決議書の書き方とは? 必要な記載項目と例文をわかりやすく解説【テンプレートあり】
決議書とは、会議での決定事項や意見を明確に記録する文書のことで、企業や団体の意思決定を支える重要な役割を果たします。しかし、どのように書けばいいのか迷ってしまう方も多いでしょう。
本記事では、決議書を作成する際の基本的な記載項目から、状況別で使える決議書の書き方や例文を丁寧に解説します。これを読むことで、誰でもわかりやすく信頼性の高い決議書を作成できるようになるでしょう。
すぐに使えるテンプレートもご用意したので、ぜひ参考にしてください。
決議書の意味とは
会議で決定した結果のことを決議といい、国会等の議事機関では、一定の問題についての意思表示・意見表明を行うための形式を指します。
一般企業では、会社登記や取締役会などで決定した事項などが、決議書としてまとめられることが多くあります。とくに登記書類は、法務局へ提出する書類となりますので、簡潔かつ間違いのないよう記載することが求められます。
決議書と議事録の違い
決議書と似た意味で使われる書類として、議事録があります。議事録も会議や打合せの内容、経過や結論を記載する書類であり、決議書とほぼ同義の意味で使われています。
会議での決定事項を記載するという意味でも同じですが、議事録は会議で話し合われた内容と決定事項を出席者に認識させる目的もあります。後から読み返しても会議の内容がわかるよう、決定事項はもちろん、繰り越し案件も省略せず討議内容を記載することが多いです。
一方決議書は、議事録よりも決定事項に重きが置かれる傾向にあります。そのため、決定事項にポイントをしぼって必要項目のみを記載することがあります。
≫議事録の書き方のコツ・見本
決議書の書き方・例文
決議書は、決議の内容が簡潔にわかるよう不要な情報は盛り込まずに、必要事項をピックアップして箇条書きにして記載します。例文を挙げてみましょう。
- <例文>
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設立時代表取締役選定決議書
平成○年○月○日株式会社○○設立事務所において設立時取締役全員出席し、全員一致の決議により次のように代表取締役を選定した。なお、被選定者は即時その就任を承諾した。東京都○○区○番○号
設立時代表取締役 ○○○○上記設立時代表取締役の選定を証するため、設立時取締役の全員は、次のとおり記名押印する。
平成○年○月○日
株式会社○○
出席設立時取締役 ○○○○ 印
出席設立時取締役 ○○○○ 印
出席設立時取締役 ○○○○ 印
決議書に記載すべき項目
決議書で使われるフォーマットは、決議の内容によって若干体裁が変わります。提出先などから特段の指定がない場合は、記載すべき項目さえ抑えておけば困ることはないでしょう。一般的に決議書に記載すべき項目は下記のとおりです。
- タイトル(何についての決議書か)
- 決議の日付
- 決議の内容
- 出席者/発起人
- 議長
押印について
会社の登記時などで決議書を法務局へ提出しなければならない場合は、決議書の種類によって必要な印鑑が異なります。
例えば、設立時取締役選任決議書には各発起人の実印または認印が必要となり、設立時代表取締役の選定決議書には代表取締役は実印、他の取締役は認印が必要となります。
社内で利用される決議書は印鑑ではなく、電子印鑑などが用いられることもありますが、社外に提出する書類では実印や認印が用いられます。
本店所在地決議書~書き方と例~
本店所在地決議書は、会社を設立する際の登記申請書類の1つです。
これは、必ず作成しなければならないものではなく、本店所在地を会社の定款に置き、住所詳細を記載している場合は不要です。本店所在地を定款に記載していると、もし所在地が変更となった場合に同じ区内の移転だとしても、移転登記をしなければならないのです。
そのため、引越しの可能性があるかないかで、定款に定める住所の記載方法を検討すると良いでしょう。決議内容の例文を挙げてみましょう。
- <例文>
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議案 第1号議案 本店所在地に関する件
議長は株式会社を設立するにあたり、本店所在地を下記のとおり決定した。
本店 東京都○○区○番○号
会社設立決議書~書き方と例~
会社設立をする際の決議書には、下記項目について検討した結果を盛り込みます。必要項目は下記のとおりです。
- 法人の設立について
- 定款の制定について
- 役員の選出について
- 設立初年度及び翌年度の事業計画書について
- 設立初年度及び翌年度の活動予算書について
- <法人の設立について 例文>
- 議長は、「設立趣旨書」を設立発起人○○○○に朗読させ、「株式会社○○○○」の設立に至る経緯を説明させた後、法人を設立することについて、出席者にはかったところ、満場一致で可決決定された。
取締役及び監査役選任決議書~書き方と例~
定款で役員を定めている場合は、取締役及び監査役選任決議書は不要です。定款で定めていない場合は、発起人会にて選出します。また、取締役会非設置会社においては、監査役の設置は任意となります。
では、選出する場合の決議書のテンプレートをご紹介しましょう。選任された取締役名を列挙し、発起人全員の記名と捺印をします。
- <例文>
- ○年○月○日、○○○○株式会社 創立事務所において発起人全員が出席し、その全員の同意により、次のとおり取締役および監査役を選任した。
まとめ
決議書は、おもに会社設立時の登記申請にて必要となる書類です。基本的に記名捺印が必要になりますが、その種類によって必要な印鑑も変わってきます。
法務局へ提出する際に不備がないように、フォーマットを参考にして書類を作成してください。