帳票OCRフリーソフトおすすめ17選! 無料版の注意点や選び方を解説
経理業務において、紙の請求書や領収書を手作業で入力する作業は大きな負担となっています。そこで注目されているのが、帳票OCRフリーソフトです。
このツールを活用すれば、スキャンした帳票から文字情報を自動で読み取り、データ化する作業を効率化できます。近年では無料でも高性能なOCRソフトが増えており、中小企業やスタートアップでも気軽に導入できる環境が整ってきました。
本記事では、帳票OCRフリーソフトの基本的な機能や選び方のポイント、導入時の注意点を詳しく解説します。経理部門のデジタル化を進めたい方、手入力の工数を削減したい方は、ぜひ参考にしてください。
帳票OCRフリーソフトとは?
OCRは「Optical Character Recognition(光学文字認識)」の略称で、印刷された画像文字や手書き文字を電子テキストに変換する技術を指します。帳票OCRフリーソフトとは、スキャナやカメラで取り込んだ帳票の画像から、文字情報を自動で認識してデジタル化する技術を無料で利用できるソフトウェアです。
フリーソフトであっても、高性能なOCRエンジンを搭載しているものが数多く存在しており、請求書や領収書などの情報を高い精度で抽出することが可能です。特に定型型の帳票には一定の精度を発揮し、有料版に引けを取らない認識能力を実現できるケースもあります。
帳票OCRを導入すると、紙の書類をデータ化して保存できるため、物理的な保管場所の削減だけでなく、社内での報共有スピードを加速させることにもつながります。経理業務のデジタル化を推進する第一歩として、無料のOCRソフトから試してみるのがおすすめです。
帳票OCRフリーソフトの主な機能
帳票OCRフリーソフトには、業務効率化を実現するためのさまざまな機能が搭載されています。基本的な文字認識機能をはじめ、読み取り範囲の指定やデータ出力機能など、経理業務に役立つ機能が無料で利用可能です。
以下に、代表的な7つの機能を詳しく解説します。
基本の文字認識機能
画像やPDFに含まれる文字情報をデジタルなテキストデータに変換することが、帳票OCRフリーソフトの最も基本的かつ核心的な機能です。この機能を活用すれば、紙の書類を目で見て手入力する非効率な作業から解放されます。データの確認と修正だけで済むため、作業時間を大幅に短縮できるでしょう。
フリーソフトでも、印刷された活字であれば高い精度で文字を抽出できます。特に定型的な請求書やレシートの処理においては、業務負担を確実に軽減することが可能です。
精度が気になる場合は、複数のソフトで同じ書類を読み取って比較検証することも有効です。
エリア指定・座標定義機能
帳票内のどこに「日付」や「金額」があるかをあらかじめ指定すれば、必要な情報だけを効率的に抜き出せます。フリーソフトのなかには、マウス操作で読み取り範囲を四角く囲むだけで設定できるものもあり、プログラミング知識がなくても運用可能です。
この機能を使いこなせば、取引先ごとに異なるフォーマットの帳票であっても、重要なデータだけをピンポイントでデータ化できます。テンプレートとして保存しておけば、同じフォーマットの帳票を繰り返し処理する際の効率が格段に向上するでしょう。
特に大量の帳票を定期的に処理する業務では、必要な情報を抽出する機能の有無が作業効率を大きく左右します。
CSVやExcel形式で保存する機能
文字認識した結果をそのままコピーするのではなく、一覧表の形式でファイル保存できる機能は、後のデータ加工において不可欠です。CSV形式で書き出せれば、主要な会計ソフトやExcelでの一括管理が容易になり、二重入力の手間を完全に排除できる環境が整います。
多くのフリーソフトがCSV・Excel形式での保存機能を搭載していますが、項目名が正しく出力されるか、列がズレないかを事前に確認しておくことが重要です。項目の誤認やズレた列を修正する作業は、効率化を目指すつもりが、かえって手間を増やす結果になります。実際の帳票データで出力テストを行い、自社の会計ソフトとの互換性を検証してから本格運用に移行しましょう。
原本と認識結果を比較するプレビュー機能
画面上で原本の画像とOCRの認識結果を左右に並べて表示する機能により、誤字脱字を瞬時に目視確認してその場で修正できます。この確認画面の使い勝手は、帳票処理のスピードを大きく左右するポイントです。修正作業がスムーズに行えるインターフェースなのか、導入前に必ず確認しましょう。
ハイライト機能などで認識に自信がない箇所が強調されるソフトを選べば、確認漏れを最小限に抑えられます。特に金額や日付など重要な項目については、視覚的に確認しやすい表示になっているかチェックすることが大切です。
スキャン時の歪みや傾きの自動補正機能
スキャナーやスマホで取り込んだ際のわずかな歪みや傾きを自動で補正する機能は、文字認識の精度を劇的に向上させます。さらにノイズ除去やコントラスト調整を自動で行う機能があれば、背景に色がついた帳票や少し汚れたレシートでも正確に読み取れる確率が高まるでしょう。
OCR処理の「前処理」として自動補正機能が充実していることは、フリーソフトの性能を評価するうえでの隠れた重要ポイントです。補正機能が低いソフトを選ぶと、スキャン時の品質管理に余計な手間がかかってしまいます。
