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帳票電子化のメリットとは? デメリットや手順、システムの選び方を解説

帳票電子化のメリットとは? デメリットや手順、システムの選び方を解説

帳票の電子化は、多くの企業にとって業務効率化とコスト削減を実現するための重要な取り組みです。請求書や納品書などの紙書類をデジタル化することで、印刷・郵送コストの削減だけでなく、検索性の向上やテレワーク対応も実現します。

また、電子帳簿保存法の改正により、電子取引データの保存が義務化されたことで、帳票電子化は避けて通れない経営課題となりました。本記事では、帳票電子化のメリット・デメリットから導入手順、システムの選び方まで詳しく解説します。これまで帳票を紙で管理しており、電子化への移行を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。


帳票電子化とは?

帳票電子化とは、従来紙で運用していた各種書類を電子データに変換して管理する取り組みのことです。単に紙をスキャンするだけでなく、法的要件を満たした形で保存し、業務プロセス全体をデジタル化することが求められます。

ここでは、帳票電子化の基本的な概念と関連する法令について詳しく解説します。

紙の帳票を電子データに変換して管理すること

前述のとおり、帳票電子化とは、これまで紙で発行・保存していた請求書や納品書を、PDFなどの電子データに置き換えるものですが、具体的には以下のようなメリットが生まれます。

データ化の際は、複合機のスキャナ機能やOCR技術を用いることで、既存の紙文書も高精度にシステムへ取り込めます。また、データ化された情報はサーバーやクラウド上で一元管理されるため、物理的なファイリング作業や棚卸しの手間がかかりません。

このように、紙の書類では対応が難しかった検索性や共有性を、電子化によって大幅に高められる点が特徴です。

電子帳簿保存法やe-文書法への対応が必須となる

電子帳簿保存法は、税務関係の帳簿や書類をデータで保存する際のルールを定めた法律であり、全ての事業者が遵守すべき義務です。

e-文書法とは、法律で保存が義務付けられている書類を、紙ではなく電子データで保存することを認めた法律となります。法令に準拠したシステムを導入することで、改ざん防止や検索機能の確保といった法的要件を自動的にクリアできるでしょう。

これらの法令を正しく理解し、適切なシステムを選定することが、帳票電子化を成功させる鍵となります。

電子化の対象となる主要な帳票

企業取引で頻繁に発生する請求書や領収書、納品書、見積書は、電子化による業務効率化のメリットを特に享受しやすい帳票です。社内向けの精算書や稟議書、注文書といった文書も電子化の対象に含まれ、承認プロセスの迅速化に大きく寄与するでしょう。

また、帳票以外の国税関係書類である契約書なども電子化して電子署名を活用することで、印紙税の削減という直接的な利益も得られます。まずは発行頻度の高い帳票から電子化を始め、段階的に対象を広げていくのが効果的な進め方です。

スキャナ保存と電子取引データの保存の違い

スキャナ保存と電子取引データの保存の違いは、下記のとおりです。

スキャナ保存 取引先から紙で受け取った書類をスキャンして画像データとして保存する形態
電子取引データの保存 メールやWebサイトからダウンロードした電子データを、紙に出力せずそのままの形式で保存する形態

電子取引データの書面保存は原則として廃止されたため、経営者は自社の保存運用が最新の法規制に適合しているか必ず確認してください。それぞれの保存方法には異なる要件があるため、正しく理解して運用することが重要です。

帳票電子化のメリット

帳票を電子化することで、企業は主に以下のメリットを得られます。

  • 印刷代や郵送費などの直接的なコストを削減できる
  • 帳票の検索スピードを向上させて、業務時間を短縮する
  • 物理的な保管スペースを削減して、オフィスを有効活用できる
  • テレワークを導入して、場所を問わない働き方を実現する
  • 承認フローをデジタル化して、意思決定のスピードを速める
  • 紛失や持ち出しによる情報漏洩リスクを低減する
  • 災害時でもデータが守られるBCP対策を強化できる
  • バックオフィスの生産性を向上させて、コア業務へ注力できる
  • 経営状況をリアルタイムに可視化して、迅速な経営判断を行える
  • 企業全体のDXを加速させ、組織のデジタル化を促進できる

