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秘書業務の基本1

著者:株式会社月刊総務 代表取締役社長  戦略総務研究所 所長  豊田 健一

秘書業務の基本1

経営者の秘書は、会社の顔ともいうべき重要な存在です。

さらに、秘書の働き方次第で業務の効率化や組織風土の改善などもはかられる極めて重要な役割を担うことになります。

改めて整理してみると、秘書が果たすべき役割は極めて広範囲で重要なものであることがわかります。

すでに秘書課・室を設置している場合も、その業務分掌・内容・プロセス、組織の在り方を、秘書の果たすべき役割に照らして見直しておきたいものです。


秘書の役割とその必要性

企業規模にかかわらず、秘書を使う目的は、役員が本来しなくてはならない重要な業務に専念することができるよう、補佐役に仕事を任せることです。

秘書とはスケジュール調整係であるとか、接遇係であると考えるのは、昔のこと。

単なる接遇のプロというより、業務に関しても専門に近い知識を有するか、または常に向上心を持っている。人間関係作りにおいては信頼関係をうまく築ける。

論理的思考と柔軟な対応力を発揮する。

これらのいくつかの強みを持って自律的に業務を遂行でき、経営者側の視点でものごとを考える習慣のある人材が、自らの生産性を上げることによって役員の生産性が上がるようなビジネスパートナーシップを発揮することが望まれるようになっています。

さらに中規模会社の場合、一番の目的は仕事の調整を任せることでしょう。

社内・社外の業務について、いかに効率良く仕事を進めることかできるかどうか。

これには、業務を心得ている秘書が、会議の順番を組み立てたり、無駄のない行動ができるようにしたりすることが望まれます。

社内であれば、どの部署が何の問題を抱えているかを知り、その問題の解決のために役員との会議が必要であるかどうかを事前に探り、業務全体を俯瞰的に見た秘書が、先に通した方が良い案件か、後でもかまわない案件かなどを判断した結果から優先順位を付け、上司である役員の仕事が円滑に進むよう補助します。

また、役員側から会議の設定を指示される場合であれば、関係部署に即座に連絡し、資料の準備を促すとともに、会議室の手配や時間調整を行います。

さらに、人間関係等の維持にもその力を発揮することが望まれます。

特に地域社会との接点が多い役員のために外部の人間関係を把握しておくことや、地域のキーパーソンに関する情報収集は、より良い人間関係の維持には欠かせない業務の一つです。

一方、小規模会社の場合であれば、人間関係などの維持やメンテナンスはオーナーである社長自らが行う場合が多く、また地域社会との接点は、生活に密接につながっていることが多いので対外的な面よりも社内業務の調整が主な目的になるでしょう。

特に情報源が多い小規模会社の社長にとっては、日々の雑多な情報に対応するだけで手いっぱいになることが多く、肝心の業務に関する決定が遅れることや、人材育成などの継続的な業務への対応が後回しになったり尻切れトンボになることを防ぐことも、秘書を使う目的になることが多いようです。

小規模会社に多く見られる、長年にわたり社長にお仕えする「番頭」的存在の人材と力を合わせて、業務整理と業務の継続のために見守りを行い、出過ぎず、下がり過ぎないように心掛け、社長が執務しやすくなるよう補助をすることに重点を置くことを目的とすれば、十分にその役割を果たすことができるでしょう。


組織の中の秘書の役割

一般的な秘書の役割は、上司である社長や役員の業務を補佐することです。

しかも、社長や役員が望む高くて幅の広い要求や、緊急的な対応をすることが多いのが特徴です。

また、業務を円滑に進めるために、健康管理や身の回りのお世話を担うことも重要な役割といえるでしょう。

ことに小規模会社のオーナー社長など、生活と仕事の関係が深く、切り分けることができない場合がほとんどです。

生活の基盤である自宅と会社の敷地が隣り合わせになっているような場合では、社長自ら地域社会にかかわることが多く、さまざまな団体や活動の中で、役員等の役職を引き受けることが多いものです。

そういった活動における役割の中にも、事務的な作業を肩代わりする場合も含めて考えておくことが望まれます。

したがって、定型的な業務だけでなく、非定型的な業務が多くなることを想定しておきましょう。

秘書業務をこなすには、社内のあらゆる仕事にかかわるくらいの意識が必要です。

そして、その業務の内容は、他の社員に開示することができないことも多く、社内であっても他の社員に理解されないことも多いものです。

特に長くなればなるほど複雑な業務が増え、役割もそれに等しく重要度が高まることになるでしょう。


秘書を設置するためのポイント整理

下記に一つでも当てはまれば、設置に向かいましょう。

あなたの会社に秘書を創るのは、

「役員が本来しなければならない業務に専念し、利益への貢献度を上げ、責任を果たすためです」

  • 雑務を任せ、生産性を上げるためのタイムマネジメント
  • 重要な判断をするための環境作り
  • 人間関係のメンテナンスやフォローを任せる
  • 煩雑な情報収集と整理を肩代わりしてもらう
  • 必要な書類の作成をする

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著者プロフィール

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豊田 健一

株式会社月刊総務 代表取締役社長 戦略総務研究所 所長

早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルートで経理、営業、総務、株式会社魚力で総務課長を経験。日本で唯一の総務部門向け専門誌『月刊総務』前編集長。現在は、戦略総務研究所所長、(一社)ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアム(FOSC)の副代表理事として、講演・執筆活動、コンサルティングを行う。

毎日投稿 総務のつぶやき 

毎週投稿 ラジオ形式 総務よもやま話

毎月登場 月刊総務ウェビナー

著作

マンガでやさしくわかる総務の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター) 

経営を強くする戦略総務』(日本能率協会マネジメントセンター) 

リモートワークありきの世界で経営の軸を作る 戦略総務 実践ハンドブック』(日本能率協会マネジメントセンター)

講演テーマ:総務分野

総務の最新動向について

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戦略総務の実現の仕方・考え方

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健康経営の進め方、最新事例の紹介、など

講演テーマ:営業分野

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