帳票の一括アップロード機能
1枚ずつではなく、数十枚のPDFファイルを一括でサーバーに投げ込み、バックグラウンドで処理を完結させる機能は大量処理に欠かせません。無料版では一度の処理数に制限があることが多いものの、この機能があれば書類のデータ化を待つ間にほかの業務を行えます。
処理が完了した際に通知してくれる機能や、一覧でステータスを確認できる機能が備わっていれば、作業管理の効率が格段にアップするでしょう。
月末など帳票が集中する時期には、この一括アップロード機能の有無が業務の停滞や生産性低下の解消に直結します。
バーコードやQRコードの読み取り機能
文字だけでなく、帳票に印刷されたバーコードなどをスキャンして、紐付けられた商品コードや取引先コードを自動抽出できます。この機能により、人間が解読できない形式のデータも瞬時にテキスト化できるため、物流や在庫管理を伴う経理業務での活用範囲が広がるでしょう。
特にインボイス制度に対応したQRコードを読み取れるソフトであれば、将来的に法対応の自動化を考える際に大きなアドバンテージとなります。経理業務の効率化だけでなく、法令遵守の観点からもチェックしておきたい機能です。
フリー・無料トライアルありのおすすめ帳票OCRのツール比較17選
電子帳簿保存法への対応をきっかけに、「証憑の保存・管理をもっとラクにしたい」「会計ソフトと連携して手間を減らしたい」と考えている企業は多いのではないでしょうか。
ここでは、数ある帳票OCRソフトのなかから、完全無料のソフトだけでなく、ビジネスで安心して使える無料プランやトライアルがあるツールも紹介します。それぞれの特徴や強みを比較し、自社に最適なツール選定にお役立てください。
バクラク請求書受取
公式サイト:https://bakuraku.jp/invoice/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | お問合せ |
| 初期費用 | お問合せ |
バクラク請求書受取は、請求書の受領からデータ化、仕訳・支払処理までを一気通貫で効率化するクラウド型請求書処理サービスです。特にOCR機能としては、高速・高精度なAI-OCR自動読み取りを搭載し、紙やPDFに含まれる請求書を最大100枚まで同時に数秒でテキスト化できます。
また、1つのPDF内に複数請求書が含まれている場合でも自動で分割し、取引先名・金額・支払期日など必要項目を正確に抽出します。さらに、利用するほどAIが学習し、取引先ごとの読み取り精度や入力補完が高まるパーソナライズドAI-OCRを導入している点も特徴です。
読み取り後のデータは会計ソフトとAPI・CSVで連携可能で、仕訳や振込データの自動生成による手入力レスを実現します。
電子帳簿保存法・インボイス制度にも対応し、法令対応の一元管理をサポートする点も魅力です。これらにより経理業務全体の工数削減とデータ精度向上に貢献します。
DenHo
公式サイト:https://www.smartocr.jp/denho/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | サービス、クラウド |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 9,000円~ |
| 初期費用 | お問合せ |
DenHoは、AI-OCR技術を核とした、電子帳簿保存法対応の書類管理システムで、インフォディオが提供しています。最大の特徴は、非定型な帳票に対しても高い読み取り精度を誇る「スマートOCR」エンジンを搭載している点です。
取引先ごとにフォーマットが異なる請求書や領収書であっても、AIが「日付・金額・取引先」を自動で抽出してインデックス化するため、ユーザーによる手入力の手間を極限まで削減できます。また、検索機能だけでなく、二重取り込みのチェックや過去のデータとの比較など、ミスを防ぐための機能が充実しています。
スマホアプリからのアップロードにも対応しており、外出先からのスキャナ保存運用も容易です。そして、直感的な操作感と高い自動化率を両立しており、ITに不慣れなスタッフでも迷わず使えます。
全社的なペーパーレス化をスピーディーに進めたい企業におすすめのツールです。
マネーフォワード クラウドBox
公式サイト:https://biz.moneyforward.com/box/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | SaaS、クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 2,480円~ |
| 初期費用 | 0円~ |
マネーフォワード クラウドBoxは、電子帳簿保存法における「電子取引」と「スキャナ保存」の両区分に対応したストレージサービスです。このサービスは初期費用や基本料金は無料で利用を開始できます。
最大の特徴は、同シリーズの「会計」や「請求書」とのシームレスな自動連携です。例えば、クラウド請求書で発行した控えなどは自動で保存されるため、保管漏れや手動アップロードの手間を最小限に抑えられます。
