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もう迷わない! 領収書の書き方、作り方について解説します

もう迷わない! 領収書の書き方、作り方について解説します

普段見慣れている領収書。しかし、その書き方のルールや基礎知識についてはあいまいな部分が多く、「どうだったっけ?」と思うこともあるかもしれません。

この記事では、領収書を作成する際のコツや取り扱いに関する基礎知識などについて分かりやすく紹介します。


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そもそも領収書とは

領収書とは、特定の商品やサービスに対し、代金を支払う側が支払いを済ませたことを証明する書類です。万が一、支払いがまだ済んでいないと言われても、領収書を示すことで支払い済みである証明ができます。

領収書と同時に「領収証」という言葉が使われることもありますが、特に違いはなく、民法上はいずれも「受取証書」と位置付けられています。

また、レシートも領収書として扱われる場合があります。大抵のレシートに記載されている購入日、発行元(お店の名前)、金額、商品名があれば、領収書として代用できます。

英語だと、領収書もレシートも「receipt」と書きます。よって海外では、いずれも同じ意味なのです。

レシートと領収書の記載内容における一番の違いは「宛名」があるかどうかです。後述しますが、宛名無しでも領収書として認められる業種があるため、多くの場合はレシートにも領収書の効力があるといえます。


領収書作成時のコツについて

次に、領収書作成で押さえておきたいポイントを紹介します。

手書きの領収書が欲しいという要望があっても焦らずに済むように、最低限の知識は知っておくといいでしょう。

タイトルおよび日付

領収書には、文書名(タイトル)と日付を入れます。タイトルは紙の上部に「領収書」と中央寄せで記載されるのが一般的です。見やすくなるように、必要に応じて文字サイズなどを変更しましょう。

日付は、支払いが行われた日を記載します。銀行振り込みの場合、入金があった日が該当します。

領収書の日付は、企業や個人事業主で税務上の処理がなされるので、曖昧な表現は厳禁です。

年は西暦でも和暦でも使用可能ですが、年月日のいずれも欠けてはいけません。以下は日付の記入例です。

  • 令和4年3月1日
  • 2022年3月1日
  • 2022/3/1

なお、改元後の初めての年は「1年」ではなく「元年」と書いてください。

宛名

宛名には、代金を支払った人の氏名または企業の正式名称を記載します。頼まれて「上様」と記入する慣習がありますが、レシートも領収書として認められることからも分かるように、多くの場合、「上様」でも問題はありません。

しかし、領収書に「上様」とあった場合、税務調査などで客観的に見ると誰が支払いをしたのか判別しづらく、曖昧に映ります。したがって、できる限り正式名称で記入するほうよいでしょう。

「株式会社」を会社名の前につけるか後につけるかということも、会社によって異なるので注意が必要です。

また「(株)」という省略した書き方ではなく、「株式会社」と書くようにしてください。電話などで相手先の名称が聞き取りづらい場合は、紙にメモしておき、会社名を調べてから記入するというやり方もできます。

国税庁が公表している「仕入税額控除のために保存する帳簿及び請求書等の記載事項」では、仕入れ控除の要件となる請求書などへの記載事項を以下のように示しています。

  • 書類の作成者の氏名または名称(発行者)
  • 課税資産の譲渡等を行った年月日(日付)
  • 課税資産の譲渡等に係る資産または役務の内容(ただし書き)
  • 税率の異なるごとに区分して合計した課税資産の譲渡等の対価の額(金額)
  • 書類の交付を受ける当該事業者の氏名または名称(宛名)

