このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、対応ブラウザでご覧下さい。

  • Facebook
  • Twitter
  • Hatena
  • Line
  • E-mail

中小小売業におけるウィズコロナ対策について

著者: 中小企業診断士  吉川 和明

新型コロナウイルスの感染拡大により、消費者の意識や行動が変容し、新しい生活様式が定着する中で、流通小売業界では新型コロナウイルスとの共存を前提とした対応が求められています。

本記事では、人との接触機会を減らしつつ、我々の生活に欠かせない商品やサービスを提供し続けている中小小売業の中から、食品スーパーでの取り組みを中心に紹介します。


中小小売業におけるウィズコロナ対策について

1.滞在時間短縮の取り組み

食料品や生活必需品は店舗で買い物をすることが主流ですが、コロナ禍において特に気にするのは店内での滞在時間です。必要なものを手早くかごに入れて買い回りをしていても、ピーク時間帯では支払いのためにレジ待ちの行列に並ばなければならず、早く店を出たくても思うようにならない状況がよく見受けられます。このレジ待ちを解消して、買い回りから支払いまでをスムーズに行えるしくみが導入されています。

(1)セミセルフレジ

セルフレジの特徴は、商品登録から支払精算までのレジ操作をすべて顧客自身が行うというものです。操作に不慣れな顧客も多いため、操作間違いなどがあった場合のサポートを行う従業員(アテンダント)が常駐しています。ただし、商品についているバーコードを登録する操作は面倒でありトラブルが発生しやすいことから、この不便さを解消するシステムとしてセミセルフレジが登場しました。特徴は、商品登録を従業員が行い、支払精算を顧客自身が精算機にて行うというものです。顧客は、銀行のATMを操作する感覚で精算機での支払精算を行うことができます。

セミセルフレジ導入のメリットは、顧客のレジ待ち時間短縮ですが、さらには現金などの接触頻度削減による従業員のコロナ感染防止があげられます。

(2)セルフスキャン

最近ではデジタル化の加速により、セミセルフレジでの商品登録を顧客自らが行うセルフスキャンが導入され始めました。

特徴は、顧客が買い物をしながら自ら商品登録を行うというものであり、使い方のイメージは下記のとおりです。

①店内入口でセルフスキャン用の貸出スマートフォンを手に取りカートに設置する。
②買い物かごに商品を入れる際に、貸出スマートフォンで商品を登録する。
③買い物終了時、精算機に貸出スマートフォンで登録した商品情報を連携する。
④精算機にて買上金額を確認し、支払精算を行う。

セルフスキャン導入のメリットは、顧客のレジ待ち時間短縮だけでなく、人との接触機会を減らすことによるコロナ感染防止があげられます。

最近では貸出スマートフォンではなく、顧客自身のスマートフォンでセルフスキャンを行えるシステムも登場しています。貸出スマートフォンは他人も扱うことから、非接触にこだわる顧客へ配慮したしくみとなっています。


2.キャッシュレス推進の取り組み

顧客が現金を触ることを敬遠していること、従業員のコロナ感染防止や業務効率化にもつながることから、キャッシュレス決済に注目が集まっています。

キャッシュレス決済の手段としては、クレジットカード、デビッドカード、電子マネー、コード決済などがあります。2020年の日本の個人消費に占めるキャッシュレス決済の割合は、29.7%と過去最高を更新しました。

キャッシュレス決済の導入においては、不必要に従業員と顧客が接触を行わないよう、さまざまなコロナ感染防止対策が求められており、具体的な取り組みは下記のとおりです。

①QRコード読み取り時、バーコードリーダがスマートフォンに接触しないようにする。
②ICカード読み取り端末へのクレジットカードの挿入は、顧客自身で行ってもらう。
③PINパッドやセルフレジ画面、サイン入力で利用するペン等の定期的な消毒を行う。

このような細心の注意を払いながら、コロナ感染防止のためにキャッシュレス決済の利用を促進しています。前述のセルフスキャンと組み合わせることでコロナ感染防止の強化にもつながります。