ここでは、帳票電子化によって得られる10のメリットを詳しく見ていきましょう。

印刷代や郵送費などの直接的なコストを削減できる

帳票を電子化することで、これまで毎月発生していた用紙代やインク代、封筒代といった消耗品費を大幅に削減できます。取引先への郵送にかかる切手代や宅配便の費用が不要になるため、送付件数が多い企業ほど経費削減の効果を実感しやすいです。

人手による封入作業や投函にかかる人件費も減らせるので、トータルでの事務的なコストを最小限に抑えられます。年間の削減額を試算してみると、具体的な導入効果がより明確になるでしょう。

帳票の検索スピードを向上させて、業務時間を短縮する

電子化された帳票は取引先名、日付、金額などのキーワードで即座に検索できるため、書類を探し回る無駄な時間がなくなります。過去数年分のデータであっても、デスクに座ったまま短時間で閲覧でき、顧客からの問い合わせに対しても迅速な回答が可能です。

監査や税務調査の際にも、必要な書類をリストアップしてすぐに提示できる体制は、対応工数の削減に寄与します。こうした検索性の向上は、日々の業務効率を大きく改善する要素といえます。

物理的な保管スペースを削減して、オフィスを有効活用できる

法律で定められた長期保存が必要な書類をデータで管理すれば、キャビネットや外部倉庫などの保管スペースが不要です。オフィス内に溢れていた書類棚を撤去することで、執務スペースの拡張や会議室の増設といったオフィスの有効活用が実現するでしょう。

賃料の高い都市部のオフィスにおいて、坪単価に見合わない「紙の保管場所」の削減は、経営効率の向上に直結します。こうした保管スペースの見直しは、固定費の圧縮という観点からも有効な取り組みの1つです。

テレワークを導入して、場所を問わない働き方を実現する

クラウド型のシステムを導入すれば、自宅や外出先からでも帳票の作成や確認、発行ができるようになり、場所の制約がなくなります。「ハンコをもらうためだけに出社する」という非効率な慣習を打破し、柔軟なワークスタイルを全社的に取り入れやすくなるでしょう。

育児や介護などを理由にテレワークを行う従業員もオフィス出勤者と同じように業務を続けられるため、優秀な人材の離職防止にもつながります。働き方改革に取り組むうえで、帳票電子化は避けて通れないステップです。

承認フローをデジタル化して、意思決定のスピードを速める

ワークフロー機能により、上長がどこにいてもスマートフォンやPCから承認を行えるため、停滞していた決裁がスムーズに進むでしょう。書類の回覧状況がリアルタイムで可視化され、どの工程で承認が止まっているかを即座に特定し、的確なリマインドが可能です。

承認ルートの自動化により、人為的な回覧ミスや書類の紛失を防ぐだけでなく、経営判断に必要な情報をスピーディーに集められます。意思決定のスピード向上は、企業の競争力強化に欠かせない要素です。

紛失や持ち出しによる情報漏洩リスクを低減する

紙の書類と異なり、電子データには詳細なアクセス権限を設定できるため、権限のない従業員による閲覧や持ち出しを未然に防げます。「誰が・いつ・どの書類を閲覧したか」という操作ログが自動で記録されるため、不正利用に対する強い抑止力が働くでしょう。

また、物理的な持ち出しによる紛失事故や、誤配送による情報流出のリスクについても、暗号化技術や認証機能によって大幅に低減できます。企業の信用を守るためには、こうしたセキュリティ強化への投資も重視すべきです。

災害時でもデータが守られるBCP対策を強化できる

クラウド上にデータをバックアップすることで、火災や震災によってオフィスが被災しても、重要書類の消失を避けられます。紙の帳票は一度焼失・水没すると復元が不可能ですが、電子データであれば、速やかに業務を再開できる体制を整えられるでしょう。

