クラウド型ワークフローシステムの特徴と導入メリット

ワークフローの電子化を進めるうえで、クラウド型システムの活用が注目されています。クラウド型ワークフローシステムは、導入の容易さとコストメリットに優れ、リモートワーク時代の業務効率化を強力に支えるツールです。
本記事では、クラウド型ワークフローシステムの特徴や導入メリット、選定のポイントを詳しく解説します。ワークフローシステムの導入を検討している方はぜひ参考にし、自社に最適なシステム選びに役立ててください。
クラウド型ワークフローシステムとは?
クラウド型ワークフローシステムは、クラウド上で動作し、インターネットを介してどこからでもアクセスできるワークフロー管理ツールです。ユーザーは自社でシステムを構築・運用する必要がなく、機能を柔軟に追加・変更できるため、業務に合わせた最適なワークフローを構築できます。
従来のオンプレミス型システムでは、自社でサーバーを保有し、システムの開発や保守を行わなければなりませんでした。一方、クラウド型システムではそれらの負担から解放され、サービス提供者がシステムのインフラを管理してくれるため、企業はすぐにシステムを利用開始できます。
さらに、クラウドならではの可用性の高さと、場所を選ばないアクセス性の良さから、リモートワークや多拠点間の協働にも最適なツールだと言えるでしょう。
クラウド型ワークフローシステムとオンプレミス型との主な違い
クラウド型ワークフローシステムは、オンプレミス型と比較して、コスト面と管理負担の面で違いがあります。
コスト面では、クラウド型の方が初期投資を抑えられ、総コストの最適化が図りやすいのが特徴です。また、基盤の構築やセキュリティ対策など、インフラ面の管理がサービス提供者によって担われています。そのため、自社での専門知識がなくても運用でき、システムの管理負担を大幅に削減可能です。
一方、オンプレミス型では、ハードウェアの調達や自社でのシステム構築に多額の初期投資が必要です。加えて、運用・保守に専任の人員を割かなければならず、ランニングコストも少なくありません。
クラウド型ワークフローシステム導入のメリット
クラウド型ワークフローシステムの導入は、業務効率化とコスト削減の両面で大きなメリットをもたらします。ここでは、クラウド型システムならではのメリットを4点見ていきましょう。
・スピーディーな導入と柔軟な利用ができる
・初期コストと運用コストを削減できる
・セキュリティ面での安心感と信頼性が高い
・リモートワークに対応できる
スピーディーな導入と柔軟な利用ができる
クラウド型ワークフローシステムは、規模の変化に柔軟に対応できるため、企業のニーズに合わせて運用できます。また、自社でシステム基盤を用意する必要がないため、わずかな準備期間で利用を開始できるのが大きな魅力です。
例えば、ユーザー数や処理量に応じて、システムリソースの調整を行います。リソースの追加や縮小がリアルタイムで自動的に行われるため、必要なときに処理能力の強化が可能です。
ビジネスの成長に応じて、利用規模を柔軟に拡大・縮小できるため、必要なリソースの過不足を解消でき、コスト最適化にもつながります。
初期コストと運用コストを削減できる
クラウド型ワークフローシステムは、オンプレミス型と比べて、初期コストと運用コストが格段に抑えられます。自社でのシステム構築や保守運用が不要なため、多額の初期投資を回避でき、ITコストを大幅に削減可能です。
具体的には、ハードウェアやソフトウェアの調達、システム開発、インフラ構築など、自社で行わなければならない作業が一切なくなります。加えて、運用・保守に専任の人員を置く必要がなくなるため、人件費の削減効果も期待できます。
また、クラウドサービスの料金体系は、ユーザー数や利用量に応じた従量課金制が一般的です。必要な分だけ利用料を支払う形となるため、無駄のないコスト最適化が実現できるでしょう。
セキュリティ面での安心感と信頼性が高い
機密情報を扱うワークフローにおいて、セキュリティ面の安全性と信頼性の高さは重視すべき要件です。クラウド型ワークフローシステムでは、サービス提供者が責任を持って高度なセキュリティ対策を施してくれるため、自社での管理負担は最小限になります。
一般的なクラウドサービス提供者は、データセンターの物理的セキュリティや、ネットワークの防御、データの暗号化など、多層的なセキュリティ対策を講じています。
また、定期的なセキュリティ監査の実施や、国際的なセキュリティ・コンプライアンス基準の認証取得など、客観的に信頼性の高いセキュリティ管理体制を整えているサービスも数多くあるため心強いでしょう。
