【図解】バックオフィスDXとは?効果的な進め方、課題解決を具体例で説明

デジタル化を進める会社が増える中、自社も競争力を高めるDXが必要だと感じている経営者、担当者は多くいます。
しかし「DXとは何か?」「このDXは自社に合っているのか?」と聞かれたら、自信を持って答えられる人はどのくらいいるでしょうか?
また、IT人材がいないなど進め方への悩みを抱えている会社も少なくありません。
この資料では、バックオフィス部門を中心に、各部署のDXの具体例、中小企業のDXの進め方、課題解決をわかりやすく解説します。自社に合うDXの選び方と導入・運用の成功のコツ、費用と時間のムダを防ぐ方法などもご理解いただけます。
■この資料で分かること
・バックオフィスDXが中小企業に必要な理由、各部門のDXの効果(導入前・後の比較)
・自社に合わないDXを進めて費用や時間をムダにすることを避ける方法
・「社内にIT人材がいない」などDX推進を阻む5つの壁と、その解決策
■目次
・バックオフィスDXとは?重要性を図解
・部門別の具体例(経理、人事・労務、法務、総務)
・DXの推進が進まない5つの壁
・5つの壁への打開策
・DXの効果的な進め方
・バックオフィスDXを成功させるコツ
バックオフィスDXとは?
バックオフィスDXとは、バックオフィス部門にDXを適用することで業務の効率化や生産性向上、コスト削減を実現することです。
バックオフィス業務は、顧客と直接接点を持たない社内の管理業務や間接業務を指します。該当するのは経理、人事、総務、法務など、企業の中核的な業務を支える重要な部門です。
一方でDXはデジタルトランスフォーメーションの略で、デジタル技術を活用して業務や組織を変革することを指します。
アナログな業務をデジタル化し、ムダやムラを排除することで、業務の高速化とミスの防止を図りましょう。
バックオフィスDXが注目される理由
近年、様々な企業でバックオフィスDXが注目されるようになってきました。その背景には、主に以下のような理由があります。
- 人手不足
- 働き方改革とテレワーク推進
- 生産性向上の必要性
- インボイス制度や電子帳簿保存法改正への対応
ここでは、それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
人手不足
少子高齢化に伴う労働人口の減少により、バックオフィス業務の自動化と省力化が急務です。限られた人員で業務量が増加する中、属人的な対応では非効率になり、人材の確保や定着も難しくなります。
そのため、デジタル技術を活用して業務の標準化と自動化を進め、持続可能な働き方と人材活用を実現しなければなりません。
働き方改革とテレワーク推進
多様で柔軟な働き方を実現するためには、バックオフィス業務のデジタル化が不可欠です。ペーパーレス化や電子決裁の導入により、時間や場所に縛られずに業務を進められます。
テレワークに対応したシームレスな情報共有と円滑なコミュニケーションを実現し、生産性の高い働き方を支援することが重要です。
生産性向上の必要性
日本企業の労働生産性の低さが課題であり、バックオフィスDXによる改善が期待されています。
非効率な業務プロセスや属人的な作業の積み重ねが、バックオフィスの生産性を下げる原因だからです。
デジタル技術を活用し、ムダな工程の排除や自動化を進めることで、生産性の飛躍的な向上を目指しましょう。
インボイス制度や電子帳簿保存法改正への対応
インボイス制度導入や電子帳簿保存法改正を機に、バックオフィス業務の見直しとデジタル化の検討が加速しています。
制度変更への確実な対応と業務の効率化を同時に進めるために、デジタル化は必須の取り組みです。
電子化をきっかけに、業務プロセスや情報管理の高度化を進め、バックオフィス変革のチャンスとして活用することが求められています。
バックオフィスDX推進のメリット
バックオフィスDXを推進することで、以下のメリットが期待できます。
- 業務効率化とコスト削減
- ヒューマンエラー防止と業務品質向上
- 柔軟な働き方の実現
- データ活用基盤の構築
ここでは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
業務効率化とコスト削減
バックオフィス業務の自動化によって作業工数を削減することで、業務の効率化を実現できます。
定型的な処理を自動化することで入力ミスの防止と大幅な時間短縮を実現し、業務の生産性を高められるのです。
工数を削減できるだけでなく、作業にかかっていた人件費等のコストを最適化できます。コスト削減により創出されたリソースを、付加価値の高い業務や新たな取り組みに振り分けることが可能です。
ヒューマンエラー防止と業務品質向上