引用元:国税庁:No.6497 仕入税額控除のために保存する帳簿及び請求書等の記載事項

よって、基本的には「宛名」が必要です。

ただし、例外として宛名の記載がなくても領収書として認められる業種があり、以下が該当します。

  • 駐車場業
  • 旅行業
  • 小売業
  • 飲食店業
  • 旅客運送業

これらを考慮すると、会社の経理処理において、コンビニにおける些細な買い物や車の駐車料金、先方との会食などのレシートは領収書になり得ます。

ただし、会社規定でレシート不可となっているところもあるので注意してください。

ただし書き

ただし書きでは、何に支払ったお金なのかを記入します。「~~代として」という書き方が一般的です。

具体例としては、下記の内容が挙げられます。

  • 書籍代として
  • 飲食代として
  • 手土産代として
  • セミナー参加費として
  • 消耗品代として
  • 交通費として

ただし書きを記載する際の注意点については、後述します。

金額(内訳・消費税)

金額の記載は、以下のルールを守ってください。

  • 数字3桁ごとに「,(カンマ)」で区切る
  • 先頭に「¥」マークや「金」をつける
  • 金額の末尾に「※」「‐」「也」をつける

具体的には「¥73,200-」「¥73,200※」「金73,200円也」といった具合です。

このような記載ルールに従うのは、経費計上する際に改ざんされるのを防止するためです。

例えば、桁を一桁増やせば脱税行為にも利用できてしまいます。

収入印紙

領収書に記載されている金額が5万円以上のときは、売上金額に応じた収入印紙を貼り、割り印をします。収入印紙とは、印紙税を納税するためのもので領収書の発行者が負担します。

領収書一つひとつをチェックして納税するというやり方では、手間と労力がかかります。そこで、印紙を貼ることでその手間を省いているのです。割り印をするのは、印紙の再利用を防止するためです。

国税庁によると、売上金額に対する収入印紙の金額は以下のようになっています。

  • 5万円未満:非課税
  • 5万円以上100万円以下のもの:200円
  • 100万円を超え200万円以下のもの:400円
  • 200万円を超え300万円以下のもの:600円
  • 300万円を超え500万円以下のもの:1,000円
  • 500万円を超え1,000万円以下のもの:2,000円

参考元:国税庁:No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書

印紙税の課税対象は、消費税を除いた受領額に応じてかかります。例として受領額が52,800円(税込)であっても、売上としては48,000円(税抜)ですので、課税対象にはなりません。

しかし、領収書金額の記載方法には注意してください。先述の例が適用できるのは、内訳に消費税が記載されている場合です。つまり、消費税内訳の記載があるかないかによって印紙の要否が変わります。

先ほどの例においては「税抜価格:48,000円/消費税:4,800円」というように、消費税の記載があれば、非課税となります。

もし、消費税を記載せず、受領額が52,800円のみであれば、200円の印紙が必要な可能性があるということです。手書きの領収書の場合、内訳を書き忘れる、省略するということがたびたびあります。

しかし、このことを考慮すると、作成時には内訳を記載する決まりにしておくほうが無難です。

また、クレジットカード払いでは、レシートや領収書を作成した場合も、金額の多寡に寄らず印紙貼付は必要ありません。

ただし、手書きの領収書などでクレジットカード払いと認識できる記載がない場合には、印紙が必要です。なぜなら、現金払いの領収書との違いが判別できず、印紙税法における領収書に相当するからです。

発行者

サービスや商品提供者の企業名または店舗名、および住所、連絡先を記載します。手書きでなくても、ゴム印などを使っても問題ありません。


領収書のただし書きで気を付けたいこと

ここでは、先述した「ただし書き」を書く際の注意点について紹介します。

「お品代」と書くなどのやりがちな間違いについて知っておくと、領収書の作成に戸惑うことがありません。

具体的な品目名などを記載する

ただし書きでは、品名や使用用途などを明確に記載するほうが好ましいです。よくあるのが「お品代」と書くパターンで、これでは不十分です。

なぜなら「お品代」では、どのようなものを購入したかが判別できないからです。経理などで経費計上する際、どこに計上すべきか判断できず、使途不明金に分類されてしまいます。

