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第1回 確定申告で損をしないために


この記事の著者
高橋正晴税理士事務所  税理士 

確定申告はなぜ必要なのか?

そもそも、なぜ確定申告が必要なのでしょうか。国民の義務の一つに「納税」があることはご存じかと思います。この納税の方法にはいくつかの種類があり、その代表的なものに「申告納税方式」があります。
これは、「納税者が税法に従って自ら所得や税額を計算して、申告・納税するもの」です。今現在、国税のほとんどがこの方式により納税されていて、納税の基本となっています。
毎年3月15日が期限の確定申告は、個人の所得税についての納税を申告納税方式よって行っているとご理解いただければ良いと思います。
しかし、そうなると確定申告していない人が多くいますが、その人たちはどうやって納税しているのでしょう。

サラリーマンは確定申告をしないのか?

確定申告をしない人は多いですが、所得税では確定申告しない方が例外的なことなのです。会社から給与を受け取っている人、いわゆるサラリーマンを、所得税法では「給与所得者」といいますが、この給与所得者の多くは会社が行う年末調整によって、納税が完結してしまいます。そのため、給与所得者の多くは確定申告をしていません。
ただし、給与所得者の中でも、副収入が20万円以上ある人、年収が2,000万円を超える人などの一定の要件に当てはまる人たちは、確定申告をする必要があります。また、年末調整では控除されない控除額がある人については、確定申告をすれば税金が還付されるので確定申告をしています。

確定申告で損をしないために「所得」を知る

所得税は「所得」にかかる税金だから所得税なのですが、「所得」って何かご存知ですか?
収入=所得ではなくて、収入から経費を差し引いた金額が「所得」となります。
収入を得るためには、いろいろな経費がかかりますが、これを認めないで収入=所得として税金を計算すると、税率によっては、かかった経費以上に税金がかかってしまい税金が払えない事態が発生してしまいます。
そのため、収入を得るための経費を引いた所得に対して税金を課税することになっています。給与所得者の方は会社の経費しか使っていないから、経費がないのかと思われるかもしれませんが、給与所得控除として収入から一定額を経費とみなして所得が計算されています。

節税するために税額計算方法を知る

所得税額を計算するためには3つの過程があります。最初に所得を計算します。
次にその所得から控除できる控除額を引いた金額に税率をかけて税額を計算します。
最後にその税額から控除できる税額控除額を引いて納付税額が確定します。
式にすると下のようになります。
(1)  収入-経費=所得
(2) (所得-各種控除額)×税率=税額
(3) (2)の税額-税額控除額=納める税額
税率は、所得が大きくなると率が高くなる超過累進税率を採用していますので、いかに所得を抑えるかが、節税の1つ目のポイントになります。また、各種控除額、税額控除額が大きければ税額は低くなりますので、控除を大きくすることが節税の2つ目のポイントになります。

自分の当てはまる控除項目を知る

確定申告は年に1度しか行わないので、あまり意識されないかもしれませんが、確定申告を続けて行っていると、知らないうちに控除の項目が増えたり減ったりしていることがあります。
最近の動きとしては、子ども手当の財源に充てるために扶養控除や配偶者控除を廃止するということが言われています。実際に廃止されたものとしては、少し古い話になりますが、税額控除であった定率減税が平成18年を最後に廃止されています。
逆に増えたものとしては地震保険料控除があります。確定申告する方は、その年の控除を理解し、自分に当てはまる控除はしっかりと申告して、税金の払いすぎに注意してください。

ガイドのポイント

・確定申告は、自分で税額を計算して、申告・納税すること
・確定申告で節税するためには、第1に所得を低く抑えること
・第2に所得から引かれる各種控除と税額控除を把握すること

第2回 確定申告ココが見られていますよ。売上編

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著者プロフィール

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高橋 正晴

高橋正晴税理士事務所 税理士

お客様の「?」に「ベストアンサー」を追求することを理念に掲げ、税理士事務所を開設。税務、会計、財務、ITの分野で、起業からIPOまで、企業の成長フェーズに合わせた問題解決策を提供する。

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