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第4回 所得控除

著者:村上健税理士事務所 税理士  村上 心理


扶養控除の改正に要注意

最終回の今回は、所得控除についてご説明します。
平成23年分の申告から扶養控除が改正になりました。今年は寄附金控除のご相談も急増しており、例年以上に所得控除にスポットが当たっています。
所得控除は、所得(利益)から一定の金額を控除し、納税額を減らす効果があるものですので、漏れのないよう控除しましょう。また、所得控除の適用を受けるためには、領収書や証明書の添付が必要なものもあります。これらの証明書類を紛失しないよう、お気をつけ下さい。

平成23年分から扶養控除が改正されました

一般の扶養親族のうち、16歳未満(平成8年1月2日以後生まれ)の人に対する扶養控除(従来は38万円)が廃止されました。これにより、課税所得400万円の方の場合で、114,000円(所得税+住民税)の増税となります。
また、特定扶養親族のうち、16歳以上19歳未満(平成5年1月2日~平成8年1月1日生まれ)の人に対する扶養控除については、上乗せ部分(25万円)が廃止され、扶養控除の額が38万円となりました。これによる増税額は、課税所得400万円の方で、75,000円(所得税+住民税)です。
この改正は多くの方に影響があります。該当する方は、うっかり前年と同じ扶養控除で申告することのないようご注意ください。

医療費控除

医療費控除で間違いやすいポイントを整理してみましょう。
まず、控除の対象となるのは、自分と同一生計親族の医療費を支払った場合のみです。生計が別の親族の医療費は合算することができません。また、結婚等で年の中途に生計同一でなくなった場合は、その医療費を支出すべき事由が生じた時または現実に医療費を支払った時の現況において、生計同一親族か否かを判定することになります。
なお、医療費控除の対象となる金額は、「平成23年中に支払った医療費」から「保険金などで補填される金額」と「一定の金額(10万円または総所得金額等の5%)」を控除した金額です。受け取った保険金や高額療養費を控除し忘れないようにしましょう。

寄附金控除

平成23年分の確定申告ですでに多くの問い合わせをいただいているのが、震災義援金にかかる寄附金控除です。
震災義援金のうち、「国または地方公共団体に対して直接寄附した義援金」、「日本赤十字社や中央共同募金会の“東北関東大震災義援金”専用口座へ直接した義援金」、「新聞・放送等の報道機関に対して直接寄附した義援金等で最終的に国または地方公共団体に拠出されるもの」などは寄附金控除の対象となりますが、街頭やコンビニエンスストア等でした寄附については控除の対象となりません。
なお、寄附金控除の適用を受けるためには、領収書や募金団体発行の預り証など証明書類を添付または提示する必要があります。

おわりに

これまで全4回にわたり、確定申告のポイントについてご説明して参りました。
あまり詳しいご説明はできませんでしたが、この原稿が皆様方の適正申告の一助となれば幸いです。
本コラムをご覧いただき、誠にありがとうございました。

<完>

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著者プロフィール

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村上 心理

村上健税理士事務所 税理士

岡山県 担当顧問先の80%以上を創業・会社設立から支援してきた「起業サポートのプロ」。 顧客定着率も高く、平均年齢60歳の税理士業界において、33歳という若さで、同世代の経営者から「話が合う」と好評。

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