リモートワークに対応できる
クラウド型ワークフローシステムは、どこからでもアクセス可能な環境を提供し、リモートワークを支援します。インターネット接続環境さえ整っていれば、自宅やサテライトオフィス、移動中など、場所を問わず利用可能です。
申請書の作成や承認行為に紐づく情報を、クラウド上に一元管理できるのも大きな利点です。関係者がどこにいても最新情報にアクセスし、業務の進捗を把握できるため、メンバー間のコミュニケーションや情報共有が容易になります。
クラウド型ワークフローシステムの主な機能
クラウド型ワークフローシステムに欠かせない、代表的な機能を3つ紹介します。
・申請・承認機能
・外部システム連携機能
・進捗状況の可視化機能
ここでは、各機能を詳しく見ていきましょう。
申請・承認機能
クラウド型ワークフローに不可欠な機能が、申請と承認のデジタル化です。電子フォームによる申請データ入力から、承認プロセスの自動化、タスク完了時の自動通知に至るまで、ワークフロー全体を電子化できます。
これにより、紙の書類をやり取りする手間が一切不要になるほか、システムによる自動ルーティングで、適切な承認者に申請が自動で回されるようになります。事前に設定したルールに基づき、条件分岐を含む複雑な承認フローの自動化も可能です。
この自動化により、ヒューマンエラーを防止しつつ、大幅な時間短縮とペーパーレス化を同時に実現できます。関係者がリアルタイムで申請の状況を把握でき、スピーディーな意思決定を支援する点も大きなメリットです。
外部システム連携機能
クラウド型ワークフローシステムには、他のクラウドサービスやオンプレミスシステムと柔軟に連携できる機能があります。社内の基幹システムとワークフローを連動させることで、業務プロセス全体の自動化と効率化の促進が可能です。
例えば、経費精算業務において、ワークフローシステムと会計システムをAPI連携することを考えてみましょう。申請・承認が完了した経費データを、ワークフローシステムから会計システムへ自動で連携できれば、転記作業が一切不要になります。
これにより、業務の自動化を進めつつ、ミスのない正確なデータ管理を実現できるのです。ワークフローに蓄積された情報資産を他システムと共有し、データの二次利用を進めることで、新たな価値創出も期待できます。
進捗状況の可視化機能
クラウド型ワークフローシステムは、申請と承認の進捗状況をリアルタイムに可視化してくれる点も魅力です。ダッシュボード上で、処理待ちのタスクや滞留案件の把握、ボトルネックの特定などが容易に行えるようになります。
これにより、業務の停滞を未然に防ぎつつ、プロセス上の課題を迅速に洗い出すことが可能です。
また、関係者間で同じ情報を共有できるようになるため、コミュニケーションロスの解消にも役立ちます。処理状況の「見える化」は、属人的な仕事の抑止や、働き方改革の推進にも効果を発揮するでしょう。
クラウド型ワークフローシステム15選
ここからは、おすすめのクラウド型ワークフローシステム15製品をご紹介します。各システムの特徴や価格体系、主要機能などを比較しながら、選択の参考にしていただければ幸いです。
自社の規模や予算、重視する要件に合わせて最適なシステムを選び、クラウド型ワークフローの導入効果を最大限に引き出しましょう。
X-point Cloud
項目 | 内容 |
従業員規模 | 制限なし |
従量課金 | 500円〜 |
月額費用 | 20,000円〜 |
初期費用 | 0円 |
無料プラン/トライアル | 無料トライアルあり |
X-point Cloud(エクスポイントクラウド)は、紙の帳票イメージをWeb入力フォームとして利用できるクラウドワークフローシステムです。13年連続国内シェアNo.1を誇り、直感的な操作性で未経験でも構築・運用が可能な点が魅力。無料トライアルも提供しており、導入前の検証も可能です。
AgileWorks
項目 | 内容 |
従業員規模 | 501名以上 |
従量課金 | - |
月額費用 | 要問合せ |
初期費用 | 0円 |
無料プラン/トライアル | 無料トライアルあり |
AgileWorks(アジャイルワークス)は、人事システムを考慮した履歴構造を持つため、未来組織の事前設定が可能です。役職の管理や書類の引き継ぎ、権限の譲渡などの組織改編にも柔軟に対応できます。クラウド版とパッケージ版の2つの形態で提供されており、要件に合わせて選択できます。
ジンジャーワークフロー
項目 | 内容 |
従業員規模 | 制限なし |
従量課金 | 300円〜 |
月額費用 | 0円〜 |
初期費用 | - |