地理的に離れた場所にあるサーバーへ分散して保存を行えば、広域災害時における企業の事業継続性を飛躍的に高めることが可能です。BCP対策の観点からも、帳票の電子化は企業の命運を分ける重要な経営判断と言えるでしょう。

バックオフィスの生産性を向上させて、コア業務へ注力できる

事務作業にかかる非生産的な時間を削減し、浮いたリソースを売上向上に直結する営業活動や戦略立案へと振り向けることが可能です。単純な転記作業や照合業務の自動化により、従業員の精神的な負担を減らし、クリエイティブな仕事に集中できる環境を築けます。

人手不足が深刻化するなかで、少ない人数でもミスなく業務を回せる効率的な組織体制を整えることは、長期的な競争力の確保につながるでしょう。限られたリソースを最大限に活用し、付加価値の高い業務へ投資するための手段として、帳票のデータ化は極めて有効な選択です。

経営状況をリアルタイムに可視化して、迅速な経営判断を行える

帳票がデータ化されることで月次の売上や経費が即座に集計され、最新の財務状況をタイムラグなく把握できるようになります。資金繰りの予測やプロジェクトごとの採算管理が容易になり、不透明なコストを早期に発見して経営改善を後押しするでしょう。

リアルタイムの可視化により、根拠に基づいた正確な数字を即座に出せるので、金融機関への融資相談や外部パートナーとの交渉において信頼を得やすくなります。客観的なデータに基づく経営判断は、企業の成長を加速させるために不可欠な要素です。

企業全体のDXを加速させ、組織のデジタル化を促進できる

帳票の電子化は、全社的なデジタル化を開始するうえで特に効果的な施策です。これを成功させることで、社内のIT活用に対する心理的ハードルを下げられます。

紙文化からの脱却は、組織全体の働き方や思考をデジタル中心に変革するきっかけとなり、変化に強い企業文化の醸成に寄与します。蓄積された取引データの分析・活用によって、顧客動向の把握や新規事業のヒントを得るなど、データを軸にした経営へとスムーズに移行が可能です。

帳票電子化をDX推進の起点として位置付け、全社的な変革を実現するための一歩としましょう。


帳票電子化のデメリット

帳票電子化には多くのメリットがある一方で、導入時に考慮すべきデメリットも存在します。帳票電子化における主なデメリットは、以下の4つです。

  • 初期費用の発生やシステム維持費が必要になる
  • 導入当初は現場の作業負荷が一時的に増大する
  • システム障害が発生した際に閲覧や発行が止まる恐れがある
  • 原本保管が必要な書類を判別する手間がかかる

これらのデメリットを事前に把握し、適切な対策を講じることで、スムーズな導入を実現できるでしょう。ここでは、上記のデメリットについて解説します。

初期費用の発生やシステム維持費が必要になる

システムの導入にはソフトウェアのライセンス料や、既存データ移行のためのコンサルティング費用などの初期投資が必要です。導入後も月額利用料やサーバーの維持費が発生するため、削減できるコストと照らし合わせ、投資対効果を事前に試算しましょう。

スキャナや高機能なPCなどのハードウェアを新調する際は、その購入費用も予算に含めて検討しなければなりません。目先のコスト増減だけを見るのではなく、長期的な視点でコスト試算を行い、投資回収の見通しを立てる姿勢が求められます。

導入当初は現場の作業負荷が一時的に増大する

従来の紙による運用に慣れた従業員にとって、新しいシステムの操作方法を習得することは精神的・時間的な負担になりがちです。加えて、過去の紙書類をデータ化して整理する移行作業が発生するため、導入から数ヶ月間は通常業務以外の工数が増加するでしょう。

また、操作ミスによるトラブルを防ぐための社内研修や、新しい運用ルールの徹底にも、一定期間の教育コストが必要です。こうした導入初期の負荷を軽減するため、業務への影響を考慮した段階的な移行計画を立てることをおすすめします。

システム障害が発生した際に閲覧や発行が止まる恐れがある

万が一サーバーダウンやネットワーク障害が発生すると、一時的に全ての帳票データにアクセスできなくなるリスクがあります。さらに、システムの保守メンテナンス中は業務が制限される可能性があるため、夜間や休日など、業務に影響の少ないスケジュール調整が欠かせません。

