は180万円未満)であること等が挙げられます。

年金の種別変更手続き

退職後すぐ転職先の厚生年金に加入しない限り、20歳から60歳までの方は国民年金への加入が必須です。手続きは退職後14日以内に居住地の市町村役場で行い、「国民年金第1号被保険者」として保険料を支払います。

また要件を満たせば配偶者の扶養となる「第3号被保険者」の手続きは、配偶者の会社を通じて行います。

住民税の支払い手続き

住民税は前年の1月1日~12月31日までの収入に対して計算されるため、退職後も下記のいずれかの方法で住民税を支払う必要があります。住民税の支払い方法については退職前に会社に確認するといいでしょう。

一括徴収

最後にもらう給与から住民税を一括で天引きします。1月1日~4月30日の間に退職する場合は、基本的に「一括徴収」となります。

普通徴収

住民税を納付書や口座振替にて支払う方法です。前年の収入に対しての住民税を、原則翌年の6月・8月・10月・翌々年1月の4回に分けて支払います。

特別徴収

転職先が決まっている場合、退職後支払い期限前の住民税に限り転職先会社の給与から天引きする方法です。この扱いの可否は会社によって違うので、しっかりと確認しておきましょう。

退職届の書式テンプレート


まとめ

退職をする意思を固めたら、その後退職日の決定から退職後の各種手続きまでしなければならないことが複数あります。

退職に伴うトラブルや手続きのモレを防ぎ、なおかつ短期間で効率よく行うためには、しなければならない内容を時系列で書き出し、リストアップした項目をチェックしながら順序良く手続きを進めていきましょう。

退職届の書式テンプレート


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