無料プラン/トライアル | 無料トライアル/無料プランあり |
ジンジャーワークフローは、社内のさまざまな申請・承認業務を効率化するクラウド型のワークフローシステムです。申請フォームのカスタマイズ性や、役職や組織などの人事情報をもとに、複数の申請を横断した共通での承認ルート設定ができるため、設定変更の工数を削減できます。
バクラク申請
項目 | 内容 |
従業員規模 | 要問合せ |
従量課金 | 10,000円〜 |
月額費用 | 要問合せ |
初期費用 | 要問合せ |
無料プラン/トライアル | 無料トライアルあり |
バクラク申請は、大企業から中小企業まで幅広い業種で導入されており、シリーズ累計導入社数は10,000社を超えています。改正電子帳簿保存法にも対応しており、タイムスタンプ付与による原本保存の不要化や、スキャナ保存要件の自動判定機能など、バックオフィス業務の課題解決に貢献します。
承認TIME
項目 | 内容 |
従業員規模 | 10名〜 |
従量課金 | 300円〜 |
月額費用 | 3,000円〜 |
初期費用 | 0円 |
無料プラン/トライアル | 無料トライアルあり |
承認TIMEは、稟議申請や押印申請をはじめとした社内文書の申請・承認・回覧を電子化するクラウド型のワークフローシステムです。スマートフォン・マルチOS対応で、場所を選ばず申請・承認ができる点が魅力。
マウス操作だけで簡単に文書フォームを作成することが可能で、豊富な入力項目で利用中の書類をそのまま電子化できます。
楽々WorkflowII
項目 | 内容 |
従業員規模 | 制限なし |
従量課金 | 500円 |
月額費用 | 10,000円〜 |
初期費用 | 50,000円〜 |
無料プラン/トライアル | なし |
楽々WorkflowII(らくらくワークフロー ツー)は複雑な承認経路もマウス操作で簡単に設定でき、スピーディーに立ち上げることが可能です。専門的なスキルがなくても申請フォームや承認フローを短期間で構築でき、部門利用から全社・グループ会社での利用まで対応しています。
価格プランはオンプレミス版とクラウド版があり、オンラインでの製品説明やデモ環境での無料お試しも可能です。
Create!Webフロー
項目 | 内容 |
従業員規模 | 10名〜 |
従量課金 | - |
月額費用 | 500円〜 |
初期費用 | 0円〜 |
無料プラン/トライアル | 無料トライアルあり |
Create!Webフロー(クリエイトウェブフロー)は、紙の申請書類の様式をそのまま再現した入力フォーム、PDF貼り付け機能、メール通知、スマートフォン対応など、直感的な画面とシンプルな操作性が特徴です。複雑な承認ルートにも柔軟に対応可能で、専門知識なしで設定・メンテナンスができます。
無料トライアルも提供しており、導入から運用まで手厚いサポート体制が強みです。
POWER EGG
項目 | 内容 |
従業員規模 | 10名〜 |
従量課金 | 3,160円〜 |
月額費用 | 0円 |
初期費用 | 0円 |
無料プラン/トライアル | 無料トライアルあり |
POWER EGG(パワーエッグ)は、ドラッグ&ドロップによる簡単なフォーム作成、必須チェックや自動計算などの入力補助機能、そして項目に応じた表示・編集制御が可能です。PCやスマートフォンからいつでもどこでも申請・承認が可能で、進捗状況の見える化により迅速な判断をサポートします。
グローバル企業向けに、多言語やタイムゾーン設定にも対応しています。
ジュガール
項目 | 内容 |
従業員規模 | 制限なし |
従量課金 | - |
月額費用 | 300円〜 |
初期費用 | 0円 |
無料プラン/トライアル | 無料トライアルあり |
ジュガールは、顧客の声をもとに改善・進化を続ける次世代型ワークフローシステムです。PCやスマホアプリから場所を選ばない働き方を実現し、メールアドレス不要で簡単にユーザー登録が可能です。LINE WORKSやTeamsとの連携により、申請の確認や承認がスムーズに行えます。
SmartDB
項目 | 内容 |
従業員規模 | 1,000名~ |
従量課金 | - |
月額費用 | 要問合せ |
初期費用 | 要問合せ |
無料プラン/トライアル | 要問合せ |
SmartDB(スマートデービー)は、Webデータベースとワークフロー機能を備えた大企業向けノーコード開発プラットフォームであり、現場主体で業務プロセスの完全デジタル化を実現できます。すぐに利用可能な、約50種類のテンプレートが用意されている点も魅力です。
WaWaFlow