また、AI-OCR機能により「取引日・取引先・金額」が自動データ化されるため、法的に必要な検索要件も容易に満たすことが可能です。紙の領収書をスマホで撮影して保存できるうえ、社内のあらゆる証憑を一元管理できます。
上位プランでは保存容量が無制限になるため、データ量を気にせず長期運用できる点も大きなメリットです。法改正時には迅速にアップデートされるため、専門知識がなくても安心して導入できるでしょう。
invox受取請求書
公式サイト:https://invox.jp/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | 50円~ |
| 月額費用 | 980円~ |
| 初期費用 | 0円 |
invox受取請求書は、請求書の受取・データ化・支払・計上までを自動化するクラウド型請求書受領システムで、形式を問わず受領した請求書を高精度にデータ化するAI OCR機能を中心に据えています。
郵送で届いた紙の請求書はスキャンして取り込み、PDFやメール添付の請求書もアップロードまたは専用メール宛て送信で自動取り込みでき、AIがレイアウトを解析して発行日・請求金額・取引先名・登録番号・明細など多数の項目を読み取ります。
データ化精度は99.9%以上を保証するオペレータ確認あり方式に加え、スピードを優先した即時AI OCRのみの処理も選択可能で、スピードと精度の使い分けができます。読み取り結果は請求書原本画像と並べて確認でき、誤認識部分の手修正も効率的です。
会計システム、ERP、オンラインバンクへの連携により支払・仕訳処理まで自動化でき、インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応して経理業務を包括的に効率化します。初期費用0円で無料トライアルも利用可能です。
CLOUDPAPER
公式サイト:https://cloudpaper.net/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 1~50名 |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 0円~ |
| 初期費用 | 0円 |
CLOUDPAPERは、見積書・請求書・納品書・領収書などの帳票の作成・送付・管理をクラウド上で一元化できる請求書管理プラットフォームです。
請求書の受領側機能としてOCR入力支援機能を搭載しており、PDF・画像ファイルをアップロードした際に文字情報の読み取りを補助し、合計金額や項目などの入力負担を軽減します。
OCR機能は単体の帳票専用OCRエンジンというより、請求書処理の一環として入力支援・項目補完の役割を担う機能で、転記ミスや手入力の工数を抑える設計になっています。
読み取ったデータは勘定科目の登録管理や承認ワークフロー、会計システム(freee)との連携、入金消込機能と組み合わせて活用でき、経理業務全体のデジタル化が可能です。
CLOUDPAPERはインボイス制度対応やデジタルインボイス(Peppol)受信にも対応しており、請求書の作成・受領・仕訳までを包括的に支援するサービスです。無料プランも用意され、まずは基本機能でOCR入力支援を試せるのも導入のハードルを下げています。
奉行Edge 受領請求書DXクラウド
公式サイト:https://www.obc.co.jp/bugyo-edge/shiharai
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 13,000円~ |
| 初期費用 | 0円 |
奉行Edge 受領請求書DXクラウドは、OBC(オービックビジネスコンサルタント)が提供するクラウド型請求書受領・支払管理サービスで、請求書処理のデジタル化・業務効率化を強力に進めるDXプラットフォームです。
特にOCR機能では、AI-OCRが紙・PDF・電子請求書を高精度で読み取り、自動的に請求日・取引先・金額などの項目をデータ化します。これにより、転記作業や手入力ミスを削減し、手作業をなくせるという点が大きな特徴です。
OCRで読み取ったデータは、支払予定表・FBデータ・自動仕訳の作成にも連携され、請求書受領後の一連の支払処理と会計処理をシームレスに進められます。AI-OCRは形式の異なる請求書でも対応でき、導入企業の負担を軽減します。
また、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応により、法令準拠のデジタル保存・検索も可能で、請求書の受領から支払・会計までをペーパーレスで標準化できます。中堅・中小企業の請求処理のDX推進に適したサービスです。
請求QUICK
公式サイト:https://seikyuquick.sbi-bs.co.jp/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | - |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 0円~ |
| 初期費用 | 0円 |
