請求書の書き方と押さえておくべきポイントを解説!【テンプレート付き】
請求書は、顧客へ金銭などの支払いを請求するときに発行する文書のことです。
特定の受取人(顧客)に対して「いつまでにいくら支払ってください」という意思表示をするための文書で、信書として扱われます。
お金に関わることなので、期日までに忘れずに発行し、記載内容を間違えないことが大切です。
本記事では、代表的な請求書の書き方・印刷サイズ・送付方法など、おさえておくべきポイントを解説します。
- 1.請求書の基礎知識
- 2.請求書に必要な項目と書き方
- 3.請求書の封筒の書き方と発送方法
- 4.請求書のテンプレート見本
- 5.請求書をシステムで管理するメリット
- 6.まとめ
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1.請求書の基礎知識
請求書とは、顧客に金銭などの支払いを要求する文書のことです。
顧客(法人なの取引先)にとっては、債務が発生した日付や金額、内容などを確認し、支払処理を行うために必要な文書です。
請求書を発行する目的
代金の支払いが必要であることを明確にするために、文書として形に残る請求書を顧客・取引先に対して発行することは重要です。
また、万が一トラブルが発生した際には、請求書を証拠として利用できる場合があります。
領収書との違い
領収書は、代金の受け取りが行われた際に受取人が発行する書類です。
支払いを証明するための証拠となり、再発行を要求された場合、受取人は拒否することができます。
どんな時に請求書を発行する?
納品のタイミングで請求書を発行する場合の都度方式と、納品が定期的に行われる場合などにまとめて請求を行う場合の掛売り方式があります。
請求書の発行は、法的に定められておらず任意となっていますが、特に企業間の取引においては多くの場合で発行されます。
2.請求書に必要な項目と書き方
ここからは、請求書作成に記載する項目と書き方について1つずつ紹介します。
新規に取引を開始するときには、契約書に支払期日などを記載する場合もありますが、契約書を交わさない場合でも、支払い条件は事前に確認しておくとよいでしょう。
通し 番号 |
項目 | 書き方 |
---|---|---|
① | タイトル | 請求書であることがわかるように記載します |
② | 宛先 | 請求先の事業者の名称(会社名など)、部署名、担当者名を住所と共に記載します。法人名や部署名の場合は「御中」、担当者など個人名の 場合は「様」にします |
③ | 請求書番号 | 番号は任意ですが、付けておくと問合せなどにもスムーズに対応でき、管理がしやくすくなります つけ方の例:「通し番号」、「請求年月+通し番号」など |
④ | 請求日 | 請求書を作成した日ではなく、請求先の締め日に合わせます 事前に取引先へ確認しておきましょう |
⑤ | 支払期日 | 支払い期限を記載します 請求日の翌月末のところが多いですが、契約書などがある場合はそれに従います |
⑥ | 請求元 | 自社の住所、会社名、代表者名を記載し、代表印(角印)を押印します |
⑦ | 請求金額 | 請求する合計金額を税込みで記載します。 |
⑧ | 明細 | 商品などであれば納入日、納品書番号、数量、単価、金額など サービスなどであれば稼働日、稼働時間、単価、金額などを、取引年月日と共に記載します ※単価は税抜き金額を記載するのが一般的です |
⑨ | 消費税 | 円未満の四捨五入、切上げ、切捨ては自由ですが、全ての請求先に対して毎月同じ取扱いが必要です |
⑩ | 振込先 | 振込先口座(金融機関)の情報を記載します |
⑤ | 備考 | 定型では「振込手数料を負担していただきたい」旨を記載します その他、経理的な連絡事項がある場合などに使います |
一から請求書を作成するのは大変だと思いますので、テンプレートを利用すると簡単に作成できます。
上記サンプルの請求書テンプレートは、こちらから無料でダウンロードできます。
消費税増税に伴う複数税率の記述方法
2019年10月1日からの消費税率の8%から10%への引上げと同時に、飲食料品(酒類・外食を除く)と特定の新聞を対象に、消費税の軽減税率制度が実施されました。
適格請求書等保存(インボイス)方式とは
複数税率に対応した仕入税額控除の方式として、2023年10月1日からインボイス制度が実施されました。
適格請求書とは、売り手が買い手に対して正確な提要税率や消費税学頭を伝えるための手段で、適用税率や税額など法定されている記載事項が記載された書類です。
「適格請求書」に必要な項目
- ①適格請求書発行事業者の氏名または名称及び登録番号
- ②取引年月日
- ③取引内容(軽減税率の対象品目である場合はその旨)
- ④税率ごとに合計した対価の額(税抜きまたは税込み)及び適用税率
- ⑤消費税学頭(端数処理は一請求書当たり、税率ごとに1回ずつ)
- ⑥書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
個人事業主(フリーランス)の請求書/気を付けておきたいこと
個人事業主は、法人と取引する場合、報酬や区分によって源泉徴収額を差し引きして振り込まれる場合があります。
源泉徴収の対象となる報酬や料金区分がありますので、気を付けましょう。
また取引先によっては、個人事業主に対して源泉徴収額を差し引きするかどうか異なります。事前に取引先に確認をするようにしましょう。
請求書はどの大きさに印刷すればよい?手書きでもいいの?