項目 | 内容 |
従業員規模 | 制限なし |
従量課金 | 400円 |
月額費用 | 2,900円〜 |
初期費用 | 0円 |
無料プラン/トライアル | 無料トライアルあり |
WaWaFlow(ワワフロー)は、ソフトウェアのインストールが不要で、インターネットに接続可能なら、どこからでも導入できます。申請ルートや承認パターン、フリーフォームで書式を自由に作成でき、簡単な申請から複雑な申請まで柔軟に対応可能です。
プログラムの知識がなくても「申請フォーム」を簡単に作成でき、1ID月400円という手頃な価格で導入が可能です。
らくらくBOSS
項目 | 内容 |
従業員規模 | 制限なし |
従量課金 | 要問合せ |
月額費用 | 6,000円〜 |
初期費用 | 150,000円〜 |
無料プラン/トライアル | 無料トライアルあり |
らくらくBOSSは、クラウドベースの業務管理システムで、さまざまな管理業務を効率化します。通勤費の管理を効率化する「らくらく通勤費」、経費精算を簡単にできる「らくらく経費」、申請を電子化する「らくらく申請WF」、人事配置シミュレーションができる「らくらく検索ナビ」など、さまざまなサービスを提供しています。
クラウドベースのため低価格で利用でき、運用相談や導入後のサポートも充実しています。
MAJOR FLOW
項目 | 内容 |
従業員規模 | 50名〜 |
従量課金 | - |
月額費用 | 30,000円〜 |
初期費用 | 50,000円〜 |
無料プラン/トライアル | 無料トライアルあり |
MAJOR FLOW(メジャーフロー)は、自由に申請書を作成でき、稟議や総務、人事などの届出に対応します。高機能なフローエンジンと簡単な申請書作成ツールを備え、文書管理や電子契約システムとの連携も可能です。
また、内部の承認ルールに沿って申請内容に照らし合わせて適切な承認者を指定し、複雑な承認フローにも対応することで、社内の承認ルールの遵守を徹底します。
BPワークフロー
項目 | 内容 |
従業員規模 | 10名〜 |
従量課金 | 300円 |
月額費用 | 3,000円〜 |
初期費用 | 0円 |
無料プラン/トライアル | 無料トライアルあり |
BPワークフローは、BtoBプラットフォームサービスとの連携により、契約や発注稟議もワークフロー上で承認できるようになり、業務効率が飛躍的に向上します。サーバー設定などの手間が不要で、シンプルな画面設計により直感的な操作が可能です。
Forguncy
項目 | 内容 |
従業員規模 | 制限なし |
従量課金 | - |
月額費用 | 要問合せ |
初期費用 | 要問合せ |
無料プラン/トライアル | 無料トライアルあり |
Forguncy(フォーガンシー)は、Excelのように柔軟な画面デザインが可能で、セルのマス目を方眼紙として利用し、セル結合や罫線を使って紙の伝票のようなレイアウトを再現できます。Excelと同じ操作性で、細部の書式や条件書式、ショートカットキーに至るまで、使い慣れたExcelと同じ感覚で直感的に利用可能です。
Excel関数も利用でき、Excelスキルの延長線上で本格的なデータベースアプリを構築できます。
クラウド型ワークフローシステムの選び方のポイント
多様な製品が並ぶなかで、自社に最適なシステムを選ぶポイントは以下のとおりです。
・自社の課題と合っているか
・ユーザビリティとカスタマイズ性は十分か
・コストに対する拡張性があるか
ここでは、それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
自社の課題と合っているか
クラウド型ワークフローシステムの選定において、最も重視すべきは自社の課題との適合性です。現在の業務フローや抱えている課題を正しく理解し、それらを解決できるシステムを探し出すことが成功の鍵となります。
そのため、まずは自社の業務特性を整理することから始めましょう。例えば、申請と承認のプロセスがどの程度複雑なのか、一日あたりの処理件数やユーザー数の規模感など、システム選定に影響を与える要素を洗い出します。
そのうえで、業務効率化やコスト削減、ペーパーレス化など、システム導入の目的を明確に定義してください。
ユーザビリティとカスタマイズ性は十分か
クラウド型ワークフローシステムの選定では、ユーザビリティの高さとカスタマイズ性の柔軟さを確認しましょう。いくら高機能なシステムでも、使い勝手が悪ければ、現場に定着させることは困難です。