バックオフィス業務の自動化により、入力ミスなどのヒューマンエラーを防ぎ、業務の正確性と品質を担保できます。
人的ミスによる事務処理の遅延やトラブルを未然に防ぎ、円滑な業務進行に寄与するはずです。
確実な処理と情報管理を実現することで、コンプライアンスの強化や管理体制の向上が期待できます。
柔軟な働き方の実現
バックオフィス業務のクラウド活用により、時間や場所に縛られない多様な働き方が可能です。
リモートでの業務遂行と情報共有を支援し、ワークライフバランスの実現と生産性の向上を両立できます。
柔軟な労働環境の整備は、人材の確保と活用を促進し、ダイバーシティ経営の推進にも役立つでしょう。
データ活用基盤の構築
バックオフィス業務でデジタルデータの蓄積と分析基盤を整備することで、業務改善やビジネス価値創出につなげられます。
業務の可視化とデータ分析を通じて、問題の早期発見と、最適な意思決定をサポートできるのです。
蓄積されたデータを他部門と連携して活用すれば新しいサービスや付加価値の創出が期待でき、他社との競争力を強化できるでしょう。
バックオフィスDXの進め方
バックオフィスDXを成功させるには、以下のように段階的なアプローチを踏むことが有効です。
- 現状分析と課題抽出
- 目標設定と計画立案
- 紙業務のデジタル化
- RPAやAIの導入検討
- クラウド活用
- ITツールの選定
- 運用体制の整備
それぞれの工程について、詳しく見ていきましょう。
現状分析と課題抽出
バックオフィスDXの第一歩は、バックオフィス業務の実態を可視化し、非効率な工程や改善点を洗い出すことです。
業務フローや処理時間、コストなどを定量的に把握し、ムダやムラが生じている箇所を特定します。
法務や人事など部署ごとに抱える課題は異なるため、各部署の担当者にヒアリングを行うことで現場の声を反映させましょう。
目標設定と計画立案
バックオフィスDXの目標設定では、理想的な姿を明確にし、それに向けた具体的な計画を立てることが大切です。
業務の効率化やコスト削減などで、達成を目指す具体的な数値目標を設定しましょう。目標達成に向けた実施事項と期限を明確にし、段階的な推進計画を立案します。
紙業務のデジタル化
バックオフィスDXではペーパーレス化を推進し、電子データでのやり取りを徹底することが不可欠です。
紙の書類をスキャンしてデータ化したり、電子フォームを導入したりすることで、情報をオンラインで共有できる環境を作ります。
デジタル化された情報を一元管理し、必要なときに必要な人が迅速にアクセスできるように整備することが大切です。
RPAやAIの導入検討
バックオフィスの定型作業の自動化や高度な判断業務の効率化に向け、RPAやAIなどの適切なツールを選定しなければなりません。
単純作業の自動化により、人的工数を削減し、ミスを防ぎつつ処理速度の向上を図ります。
AIを活用することで、大量データの分析や複雑な意思決定の支援も可能です。
クラウド活用
バックオフィス業務のシステムをクラウド化することで、シームレスなデータ連携とリモートワークを実現することが有効です。
オンプレミスからクラウドへの移行により、システムの導入・運用コストを削減し、スケーラビリティを高められます。
クラウドを介した情報共有とコミュニケーションにより、場所や時間に制約されない柔軟な働き方をサポートできます。
ITツールの選定
バックオフィスDXのITツール選定では、自社の課題や目的に合致して使いやすさとコストパフォーマンスに優れたツールを選ぶことが大切です。
現場の業務内容や要望を踏まえ、利便性と機能性のバランスが取れた最適なツールを見極めましょう。
導入コストだけでなく、運用・保守の負荷や拡張性なども考慮し、中長期的な視点で評価することがポイントです。
運用体制の整備
導入したITツールの適切な運用・管理体制を整備し、継続的な改善を実施することがバックオフィスDXの成功に欠かせません。
ツールの利用ルールを定め、社員教育を徹底することで、ツールの定着と効果的な活用を促進します。
運用状況をモニタリングして定期的に評価を行うことで、PDCAサイクルを回し業務プロセスの最適化を図りましょう。
バックオフィスDX成功のポイント
バックオフィスDXを成功に導くには、以下のポイントが大切です。
- 経営層が重要性を認識する
- 現場を巻き込んで推進する
- 部分最適ではなく全体最適の視点を持つ
- PDCAサイクルの実践をする
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
経営層が重要性を認識する
バックオフィスDX成功には、経営層がその重要性を認識し、強いコミットメントを示すことが不可欠です。
トップ自らがDXのビジョンを明確に打ち出し、組織全体に変革の意義を浸透させましょう。
