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コンサルタントとは? 仕事内容、必要な資質を具体的に解説

著者:   bizocean事務局

コンサルタントとは? 仕事内容、必要な資質を具体的に解説

コンサルタントは、顧客(クライアント)が抱える問題や課題を調査・分析し、その解決に向けた戦略や提案をする仕事です。コンサルタントには、経営コンサルタントや戦略コンサルタントなど、多様な種類があり、各分野で専門性を強めています。

コンサルタントは激務の職業として広く知られていますが、どのような難しさがあるのか、一方でどのようなやりがいが得られるのか、それぞれ解説します。コンサルタントになるために必要な能力や資質も紹介しますので、参考にしてください。


コンサルタントとは?

コンサルタントとは、顧客が持っている問題や課題を分析し、解決策を提案する役割や仕事のことです。言葉の由来は英語の「consult(コンサルト)」であり、「相談する」や「(専門家に)助言を求める」などを意味します。

近年では、戦略提言だけでなく、実際の行動支援も行うことが一般的です。

多くのコンサルタントは、コンサルティングファームに所属し、専門性を有したチームと連携してクライアントを支援しています。
各コンサルタントは特定の領域やテーマに精通しており、的確なアドバイスや戦略を提供できるという仕組みです。


コンサルタントの仕事内容

コンサルタントは、具体的にどのような方法でクライアントの課題を解決するのでしょうか。ここでは、コンサルタントの主な仕事内容を2つの側面から解説します。

課題や戦略の提示と情報提供

コンサルタントの仕事は、企業の課題を明確にし、それに対する戦略を考案することです。主な業務内容には、以下の4つがあります。

  • 現状を分析し、課題を把握する
  • 課題の関連情報を収集する
  • 課題を解決するためのビジョン・方針を決める
  • 実行を支援する

課題を明らかにして戦略を立てる過程では、情報収集と情報提供が重要です。過去の実績に基づいたデータなど、根拠のある情報を集めて提示することで、企業の問題解決に向けた行動を支援する役割を果たしています。

課題解決や戦略の実行

近年、コンサルタントの役割は、課題解決策の提案だけでなく、戦略を実行して課題の解決まで行うことが求められるケースが増えています。

たとえば、組織内のスキルアップや人材育成が必要な場合、コンサルタント自身が研修プログラムを企画・実行します。そうすることで、直接的にスタッフや管理者を指導することが可能です。

コンサルティングを受ける企業は持続的な発展を促進するためにも、指導の成果を一時的なものにとどめない意識が必要です。コンサルティング期間後も成長できるような社内体制を築くことが理想です。


コンサルタントの種類

コンサルタントには、いくつか種類があるのをご存知でしょうか。それぞれの分野でよりよい成果を出せるよう、専門領域が強化されています。たとえば、経営や戦略、ITなど、その種類はさまざまです。

以下では、コンサルタントの種類別に、主な業務内容を解説します。

経営コンサルタント

経営コンサルタントは、企業の経営に関する課題の解決をメインに担当しています。
企業のビジョンや理念を踏まえ、最適な戦略を提案することが求められる仕事です。経営コンサルタントが携わる具体的な内容は、以下のようなものが挙げられます。

  • 事業計画
  • 財務
  • 人事
  • IT戦略

このように、幅広い視点から問題を分析することで、企業の経営を改善・向上へと促すことが重要です。経営コンサルトの実施期間は、基本的には短期的な過程で成果を目指せるとよいでしょう。

戦略コンサルタント

戦略コンサルタントは、企業の経営層に対し、経営をより発展させるための細かな戦略を提案(支援)する仕事のことです。

まず、クライアントとの取材や打ち合わせを通じて仮説を立て、その仮説を検証し、クライアントにとってベストな提案を行います。具体的な内容は、以下のとおりです。

  • M&A戦略
  • グローバル戦略
  • 新規事業立ち上げ
  • マーケティング戦略の見直し

企業の全体的な経営方針から、会計や人事といった専門分野に至るまで、幅広く取り組みます。戦略コンサルタントは、中長期的に戦略を策定することが理想です。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、IT(Information Technology:情報技術)を駆使して、クライアントの課題解決に貢献する仕事のことです。
近年では、ITがあらゆる業界でなくてはならない存在となっています。ITコンサルタントの主な対象は、以下のようなものです。

  • 情報収集
  • 経費削減
  • 集客戦略
  • システムの選定・導入

上記のように、ITを活用して情報の収集から集客のための戦略を策定するところまで、幅広い提案を行います。

ITコンサルタントとよく似た職業として、システムエンジニア(SE)をイメージする人もいるでしょう。システムエンジニアもシステム導入を行いますが、ITコンサルタントは経営的視点から課題解決に取り組むため、アプローチの方法に違いがあります。

人事コンサルタント

人事コンサルタントは、組織の基盤である人事に焦点を当て、課題解決を行う仕事です。人事面での経営課題を解決するのが、人事コンサルタントの役割とされています。
担当する分野は、主に以下のとおりです。

