フレームワークの目的
SWOT分析やAIDMAなど、マーケティングに関するフレームワークはたくさん存在します。書店にもフレームワークの書き方・考え方について書かれた書籍が数多くありますが、そもそもフレームワークをする目的とは何でしょうか?
まず最初にお話しいたしますが、フレームワークはあくまでも「道具」です。フレームワークをすることで、思考の整理、意思共有、意思決定のスピードアップが実現できる道具です。既に開発され存在している道具を使って、仕事の効率を上げることが目的です。フレームワークをすることが目的ではありませんので、ご注意ください。
フレームワークのメリット①
例えば複数の参加者で構成される会議をイメージしてみてください。「新商品開発」というテーマで議論をしている、としましょう。ある参加者は自社の持つ経営資源による強みを発言し、またある方は市場における新商品の可能性を発言し、と様々な意見が出ますが、そこから1つの結論を生み出すことは非常に時間のかかるまとめ作業が必要です。その時に「SWOT分析」というフレームワークを用いて、自社(内部環境)の強み・弱みと市場(外部環境)の機会・脅威を整理することで、新商品の方向性を絞り込むとともに、共通のフォーマットで可視化できるため参加者の共通認識を得ることができます。このように、フレームワークを用いることで意思共有を容易にし、会議の効率化が可能になります。
フレームワークのメリット②
あなたは現在会社員ですが、そろそろ起業へ向け具体的に準備を始めたいと考えている、とします。起業に関する書籍を読んだり、起業セミナーに参加したりしたいのですが、仕事が忙しくなかなか時間が作れません。そのような時に「ロジックツリー」というフレームワークを用いて、起業準備のための時間を捻出できるかどうか検討することができます。
まず先頭に「時間捻出のために様々な活動を減らせるか?」と記入し、①「個々の活動を短縮できるか」と②「活動を完全になくすことができるか」に分解します。次に①を「活動頻度を減らせるか」と「1回当たりの所要時間を減らせるか」に分解します。このように、分解を繰り返してご自身の思考を整理することができるのもフレームワークのメリットです。
フレームワークのメリット③
あなたはプロジェクトの責任者です。緻密な計画を準備し、実行を徹底しましたが、うまくいかないケースに遭遇しました。その時に、そこから学び、次につなげるプロセスを定型化したフレームワークがPDCAです。
PDCAはPlan(計画)→Do(実行)→Check(検証・評価)→Action(改善)の頭文字で、このプロセスを回し続けることで失敗から学ぶとともに、成功からもより良くするためのヒントが見つかります。
PDCAはすべてのプロセスを確実に実施することが鍵となります。このサイクルをどれだけ早く、どれだけの回数を回せるかである期間における成果が決まる、とも言われています。このように、プロジェクト全体の成果を高めることができるのもフレームワークのメリットです。
次回からはマーケティングにおいてよく使われるフレームワークについて、その作成方法を具体的に紹介していきます。