請求書は、所得税法や法人税法で、一定期間保存しておくことが義務付けられています。
取引先が保管することを考慮して、A4サイズで印刷するのが一般的です。
また、手書きでも問題はありません。
請求書に印鑑を捺印する
請求書への捺印は法律で定められた義務ではありませんが、請求書の信用度を上げるためやトラブルを避けるため、印鑑による捺印が行われています。
請求書用の印鑑については、法人設設立時や口座開設時に登録されたものは使用できないため、社名を印字した印鑑である角印を使用するのが一般的です。
請求書に記載する年号は「令和」元年?1年?
「令和1年」の表記も間違いではありません。
しかし、官庁が発行する書類において年号の初年度は「令和元年」と表記されるため、請求書もそれに倣って「令和元年」と表記するのが一般的です。
3.請求書の封筒の書き方と発送方法
請求書は封筒に「請求書在中」と記載して、相手先が法人であれば、宛名を経理部御中などとし、支払い担当を行う部署名とするとよいでしょう。
それにより、請求書が支払担当にスムーズに渡り、支払遅延なども少なくなるでしょう。
発送方法についてですが、通常は、普通郵便で発送します。急ぐ場合には、速達やレターパックを利用するとよいでしょう。
また、請求書は「信書」に該当するため、宅配便やメール便サービスでは送ってはいけないことになっているので注意しましょう。
最近では電子メールに請求書を添付するケースも増えています。その場合には、請求書の内容を変更できないようPDFにして送るようにしましょう。
詳しい封筒の書き方はこちらをご覧ください。
請求書の封筒の表面・裏面には何を書く?
封筒の表面には宛先住所と会社名を書き、「請求書在中」の文面を添えるのが一般的です。
必要な場合は会社名の後に部署、担当者名も記入します。
裏面には送り主住所と会社名、氏名、送付日を記入し、裏面の封の箇所に封じ目(「〆」「封」「緘」などの印)を入れます。
請求書の送付状はどうすればいい?
請求書を送付する際のビジネスマナーとして、送付状を同封する場合があります。
主に請求書の内容や枚数などを伝えるために使用され、法律上の義務等はなく形式に決まりはありません。
送付状に記入される内容は一般的に宛先、送付日、送り主の社名や連絡先、挨拶文、請求書の内容と送付部数です。
4.請求書のテンプレート見本
請求書の書式に法的な必要事項は決められていないため、用途や業種に応じて様々な書式の請求書が使用されています。
bizoceanでは、様々な書式・ファイル形式の請求書テンプレート見本を検索し、ダウンロードすることができます。
シンプルな請求書
発行日、宛先、請求金額、内訳、振込先情報を含むシンプルな請求書です。
軽減税率・インボイス制度対応
Excel形式
Word形式
特殊な請求書
英語の請求書
英文で作成されたエクセル形式の請求書です。
自動計算付きの請求書
金額の合計を自動計算するエクセル形式の請求書です。
業種ごとの請求書
サービス業用の請求書
商品番号・品名・単位などの項目がある請求書です。
英語のサービス業用の請求書
英文で作成されたエクセル形式の請求書です。
最近はシステムを使って請求書を管理する会社が増えてきています。
ファイルで請求書を管理する場合と比べて、下記のようなメリットがあります。
5.請求書をシステムで管理するメリット
ここでは、請求書をシステムで管理するメリットを3つ紹介します。
- 社内で書式ルールが統一できる
- 一覧で見ることができる・検索・集計ができる
- 販売管理システム・財務会計システムに連動できる
それぞれ詳しく解説します。
社内で書式ルールが統一できる
管理システムを利用することで、部署に関係なく同一書式の請求書を発行できます。
これにより、全社的な請求書管理が行いやすくなるほか、引き継ぎのコストを抑えることができるでしょう。
一覧で見ることができる・検索・集計ができる
入力された請求書を全て一括管理しているため、プロジェクトや得意先などで絞り込んで検索や集計を行うことができ、見つけたい資料をすぐに見つけることができます。
販売管理システム・財務会計システムに連動できる
請求書管理以外にも販売管理・財務会計の機能を持っているため、プロジェクトごとの売上げ・仕入れ・経費・社内工数などを紐づけて管理することができます。
プロジェクト別の収益を、一目でスピーディーに把握できるのがメリットです。
監修元:「販売管理ソフトの「SmileWorks」」
6.まとめ
事業には必ず必要になってくる請求書ですが、意外と形がきっちり決まっているものではありません。
請求書テンプレートの形や、ご自身の事業内容にあわせて、最適なものを見つけるとよいでしょう。