請求QUICKは、SBIグループが提供するクラウド型の請求書管理サービスで、請求書の発行・受取から入金管理、仕訳、資金調達までを一元化できる点が特徴です。
請求書受取機能ではAI-OCRを活用しており、紙やPDFで受け取った請求書をアップロードするだけで、請求日・金額・取引先名などの情報を自動で読み取り、データ化できます。手入力の手間を削減できるため、経理業務の効率化や入力ミス防止につながります。
また、読み取ったデータは支払管理や仕訳処理にも連携でき、後続業務まで、スムーズに対応可能です。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しており、OCRで取り込んだ請求書を法令要件に沿って電子保存・検索できる点も安心材料と言えます。
基本機能は無料から利用できるため、導入しやすいサービスの1つです。
帳票DXモバイルエントリー
公式サイト:https://www.opro.net/service/formdx/formdx-me/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | サービス |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 120,000円 |
| 初期費用 | 120,000円 |
帳票DXモバイルエントリーは、株式会社オプロが提供する現場帳票のデジタル化・モバイル入力サービスで、紙の帳票をスマホやタブレットの画面上でそのまま入力フォーム化し、クラウドにデータ登録できることが大きな特徴です。
従来手書きしていた点検・報告・業務記録をモバイルで扱えるようにすることで、記入漏れや転記ミスといった人為的エラーを抑え、バックオフィスでの後処理工数を削減します。
カメラ撮影を活用した入力支援機能により、現場で撮影した書類画像を取り込み、必要項目をOCRや手動で入力できるため、紙帳票の内容をデジタルデータ化しやすい点も特徴です。
また、手書きサインや写真添付、オフライン入力など現場ニーズに応じた柔軟な入力機能を備えており、Salesforceやkintoneとのデータ連携も可能で、現場データの即時クラウド反映を実現します。
入力したデータはクラウド上で帳票PDFやOffice書類として出力でき、帳票作成・提出までを一貫して効率化します。無料トライアルも提供され、導入前の検証が可能です。
ClimberCloud
公式サイト:https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/climbercloud/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | 0円~ |
| 月額費用 | 900円~ |
| 初期費用 | - |
ClimberCloudは、NTTデータビジネスブレインズが提供する、電子帳簿保存法の全区分(帳簿・書類・スキャナ保存・電子取引)に対応したクラウド型ストレージサービスです。自動登録オプションよりも複雑なデータの加工やOCR読み取り、他社サービスとの連携が可能です。
最大の特徴は、バックオフィス業務を知り尽くした専門メーカーならではの「法令対応の確実性」と「導入のしやすさ」の両立にあります。JIIMA認証を取得しており、法的要件を満たした運用をスムーズに開始できるほか、初期費用なし・月額低コストから始められる料金体系が魅力です。
また、強力なAPI連携機能を備えており、既存の会計システムやERPと連携させることで、証憑の保存から検索までを自動化できます。検索機能も充実しており、日付・金額・取引先などの複数条件組み合わせ検索により、監査時も迅速な対応が可能です。
法令遵守を最短距離で実現したい中小企業から、大規模なシステム連携を視野に入れる企業まで、幅広く対応できるシステムです。
invoiceAgent電子取引
公式サイト:https://www.wingarc.com/product/ia/transact/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | 20円~ |
| 月額費用 | 45,000円~ |
| 初期費用 | 200,000円~ |
invoiceAgent電子取引は、ウイングアーク1stのinvoiceAgentシリーズのなかでも、特に企業間での「電子データのやり取り」と「保存」に特化した製品です。最大の特徴は、電子帳簿保存法だけでなく、インボイス制度への対応や、デジタルインボイス(Peppol)の送受信にいち早く対応している点にあります。
PDF化した帳票に電子署名やタイムスタンプを付与して送受信することで、法的証跡を確実に残せるのが魅力です。加えて、送達後の開封確認や差し戻しといったワークフローもオンライン上で完結できます。
また、invoiceAgent AI OCRという製品を組み合わせて利用することで、受領した文書のデータ化(OCR処理)を実現する運用が可能です。
既に帳票設計ソフトの「SVF」を導入している企業であれば、既存の帳票資産をそのまま活用してスムーズに電子取引へ移行できる点も強みです。法規制への対応を機に、取引先との商取引プロセス全体をデジタル化したい企業に適しています。
