オープンソースのワークフローシステム10選! メリットや選定ポイントを紹介

オープンソースのワークフローシステムは、ソースコードが公開されているため、誰でも自由に利用や改変、再配布を行えるワークフロー管理ツールです。システムの種類が豊富なため、自社の要件に合ったシステムの導入が可能ですが、初めて導入を考えている企業はどのシステムを導入するか、迷ってしまうかもしれません。
本記事では、オープンソースのワークフローシステムのメリットやおすすめシステム、選定ポイントについて解説します。オープンソースのワークフローシステムの導入を検討している企業は、ぜひ参考にしてください。
オープンソースのワークフローシステムのメリット
オープンソースのワークフローシステムには、企業にとって以下のようなメリットがあります。
・低コストで導入と運用ができる
・柔軟にカスタマイズできる
・ベンダー依存のリスクを回避できる
・高度な機能を備えている
ここでは、オープンソースのワークフローシステムが持つメリットについて、詳しく見ていきましょう。
低コストで導入と運用ができる
オープンソースのワークフローシステムは、ライセンス料が不要なため、最小限の初期費用で導入できます。そのため、商用ソフトウェアと比べて導入コストを大幅に抑えられるのが魅力です。
また、オープンソースであるため、長期的な運用コストも削減可能です。
柔軟にカスタマイズできる
オープンソースのワークフローシステムは、ソースコードが公開されているため、自社の業務プロセスに合わせて自由にカスタマイズできます。
APIやプラグイン機構などを活用することで、外部システムとのスムーズな連携も実現できます。また、業務要件の変化に合わせて、柔軟に機能拡張や変更を行えるのもメリットの一つです。
ベンダー依存のリスクを回避できる
オープンソースのワークフローシステムを採用することで、特定のベンダーに依存せずにシステムを構築・運用できます。自社でソースコードを保有・管理できるため、ベンダーの都合によるサポート終了などのリスクを回避できるのです。
また、オープンソースコミュニティによる継続的な開発とサポートにより、長期的に安定したシステム運用が可能となります。
高度な機能を備えている
オープンソースのワークフローシステムは、商用ソフトウェアに引けを取らない高度な機能と性能を備えています。大規模なワークフローの自動化や、複雑な業務プロセスの効率化にも対応可能です。
また、オープンソースならではの技術革新により、最新の機能や性能改善がタイムリーに反映されるのも大きな利点です。
オープンソースのワークフローシステム10選
オープンソースのワークフローシステムには、多くの種類が存在します。ここでは、代表的なオープンソースのワークフローシステムを比較し、それぞれの特長を見ていきましょう。
Forguncy
項目 | 内容 |
料金 | 開発ライセンス:189,200円(税込) 運用ライセンス:308,000円(税込)〜 |
無料トライアル/プラン | 無料トライアルあり(90日間) |
Forguncyは、メシウス株式会社が提供するノーコードWebアプリ開発プラットフォームです。Excelライクな操作で画面作成が可能で、基幹システムとの柔軟なデータ連携が特徴です。
承認ワークフローやメール通知、アクセス権管理など、業務システム構築に必要な機能を備え、オンプレミスやクラウドでも運用できます。
GroupSession
項目 | 内容 |
料金 | 要問合せ |
無料トライアル/プラン | ・無料版あり ・クラウド版30日無料トライアル |
GroupSessionは、無料で始められるグループウェアで、スケジュール管理、勤怠管理、ワークフロー、チャット、ファイル管理など多機能を搭載しています。クラウド版「byCloud」とエンタープライズ版「ZION」も用意され、企業の規模やニーズに応じた運用が可能です。
Exment
項目 | 内容 |
料金 | 商用ライセンス版:300,000円/サイト(ドメイン) |
無料トライアル/プラン | 無料版あり |
Exmentは、無料で利用できるノーコードのオープンソースWebデータベースシステムです。SSO(シングルサインオン)やワークフロー、電子申請、電子稟議システムにも対応。業務用テンプレートが用意されており、システム管理やデータ処理の効率化を実現します。
SHIRASAGI
項目 | 内容 |
料金 | - |
無料トライアル/プラン | 無料で利用可能 |
SHIRASAGIは、中・大規模団体向けのオープンソースCMS(コンテンツ管理システム)で、ウェブサイトの運営や更新を簡単にするツールです。官公庁、病院、大学、企業などに利用されています。
また、ワークフローやアクセス権管理などのセキュリティ機能が強化されており、安心して運用できます。
n8n
項目 | 内容 |
料金 | 要問合せ |
無料トライアル/プラン | 無料で利用可能 |
n8nは、無料で使えるオープンソースのワークフロー自動化ツールです。プログラミングなしで、複数のWebサービスやツールを連携し、業務を自動化できます。200以上のサービスに対応しており、デスクトップ版、クラウド版、セルフホスト版が選べます。
StackStorm
項目 | 内容 |
料金 | 要問合せ |
無料トライアル/プラン | 無料で利用可能 |
StackStormは、複数のアプリケーションやサービスを統合し、自動化するオープンソースプラットフォームです。継続的なデプロイメントやセキュリティ対応、トラブルシューティングなど、業務プロセスの自動化に役立ちます。
柔軟な自動化エンジンにより、企業のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。
Activiti
項目 | 内容 |
料金 | 要問合せ |
無料トライアル/プラン | 無料で利用可能 |
Activitiは、オープンソースのビジネスプロセス管理(BPMN)エンジンで、プロセス自動化を実現します。クラウド対応で、分散インフラやスケーラブルなビジネス自動化の構築が可能です。