(参考:一般財団法人キャッシュレス推進協議会HP)
キャッシュレスの利用、提供における新型コロナウイルス感染症対策に関する実践例


3.非対面の取り組み

店内における接客や販売促進活動について、従来は対面で直接顧客に接していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響から、非対面の取り組みが進められています。

(1)デジタルサイネージの活用

デジタルを活用した利便性の高いサービスや、より安全・安心で快適なショッピング環境が求められています。

デジタルサイネージは、平面ディスプレイなどを使って映像や文字を表示し、音声を発信する情報広告媒体です。機能性の高い商品や説明しないとわからない商品、産地にこだわった商品など、従業員が直接顧客に話しかけずとも画面上で伝えることができます。

タイムセール対象商品売場のデジタルサイネージでは、セール開始時刻に「〇〇商品の特売セールを開始します」との音声を発信することで、顧客への販売促進とともに従業員の作業効率向上にもつなげています。

(2)AIの活用

さらに、今後広がるのはAIを活用したデジタルサイネージです。

商品情報や料理レシピ、生活情報などを顧客層ごとの買い物時間帯にあわせて配信することで、より効果的な販売促進が可能となります。
また、AIカメラとの組み合わせにより、視聴人数、視聴時間、性別、年齢層を計測して、販売データと連携したマーケティング分析にも活用できます。


4.注文・受け取りの非接触化の取り組み

コロナ感染防止対策として3密回避が求められる中、非接触の買い物形態として、商品の受け渡し以外は人との接触がないサービスの利用が増加しています。

(1)ネットスーパー

巣ごもり需要や緊急事態宣言に伴う食品の備蓄需要が拡大したことから、冷凍食品、カップ麺・袋麺、パスタ、レトルト食品などのストック型商品の購入に利用されています。ネットスーパーでは、顧客がパソコンやスマートフォンで商品を注文すると、商品のピッキング、配送のための梱包、配送のデリバリーなどはすべて店舗が行うしくみとなっています。

(2)BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)

ネットスーパーと同様に、顧客がパソコンやスマートフォンで商品を注文した後、商品を店舗で受け取るBOPISと呼ばれるサービスも増加してきています。

店舗外に設置したロッカーを介して非接触で商品の受け取りができるサービスや、車に乗ったまま駐車場にて商品を受け取ることができるピックアップレーン方式、ドライブスルー方式のサービスがあります。

BOPISはコロナ感染防止だけでなく、顧客側は送料の負担がなくなり、自宅にて配送を待たずに都合のよい時に商品を受け取れる、事業者側は配送コストが削減できるなどのメリットがあります。


5.まとめ

食品スーパーにおけるウィズコロナの取り組みについて紹介しましたが、いかがでしょうか。

新型コロナウイルス感染防止のために工夫を凝らして取り組んできましたが、あわせて店舗での業務効率改善も踏まえたシステム化など、食品スーパーにおけるしくみもさらに進化し続けていくと考えられます。
さまざまな技術革新が進み、より便利で快適な買い物ができる場所へと変革を続ける食品スーパーに、今後も注目していきたいと考えています。

ぜひこの機会に、食品スーパーのしくみにも興味を持っていただけると幸いです。

おすすめ書式テンプレート

書式テンプレートをもっと見る

この記事に関連する最新記事

著者プロフィール

author_item{name}

吉川 和明

中小企業診断士

1965年生まれ,京都府京都市出身。
2021年中小企業診断士登録

大手電機メーカー系列のソフトウェア会社にて、流通業向けPOSシステム開発に長年携わり、現在は大手流通業向け法人営業を担当。得意分野は流通系ITシステム、業務改革、プロジェクトマネジメント、ファシリテーション。


お問い合わせ先
株式会社プロデューサー・ハウス
Web:http://producer-house.co.jp/
Mail:info@producer-house.co.jp

この筆者の他の記事(全て見る

テーマ/キーワードから記事を探す

業務・書式種別から記事を探す

フリーワードで探す

bizoceanジャーナルトップページ