障害時の代替手段やオフラインでの対応フローをあらかじめ策定しておかないと、取引先への対応が遅れる事態を招く恐れがあります。安定した運用を実現するには、十分なバックアップ体制と緊急時の対応フローを事前に構築しておくことが重要です。

原本保管が必要な書類を判別する手間がかかる

全ての書類が法律上デジタル保存だけで認められるわけではなく、一部の契約書など原本保管が推奨される書類も存在します。電子化しても良い書類と、紙のまま残すべき書類を法的に仕分けする作業には、専門的な知識とチェック体制が求められるでしょう。

誤って原本を破棄してしまうと税務上の不利益を被る可能性があるため、厳格な廃棄ルールとダブルチェックの仕組みが不可欠です。税理士や専門家のアドバイスを受けながら、コンプライアンスに則った適切な運用ルールを策定することが、安全な運用への近道といえます。


帳票電子化の方法と導入ステップ

帳票電子化を成功させるためには、以下のような計画的なアプローチが不可欠です。

  1. 現状の帳票の種類と発行フローをすべて洗い出す
  2. 電子化する帳票の優先順位を決定して、スモールスタートする
  3. 自社の要件に合致したシステムを選定し、比較検討する
  4. テスト運用を実施して、現場のフィードバックを反映させる
  5. 全社展開を行い、紙の廃止に向けた運用ルールを徹底する

ここでは、上記の各ステップを詳しく解説します。

1.現状の帳票の種類と発行フローをすべて洗い出す

まずは社内で流通している全ての書類をリストアップし、それぞれの発行頻度や承認経路、保管期間を詳細に把握しましょう。現状のフローにおける「無駄な押印」や「移動時間」といった課題を可視化することで、電子化による改善効果を明確にできます。

あわせて、現場の担当者からヒアリングを行い、表に出てこない独自のルールや例外処理がないかを徹底的に調査することが、失敗を防ぐコツです。現状把握を丁寧に行うことが、導入後の予期せぬトラブルを回避し、スムーズな運用を実現する土台となります。

2.電子化する帳票の優先順位を決定して、スモールスタートする

全書類を一斉に電子化すると現場の混乱を招く恐れがあるため、まずは「発行数が多いもの」や「社内完結するもの」から着手しましょう。特定の部署や特定の取引先に限定して先行導入を行い、そこで得た成功事例や反省点を全社展開に活かすのが賢明です。

段階的に成功体験を積み重ねることで、電子化に消極的な従業員の理解も得やすくなり、組織全体の変革がスムーズに進みます。小さな成功の積み重ねこそが、組織一人ひとりの意識を変え、大きな変革を成功させるステップです。

3.自社の要件に合致したシステムを選定し、比較検討する

洗い出した課題と必要な機能を照らし合わせ、予算と機能のバランスが最も優れたシステムを3社程度ピックアップするのが望ましいです。単なるカタログスペックの比較だけでなく、自社の特殊な業務要件に対応できる柔軟性を備えているか、担当者への直接的な確認が欠かせません。

見積もりには初期費用だけでなく、保守費用やオプション料金を含めた「5年間の総コスト」を算出させ、長期的な投資対効果を測る判断材料にしましょう。複数のシステムを多角的に比較検討することが、自社にとって最適なシステムを選ぶポイントです。

4.テスト運用を実施して、現場のフィードバックを反映させる

システムの本番導入前に、一部の実際の業務データを用いてテスト運用を行い、操作上の課題や改善点を洗い出してください。現場の従業員から不満や要望を積極的に収集し、設定の変更やマニュアルの修正に反映させることで、システムの使い勝手を向上させられます。

また、テスト期間中にイレギュラーな事態への対応手順を確立しておけば、本番稼働後の大きな混乱や業務停止のリスクを避けられるでしょう。こうしたテスト運用の工程は、システムを社内に定着させ、スムーズな本番稼働を実現させるための基盤となるプロセスです。

