プロモーション手法と成功事例
プロモーションとは、製品・サービスに対する顧客の関心を高め、購買を促進するための活動です。
その手段として広告をはじめイベント、インターネットのサイトを通じたプロモーションなどが盛んに行われています。
このコラムでは、様々なプロモーションで使えるテンプレートについてご説明します。
プロモーションとは
プロモーションとは、わかりやすくいうと製品・サービスを宣伝する販売活動のことです。マーケティング戦略の一部であり、広報活動の意味でも使われています。プロモーションの目的は、主に3つあります。製品・サービスの認知を広げること、新規顧客を獲得すること、既存顧客へ購買の動機付けをすることの3つです。まずは、製品・サービスの存在を多くの人に知ってもらわなければなりません。魅力や必要性を最大限にアピールするのです。そして、製品・サービスの認知を広げることができたら、購買を動機付けます。購買意欲を高め、購入のきっかけや理由を提示します。この一連の流れだけで終わらせるのではなく、購入後もメリットを実感してもらえるようなプロモーション活動を検討することが大切です。
プロモーションの手法
製品やサービスの存在を知ってもらうためのプロモーション手法はたくさんあります。新聞・雑誌への広告掲載や、テレビ・ラジオCMなどメディア媒体を利用したプロモーションのほか、ポスティングやチラシ投函、ダイレクトメールなど多種多様です。購買意欲を高めるための手法としてノベルティや購入特典、クーポン発行という方法も様々な業界で取り入れられています。WEBサービスでは、多くの企業でプロモーションコードが発行されています。プロモーションコードは支払いに充てることができるクレジットのことです。キャンペーンなど一定の期間内に特別に配布されるもので、期限が来ると消滅してしまいます。クーポンの意味合いで使われることが多いでしょう。プロモーション手法をわかりやすく一覧にまとめますので参考にしてください。
店舗・テナント外 | メディア媒体 |
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個人 |
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イベント |
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トライアル |
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店舗・テナント内 | 売り場 |
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購買動機付け |
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流通 |
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ターゲットの選び方
プロモーションを進める上では、ターゲットを明確に設定することが大切です。それにより効果的な手法が変わってきます。ターゲットは大きく2つに分けることができます。1つはその製品を販売する実店舗やサービスディーラー、もう1つは個人消費者です。そしてさらに売り込みたい消費者層を世代や性別などを鑑みて絞っていきます。ターゲットがうまくはまらないと、販売促進がうまくいかないこともありますので注意しましょう。
プロモーションミックスについて
先に挙げたプロモーション手法を組み合わせて相乗効果を狙うことを、プロモーションミックスといいます。たとえば、テレビCMを流しただけでは認知に留まり、購買までは繋がらないかもしれません。そこで、ノベルティなど販促品を店頭で配布したり、雑誌に記事を載せて商品の魅力をアピールしたりします。このように、いくつかのマーケティング手法を組み合わせて実施することをプロモーションミックスといいます。
プロモーション戦略の成功事例
マーケティング戦略は、プロモーションだけに力を入れてもうまくいきません。市場調査、商品開発、プロモーションのトータルで戦略を打つ必要があります。たとえば、A地域で爆発的に売れた製品がB地域でも同じように売れるとは限らないのです。地域性や環境も考えた戦略を立てなければなりません。それでは、プロモーション戦略の成功事例を3つ後紹介しましょう。
事例1:市場調査を活かしたプロモーション
