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収支報告書とは? 基本的な書き方を記載例と合わせて紹介

収支報告書とは? 基本的な書き方を記載例と合わせて紹介

収支報告書は、企業だけでなく自治体など幅広い人が扱う書類です。とはいえ、作成した経験がないとどのように記載すればよいかわからないですよね。

また、法人の場合は収支報告書を7年間は保存しないといけないなど、覚えておくべきポイントもあります。

そこで本記事では、初めて収支報告書を作ることになった方に向けて、収支報告書の概要から書き方、記載例などを紹介します。

これから収支報告書を作成する人は参考にしてみてください。


この記事の著者

収支報告書とは?

収支報告書とは、自治体や政治団体などが、特定の期間における組織の収支をまとめた書類のことです。

通常、4月から翌年3月までの1年間や、1ヶ月間といった範囲で作成するのが一般的です。

組織が受けた収入と支出の全体像を確認し、財政状況や資金の運用状況を明確にします。

収支報告書の目的

収支報告書は、会費や予算が適切に使われているかを確認するために作成します。

仮に、集めた資金の使い道が不透明な場合、組織の信頼を損なう恐れがあるでしょう。

円滑な組織運営を維持するためにも、収支報告書を通じて資金の使用状況を明確にする必要があります。透明かつ責任のある活動を明示することが重要です。

収支報告書が必要になる場面

企業内で収支報告書を作成するケースとしては、歓送迎会・忘年会・懇親会・社内部活動・特定イベントなどが挙げられます。

会社以外では、サークル活動や非営利団体(自治体・政治団体など)も収支報告書を作成し、資金の運用を公にするのが一般的です。

ただし、企業全体の収支に関しては「決算報告書(決算書)」でまとめられるため、収支報告書は主に、飲み会や特定のイベントで使用します。


収支報告書とその他の報告書の違い

ここでは、収支報告書とその他の報告書の違いについて紹介します。

決算報告書との違い

収支報告書と決算報告書の違いについて、以下の表にまとめました。

収支報告書

決算報告書

目的

社内など限られた関係者へ収支を報告するため

社内や外部の関係者へ

経営状況を報告するため

作成義務

なし

あり

取引の認識

現金主義

発生主義

簿記の形式

単式簿記

複式簿記

書類の種類

収支報告書

(収入の部・支出の部)

貸借対照表(BS)

損益計算書(PL)

キャッシュフロー計算書

決算報告書は、企業が関係者に提出する詳細な「会計報告」であり、財産状況や株主資本など、企業全体の健全性を示すものです。

一方、収支報告書は、特定の活動における「現金の流れを記載すること」が主な目的であるため、企業全体の詳細な財務情報を提供する必要はありません。

会計報告書・収支計算書との違い

収支報告書、会計報告書の違いは、呼び方のみです。どちらも同じ書類を指すものですが、名称が異なります。

また、収支計算書も同じ書類で違うのは呼び方のみです。


収支報告書の書き方・記載例

ここでは、収支報告書を作成する際に必要な項目と記入例を紹介します。

ビズオーシャンでは、書式テンプレートを複数用意してあるので、ぜひ参考にしてください。

項目

収支報告書に記載する項目・内容・記入例は、次のとおりです。

いずれも大切な要素ですので、順番に確認していきましょう。

記載する項目

内容

記入例

期間

対象となる期間

20○○年○月○日〜○月○日

当期収入総額

1年間の収入の総額

○○万円

収入内訳

上記の内訳

  • 会費:○万円
  • 雑収入:○万円

当期支出総額

1年間の支出の総額

○○万円

支出内訳

上記の内訳

  • 旅費交通費:○万円
  • 交際費:○万円

前年度繰越金

前年度から繰り越された金額

○万円

摘要・備考

収入や支出の詳細

  • 会費○人分 × 3,000円
  • ○○利用料 など

収入合計

当期収入総額 + 前年度繰越金で求めた金額

○○万円

次年度繰越金

収入合計 – 当期支出総額で

求めた金額

○万円

予算額

あらかじめ決めておいた

予想の金額

○○万円

比較増減

予算額と確定額の差額

  • ○円

(予算より多い場合)

  • –○円

(予算より少ない場合)

なお、収支報告書の書式は特に決められていないため、作成目的や内容に応じて書式を選択しましょう。

記載例

会社と自治会、それぞれのケースで使用される収支報告書に関して、記載例を紹介します。

ケース1.会社で行った飲み会の収支報告

会社が飲み会を主催した場合、収支報告書の用例は下記のとおりです。

営業部 歓送迎会 収支報告書

20XX年 〇月 〇日

営業部 第二営業課 〇〇 〇〇

△△ △△部長


〇月〇日、居酒屋□□にて開催しました、営業部 歓送迎会に関する会計報告を致します。ご確認のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

