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残業代単価の計算方法とは? 必要な知識や勤務形態別の考え方を解説

監修者:マネーライフワークス 代表/社会保険労務士・1級FP技能士・CFP  岡崎 壮史

残業代単価の計算方法とは? 必要な知識や勤務形態別の考え方を解説

残業代単価は勤務形態や残業の種類によって異なりますので、残業代を計算するときの計算処理は、注意しながら適切に行わなければなりません。

この記事では、給与計算に携わる社員に向けて、残業代単価の概要や計算例をわかりやすく解説します。

また、この記事の後半部分では、勤務形態別に残業代単価の考え方をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。


残業代単価の計算方法

残業代単価とは、従業員が定められた所定労働時間を超えて働いた際に支払われる金額です。

月給制の場合の1時間あたりの賃金額は「(月給額 - 諸手当) ÷ 月平均所定労働時間」で計算し、 残業代は「1時間あたりの賃金額 × 割増率」の式を使います。

法定外残業と法定内残業の計算式も見ていきましょう。

法定外残業

法定外残業とは、労働基準法によって設定された労働時間(1日8時間、1週間40時間)の上限を超えて行う労働で、法定外残業した場合、基本的には25%以上の追加賃金が必要です。

計算式は「1時間あたりの賃金 × 1.25(25%の割増)× 法定外残業した時間」です。

また、月60時間を超える法定時間外労働に対しては、割増賃金のレートが50%以上になります。

法定内残業

法定内残業は法定労働時間(労働基準法に定められた時間)内で、所定労働時間(会社が定めた時間)を超えて行われる労働です。

具体的な割増賃金(残業代)の計算は、各企業の規定による部分が大きいですが、「1時間あたりの賃金額×割増率」の式が基本形です。

労働基準法において、法定内残業に対する割増賃金の支払いは必須ではありません。


残業代単価の計算例

残業代単価の計算例を紹介します。

計算例1.

ある労働者の労働状況を次の通りとします。

  • 月給:27万円
  • 平均勤務日数:20日
  • 平均実労働時間:180時間

残業代を求めるには、1時間あたりの給与(時間給)に割増率を乗じ、その額に対して法定外労働の時間数を乗じます。

つまり、この場合の残業代の単価は「270,000円 / 180時間 = 1,500円」です。

次に、法定外労働の時間数を算出します。法定外残業の時間数は「実労働時間 - 法定労働時間」ですので「180時間 - 160時間=20時間」となります。

そして、残業代を求めるには、法定外残業に対する割増率(25%)を掛けて「1,500円 1.25 = 1,875円」となります。

計算例2.

ある労働者の労働状況を次の通りとします。

  • 月給:27万円
  • 平均勤務日数:20日のうち休日出勤が3日
  • 平均実労働時間:180時間(休日出勤日は含まない)

休日出勤があった場合でも基本的な計算の流れは同じです。ただし、休日出勤の場合は割増率が25%ではなく、35%になります。

  • 1時間当たりの残業代の単価が:「270,000円 / 180時間 = 1,500円」
  • 法定外残業の残業代の単価:「1,500円 × 1.25 = 1,875円」
  • 休日出勤の残業代の単価:「1,500円 × 1.35 = 2,025円」

なお、休日出勤日に法定外残業が発生した場合は35%ではなく「60%(35% + 25%)」で残業代の単価を計算します。


【勤務形態別】残業代単価の考え方

残業代単価の考え方を勤務形態別に紹介します。

裁量労働制

裁量労働制では、労働者が自己の判断で業務を進め、働く時間を自由に決定できます。

ただし、賃金はあらかじめ定められた「みなし労働時間」に基づいて計算されます。みなし労働時間とは、働いていなくても働いたとみなされる時間のことです。

したがって、みなし労働時間を超えて働いたとしても、基本的には残業代は発生しません。

固定残業制度

固定残業制度は毎月の給与に一定時間分の残業代が含まれており、基本給と残業代が一体化した給与形態です。あらかじめ固定された時間を超える残業に対しては、追加の残業代が支払われます。

しかし、残業時間が固定時間を超えなければ残業代は支払われず、給与の変動はありません。

フレックスタイム制

フレックスタイム制は、一日の労働時間に基づく時間外労働の判断は行わず、清算期間(通常は1ヵ月)の総労働時間を基準に、実労働時間との過不足を賃金に反映させます。

清算期間内に規定の労働時間を超えた場合には、その時間分の残業代が支払われます。

変形労働時間制

変形労働時間制は、業務の忙しい時期や空いている時期によって、労働時間をフレキシブルに配分する制度です。変形労働時間制では、設定した所定労働時間数を超えない限り、残業代を支払う必要はありません。

しかし、変形労働時間制であっても法定労働時間を超える労働は、従業員に対して割増賃金を支払う必要があります。

管理職

管理職の地位にある者であっても、その立場から自動的に残業代が不要とは限りません。 実際、労働基準法上では特定の役割や権限を持つ者に限り、管理職とみなされる場合があるためです。

したがって、管理職の残業代はその企業の賃金規定や、労働基準法に準じて計算され、企業の特性や状況に応じて、管理職手当の設定も考慮されることがあるでしょう。

日給制

日給制の労働者の残業代は契約に基づき、所定の労働時間を超えた時間に対して支払われます。 日給制の残業代の計算は、日給の単価と労働時間、および残業時間の規定に基づいて計算されます。

具体的な計算式や規定は企業ごとに異なりますが、基本的な考え方は労働基準法に基づきます。


残業代単価についてのまとめ

残業代単価は勤務形態や残業の種類によって違いがありますので、その違いを理解したうえで残業代を計算しなければなりません。

給与計算が業務内容の社員は、この記事を参考にしながら、残業代を正しく計算しましょう。


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監修者プロフィール

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岡崎 壮史

マネーライフワークス 代表/社会保険労務士・1級FP技能士・CFP

生命保険の営業や不動産会社の営業企画を経て、1級FP技能士とCFPを取得。

平成28年に社会保険労務士試験に合格。その翌年にマネーライフワークスを設立。

現在は、助成金申請代行や助成金の活用コンサルを中心に、行政機関の働き方改革推進事業のサポート事業や保険などの金融商品を活用した資産運用についてのサイトへの記事の執筆や監修なども行っている。

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