  • 人事組織
  • 採用活動
  • 人材育成

このように、採用・人事戦略の立案や人材育成プログラムの構築、組織・人事評価制度の改革などに重点を置いています。

人事に関する戦略は、クライアントの経営において極めて重要です。また、コンプライアンスや守秘義務の徹底も重要視されるので注意しましょう。

建設コンサルタント

建設コンサルタントは土木や建築の専門知識を有し、主に公共事業の工事発注者にアドバイスを提供する仕事です。
建設コンサルタントの業務は、主に以下のとおりです。

  • インフラ整備のサポート
  • 事業計画書の策定
  • 開発コストのシミュレーション
  • 工法の選定
  • 環境調査
  • 各種測量
  • プロジェクト管理
  • 現場監理

社会資本(インフラ)の整備は通常、国や地方自治体などの発注者、建設コンサルタント、建設会社の三者が協力して行われます。建設コンサルタントはこれらのプロジェクトで中心的な役割を果たし、建設工事の円滑な進行と品質の確保に貢献します。

医療コンサルタント

医療コンサルタントは、医療分野に特化したコンサルティングを行う仕事です。病院、介護施設、医療機器メーカー、製薬会社などが顧客にあたります。
医療コンサルタントが担当するのは、主に以下のような分野です。

  • 経営分析
  • 戦略策定
  • 経営サポート
  • 開業支援
  • 人材育成
  • 営業支援
  • IT導入支援

このように、医療コンサルタントは経営サポートのみならず、人材育成やIT導入支援など、幅広いニーズに応じます。クライアントは大学病院やクリニックだけでなく、医薬品・医療機器メーカーも対象です。

財務コンサルタント

財務コンサルタントは、財務および会計領域に特化した仕事のことです。
財務面でのコンサルティングが主な仕事ですが、以下のような分野を主に担当しています。

  • 業務プロセスの改善
  • 資金調達
  • 投資戦略の立案
  • M&Aに関する助言

上記のように、顧客の企業価値や資産状況を分析し、改善策や戦略を提案します。コンサルタント業務に際して公認会計士や税理士の資格は必須ではありませんが、持っていれば法的な適合性の提案も可能になるため、有資格者はより高い信頼を得られるでしょう。


コンサルタントになるには?求められる資質やスキル

コンサルタントは、業務のなかでさまざまな専門知識を求められる職業です。また、クライアントとの円滑なコミュニケーションや、必ず成果を上げることも重要視されています。

コンサルタントになるには、どのような資質やスキルが必要なのか理解しておきましょう。

論理的思考力

論理的思考力は、コンサルタントを目指すうえで重要なスキルです。プロジェクトの進行において、課題の特定や情報収集、問題解決案の策定など、すべての業務に影響を与えます。

論理的思考力を身に付けるには、複雑な問題を単純な要素に分解し、整理することで、筋道を立てて考える能力が求められます。

論理的思考力をより高めるには、

  • 仮説思考
  • ゼロベース思考
  • ポジティブ思考
  • フレームワーク思考

など、さまざまな思考スタンスを身に付けることも重要です。日常の小さな問題にも、解決に向けて論理的なアプローチを行うよう、常に心がけましょう。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、コンサルタントに必要なスキルです。
クライアントから重要な情報を円滑に収集したり、信頼を得たりするためには、高いコミュニケーション能力が重要と言われています。

また、それぞれ生い立ちや性格が違うメンバーと、共通の目標に向けてプロジェクトを進めるためにも、コミュニケーション能力が必要です。

コンサルタントには、自らの考えを分かりやすく伝えられるだけでなく、相手の意図を正しく把握する能力も問われます。話す力・聴く力・読解力を磨いて、クライアントに共感し、寄り添う能力を身に付けるとよいでしょう。

問題解決力

コンサルタントに必要な資質やスキルの一つに、問題解決力が挙げられます。以前は、戦略を立案することが重視されていましたが、近年では戦略の立案から実行を支援するところまでを一貫して担当するケースが多いです。そのため、行動や結果に責任を持つことが求められています。

問題解決能力は、問題の本質を見極め、適切な解決方法を見出して実行する能力です。解決方法を考える際は、具体的な解決手段を思案すると実行しやすくなります。また、実行した後に結果がどうだったかを検証することも大切です。

英語力

コンサルタントになるためには、時に英語力も必要です。日本のビジネス環境は、年々グローバル化しており、多くの日系企業が海外への展開を視野に入れています。
そのため、コンサルタントには、グローバルな案件に対応する英語力が求められるのです。

近年では、海外市場の獲得が事業拡大に欠かせない要素となっており、企業が海外展開を検討する理由の一つに該当します。完璧なネイティブレベルの語学力は必要ありませんが、ビジネスにおけるコミュニケーションをとるうえで、支障をきたさない程度の英語力は身に付けておきましょう。