具体的には、操作画面の見やすさや、処理ステップの分かりやすさ、入力作業の簡便さなど、ユーザー目線での操作性を確認します。また、ワークフローの設計変更や、申請フォームの項目修正など、柔軟なカスタマイズができるかどうかも見落とせません。
ビジネスの変化に合わせて、システム側も柔軟に対応できるような拡張性の高さを兼ね備えている必要があります。システムを使いこなせる状態にしていくためにも、これらの点は入念にチェックすべきポイントです。
コストに対する拡張性があるか
クラウド型ワークフローシステムは、中長期的に使い続けていくことを前提に選定することが求められます。ビジネスの成長に合わせて、コストを抑えつつ、システムを柔軟に拡張できるかどうかも確認しましょう。
将来、ユーザー数や処理量が増大した際に、スムーズに利用規模を拡大できるかどうかのチェックは欠かせません。急激な利用増に耐えられるだけのスケーラビリティを備えているかどうか、慎重に見極める必要があります。
また、初期費用だけでなく、ランニングコストの予測可能性や安定性にも着目しましょう。中長期的な利用を想定し、トータルコストと拡張性を総合的に判断することが肝要です。
クラウド型ワークフローシステム導入の進め方
最後に、クラウド型ワークフローシステムを導入する際の進め方を解説します。ここでは、導入の成否を分ける以下のステップを順を追ってご紹介します。
- 現状の課題を明らかにする
- システムを比較する
- 導入計画を策定する
- ユーザートレーニングを実施する
円滑なシステム導入の実現に向けて、ぜひ参考にしてみてください。
現状の課題を明らかにする
クラウド型ワークフローシステム導入の第一歩は、現行の業務フローと課題の可視化です。業務の非効率な部分やムダを洗い出し、システム化による解決の余地を明らかにします。
まずは、申請から承認、アーカイブまで、一連の業務プロセスを図式化してみましょう。これにより、プロセスの流れが可視化され、非効率なステップや改善すべき箇所が一目でわかります。
例えば、承認が長引く、手動でのデータ入力が多い、紙の書類が多く保管・移動が煩雑などといった、具体的な問題点が浮かび上がるかもしれません。
現状の課題を正しく認識することは、その後の導入計画を適切に立案するために欠かせないプロセスです。
システムを比較する
次に、自社のニーズに合った複数のクラウド型ワークフローシステムを比較検討します。各社のサービス内容を詳細に調査し、要件定義に照らし合わせて自社に合ったシステムかを判断しましょう。
比較にあたっては、自社の課題解決につながる機能の充足度を重視します。加えて、セキュリティ面の信頼性、他システムとの連携力、将来の拡張性なども欠かせない指標です。
また、ベンダーの安定性や、サポート体制の充実度なども見落とせません。総合的な観点から、自社に最も合致するシステムを選び抜くことが肝要です。
導入計画を策定する
比較検討の末に最適なシステムが選定できたら、いよいよ本格的な導入計画の策定へと進みます。円滑なシステム移行を実現するためにも、関係部門を巻き込んだ入念な計画づくりが欠かせません。
スケジュールやタスク、役割分担、予算など、導入に必要な要素を洗い出し、計画の骨子を固めていきましょう。その後、導入後の運用イメージを関係者間で共有しつつ、懸念点の洗い出しと課題解決も並行して進めます。
また、システム化の影響が及ぶ部門に対しては、丁寧な説明を繰り返し、理解と協力を得ることが大切です。周到な準備と関係者の合意形成があってこそ、スムーズな導入が実現できます。
ユーザートレーニングを実施する
新しいワークフローシステムが現場にしっかりと根付くためには、ユーザーの教育とサポートが何より重要です。実際の運用開始に先立ち、入念なトレーニングを実施して、ユーザーのシステム習熟度を高めておきましょう。
操作方法の説明にとどまらず、新しい業務フローへの移行もサポートします。利用開始直後は、ユーザーの戸惑いや不安も大きいはずです。これらの不安を可能な限り払拭し、問題なく業務を遂行できるよう、手厚いフォローを心掛けましょう。
クラウド型ワークフローシステムで業務効率化を進めよう
ビジネスの効率化とスピードアップを実現するうえで、クラウド型ワークフローシステムへの期待は高まる一方です。申請と承認の自動化による業務の効率化に加え、場所と時間に制約されないワークスタイルを実現する点も大きな魅力と言えます。
本記事で解説したとおり、システム選定の際はクラウド型とオンプレミス型の違いを正しく理解し、自社のニーズに適したシステムを選ぶことが肝要です。初期の目的を見失わず、柔軟性とコストパフォーマンスに優れたシステムを導入し、持続的な業務効率化を実現しましょう。