ビジネス文書の書き方 第26回 社内文書の書式(2) 返信メール・報告メール・お礼メール・お詫びメール
上司の指示への返信メール/他部署の役職者からの指示への返信メール/ 中間報告のメール/紹介のお礼メール/支援のお礼メール/不手際のお詫びメール
この連載では、ビジネス文書の適切な書き方をお伝えします。
ビジネス文書には、一定の書式があります。
今回は、上司の指示への返信メールや社内の人へのお礼メールなどの文例6種を見てみましょう。
【上司の指示への返信メール】
あなたは上司とともに業界のセミナーに参加しました。
翌日、上司からメールで「名刺交換した方々に、お礼を伝えた上で自社のイベントに招待するメールを送るように」と指示を受けました。
この時点ではその仕事にまだ着手していませんが、上司に「確かに承りました」とすぐに返信しましょう。
件名:Re:お礼状の件 |
○○課長 お疲れさまです、上田です。 昨日は△△△△セミナーにお連れくださり、ありがとうございました。 名刺交換させていただいた方々へのお礼と、 □□□□イベントへのご案内の件、確かに承りました。 すぐに着手します。 --------------------------- ○○課 上田 匠海 内線:1234 E-mail ___________________ --------------------------- |
【他部署の役職者からの指示への返信メール】
あなたは他部署のマネージャーの顧客訪問に同行しました。
帰社後、次回の訪問に必要な提案書を作成するようマネージャーからメールで指示を受け、参考資料を添付ファイルで受信しました。
若手社員であるあなたにとって、仕事を覚える好機です。
同行させてもらったこと、マネージャーの姿勢から学んだこと、提案書作成の機会と参考資料をもらったことに対し、すぐにお礼を伝えましょう。
件名:【御礼】A社様訪問と提案書参考資料のお礼 |
○○マネージャー お疲れさまです、○○課の上田です。 本日はA社様への訪問に同行させていただき、誠にありがとうございました。 ○○マネージャーのプレゼンテーションを拝見し、大変勉強になりました。 また、提案書作成の機会と参考資料をいただき、重ねて御礼申し上げます。 まずは提案書の作成に注力いたします。 不明な点がありましたら、ご質問させていただくこともあると思いますが、 引き続きご指導くださいますよう、よろしくお願いいたします。 --------------------------- ○○課 上田 匠海 内線:1234 E-mail ___________________ --------------------------- |
【中間報告のメール】
営業パーソンのあなたは、商品企画部の担当者に同行してもらい、お客様を訪ねることになっています。
お客様に訪問日程を打診するメールを送りましたが、回答を待っている間に3日が経過しました。
そんな中、同行予定の商品企画部の人から「B社さんの件、どうなりましたか?」と問い合わせのメールが届きました。
連絡が遅れたことをお詫びし、現在の状況と今後の対応について迅速に報告しましょう。
商品企画部の人は、顧客訪問を優先してくれたために他の予定を入れることができず、お困りなのかもしれません。そんな配慮も忘れずにいたいですね。
件名:【お詫びとご報告】B社様訪問日程の件 |
商品企画部 ○○様 営業第一課の和田です。 このたびはB社様の案件にご協力をいただき、誠にありがとうございます。 訪問日程の件について、ご連絡が遅れ失礼いたしました。 現在、こちらから候補日程を提示し、B社様の返信を待っているところです。 改めて電話にて先方に確認を取りますので、 今しばらくお時間をいただけませんでしょうか。 ご多用の中、ご予定を空けてくださっていますのに、 お待たせして大変申し訳ありません。 先方との約束が確定していなくても、本日17時をメドに、 進展状況について再度メールを差し上げます。 以上、よろしくお願いいたします。 --------------------------- 営業第一課 和田 律 内線:1234 E-mail ___________________ --------------------------- |
未確定の要素があっても、次の報告のタイミングを具体的に伝えると、相手に安心感を与えます。
メールの返信を待っていても事態が進展しない時は電話を使いましょう。
