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第3回 個人事業者の収支の計算方法

著者:あんしん合同会計事務所 代表税理士  白池 玲子


個人事業者の帳簿の作成方法

経営と会計は、きってもきりはなせません。また、青色申告のメリットを受けるためには、ちゃんと帳簿をつけなければなりません。白色申告であっても、適当などんぶり勘定はとうてい認められず、根拠のある計算結果を出すためには、帳面をつける作業は避けてとおることができません。

今回は「何から手をつけていいかわからない」と作業をスタートできない方にも、道筋をつけていただけるお話をします。中でも、幹となる帳面である「現金出納帳」の作成について解説しましょう。


まずは領収証などの整理から(紛失しないようにこまめに整理!)

<青色申告のメリット>
まず、帳簿の作成の元になる資料の収集・整理をします。
ここで大切なのは、1.現金チーム(現金で支払った・入金があった分)と、2.預金チーム(預金通帳を通じて支払・入金のあった分)とを区別することです。

  1. 現金チーム・・・現金で支払った経費等の領収証 ・現金売上の領収控
  2. 預金チーム・・・預金から振込・引落しの経費の控・納品書・クレジットの利用控・預金に入った売上の売上帳(預金通帳が複数ある場合は、口座ごとにわけます)
  • 現金支出の領収証は、時系列に、ノート等に貼り付るのが理想です。(支出の種類でわける必要はありません。)
  • 預金から引落の請求書等は、自分のわかりやすい方法で、ファイルしてください。

必須の帳面。現金出納帳と、預金出納帳

企業活動は、すべてお金の動きを通して行われます。よって帳簿も、お金の動きに応じて作成することになります

  1. 現金出納帳には、現金分の領収証を全て記録
  2. 預金出納帳には、通帳に印字されているすべてについて記録

これで収支の計算は、9割方完成している事になります!
☆事業で使用している口座すべてについて記録し、帳簿の残高と、預金通帳の残高を合わせることが必要です。

~預金口座の中に、プライベートな支出が入っていたら?~
事業専用の銀行口座を作成することが望ましいですが、開業当初はそうもいかないもの・・・私用の支出は、「仮払金」(この書式の場合)又は「事業主貸」(会計ソフトの場合)としておきます。


現金出納帳の作成のコツと勘定科目

  1. 書式の現金出納帳の利用のコツ
    (1) 日付を入れたら、勘定科目を選択できるようになっています。該当する勘定科目を選択して、金額を入れます(入金と出金の区別に注意)
    (2) 勘定科目ごとにソートをかけると、集計がしやすくなります。
  2. 現金出納帳作成時の注意点
    銀行口座から引出して払った支出はどうすればよいか? 
    (1) 1万円引出して、9千円の旅費交通費を支払ったときは、
    現金出納帳 → 1万円入金  9千円出金 旅費交通費 と記録
    預金出納帳 → 1万円出金 と記録
    ☆両方の出納に 旅費交通費を記録すると、2重に経費が上がってしまうので注意が必要

売上の計上時期に注意!(確定申告時は未入金の売上もあげる)

会計や税金の世界では、売上は入金があったときではなく、商品やサービスを提供した時点であげることになっています。従って原則的には、日々納品の日ベースで売上を集計することになります。

但し、小規模事業の場合は事務負担を減らすため、通常は入金時に売上と記録し、確定申告時のように1年間の儲けを計算する際だけ、未入金の売上高を加える方法でも問題ありません。よって、12月までの入金ベースの売上が集計できたら、そこに12月中にお客様に納品済みかつ入金が1月以降の売上高を加え、売上の合計額とします。

その加えた売上高は「売掛金」という、事業の財産となります。(翌年は、前年に加えた分を売上から差引きます)

<第4回 個人事業主の必要経費>


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著者プロフィール

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白池 玲子

あんしん合同会計事務所 代表税理士

「中小企業の経営者や起業家の方のお役にたちたい」という一心で、税理士になりました。「税理士はサービス業」をモットーに、わかりやすい説明で、社長さんや、起業家の方に、とことん納得して頂くことを心がけています!

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