【収入の部】

  • 会費:3,000円×12名=3万6,000円
  • 会社補助:6万円
  • 合計:9万6,000円

【支出の部】

  • 飲食代:5,000円飲み放題コース×12名=6万円
  • 景品代:1万6,000円
  • 合計:7万6,000円

【備考】

  • 残金2万円は、次回の社内行事のために繰り越し
  • 居酒屋の領収書・景品購入のレシートは、別紙添付

以上

収支報告書には、支出を証明する領収書やレシートを添付するのが望ましいです。上司や経理担当者が支出の内訳を確認する際、作業がスムーズに進みます。

ケース2.自治会・町内会の一年分の収支報告

自治会や町内会における収支報告書の記載例は、以下のとおりです。


令和〇〇年 美図1丁目町内会 収支報告書

令和〇年 4月1日 ~ 令和〇〇年 3月31日

1.一般会計

収入の部】※単位はすべて円(以下同様)

項目

予算額

決算額

比較増減

概要

会費

1,063,000

1,072,500

9,500

交付金

250,000

260,000

10,000

繰越金

90,000

90,000

0

寄付金

100,000

100,000

0

雑収入

2,640

6,000

3,360

合計

1,505,640

1,528,500

22,860


支出の部

項目

予算額

決算額

比較増減

概要

会費

運営費

62,500

<62,500

0

会議費

100,000

9,450

90,550

需用費

備品費

25,000

16,275

8,725

印刷代

25,000

14,125

10,875

消耗品費

10,000

4,925

5,075

事務費

100,000

91,250

8,750

慶弔・交際費

50,000

29,100

20,900

活動費

総務・会計部費

50,000

44,900

5,100

文化部費

100,000

100,600

(600)

防犯・交通部費

35,000

34,125

875

環境衛生部費

150,000

62,500

87,500

福祉部費

30,000

36,250

(6,250)

助成金

375,000

375,000

0

負担金

300,000

306,000

(6,000)

積立金

150,000

150,000

0

予備費

140,250

100,000

40,250

合計

1,702,750

1,437,000

265,750


差引残高 91,500円は、令和〇〇年度に 繰越いたします。

2.特別会計(積立金)

項目

収入

支出

比較増減

概要

繰越金

1,270,800

0

1,270,800

施設積立金

150,000

0

150,000

預金利子

1,625

0

1,625

合計

1,422,425

0

1,422,425


上記のとおり、報告いたします。

令和〇〇年 3月 31日  会計責任者 大海原 洋子 

<監査の結果、上記報告書に間違いのないことを報告いたします。

令和〇〇年 3月 31日  会計監査 綿津見 守 

なお、町内会などの自治会においては、会計・経理担当者が年度末に決算書を作成し、回覧板などで会員が確認できるようにするのが一般的です。


収支報告書を作成する時に覚えておきたいこと

収支報告書を作成する際には、次の点に注意が必要です。

  • 現金の残高は必ず確認して一致させる
  • 法人の場合、7年間の保存が必要
  • 収支報告書は会計監査の対象である

いずれも重要なポイントなのできちんと理解しておきましょう。

現金の残高は必ず確認して一致させる

手元の現金残高と、書面上の現金残高を一致させることが重要です。

不一致があれば、計算ミスや記入漏れの可能性が高いため、最後に必ず確認をしましょう。特に赤字の場合、損失額や補填方法の明確な記載が必要です。

法人の場合7年間の保存が必要

収支報告書は、会社法で規定された書類ではないものの、法人税法などにより一定の保存期間が義務付けられています。

法人の場合、7年間保管しなければなりません。

必ず保存期間を確認して、丁寧に保管・管理しておきましょう。

将来の税務調査や法的な問題に備え、必要な文書を確実に提供できるようになります。

収支報告書は会計監査の対象である

法人の場合、収支報告書は「会計書類」に該当し「会計監査の対象」となる可能性があります。

監査や決算時には、社外の関係者が収支報告書を閲覧するケースもあるでしょう。

そのため、収支報告書を作成する際には、透明性のある正確な情報を記載するのが重要です。


まとめ

収支報告書は、予算が適切に使われているかを確認するために必要な書類であり、会計報告には欠かせません。

正しく記載することで、報告や会計監査のときにも安心できます。

収支報告書を作成する際は、現金の残高を必ず一致させる点や、会計監査の対象である点にも注意が必要です。また作成した書類は必ず7年間保存しましょう。


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