【紹介のお礼メール】
あなたは自社商品への知識を深めたいと考え、資料を読み込むなど独学で勉強しています。
しかし不明点があった時、誰に質問すれば良いのか分かりません。そこで部長に相談したところ、「研究所の人に教えてもらうといいよ」と助言を受けました。
そして部長は、みずから研究所長に連絡を取り、適任者の紹介を依頼してくれました。
こうして、研究所のCさんのもとに通ってレクチャーを受けることに決まりました。あなたはさっそく部長にお礼を述べ、Cさんに電話で挨拶しました。
さらに、その電話を研究所長に取り次いでくれるよう頼みましたが、所長は不在であったため、メールでお礼を伝えることにしました。
件名:【御礼】Cさんご紹介のお礼(営業部 下村) |
研究所 ○○所長 営業部の下村です。 このたびは貴所のCさんをご紹介くださり、誠にありがとうございます。 私個人の勉強のために、Cさんには貴重なお時間を割いていただくことになり、 深く感謝しております。 紹介をご快諾くださいました○○所長のご厚意にも、心から御礼申し上げます。 来週○月○日に研究所をお訪ねし、Cさんにお会いする約束をいただいています。 その折には○○所長にもご挨拶をさせていただきたく思っております。 △△△△マシンへの理解を深め、これからの営業活動に生かせるよう努力いたします。 今後ともご指導くださいますよう、よろしくお願いいたします。 --------------------------- 営業部 下村 陽貴 内線:1234 E-mail ___________________ --------------------------- |
【支援のお礼メール】
あなたは、社内の人たちのアドバイスや支援のおかげで、大型受注に成功しました。
お世話になった方々に受注を報告するとともに、助力へのお礼を述べましょう。報告に当たって事実や数字を記載すれば、具体的な内容を示すことができます。
件名:【御礼】D社様 △△△△マシン受注のご報告とお礼 |
研究所 C様 カスタマーサポート課 ○○チーフ マーケティング室 □□様 営業部の下村です。いつもご助言をいただき、ありがとうございます。 さっそくですが、ご報告があります。 このたび、D社様に△△△△マシンを導入いただくことになりました。 [受注内容] ・金額:¥5,000,000- ・契約期間:20○○年○月○日から1年間(以降、毎年更新) Cさんには△△△△マシンの基礎知識を、 ○○チーフには導入時や運用時のポイントを、 □□さんには市場の動向について、丁寧にご教示いただきました。 お三方のアドバイスとご支援に、心から感謝申し上げます。 私にとって初めての△△△△マシンの提案でしたが、 おかげさまで大型受注に至り、大変喜んでおります。 スムーズな導入に向けて全力を尽くしますとともに、 お客様にご満足いただけるよう、これからも努力いたします。 まずはご報告と御礼を申し上げます。 --------------------------- 営業部 下村 陽貴 内線:1234 E-mail ___________________ --------------------------- |
【不手際のお詫びメール】
件名:【御礼とお詫び】○○イベント準備のお礼とお詫び |
△△課の皆様 □□課の皆様 おはようございます、営業第一課の和田です。 昨日は○○イベントの準備に長時間ご助力いただき、ありがとうございました。 しかしながら、皆様に段取りの悪いところをお見せしてしまい、 誠にお恥ずかしい限りです。 ご指摘いただいた点は全て改善いたします。 開催まで数日となりましたが、全力で準備する所存です。 さらにお気づきになった点がございましたら、ご教示いただけましたら幸いです。 引き続き、よろしくお願い申し上げます。 --------------------------- 営業第一課 和田 律 内線:1234 E-mail ___________________ --------------------------- |
叱責を受けるほどの落ち度でなくても、不手際などを指摘された時は、
- お恥ずかしい限りです
- 身の縮む思いです
- 面目次第もございません
などの言葉を用いて率直に謝りましょう。
タイミングを逃さず即日または翌日一番にお詫びを伝えれば、相手の心証もずいぶん良くなりますよ。
次回からは、報告書などの書き方を紹介します。