このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、対応ブラウザでご覧下さい。

「えっ?黒字でも倒産?」そうならない為に資金繰り表を作ろう!

著者:大川会計事務所 税理士  大川 陽子


資金繰り関連のテンプレート一覧はこちら

「黒字倒産」という言葉を聞いたことがありますか?黒字倒産とは損益計算書上は利益が出ているのに資金が不足したため倒産してしまうことをいいます。
今回は黒字倒産の原因でもある資金不足を未然に防ぐための「資金繰り表の作成」がテーマです。資金繰り表を作ればあなたの会社のお金の流れが鮮明に見えてきますよ。

資金繰り計画表って何のために作るの?

資金繰り計画表(=資金繰り表)とは、事業資金の入金・出金の予定を表にまとめたもので、事業資金を管理する上でとても大切なものです。

もし、資金管理を疎かにすると、支払い予定日にたまたま資金がなくて、不渡りを出し倒産…なんてことさえもあります。また、設備投資や事業拡大をしたい時にも、数字の裏づけを持って計画的な投資をするために、資金の管理をしていくことは重要です。
それと同時に、資金繰り表は金融機関が融資を行う際の重要な判断材料としても用いられます。経営者が融資を受ける際に、資金繰り表の内容を明確に説明できたら、俗にいうドンブリ勘定ではない「できる経営者!」という見えない称号を与えられるのです。

資金繰り表を作ろう!①自社の現状を把握

資金繰り表の作成は先ず、自社の現状を把握することから始まります。
入金では現金売上、売掛金回収、それ以外に貸付金や受取手形・未収金の回収などがあり、出金では仕入の支払い、給与、その他経費など、借入返済などがあります。それらの入出金のタイミングを把握しましょう。
現金売上・仕入であれば、その日の入出金ですし、掛けであれば、売上・仕入が発生してから通常1~3ヶ月後の入出金。手形であれば、さらに入出金の時期に幅が出てきます。

これら取引形態は各社まちまちなので、過去の帳簿等(掛帳、手形帳、請求書、現金出納帳、借入返済予定表等)を見ながら自社のお金の流れを把握することが資金繰り表を作成の第一歩となります。

資金繰り表を作ろう!②未来を予測してみる

さぁ、自社のお金の流れの基本パターンを把握はできましたか?
例えば、売り先ごとに商品の引渡しから売上金の回収までに何日かかるかを、仕入れや経費についても同様に、仕入先ごとに商品が届いてから何日後に支払をしているのか、特徴をとらえることができましたか?
それが出来たら次に、今後の売上・経費と発生を予測をたて、次に、その予測額がどのタイミングで入金・出金されるのかを考えて作表してみましょう!こうして出来たものが、資金繰り表というものです。
これを日単位で考えるか、週単位で考えるか、月単位か、年単位か・・・この単位によって、短期資金繰りとか長期資金繰りとかいうふうによんだりします。

資金繰り表の作ろう!③短期計画・長期計画

資金繰り表は、一定期間に区切って資金の入金と出金をそれぞれを項目別に集計して、資金の過不足の状況をまとめたものです。
・一定期間別とは、日、週、月、四半期、半期、一年…などの単位で集計を区切ることです。
・項目別とは、入出金の性質の違いによって、一定の決まりを作り、分類するです。
通常、資金繰り表は、近い将来を見るために週や月ごとに区切った短期資金繰り表と、もう少し長期的な視野で半年・一年等の期間に区切って作る長期資金繰り表の2つを作ります。

資金繰り表の作ろう!④何が見えてくるか?

資金繰り表を作るということは会社のお金の流れを知るということ!
会社は仮に一時的に損失が出てしまったとしても、資金さえショートしなければ倒産しません。逆にいくらたくさんの売上をしても、その売上代金が速やかに回収できず、仕入れによる支払ばかりが先行してしまうと、たちまち資金ショートし、いとも簡単に会社は潰れてしまいます。よく事業上のお金の流れを人間の血液の流れと同じなどと例えたりします。お金の流れが止まってしまうと、会社は死んでしまうのです。
そうならないために、無駄な支払がないか?受取期日や支払期日に改善の余地はないか?を考えることが大切です。資金繰り表を作ることが経営改善につながるのです。

この記事に関連する最新記事

おすすめ書式テンプレート

書式テンプレートをもっと見る

著者プロフィール

author_item{name}

大川 陽子

大川会計事務所 税理士

税理士/大阪市北区 総勢6名の会計事務所代表。資金調達、経営計画書指導を試算表に基づき具体的にアドバイス。融資指導を専門とする専任コンサルも在籍。金融機関への紹介件数も多数。

この著者の他の記事(全て見る

bizoceanジャーナルトップページ