米国シェアNo1の髭剃りメーカーが、インドでも髭剃りの販売を開始したところ、インドでは全く売れませんでした。なぜ売れないのかを調査したところ、インド人は『髭があるほうがかっこいい』と思っていることが理由の1つとしてわかりました。そこでメーカーは、議論好きなインド人の特性を活かし、『髭は剃るべきか』という論争が起こるようなプロモーションを打ちました。有名女優をCMに起用したことで、髭剃りに対しての意識が変わり、インドでもヒットさせることができたのです。
事例2:WEBを利用したプロモーションミックス
国内トップシェアを誇る飲料メーカーでは、Instagramとツイッターを利用したプレゼント企画を展開しました。SNSを利用すれば、多額の費用を投資しなくても消費者間で拡散されていきます。たくさんの人がプレゼントに応募し、また当選した人がSNSに写真をアップすることでさらなる宣伝に繋がります。それだけでなく、国内ホテルチェーンとタイアップを組み、ホテルのプールに飲料のロゴを塗装したり、冷蔵庫に試飲用の商品を設置したりしました。メーカーのイメージアップにも繋がった成功事例です。
事例3:展示会での集客プロモーション
ある漫画レンタル会社は、ホテルチェーン向けのプロモーションとして、展示会で棚いっぱいに漫画本を陳列しました。まるで漫画喫茶のようなビジュアルは展示会でも目を引き、たくさんの人がブースの前で足を止めました。さらに、『置くだけで客室回転率○%アップ』というコピーを大々的に掲げることで、担当者の目を引きました。突如漫画ブースが現れる意外性と気を引くコピーで、『内容をもっと詳しく知りたい』という気持ちにさせたのです。展示会における集客プロモーションは、アイデア勝負といえるかもしれませんね。
プレスリリースとは
マーケティング戦略の1つとして良く耳にする言葉に、プレスリリースがあります。これは、企業が製品・サービスなどの情報を報道関係者に発表することをいいます。プロモーションと異なる点は、プレスリリースをしたからといって必ず取り上げられるとは限らないという点です。企業がプレスリリースで情報を発信した後、その情報を取捨選択するのは報道関係者側です。どの情報を取り上げるかは、各メディア側の判断となるのです。発信した情報が取り上げられなかったとしても、プレスリリースは正しい企業情報を正確に伝える大切な手段であるといえるでしょう。
プレスリリースの書き方
報道関係者にプレスリリースの内容を取り上げてもらえれば、コストをかけずに大きなプロモーションになります。メディア記者の目に留まることを意識しつつ、必要な情報を正確に記載する必要があります。プレスリリースの書き方のポイントを3つご紹介しましょう。
1.一目で内容がわかるタイトルを付ける
2.専門用語を使わない
3.正確な情報を記載する
メディア記者の元には1日に数百通ものプレスリリースが届きます。忙しい記者は、その1つ1つを詳細に渡って読むことはできません。そのため、興味をそそるタイトルを付ける必要があります。専門用語を使うとそれだけでわかりづらくなってしまいますから、社内だけで理解されるような専門用語は避けましょう。誤った情報は混乱を招くだけでなく信用にも関わりますので、正確な情報を記載することも大切です。
プロモーション後にやるべきこと
プロモーションが成功したからといって安堵するのではなく、なぜ成功したか、その手法を横展開できないかを分析し、循環型マーケティングで次のステップへ進める必要があります。流行は日々変化し、消費者の思考も時代の流れに沿って移り変わります。マーケティング戦略も生き物として捉え、プロモーション後もフォローやレビューを実施しましょう。
報告書の作成方法
広報活動における報告書は、データが全てであるといっても過言ではありません。たとえばメルマガを送信したら、どの層に何件送信して、アクセスがあったのは何件か、一番反応があったのはどの案件かなど、グラフ化して提示するとよいでしょう。年代別、性別、役職別、季節や時期など、購買の流れや効果がわかるようにまとめることが大切です。サンプルを参考にしてデータを起こしてみましょう。
≫(広報戦略)広報活動報告書サンプル
≫プロモーションの書式テンプレート
まとめ
プロモーション活動は、製品・サービスを上手にアピールして売上に反映するための重要な役割を担っています。上手に戦略を立てるためには、ターゲットを絞り、そこへ向けて効果的なコピーを打ったり、必要であれば投資をしてキャンペーンを展開したりする必要があります。プロモーションは市場動向を間近で捉えることができる、とても面白い業務といえるでしょう。様々な手法を参考にして、自社展開に役立ててください。