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入退室管理システム比較7選! 失敗しない選び方のポイントを解説

入退室管理システム比較7選! 失敗しない選び方のポイントを解説

オフィスセキュリティの要となるのが入退室管理システムです。しかし、多様な認証方法や管理形態があり、自社に最適なシステムを選ぶことは容易ではありません。

本記事では、入退室管理システムの基礎知識から導入メリット、比較ポイントなどを詳しく解説します。


比較前に知るべき、入退室管理システムの基礎知識

入退室管理システムを適切に比較するためには、まずは基本的な仕組みと種類を理解することが重要です。

ここでは、認証方法の種類とデータ管理方法の種類について詳しく解説します。

認証方法の種類

入退室管理システムの主な認証方法は、以下のとおりです。

  • ICカード
  • 生体認証
  • スマートフォン
  • テンキー

ICカード認証は、社員証や交通系ICカードを活用でき、導入が容易ですが、カードの紛失や盗難によるなりすましのリスクがあります。

指紋や顔、静脈などの生体認証は、本人以外の認証が極めて困難で、高いセキュリティを実現できますが、機器が高額でコストの負担が大きいです。

スマートフォン認証は専用アプリを利用し、物理的なカードが不要なため、紛失リスクを軽減しながら利便性とセキュリティを両立できます。

データ管理方法の種類

入退室管理システムのデータ管理方法は、大きくクラウド型オンプレミス型の2種類に分類されます。

クラウド型は、インターネット経由でどこからでもデータにアクセスできるのが特徴です。法改正や新機能追加にも、自動でアップデート対応してくれます。自社でサーバーを管理する必要がないため、初期投資を抑えられ、メンテナンスの手間とコストを削減できる点が大きな利点です。

一方、オンプレミス型は自社サーバーでデータを完全に管理するため、外部ネットワークから独立した環境を構築できます。コストや手間はかかるものの、自社で自由にカスタマイズできるのが魅力です。


入退室管理システムを導入するメリット

それでは、そもそも入退室管理システムを導入することで、どのような恩恵を得られるのでしょうか。

入退室管理システムを導入するメリットは、以下のとおりです。

  • 部外者の侵入を防ぎ、セキュリティを強化する
  • 正確な勤怠管理を自動化・効率化する
  • 入退室履歴を活用して、内部統制を強化する
  • オフィスの無人受付や省人化を実現する

ここでは、上記のメリットについて詳しく解説します。

部外者の侵入を防ぎ、セキュリティを強化する

入退室管理システムは、認証された関係者のみの入室を許可する仕組みです。そのため、物理的なセキュリティレベルを向上させることができます。

「誰が」「いつ」「どこに」入退室したかの正確な記録がデジタルデータとして残るため、不正行為や情報漏洩に対する抑止力となるでしょう。サーバールームや機密書類保管室など、特定のエリアごとに入室権限を細かく設定できるため、重要度に応じたセキュリティレベルの構築が可能です。

正確な勤怠管理を自動化・効率化する

入退室時刻の記録を勤怠データとして直接利用することで、タイムカードの打刻漏れや不正打刻を防止できるのもメリットです。管理者は従業員の労働時間をリアルタイムで把握が可能で、36協定の遵守や長時間労働の是正など、適切な労務管理に活用できます。

また、月末の勤怠集計作業や給与計算ソフトへのデータ入力が自動化されるため、人事・労務担当者の業務負担の軽減につながります。在宅勤務やフレックスタイム制など、多様な働き方にも柔軟に対応できます。

入退室履歴を活用して、内部統制を強化する

全ての入退室ログが、改ざん不可能な客観的データとして保存されるため、PマークやISMS認証の取得・維持につながります。PマークやISMS認証は、個人情報を適切に取り扱っている企業であることの証です。

保存されたデータは、内部監査や外部監査において、セキュリティ管理体制の適切性を証明する重要な根拠資料として活用できます。問題発生時には、保存されたログを時系列で追跡することで、迅速な原因究明と再発防止策の立案が可能です。

従業員の入退室状況を可視化することで、コンプライアンス意識の向上を促し、不正行為の予防にもつながります。

オフィスの無人受付や省人化を実現する

来訪者用のQRコード発行機能や顔認証機能を利用すれば、受付担当者を配置せずに、スムーズで安全な来客対応が可能になります。システムで解錠や施錠を遠隔管理できるため、警備員や管理者の常駐が不要です。これにより、年間数百万円の人件費削減につながります。

また、鍵の物理的な受け渡しが不要になるため、コワーキングスペースやシェアオフィスなど、不特定多数が利用する施設の運営も効率化できるでしょう。


入退室管理システムの選び方|5つの比較ポイント

入退室管理システムを選定する際は、自社の環境や求める要件に合致したシステムを見極めましょう。

入退室管理システムを比較する際のポイントは、以下のとおりです。

  • 自社の環境に合った認証方法を選ぶ
  • 管理方法に合わせて設置形態を選ぶ
  • 既存の勤怠管理システムなどと連携できるかを確認する
  • 万が一に備えて、サポート体制を比較する
  • 予算内で最適な導入・運用コストを見積もる