プロセスランタイム、監査サービス、システム連携用のコネクタなどの機能を提供し、Kubernetesを活用したCI/CDやDevOpsにも最適化されています。
Project Flogo
項目 | 内容 |
料金 | 要問合せ |
無料トライアル/プラン | 無料で利用可能 |
Project Flogoは、イベント駆動型アプリケーションの開発を支援するオープンソースのフレームワークです。軽量で効率的なGoベースのフレームワークを使用し、エッジデバイスやサーバーレス環境に最適です。
イベント処理や機械学習の統合、マイクロゲートウェイの展開などが可能で、ビジュアルツールやGoでコードを記述してアプリケーションを作成できます。
Node-RED
項目 | 内容 |
料金 | 要問合せ |
無料トライアル/プラン | 無料で利用可能 |
Node-REDは、イベント駆動型アプリケーションを構築するためのローコードプラットフォームです。リアルタイムデータの収集、変換、可視化を簡単に行え、家庭用自動化から産業用制御システムまで幅広い用途に対応しています。
特に、Raspberry Piなどの低コストハードウェアやクラウド環境での実行が得意です。
Activepieces
項目 | 内容 |
料金 | 要問合せ |
無料トライアル/プラン | 要問合せ |
Activepiecesは、ノーコードのビジネス自動化ツールで、ユーザーが簡単にアプリケーション間でワークフローを自動化できるプラットフォームです。特に、マーケティング、セールス、サポート、IT運用の分野での活用が推奨されています。
オープンソースのワークフローシステムと他のシステムの違い
オープンソースのワークフローシステムは、他のシステムとは異なる特長を持っています。ここでは、以下のシステムと、オープンソースのワークフローシステムの違いについて詳しく見ていきましょう。
・パッケージソフト
・ワークフローアプリ
・クラウドサービス
パッケージソフトとの違い
パッケージソフトは、初期設定が簡単で短期間に導入できるメリットがありますが、自社の業務プロセスに合わせたカスタマイズが難しいです。
一方、オープンソースのワークフローシステムは、導入に専門的な知識が必要な一方、自由にカスタマイズできるため、自社の業務に適した形に仕上げることが可能です。
ワークフローアプリとの違い
ワークフローアプリは手軽に利用できますが、機能が限定的で業務適合性が低いという特徴があります。すぐに利用を開始できる手軽さがありますが、業務プロセスの自動化や効率化には限界があるのです。
一方、オープンソースのワークフローシステムは柔軟性が高く、複雑な業務プロセスの自動化が可能なため、業務の効率化に適しています。
クラウドサービスとの違い
クラウドサービスはインフラ管理の手間が不要で、導入が容易ですが、カスタマイズの自由度が低く、長期的なコストが高くなる可能性があります。
一方、オープンソースのワークフローシステムは、自社でインフラを用意しなければなりませんが、カスタマイズの自由度が高く、長期的なコストを抑えることが可能です。
オープンソースのワークフローシステムを選ぶ際のポイント
オープンソースのワークフローシステムを選ぶ際は、以下のポイントに着目しましょう。
・業務要件を満たした機能が備わっているか
・コミュニティの活発さとサポート体制は充分か
・ユーザーインターフェースは分かりやすいか
・投資対効果は見込めるか
ここでは、自社に合ったシステムを選ぶポイントについて詳しく解説します。
業務要件を満たした機能が備わっているか
オープンソースのワークフローシステムを選ぶ際は、自社の業務プロセスに適した機能がそろっているかを確認してください。
業務フローを分析し、承認ステップや条件分岐、タスクの自動化など必要な機能を明確にしましょう。そのうえで、オープンソースのワークフローシステムが、これらの機能を充分に備えているかをチェックします。機能が不足する場合は、カスタマイズできるかどうかの確認も欠かせません。
コミュニティの活発さとサポート体制は充分か
オープンソースのワークフローシステムの選定では、オープンソースコミュニティの活発さと情報交換・サポートの充実度に着目しましょう。
活発なコミュニティがあれば、ユーザー同士の情報交換や問題解決が円滑に行えます。また、オープンソースベンダーによるサポート体制の有無や、有償サポートの内容も確認しておくことが望ましいです。
ユーザーインターフェースは分かりやすいか
オープンソースのワークフローシステムのユーザーインターフェースは、ユーザーにとって直感的で使いやすいことが求められます。業務フローの設定や実行、モニタリングなどの操作が、ビジネスユーザーにとって理解しやすく使いやすいものを選びましょう。
ユーザーインターフェースのデザインや使い勝手は、ワークフローシステムの利用率や定着度に大きく影響します。
投資対効果は見込めるか
オープンソースのワークフローシステムの導入では、導入・運用コストと業務効率化による投資対効果を総合的に判断することが肝要です。オープンソースとはいえ、導入・運用には一定のコストがかかることを理解し、中長期的な費用対効果を見積もらなければなりません。
ワークフローの自動化や効率化による業務改善の効果を数値化し、投資対効果を明確にすることをおすすめします。コストと効果のバランスを考慮し、自社に最適なシステムを選定しましょう。
オープンソースのワークフローシステムを活用して、企業の業務効率化を実現しよう
オープンソースのワークフローシステムは、低コストで柔軟なワークフロー環境を構築できます。企業は、オープンソースのワークフローシステムの特徴を理解し、自社に適したシステムを選定・導入することで、業務効率化を実現できるでしょう。
本記事では、オープンソースのワークフローシステムのメリットや他のシステムとの違い、選定のポイントなどを詳しく解説してきました。これらのポイントを押さえ、自社の業務課題に合ったオープンソースのワークフローシステムを選定・活用することで、業務の効率化とコスト削減を実現しましょう。