体力・精神力

コンサルタントになるには、体力と精神力も欠かせません。コンサルティング業務は、企業の運営に直接関わる重要な役割を担うため、責任の伴う厳しい環境で行われます。

プロジェクトには膨大な量の地道な作業や長時間の業務、頻繁な出張が含まれているケースもあるため、ストレスの多い状況も少なくありません。

クライアントの要求に応える過程で、さまざまな問題に直面した場合には、その問題の解決に向けて、長時間の業務を耐久するための体力と精神力が重要視されます。成果を存分に発揮させるためにも、過酷な環境下で安定したパフォーマンスを維持できるように、身体や心を鍛えておきましょう。


コンサルタントのやりがい

コンサルタントは、さまざまなスキルが必要とされる職業です。この仕事をするうえで、どのようなやりがいを感じられるのでしょうか。

以下では、コンサルタントのやりがいを3つ紹介します。

達成感が得られる

コンサルタントのやりがいの一つは、達成感が得られることです。コンサルタントが取り組む企業の課題は、簡単に解決できるものではありません。取材や打ち合わせなどによるリサーチや精査、検証を何度も行いながら解決方法を探っていきます。
そのため、課題を解決した時に達成感を覚えることが多いです。

多岐にわたって取り組んできたプログラムが成功した時は、クライアントとその感動を共有することができるでしょう。

スキル向上に繋がる

コンサルタントのやりがいとして挙げられるのは、スキル向上に繋がることです。コンサルタントは、プロジェクトごとにメンバーの入れ替えがあり、担当する業務内容も違うため、さまざまな分野で知識が身に付けられます。

仲間のなかには、行政書士や司法書士など、専門的な資格を持ったメンバーもいるため、多彩なプロフェッショナルから学ぶ機会もあるでしょう。

自身の知識が増え、論理的思考力や問題解決能力、分析力などのスキルが向上します。コンサルタントとして身に付けたスキルは、ほかの場面でも活かせるため、人生におけるキャリアの可能性も広がるでしょう。

クライアントに貢献できる

クライアントに貢献できる点も、コンサルタントのやりがいです。コンサルタントは、先方が抱える課題の解決や業績の向上など、クライアントにとってポジティブな結果を多く提供します。

たとえば、クライアント企業における経費削減や人材育成のフォローなどにより、業績アップだけでなく、従業員の勤労意欲を向上させることにも寄与します。困っているクライアントに対して適切な提案を行うことで、感謝されたり、実際に人の役に立っている実感を得られたりするでしょう。


コンサルタントの難しさ

コンサルタントは、ハードワークな職業の一つです。やりがいや得られる達成感が大きい分、仕事の量やスケジュールが膨大で、ワークライフバランスを崩しやすいと言われています。

コンサルタントのどのような部分が難しいと感じられているのか、確認してみましょう。

明確な答えが存在しない

コンサルタントの難しさは、明確な答えが存在しないことです。コンサルタントは、自ら情報を収集し、問題解決に取り組みます。しかし、クライアントごとに課題や状況も異なるため、確実な解決手段はありません。

そのため、業務に取り組んでいくなかで、試行錯誤して解決策を探すことが必要です。
初期段階では課題そのものが分からない場合もあります。このような状況下でも、クライアントにベストな解決策を提供することが重要なため、コンサルタントの仕事は容易ではありません。

必ず成果が求められる

コンサルタントの世界では、必ず成果が求められます。クライアントは多額な費用を支払って依頼しているため、コンサルティングへの期待値も高いです。

クライアントにとっては経験の有無は関係なく、たとえ新人でも、その道の専門家としてプロの仕事を期待されます。

このため、緊張感のなかで成果を出さなければならず、時間的制約や技術的難題に直面することもあるので、難しく感じる人も多いかもしれません。

常に仕事が忙しい

コンサルタント業が難しいとされる点は、常に仕事が忙しいことにあります。
成果を期限内に達成させるため、拘束時間が長く、業務の量も多くなりがちで、ほかに手が回らない状態になる場合もあるでしょう。

プロジェクトに取り組んでいる期間は、業務にかかりっきりになる傾向がみられるうえ、プロジェクトは連続して進行します。

そのため、休日の時間を確保することが難しく、ワークライフバランスを維持するのが困難なケースもあります。コンサルタントには、精神的にも身体的にもタフさが必要です。


まとめ

この記事では、経営、戦略、ITなどのコンサルタントの種類や、求められる資質やスキルについて解説しました。コンサルタントになるには、論理的思考力やコミュニケーション能力が重要であり、体力や精神力も必要です。

コンサルタントという仕事は、達成感やスキルの向上、クライアントに貢献できる点など、ほかでは得られないようなやりがいが得られます。一方で、明確な解決策がないことや成果を求められるプレッシャー、日常的な忙しさなど、業務の難しさも計り知れません。

コンサルタントを目指すなら、自身の適性を見極めるためにも仕事内容についてしっかり理解しておきましょう。


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bizocean事務局

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