5.全社展開を行い、紙の廃止に向けた運用ルールを徹底する

テストの結果を受けて運用フローを最終決定し、全社員に向けて社長自らが電子化の目的と重要性を直接発信しましょう。「原則として紙の発行を禁止する」といった強い方針を打ち出すとともに、旧来のやり方に戻らないよう定期的なチェック体制を整えることが肝心です。

システムを導入して終わりではなく、利用状況や業務への効果を定期的に分析しながら、より効率的な運用を目指して継続的に改善を重ねていく体制が求められます。経営層が責任を持って電子化の取り組みを主導することが、新しい業務ルールを組織内に定着させる鍵となるでしょう。


自社に最適な電子帳票システムの選び方

電子帳票システムは多数のベンダーから提供されており、機能や価格帯はそれぞれ異なります。自社に最適なシステムを選定するためには、主に以下の観点から比較検討することが欠かせません。

  • 電子帳簿保存法に対応したシステムを選ぶ
  • 既存の会計システムやERPとスムーズに連携できるものを選ぶ
  • 現場の従業員が迷わず使える、操作性の高いツールを選ぶ
  • 大量のデータ処理に耐えられるスケーラビリティを確認する
  • 導入実績が豊富で信頼できるベンダーのサポート体制を選ぶ

ここでは、上記のポイントを詳しく解説します。

電子帳簿保存法に対応したシステムを選ぶ

タイムスタンプ付与機能や検索要件の充足など、電子帳簿保存法が定める厳しい要件を満たしているかを最優先に確認しましょう。JIIMA認証(※)を取得している製品であれば、自社で詳細な法的適合性をチェックする手間が省けるので、安心かつ円滑な導入を進められます。

※国税関係帳簿の作成や保存を行う市販のソフトウェアについて、電子帳簿保存法の要件を満たしているかをチェックし、満たしていると判断したものを認証する制度。

また、法改正のたびにベンダー側で無償アップデートが行われるクラウド型サービスを選ぶことで、将来的な制度変更にも柔軟に対応可能です。長期的な運用を見据えるうえで、法令対応は最も重要な選定ポイントの1つと言えます。

既存の会計システムやERPとスムーズに連携できるものを選ぶ

現在使用している会計ソフトとデータ連携ができるシステムを選択すれば、手入力の手間が省け、転記ミスの大幅な低減が可能です。CSV連携だけでなくAPI連携に対応しているツールを選ぶことで、データがリアルタイムに同期され、経営数値の把握スピードも速められます。

基幹システムから直接電子帳票を発行できる仕組みを築ければ、業務の二重作業を防ぎ、現場の生産性向上につながるでしょう。

現場の従業員が迷わず使える、操作性の高いツールを選ぶ

多機能であることよりも、ボタン配置が分かりやすく、数クリックで目的の作業を完結できるシンプルなUIを重視すべきです。スマートフォンのアプリ対応やモバイル端末での視認性が高い製品は、外出の多い営業担当者や現場スタッフの利便性を高める要素となります。

また、導入前にデモや無料トライアルを活用し、実際の業務を担当する社員に操作感を試してもらうことで、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。現場の使いやすさは、システムを形骸化させず、着実に定着させるための判断基準として見逃せません。

大量のデータ処理に耐えられるスケーラビリティを確認する

将来的な事業拡大や取引件数の増加を想定し、大量のアクセスやデータ保存があっても動作が重くならないシステムを選びましょう。ユーザー数の増減に柔軟に対応できる料金体系であれば、導入時はスモールスタートし、必要に応じて利用範囲を広げることが可能です。

また、データの保存容量に制限がある場合、数年後に保存できなくなるリスクがあります。将来のデータ蓄積量を考慮したプランを選定することで、短期間での乗り換えや業務停滞を防ぐ備えとなるでしょう。

導入実績が豊富で信頼できるベンダーのサポート体制を選ぶ

同業種や同規模の企業での導入実績が多いベンダーは、特有の商習慣や課題を把握しているため、的確なアドバイスが期待できます。導入時の設定支援だけでなく、運用開始後も電話やチャットによるサポートが十分に受けられるかを確認しておくと、不明点の解消やトラブル発生時の迅速な対応につながります。