ここでは、上記の比較ポイントについて詳しく解説します。

自社の環境に合った認証方法を選ぶ

認証方法を選ぶ際は、セキュリティレベルと利便性のバランスを考慮しましょう。自社の環境や運用方針に合わせて、決定する必要があります。

高度なセキュリティが求められる研究施設や金融機関では、なりすましが困難になるため、指紋や顔、静脈などの生体認証が最適です。

一般的なオフィスで従業員の利便性を重視する場合は、既存の社員証や交通系ICカードを活用できるシステムが推奨されます。

来訪者が多い環境では、事前登録不要のQRコード認証や、受付での顔写真撮影機能があると運用がスムーズです。

管理方法に合わせて設置形態を選ぶ

設置形態は、企業のIT環境やセキュリティポリシー、拠点数などを総合的に考慮して決定すべきです。

クラウド型は初期費用を抑えられ、複数拠点の一元管理も容易なため、成長企業や全国展開している企業に適しています。インターネット環境さえあれば導入でき、システムの保守やアップデートも自動で行われるため、IT専任者がいない企業でも運用可能です。

オンプレミス型は、外部ネットワークから完全に独立した環境を構築できます。自社でサーバーを設置する必要がありますが、独自のセキュリティポリシーを適用したい大企業や官公庁におすすめです。

既存の勤怠管理システムなどと連携できるかを確認する

勤怠管理システムとの連携により、入退室記録を自動的に出勤・退勤データとして活用でき、労務管理業務を効率化することが可能です。バックオフィス業務全体を効率化するなら、給与計算ソフトや人事管理システムとの連携も視野に入れましょう。

また、会計システムとの連携により、部門別の入退室データから正確な原価計算やプロジェクト管理も可能になります。なお、導入前に、現在利用中のシステムとのAPI連携の可否、必要なカスタマイズの範囲、連携にかかる追加費用を確認することが重要です。

万が一に備えて、サポート体制を比較する

入退室管理は企業のセキュリティの要です。そのため、トラブル発生時でも業務が止まらないような、充実したサポート体制が欠かせません。24時間365日対応のサポートデスクがあるか、緊急時の駆けつけサービスがあるかなど、サポートレベルを比較検討しましょう。

導入時の設置工事、初期設定、従業員への操作説明から、運用開始後の定期メンテナンスまで、一貫したサポートを提供するベンダーは信頼性が高いです。電話やメールだけでなく、チャットやリモート接続でのサポート、オンサイトでの対応など、多様な問い合わせ方法があるかも確認しておきましょう。

予算内で最適な導入・運用コストを見積もる

入退室管理システムのコストは、機器代や工事費などの初期費用と、システム利用料や保守費などのランニングコストが含まれます。クラウド型は初期費用が安くて月額課金、オンプレミス型は初期費用が高くて月額費用が少ない傾向です。そのため、3~5年の総コストで比較すべきでしょう。

利用する扉の数、登録する従業員数、必要な機能によって料金は大きく変動するため、自社の要件を明確にしたうえで見積もりを行います。また、将来的な拡張性も考慮し、従業員増加時の追加費用、拠点追加時の料金体系なども事前に確認しておくことが重要です。


入退室管理システム比較7選

ここからは、入退室管理システムを7つ厳選してご紹介します。具体的な手順や機能を確認しながら、社内にあったシステムを導入しましょう。

Akerun入退室管理システム

項目 内容
提供形態 クラウド/サービス
従業員規模 制限なし
従量課金 -
月額費用 550円〜
初期費用 30,000円〜

Akerun(アケルン)入退室管理システムは、オフィスや共有スペース向けに特化した後付けスマートロックで、工事不要で既存のサムターンドアに貼り付けるだけで導入が可能です。

スマホアプリやICカード、オプションの顔認証など、多彩な解錠手段に対応し、担当者通知とも連動するため、入退室管理が自動・非対面で完結します。

カギカン

項目 内容
提供形態 クラウド
従業員規模 お問合せ
従量課金 お問合せ
月額費用 お問合せ
初期費用 お問合せ

カギカンは、工事不要で既存のドアに貼り付けるだけで利用できる、Qrio(キュリオ)製スマートロックとクラウド鍵管理プラットフォームを組み合わせた鍵・入退室管理システムです。

合鍵の発行・削除・変更・遠隔解錠をWeb管理画面から簡単に行え、従業員・来訪者ごとのアクセス権限を柔軟に設定できます。

AI Office Base

項目 内容
提供形態 クラウド/サービス/ ASP
従業員規模 30名〜500名
従量課金 0円
月額費用 10,000円〜
初期費用 -

AI Office Baseは、工事不要でiPadやスマホによる顔認証・QRコード認識に対応し、多拠点やリモートオフィスにも向いた仕様です。クラウド上で「誰が」「いつ」「どこに」入室したかをリアルタイムに記録・管理でき、分析ダッシュボードで異常検知や混雑状況の把握も可能。