LINE WORKS OCR Reader
公式サイト:https://line-works.com/ai-product/ocr/reader/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 50,000円~ |
| 初期費用 | 0円 |
LINE WORKS OCR Reader は、LINE WORKSが提供するクラウド型のAI-OCRアプリケーションで、紙の書類やPDFファイルをアップロードするだけで文字情報を高精度に認識し、データ化・出力できる点が特徴です。
ブラウザ上で操作できるためにエンジニアが不要、最短2営業日程度で導入が可能で、経理・総務などの担当者でも直感的に操作できます。
OCRの精度は国際的な評価でも高く評価されており、請求書・注文書といった特化型OCR機能や定型帳票・全文文字認識・表抽出など、複数の読み取りモードを備え、帳票内の「発行日」「金額」「品目」などの必要項目を自動で解析・分類できます。
読み取った結果は編集・CSV出力でき、社内システムやRPAとの連携も可能です。
また、初期費用が不要で30日間の無料トライアルが用意されているため、実際に精度や使い勝手を確かめたうえで導入検討ができる点も導入のしやすさにつながっています。
ランニングコストは読み取り枚数や項目数に応じた課金体系で、コストの見通しが立てやすい設計です。
SmartRead
公式サイト:https://lp.smartdeal.jp/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド、オンプレミス |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 30,000円~ |
| 初期費用 | 0円 |
SmartReadは、次世代AIを活用した高度なOCRソリューションで、紙文書やPDF帳票のデータ化を自動化し、業務効率化を支援するサービスです。
AIによる自動仕分け機能を搭載しており、注文書や請求書などの複数のフォーマットをまとめてアップロードしても、文書の種類をAIが判別・仕分けしたうえで読み取りを行える点が大きな特徴です。
また、手書き文字や活字を高精度に認識するAIエンジンを採用し、ひらがな・漢字・数字といった多様な文字種に対応します。読み取った情報はCSVやExcelなどの形式で出力できるほか、APIを通じてRPAや基幹システムとも連携可能で、請求書処理やデータ入力の自動化を推進します。
インボイス制度に準拠した請求書の項目抽出にも対応し、取引先名・日付・金額・明細など複数項目を自動で抽出できる機能が提供されています。クラウド版とオンプレミス版が用意され、企業の運用環境に合わせて選択できるのもメリットです。初期費用不要で、無償トライアルも利用可能です。
スマートOCR
公式サイト:https://www.hitachi-solutions.co.jp/katsubun/rm/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド、オンプレミス |
| 従業員規模 | 3名~ |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 30,000円〜 |
| 初期費用 | 100,000円~ |
スマートOCRは、株式会社インフォディオが提供するAI搭載のクラウド型OCRソリューションで、紙の請求書や発注書、見積書など、さまざまな帳票の文字情報を自動的にデータ化するサービスです。
ディープラーニングを活用した高精度なOCRエンジンにより、従来のOCRでは苦手とされていた非定型帳票や手書き文字、複雑な表組みも読み取り可能です。
帳票をアップロードするだけでAIが自動的にテンプレートを作成し、抽出項目を学習して精度を向上させるので、事前設定の手間が不要なのも大きな特徴です。
OCR処理では台形補正・ノイズ除去・文字列解析などの前処理を行い、ノイズの多い画像でも必要な文字だけを正確に認識します。
読み取ったデータはCSV出力やAPI連携で他システムに取り込みやすく、業務の自動化や経理・総務の効率化に貢献します。モバイルアップロードやAPIによる自動取り込みなど、柔軟な運用が可能で、大量帳票の処理にも対応します。
DynaEye 11
公式サイト:https://www.pfu.ricoh.com/dynaeye/product/dynaeye11/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | オンプレミス |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 7,000円~ |
| 初期費用 | - |
DynaEye 11は、PFU(リコーグループ)が提供するオンプレミス型AI-OCRソフトウェアで、大量の紙帳票やスキャン画像を高精度にデータ化する業務用OCRツールです。
