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サプライヤーとは? 類似表現との違いも解説

サプライヤーとは? 類似表現との違いも解説

「サプライヤー」とは、直訳すると「供給する人」です。何らかの製品を作っている企業に、部品や資材などを納入する業者を指します。

自動車業界で言う自動車部品を作る企業をイメージすると、分かりやすいでしょう。

サプライヤーであっても状況によってはメーカーとしての面を持つことや、1つの製品に複数のサプライヤーが存在することもあります。

ベンダーを始めとした似た言葉との違いについても触れながら、サプライヤーの概要や意味を解説します。


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サプライヤーとは?

「サプライヤー(supplier)」とは、「供給する人」という意味を持つ言葉です。
「供給」を意味する「supply」に、「~する人」という意味の「—er」が付いて成り立っています。

ビジネスシーンにおけるサプライヤーは、製品作りに必要な部品や資材、原材料などを作って納入する業者を指します。

ただしどんな業者がサプライヤーに該当するかは明確に定まっておらず、業界によって多少異なる点が特徴です。


メーカーとサプライヤーの違い

サプライヤーの意味から、製品を作るメーカーを想像する人も多いでしょう。しかし、この2つの言葉は意味合いが異なります。

メーカーは「製造者」のことを指す

メーカーを和訳すると、「作る人、製造業者」となります。

しかしより細かく定義すれば、メーカーはサプライヤーから仕入れた部品や資材、原材料を使って製品を作る人のことを指すものです。

サプライヤーのように何かの部品や材料を作っているわけではないため、実はメーカーはサプライヤーとは全く別の存在を指す言葉です。

メーカーとサプライヤーは立場によって変わる

上記の解説を読んで、「でもサプライヤーだって原材料を加工しているのだから、メーカーと言えるのでは?」と思う方もいるでしょう。

確かに、サプライヤーもメーカーに当てはまるため、サプライヤーも状況によってはメーカーだと言えるケースがあります。

ただし、ほかの企業に部品や資材、原材料を供給している場合は、「サプライヤー」です。

ある企業がほかの企業に「供給する」という行為を行っているかどうかに着目すると、どちらなのかを判断しやすくなります。


類似表現:ベンダーとサプライヤーの違い

サプライヤーと似た言葉としてもう1つ、「ベンダー」もあります。それぞれの意味の違いを解説します。

ベンダーは「販売者」のことを指す

「ベンダー(vendor)」は、「販売元・売主」といった意味の言葉です。メーカーから商品を仕入れて、消費者に販売する会社や代理店を言います。

パソコンや家電、会計ソフトや情報セキュリティシステムといったIT関連製品の販売業者を指すことが多いです。

サプライヤーとの違いは、製品を提供する相手です。ベンダーは消費者を対象としますが、サプライヤーは主に企業やメーカーを対象にしています。

ベンダー=メーカーになる場合もある

メーカーがベンダーも兼ねる場合があります。たとえば自社で作った製品を自社で消費者に販売しているならば、メーカーがベンダーとしての役割も兼ねている状態です。

このように、メーカーとベンダーも明確に区別できない場合があります。


サプライヤーの対義語

「サプライヤー」と反対の意味を持つ言葉として、ベンダー以外にも以下の2つが挙げられます。

  • バイヤー
  • ディストリビューター

あまり聞くことのない言葉もあるかもしれませんが、合わせてチェックしておきましょう。

バイヤー

バイヤー(buyer)は、「買い手・買い付け人」といった意味を持ちます。

サプライヤーは製品の供給をする側の存在、バイヤーは製品を購入する存在です。つまりバイヤーは、サプライヤーの対義語だと言えます。

バイヤーは製品や資材などを買い付けて調達し、消費者やまた別の企業に販売します。

また、買い付けの段階で仕入れ先と価格交渉をしたり、仕入れた製品の販売管理をしたりすることもあることから、優れた製品や資材を仕入れるために、さまざまな努力をしている人だと言えるでしょう。

ディストリビューター

ディストリビューター(distributor)とは、直訳すると「製品を製造元から消費者・小売店に供給する人、製品の流通を担当する人」です。
メーカーから商品を仕入れて小売店に卸売りをする仲介業者が該当します。