KEYVOXスマートロック

項目 内容
提供形態 クラウド/サービス
従業員規模 制限なし
従量課金 0円
月額費用 2,500円〜
初期費用 0円or250,000円

KEYVOX(キイボックス) スマートロックは、QRコードによる高速解錠とクラウド管理を融合させたスマートロックソリューションで、取り付けるだけで既存ドアに導入できる手軽さが魅力です。

オンライン/オフラインのQR発行モードにより、インターネット接続の有無にかかわらず一時キーを発行でき、イベント会場や時間貸しスペース、宿泊施設など多様な用途に対応します。

SPLATS PASS

項目 内容
提供形態 クラウド/サービス
従業員規模 制限なし
従量課金 0円
月額費用 9,000円〜
初期費用 -

SPLATS PASS(スプラッツパス)は、クラウド型の後付けスマートロックとして、ICカード・QRコード・スマホアプリ・顔認証など多彩な解錠方式を備えた入退室管理システムです。

「RECEPTIONIST」と連携すれば、受付で発行されたゲスト用QRコードがそのまま扉解錠にも使え、受付から入室までの一連業務を完全自動化できます。

iDoors

項目 内容
提供形態 クラウド/サービス/ ASP
従業員規模 制限なし
従量課金 0円
月額費用 12,000円〜
初期費用 577,800円〜

iDoorsは、既存ドアに電気錠を後付けし、スマホ・ICカード・QRコード・顔認証などの多様な認証方式で鍵の管理ができる、クラウド型入退室システムです。

API連携により勤怠システム(例:奉行Edge)との打刻連動や予約システムとの同期もスムーズに実現可能で、勤怠や拠点予約との融合運用が実現できます。

Safie Entrance2

項目 内容
提供形態 クラウド/サービス/ ASP
従業員規模 制限なし
従量課金 0円
月額費用 15,000円〜
初期費用 99,300円〜

Safie(セーフィー) Entrance2は、顔認証を主軸にしたクラウド型の入退室管理サービスで、非接触・ハンズフリー認証を実現。デュアルレンズカメラにより、200 ms以下・99 %以上の高認証精度を誇ります。また、温度測定センサーの内蔵により、感染症対策にも対応しています。


入退室管理システム導入時の注意点

ここまで、入退室管理システムの比較ポイントを紹介しました。

最後に、入退室管理システム導入に押さえておくべきポイントは、以下のとおりです。

  • 導入によって解決したい課題を明確にする
  • 設置したいドアの種類や工事の必要性を確認する
  • 従業員がスムーズに利用できる運用体制を整える

ここでは、上記の注意点について詳しく解説します。

導入によって解決したい課題を明確にする

必要な機能やシステムを的確に選定するためには、まずは導入目的を明確にしましょう。「セキュリティ強化」「勤怠管理の効率化」「無人運営の実現」など、具体的に言語化します。

目的が曖昧なまま導入すると、多機能だが使いこなせない、あるいは必要な機能が不足しているといった失敗に陥りやすいです。現場の従業員、管理部門、経営層の管理者からヒアリングを行い、現状の課題と期待する効果を洗い出しましょう。

設置したいドアの種類や工事の必要性を確認する

システムによっては、自動ドア、電気錠、電磁錠など、対応できるドアの種類に制限があるため、事前の確認が必須です。既存のドアに後付けできる簡易型もあれば、配線工事や壁の穿孔、ドア自体の交換など、大掛かりな工事が必要な場合もあります。

工事の規模によっては、業務への影響を最小限にするため、休日や夜間の施工計画を立てなければいけません。賃貸オフィスの場合は原状回復義務があるため、ビル管理会社への事前確認と承認取得が不可欠です。

従業員がスムーズに利用できる運用体制を整える

導入前に全従業員への説明会を実施し、システムの目的、使い方、メリット、トラブル時の対応方法を丁寧に周知しましょう。ICカードの紛失時、生体認証のエラー時、システム障害時など、さまざまなトラブルシーンを想定した運用ルールをマニュアル化します。

また、入退室権限の申請・承認フロー、来訪者対応の手順、緊急時の解錠方法など、日常的な運用手順も明文化しておくべきです。そして、システムの管理者や問い合わせ窓口を明確に定め、従業員が安心して利用できるサポート体制を社内に構築してください。


最適な入退室管理システムを比較して、自社の課題を解決しよう

入退室管理システムは、認証方法やデータ管理方法によって多様な選択肢があり、それぞれに特徴があります。利便性とコストの低さを取るなら、クラウド型でICカード認証のものが、高いセキュリティレベルを取るなら、オンプレミス型で生体認証のものがおすすめです。

入退室管理システムを導入するメリットは、セキュリティ強化、勤怠管理の自動化、内部統制の強化など、多岐にわたります。しかし、自社の環境や目的に合ったシステムを選ばないと、効果が最大限発揮されません。管理方法や自社の運用方針を明確にしたうえで、選定することが重要です。

本記事で紹介したように、認証方法、設置形態、既存システムとの連携性、サポート体制、コストなどから、総合的に比較しましょう。また、導入を成功させるためには、設置環境の事前確認、従業員への周知と運用体制の整備も不可欠です。


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