税務調査の際に使途不明金の額が多いと、不信感を抱かれる要因になります。

品目や使用用途が複数ある場合は、代表的なものを書く

品目や使用用途がいくつかある場合は、代表的なものを書き、残りは「ほか〇点」という形で記載します。領収書の記入欄はそもそもスペースが広くなく、書ききれないという場合は、このような書き方を推奨します。

領収書と一緒にレシートを保管しておけば、あとから何を購入したかということも確認できます。

事実と異なる内容を記入しない

当然ですが、ただし書きには必ず事実を記載してください。領収書に事実と違う内容を記載すると、「私文書偽造罪」になることもあります。

受け取ったのちに、ただし書きの記載がないことに気付いて、後から自分で書き足すことも同様の罪になる可能性があるので、注意が必要です。

ただし書きを記載する際は、支払い者にどのように書くか尋ねるのもいいでしょう。「お品代」と言われても、品目を店舗から提示して了承を得れば、具体的に記載できます。

何にお金を使ったかを分かるように書くことで、後々のトラブルを防げます。


あわせて知っておきたい、領収書の基礎知識

ここからは、知っておきたい領収書に関する基礎知識を紹介します。

領収書についての理解が深まれば、作成する際にも困らずに済むでしょう。

領収書は手書きでなくてもよい

領収書の形式は、指定されているわけではなく、手書きである必要もありません。レシートも領収書になるように最低限の項目である商品名、店名、日付、金額が書かれていれば領収書になり得ます。

ただし、企業によっては、社内の規定で経費精算にレシートを容認しないとしているところもあります。その場合、手書きでの領収書作成が求められるため、いつでも作成できる心づもりをしておきましょう。

また、領収書には収入印紙の割り印とは別に、お店や担当者の印鑑が押印されているケースが一般的です。

実は印鑑無しでも、領収書としては有効です(印紙の割り印は必須)。しかし、受け取る側から見た場合、あったほうが好印象ですし、改ざん防止にもなるため、押印したほうが無難でしょう。

領収書には発行義務がある

領収書は常に発行するものではありませんが、支払い者の要望があれば、発行しなければなりません。民法第486条には、次のような記載があります。

「弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。」

引用元:e-Gov法令検索:民法(明治二十九年法律第八十九号)

弁済とは普段あまり使わない言葉ですが、売買契約でも当てはまります。支払い者は「代金の支払い」、店舗やサービス提供者は「物品の引き渡し」という債務が生じるからです。

売買も弁済の一形式であり、店舗は要求があれば領収書の発行義務が生じます。

領収書は、一定期間保管しなければならない

領収書は税務上の「帳簿書類」に該当するため、一定期間保管する義務があります。期間は法人か個人事業主によっても異なり、法人は7年間、個人事業主は青色申告の場合が7年間(一昨年の所得が300万円以下なら5年間)、白色申告は5年間とされています。

注意したいのは、領収書の発行日から数えるわけではないという点です。確定申告の期限日からの起算となります。

例えば、2020年7月の領収書を2021年の3月に申告すれば、2028年までが保管期間となります。

領収書は、原則として再発行不可

領収書の発行は、お金のやり取りをするときに1回だけが原則です。なぜなら、容易に再発行が可能だと、複数発行し、架空計上に利用できるからです。

ただ、特別な事情がある場合は、再発行できることもあります。その際は、二重発行とならないように気を付けましょう。税務調査で二重発行と判断されると、法人税などが加算されてしまいます。

相手先から依頼されて再発行する場合の注意点は、以下になります。

  • 再発行の理由や日付を記録しておく
  • 領収書に「再発行」と明記する
  • 以前の領収書があれば返却してもらう

理由や日付の記録を取るのは、後ほど問われても説明できるようにするためです。また、不正使用を防ぐために「再発行」と記載をします。

普段よく目にしている領収書ですが、正確に把握していない部分も多いことでしょう。今回紹介した内容を参考に、改めて領収書の取り扱いについて不備がないか、振り返ってみてください。

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