加えて、ベンダー自体の経営状態が安定しており、長期にわたってサービスを提供し続ける信頼性があるかも選定基準に含めましょう。サポート体制の充実度は、システムを安定して使い続けられるかを左右する要素です。


帳票電子化を進める際の注意点

帳票電子化を成功させるためには、システム導入だけでなく、以下の点にも注意が必要です。

  • 社内の業務フローを紙前提からデジタル前提に再設計する
  • 取引先に対して、電子化への理解と協力を依頼する
  • 社内のITリテラシーに合わせた操作マニュアルを整備する
  • セキュリティポリシーを改定して、アクセス権限を明確にする

事前に注意点を把握し、適切な対策を講じることで、スムーズな移行を実現できるでしょう。ここでは、電子化を進める際に特に気を付けるべき4つのポイントを解説します。

社内の業務フローを紙前提からデジタル前提に再設計する

単に紙をPDF化するのではなく、作成から承認、送付、保存までの一連の流れをデジタルで完結するように最適化しましょう。重複した確認作業や不要な押印プロセスを廃止し、デジタルならではの効率的なプロセスへ作り替えるのが望ましいです。

既存のやり方にとらわれず、現場の意見を取り入れながらボトルネックを解消していくことで、実態に即した新しいフローを構築できます。業務フローの再設計は、電子化の効果を十分に引き出すための重要なステップです。

取引先に対して、電子化への理解と協力を依頼する

自社が電子化しても、取引先が従来の紙での運用を希望する場合はペーパーレス化が進まないため、電子化に向けた丁寧な説明と合意形成が不可欠です。電子取引への移行は、取引先にとっても「受け取りが早くなる」「紛失しない」といった実務上のメリットがあることを具体的に伝えましょう。

取引先のIT環境に配慮し、複雑なシステムの登録を強いるのではなく、メール添付などの受け入れやすい方法から提案してください。既存の取引関係に配慮しながら、段階的に電子化の範囲を広げていくのが有効です。

社内のITリテラシーに合わせた操作マニュアルを整備する

システムを導入するだけでは活用は定着しないため、誰が読んでも理解できる図解入りの操作マニュアルを作成しましょう。PC操作に不慣れな従業員がいる場合は、必要に応じて講習会を開催するなど、全社員が等しく使いこなせるような支援体制を整えることが大切です。

操作ミスが起きた際の連絡窓口を明確にし、現場の不安を解消することで、新しいシステムへの移行に対する心理的なハードルを下げられます。実際の業務手順を明確に示したマニュアルと丁寧なサポート体制の構築が、電子化を社内に根付かせる土台となるのです。

セキュリティポリシーを改定して、アクセス権限を明確にする

機密性の高い帳票データが適切に管理されるよう、役職や部署に応じた詳細な閲覧・編集権限をシステム上で設定してください。外部からの不正アクセスを防ぐため、多要素認証の導入やパスワードポリシーの強化をセキュリティ規定に明文化すべきです。

私用端末でのアクセス制限やログの定期チェックを運用ルールとして定め、内部不正と外部攻撃の両面からデータを保護する体制を築きましょう。こうした強固なセキュリティ対策は、電子化の信頼性を支える基盤となります。


帳票電子化のメリットを活かして、未来に強い組織を作ろう!

帳票電子化は単なるコスト削減の手段にとどまらず、経営スピードを加速させ、法規制への適応と守りの強化を同時に実現する経営戦略です。紙の管理による時間と場所の制約を解消することで、テレワークへの対応や優秀な人材の確保、災害に強い組織作りが可能になるでしょう。

導入時のコストや現場の負荷というハードルを乗り越え、明確な方針を持って推進することで、企業全体のDXと持続的な成長を実現できます。本記事で紹介したメリット・デメリットや導入ステップ、システムの選び方を参考に、自社に最適な帳票電子化を進めてください。

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