DX推進に必要な権限委譲と投資判断を行い、現場の取り組みを後押しする体制を整備することが求められます。
現場を巻き込んで推進する
バックオフィスDXでは実際の利用者の意見を反映し、丁寧な説明で変化への抵抗感を和らげることが肝心です。
現場担当者を巻き込んで業務要件や改善案を吸い上げながら、DXの設計を進めます。
DXがもたらすメリットを明示し、定期的な進捗共有とフィードバックの機会を設けて社内の理解と協力を得ることが大切です。
部分最適ではなく全体最適の視点を持つ
バックオフィスDXは部署間の連携を意識し、全社的なプロセス改革を進めることが成功への近道です。
個別の業務効率化だけでなく、組織全体の生産性向上とビジネス価値の創造を目指します。
関連部署との協働や情報共有をスムーズに行い、部分的な最適化にとどまらず、会社全体の成長を促進しましょう。
PDCAサイクルの実践をする
バックオフィスDXは、ITツールやAIの導入だけで完了するわけではありません。バックオフィスDXの施策の効果検証と修正を繰り返し、継続的な改善を組織に根付かせることが重要です。
定期的にDXの進捗と成果を評価し、課題や改善点を抽出することでDXを浸透させましょう。
柔軟に施策を見直し、アップデートしながら、段階的にDXの高度化を図っていくことが肝要です。
企業のバックオフィスDX取り組み事例
バックオフィスDXに取り組み、業務効率化と価値創出を実現している以下の企業の事例を見てみましょう。
- 経理業務のデジタル化事例
- 人事業務効率化の実践例
- 総務部門のペーパーレス化
経理業務のデジタル化事例
電子請求書の活用で、月次決算の早期化と経理の働き方改革を実現可能です。
請求書のデータ化により、入力作業が大幅に削減され、従業員は付加価値の高い分析業務に専念できるようになります。
クラウドを活用したリモート決裁により、場所や時間に制約されない柔軟な働き方が実現できるのです。
人事業務効率化の実践例
ある企業では、採用管理システム導入により、応募者対応の自動化と母集団形成の強化に成功しました。
応募者データの一元管理と業務フローの電子化を進め、担当者の工数を削減しつつ、ミスのない迅速な対応を実現しました
システムに搭載されたAI機能により、適性の高い候補者の抽出と採用予測の高度化が可能になったのです。
総務部門のペーパーレス化
総務部門では、契約書の電子化とワークフローシステムの導入により、業務のスピードと正確性が向上します。
契約プロセスの標準化とテンプレート化を取り入れたことで、作成時間が短縮され、ミスのない契約書管理が実現可能です。
また、クラウドストレージとモバイルアプリの活用により、会社の内外問わずどこからでも契約書にアクセスし、承認を行えるようになります。
バックオフィスDXのこれから
デジタル技術の発展とニーズの高まりにより、バックオフィスDXはこれからますます加速していくでしょう。
ここでは、これからのバックオフィスDXの動きについて見ていきます。
- デジタル化の加速
- AIやデータ分析の高度化
- バックオフィス業務の変革
デジタル化の加速
コロナ禍で加速したデジタルシフトの流れは、バックオフィスDXをさらに後押しするでしょう。
リモートワークの定着により、ペーパーレス化やクラウド活用などの重要性がますます高まっています。
デジタル化の遅れが競争力の低下につながることを認識し、バックオフィスDXへの投資を加速させる企業が増えるはずです。
AIやデータ分析の高度化
高度なデジタル技術の発展により、バックオフィス業務の自動化と付加価値化が一段と進展する見込みです。
AIによる自然言語処理や画像認識などの応用が進み、これまで人間が行っていた高度な判断業務が自動化されます。
バックオフィスに蓄積されるビッグデータの分析が進化し、経営判断や事業戦略立案に役立つ機会が増加するでしょう。
バックオフィス業務の変革
これからは単なる効率化だけでなく、バックオフィスのビジネス価値創出力が問われる時代となります。
デジタル化により生まれたリソースを、付加価値の高い業務や新たなサービス開発に活用することが欠かせません。
バックオフィスは経営戦略を実現し、事業の成長を支える重要なビジネスパートナーとして進化していくでしょう。
競争力強化にバックオフィスDXを活用しよう
ビジネス環境の変化に対応するためには、バックオフィスのデジタルDXが大きな鍵です。
効率化を進め生産性向上とコスト削減で経営基盤を作りつつ、デジタル活用で付加価値創出力を高めることが必要になります。
ニューノーマル時代を勝ち抜くためにはバックオフィスDXによる強靭な組織づくりが肝心です。
デジタル技術を活用し、新たな価値創造と持続的成長を目指してバックオフィスの変革に挑戦しましょう。