たとえば、出版社から本を仕入れて書店に卸売りをする業者や、海外から衣類を買い付けて国内で販売するアパレル店などが当てはまります。

日本で言う商社も、ディストリビューターに近い存在です。


業界ごとのサプライヤーの意味

「サプライヤー」は、業界によっても意味合いが少々異なります。以下の業界別に、サプライヤーの意味を解説します。

  • IT業界
  • 自動車業界
  • 食品業界
  • アパレル業界
  • 旅行業界

IT業界

IT業界では、アプリやソフトウェアの開発・納品をする企業のことをサプライヤーと呼びます。

ただしIT業界では1つのアプリやソフトウェアを1社で作り切ることは少ないものです。

「この工程は自社でやるが、ある工程はA社、また別の工程はB社」といったように、自社がサプライヤーかつメーカーになるケースもあります。

また、上記のような発注をすることで下請け業者が増えていきやすいため、サプライヤーの数が増えやすい点も特徴です。

自動車業界

自動車業界では、自動車メーカーに部品を提供する企業をサプライヤーと呼びます。

ただしIT業界と同様、1つの部品を作るために複数の企業に下請けに出すこともあるため、同じ企業がサプライヤーとメーカーになることもあります。

また、サプライヤーは自動車メーカーの子会社であることも珍しくありません。先に存在していた自動車メーカーを分社化し、サプライヤーとなっていった背景があるためです。

そのため、「トヨタの部品がほとんど」「日産の部品が中心」といったサプライヤーも多いのです。

食品業界

食品業界で言うサプライヤーは、食品メーカーと、肉や魚・野菜の生産者の2つが考えられます。

食品業界で消費者が製品を購入するまでの工程と、それぞれの工程における生産者・食品メーカーの立ち位置は以下のとおりです。

サプライヤー

畜産・水産・農業の生産者

→肉・魚・野菜

食品メーカー

→製造した食品

仕入れ先

食品メーカー

→材料を仕入れて食品製造

小売店

→食品を仕入れて販売

  1. 生産者が肉や魚・野菜などを生産する(サプライヤー)
  2. 食品メーカーが生産者から材料を仕入れて製品を作る(メーカー)
  3. 食品メーカーが仕入れた材料で作った製品を小売店に卸売りする(サプライヤー)
  4. 小売店が消費者に販売する

サプライヤーが複数登場することと、食品メーカーがメーカーとサプライヤーの両方の面をあわせ持つことが特徴です。

アパレル業界

アパレル業界におけるサプライヤーは、アパレルブランドです。アパレル業界のビジネスモデルは、各ブランドが作った衣類を小売店が仕入れ、販売するというものであるためです。

ただし各ブランドは他社から生地や素材を仕入れているため、メーカーとしての一面も持っています。

ブランドが生産業者から直接買い付けているのではなく問屋や商社などの仲介業者を通じて生地や素材を仕入れている場合は、仲介業者というサプライヤーも存在することになります。

旅行業界

旅行業界で言うサプライヤーは、非常に多くの企業が当てはまります。一例としては、以下が挙げられます。

  • ホテル・旅館などの宿泊施設
  • 鉄道会社・バス会社・航空会社などの交通機関
  • レストランや土産物店
  • 観光施設
  • 旅行会社
  • 旅行代理店

旅行業界のサプライヤーは、「旅行を構成するサービス全般の提供者」が該当します。

また、どの立場から各企業を見るかによっても、どこがサプライヤーとなるかは異なるものです。

たとえば、旅行プランを提供する旅行会社から見れば、宿泊施設や公共機関、レストランなどはすべてサプライヤーに該当します。

ただし近年では、サプライヤーではなく「関係機関」という呼び方もされるようになってきています。


サプライヤーの意味を理解し、正しく使おう

サプライヤーの定義は、業界や自社の業種、時代などによっても多少異なるものです。

字面や意味合いが似た言葉も多いため混乱するかもしれませんが、まずは「サプライヤー=供給する人」という大まかな意味を把握しましょう。

どうしても判断に迷う場合は、1つの製品ができあがるまでの流れをイメージし、内容を整理するのもおすすめです。


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