エクセルを使った買掛金管理表の作成方法
買掛金とは、いわゆるツケで在庫仕入や原料仕入を行った金額のこと。買掛金は、原材料や商品をツケで仕入れた場合に生じます。
ベテラン経営者のなかには「買掛金は信用の証し」などという人もいますが、現実は借金と同じです。それだけに、支払い予定金額と支払金額や期日は正確に把握しておく必要があります。
補助簿の1つである買掛管理表を作って、間違いのない支払いに心がけるようにしましょう。
買掛金（かいかけきん）とは
買掛金を厳密に定義すると、掛け取引によって商品を仕入（購入）した場合に発生する金額（債務）のことです。 経理上、このような債務は仕入債務と言われます。また、その債務について手形が存在する場合には支払手形、そうでない場合には買掛金として区別されます。 ちなみに、会計上、仕入債務は未払金の一種に区分されます。
買掛帳（買掛金管理表）を作る理由
ツケでものを買ったり仕入れたりする行為は、厳密に考えると事業のために借金を作るようなものです。しかし、ほとんどの企業がそうであるように、内部留保金にも限度があるし、運転資金の新たな調達もままならないというのが実情でしょう。掛買い（ツケ）で仕入をし、売上金の中から支払うようにしないと企業として大きな成長は望めません。しかし、何度も言いますが、買掛金は借金です。だからこそ厳重に管理する必要があるのです。そこで注目したいのが買掛金管理表です。この表を作成して支払い忘れなどの事故が起こらないようにしましょう。
管理したい項目
常時使うことになる買掛金管理表は、経理上の分類とは違い、補助簿の中でも備忘録的な扱いを受けるものです。ちなみに、この管理表は毎月集計したものを四半期や年間でまとめるのが通常です。では、管理すべき項目にはどんなものがあるでしょう。ひとつずつ列記していきましょう。
| 日付 | 仕入が発生した日時を書き込みます。実際の納品日とは違う場合もあるので注意が必要です。 |
| 伝票番号 | 実際の納品書や請求書と付き合わせるためにも、通し番号を作っておきましょう。特に会計ソフトなどを使用している場合は必要です。後々の整理のことまで考慮に入れて、できるだけ統一した形式で管理するようにしましょう。 |
| 仕入先 | どこから仕入れたかは当然ながら必要です。先方の担当者名なども記載しておくといいでしょう。 |
| 取引先 | |
| 勘定科目 | 科目を明確にしておくと決算時に迅速な処理ができます。ただし、正確に判らない時などは空欄にしておき、会計士に任せたほうがいい間違いないでしょう。 |
| 補助科目 | |
| 摘要 | 以前に納入されたものの追加とか欠品補充など、取引のなかで大切な事項を抜書きしておきます。ちなみに「適用」とは意味が違いますのでご注意を。 |
| 税区分 | 忘れがちですが、消費税の課税、非課税の区分を明記しておきます。 |
| 支払金額 | 毎月のように継続している取引の場合、当月支払いもあれば、当月仕入もあります。すべてを明記して取引先（仕入先）とのお金のやり取りを明確にしておきます。 |
| 仕入金額 | |
| 残高 | |
| 消費税 | お忘れなく。税区分で明記した分類に従って記載します。 |
| 繰越残高 | それぞれの取引先に対してトータルで買掛金がいくら残っているのかも明記しておきます。 |
買掛金管理表（＝買掛帳）の作り方
使い勝手のいい買掛金管理表を作るには『bizocean（ビズオーシャン）』に用意されているようなエクセル・テンプレートをダウンロードして、実情に合わせて項目を追加していくのがもっともスピーディで確実です。あらかじめ計算式も組み込まれているので、支払先や金額などの基本情報を打ち込めば自動的に集計されます。当月だけでなく年間で管理することが必要な補助簿のため、どちらのタイプもひとつのファイルに当月分のシートが12枚入っています。導入期にそれぞれに必要な項目を追加しておくと以後の事務作業に混乱が出にくいでしょう。
金額だけでなく「支払期日」もしっかり管理しよう
『bizocean（ビズオーシャン）』には広範囲な業種で利用できる一般的な買掛金管理表以外に、大規模な請負業務になる建設業などで活用できる「買掛金支払予定表（建設業用）」もエクセル・テンプレートで用意されています。分割支払いが発生する業種の場合はこちらのほうが使い易いでしょう。「材料仕入」「「外注費」「大工」「請求額」「調整額」「当月仕入額」「当月支払額」「当座」「小切手」など分割支払いに混乱が起きないような構成になっているため、分割支払が当然の業種にとっては使い勝手もいいでしょう。もちろんこのタイプも、実情に合わせた項目の追加で、より効果的に使える管理表に仕上げることが可能です。
≫買掛金支払予定表（建設業用）
慎重な対応が信用度を上げる
買掛金管理表のような補助簿の作成を充実させておくことは、事務作業を効率的にするばかりでなく、経理のスピードアップや確実性向上にも効果があります。そのような細かな仕事の集積が、結果的に会社の信用度を高めることにつながるのです。おろそかにせず、こまめな作成に努めてください。