労務管理システムの費用完全ガイド:初期費用からランニングコストまで
労務管理システムにはクラウド型とオンプレミス型の2種類があります。それぞれ特徴が異なり、かかる初期費用と月額費用にも大きな違いがあります。自社の従業員数や必要な機能によっても費用が左右されるため、事前に費用の目安を知っておくと良いでしょう。
この記事では、両システムにかかる初期費用とランニングコストや費用を抑える方法などをご紹介します。自社に合った最適なシステムやプランを選択し、費用削減に役立ててください。
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労務管理と勤怠管理の違いは? 定義や業務内容の違いを解説労務管理システムの初期費用とランニングコスト
労務管理システムには、「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。労務管理システムを導入する場合どちらかを選ぶことになりますが、使用するサービスやプランによって費用は大きく異なります。導入する際は初期費用がいくらかはもちろん、長期的な視点での費用対効果を考えましょう。
クラウド型とオンプレミス型の費用比較
クラウド型とオンプレミス型のメリット・デメリットは以下の通りです。
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特徴 |
メリット |
デメリット |
クラウド型 |
既に構築されているオンラインサービスを使用する |
初期費用が安い |
サービス利用人数に伴い月額料金が発生 |
オンプレミス型 |
自社独自のシステムを一から構築する |
導入後、維持費を抑えられる場合がある |
初期費用が高い |
クラウド型は既存のオンラインサービスを使用するため、初期費用が低く抑えられます。ただし料金は従業員の人数に応じて決まるため、従業員が多いほど費用が高額になる可能性があります。
反対にオンプレミス型は自社に合ったシステムを一から構築するため、初期費用が高額になります。しかし、利用する従業員数に金額が左右されないため、長期的に見ればコストを削減できる場合もあります。
企業の規模や利用期間によってクラウド型が適しているのか、オンプレミス型が適しているのかが変わるため、長期的な視野を持って選択しましょう。
初期費用とランニングコストの内訳
労務管理システムの導入を検討する場合は、初期費用とランニングコストの詳細を把握しておきましょう。初期費用には主にシステム導入費やカスタマイズ費が含まれ、ランニングコストには月額利用料やサポート費用などが含まれます。
それぞれの初期費用の内訳は以下の通りです。
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初期費用 |
ランニングコスト |
クラウド型 |
システム導入費:0~20万円+カスタマイズ費 |
月額制:1名につき100円~800円
|
オンプレミス型 |
開発費:数百万円~ |
システム保守のための費用または外部委託費など場合により変動 |
主要な労務管理システムの費用比較
労務管理システムは、クラウド型かオンプレミス型かにより費用が大きく異なります。ここでは、それぞれのシステム運用にかかる費用を具体的にご紹介します。
クラウド型システムの費用
クラウド型の労務管理システムは、初期費用を抑えつつ必要な機能を利用できるため、多くの企業で採用されています。クラウド型システムの利用にかかる費用は、以下の表の通りです。
- 初期費用:0~20万円
- 月額基本料金:200~800円/人
クラウド型システムの利用料金は、提供される機能数やオプション、従業員数に応じて変動します。
たとえば勤怠管理機能のみの場合は1人当たり200~300円程度で済む一方、社会保険手続きなど、労務を総合的に管理できる機能付きのサービスの場合は1人当たり500~800円ほどになることもあります。
オンプレミス型システムの費用
オンプレミス型システムは初期費用が高額ですが、自社のニーズに合わせて細かくカスタマイズが可能で、費用が従業員数に左右されないなどのメリットもあります。オンプレミス型の費用相場は以下の通りです。
- 初期費用:数百万円~
- 年間保守費用:100~200万円
保守作業を他社に委託する場合は、年間で200万円以上かかるケースもあります。
労務管理システムの費用に影響する要因
労務管理システムの費用は、企業の規模や必要とする機能によって大きく変動します。
ここでは、システムの費用に影響を与える従業員数や、カスタマイズ機能について詳しく解説します。
従業員数と機能による費用の変動
クラウド型の場合、一般的に、従業員数が100人増えるごとに月額1〜2万円程度上昇します。
また、オプション機能は、クラウド型とオンプレミス型どちらも追加するごとに費用がかかります。たとえばあるサービスでは、10ユーザーまでの追加で月額1万円、アンチウイルス機能は1~50ユーザーまでの追加で、月額7,500円です。
サービスを契約する際は、自社に必要なシステムを使用できるかを見るのはもちろん、自社には必要のない機能がついていないかを確かめることも必要です。
カスタマイズ性と費用の関係
労務管理システムのカスタマイズ性は、初期費用や月額費用に大きな影響を与える要因の一つです。カスタマイズする機能によって、10万円~100万円までの差が出ることもあります。
たとえば、企業独自の勤怠ルールに合わせたカスタマイズをしたい場合、打刻方法を増やしたり、指紋認証などで本人しか打刻できないようにしたりすることも可能です。これらを導入する場合、システム調整にかかる工数に応じて費用が増加します。
ただし、適切に機能調整をすることにより業務効率が向上し、長期的に見て人件費の削減につながることもあるでしょう。カスタマイズにかかる費用と、それがもたらすメリットを慎重に比較検討し、自社にとって本当に必要かどうかを見極めることが重要です。
労務管理システムの初期費用を抑えるポイント
労務管理システムの導入を検討する際、初期費用の高さを懸念する方もいるでしょう。ここでは、必要最小限の機能から始める導入方法や、見落としがちなコストなど、初期費用を抑えるためのポイントについて解説します。
必要最小限の機能選択と段階的導入
労務管理システムの導入時に初期費用を抑えるためには、必要最小限の機能から始め、運用する中で必要だと感じる機能を段階的に導入していく方法が効果的です。
このような導入方法は、初期の費用負担を軽減し、システムの使用感を確認しながら最適な管理方法を見つけられます。また、導入後に機能の追加をすることで、不要な機能への投資を避けることもできるでしょう。
無料で労務管理システムをお試しできるものもあるため、一度試してみてから導入を検討することもおすすめです。
隠れコストへの注意点
労務管理システムの導入時には、見積書に明記されていない隠れコストにも注意が必要です。たとえば以下のような項目は、初期費用として計上されていない場合があります。
- データ移行費用(5〜20万円程度)
- ユーザートレーニング費用(1人あたり1〜3万円程度)
- システムのカスタマイズ費用
- 既存システムとの連携費用
- セキュリティ対策費用
これらの費用が見積書に明記されていない場合は、サービス会社に詳細の確認をするなどして、正確な費用を把握しておくことが重要です。
労務管理システムの費用対効果を最大化しよう
労務管理システムは、種類を問わず導入に一定の費用がかかります。ただしその分、労務管理が楽になり、業務効率化の実現が可能です。
労務管理システムを導入する際は、まず自社の従業員数や必要な機能を洗い出すところから始めましょう。そして、ある程度の期間をかけて試運用し、自社に合うように機能や運用方法などを調整していくことをおすすめします。もし導入するシステム選びに迷ったら、無料トライアルができるシステムをいくつか試してみても良いでしょう。
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