日本語活字・フリーピッチの手書き文字やバーコードなどの幅広い文字の種類に対応し、斜め記入や取消線、押印を含む文字も高い認識精度で読み取れるのが特徴です。
2つのOCRエンジンの結果を突合する「ベリファイOCR」機能により、認識誤差が出た項目だけを目視確認すればよく、確認・修正作業の負担を大幅に軽減できます。オンプレミス環境で動作するため、外部クラウドにデータを送信せずに、セキュリティを保ちながらOCR処理を完結できる点もメリットです。
また、定額ライセンスで処理枚数の制限なく使えるプランも用意され、予算化しやすい価格体系となっています。さらに、ドットプリンター文字やFAX帳票対応、生成AI連携オプションなど最新機能の追加により、複雑なレイアウトの読み取りも強化されています。
60日間の無償試用で導入前に精度を検証できるのも、導入検討時の安心材料です。
DEEP READ
公式サイト:https://www.edulab-inc.com/deepread/jp
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド、オンプレミス |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 50,000円~(クラウド) 400,000円~(オンプレミス) |
| 初期費用 | 0円(クラウド) 3,000,000円(オンプレミス) |
DEEP READは、株式会社EduLabが提供するAI(ディープラーニング)を活用したOCRサービスで、特に高精度な文字認識(活字・手書き両対応)を強みとするOCRソリューションです。
ディープラーニング技術により、従来のOCRで苦戦しがちな手書き文字も精度高くデジタル化でき、金融機関や教育機関など、幅広い業界での導入実績があります。
認識後は画面上で結果を確認・修正でき、確信度フィルターで高信頼のものは確認をスキップするなど、効率的な後処理も可能です。OCR機能は非定型帳票の自動検出・読み取りに対応し、GPT-4などの先進AIとの組み合わせによって、帳票から必要項目を自動抽出する機能も提供されています。
クラウド型だけでなくオンプレミス構成にも対応し、セキュリティ要件に合わせた環境構築ができる点も特徴です。また、API連携による自動化やCSV出力などを通じて基幹システムとの接続も柔軟に実装でき、帳票処理全体の効率化に寄与します。
無料トライアルや多言語対応(英語や中国語など)もあるため、導入前の検証も行いやすいサービスです。
ProTech AI-OCR
公式サイト:https://ekyc.showcase-tv.com/ai-ocr/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | - |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | お問合せ |
| 初期費用 | お問合せ |
株式会社ショーケースが提供する「ProTech AI-OCR」は、文字データの出力だけでなく、書類の判別やシステム連携までをAIが担う高機能OCRソリューションです。
最大の特徴は、99%以上(同社調べ)という高い読み取り精度です。活字だけでなく手書き文字やチェックボックスに対応し、スマートフォンで手持ち撮影した際の傾き、手ブレ、光の反射がある画像でも高精度にデータ化できます。
定型・非定型を問わず事前の定義設定が不要で、AIがドキュメントの種類を自動判別するため、複雑な設定なしで利用を開始できます。また、APIで外部サービスとシームレスに連携できるほか、画像の鮮明度判定やマスキング、入力値のバリデーション(元画像との一致を検証する機能)といった高度な解析機能も備えています。
本人確認書類や独自フォーマットを含む、あらゆる書類の入力業務自動化に貢献します。
WisOCRシリーズ
公式サイト:https://www.panasonic.com/jp/business/its/wisocr.html
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 3万円~ |
| 初期費用 | 0円(Trial) 100,000円(Standard、Pro) |
WisOCRシリーズは、AIを活用した高精度の帳票OCRソリューションで、注文書・請求書・納品書・領収書・見積書など、紙・PDFのさまざまな帳票を自動でテキストデータ化できる点が大きな特徴です。
事前のフォーマット設定が不要な非定型認識機能により、取引先ごとに異なる帳票様式でもアップロードするだけで必要項目を抽出し、高精度にデータ化できます。
さらに、FAX経由の帳票でもノイズ除去や傾き補正などの画像処理を行い、読み取り精度を高める仕組みも備えています。
OCRに加えて、修正履歴学習やAIマスター検索といった機能があり、過去の修正情報を基に誤認識を減らしたり、マスターデータを自動補完して基幹システムへの連携データをスムーズに生成したりすることが可能です。
CSV出力やAPI連携で後続システムへの取り込みも容易で、フォルダー監視による自動OCR処理やファイル名自動設定など、帳票処理業務全体を効率化する機能が充実しています。30日間の無料トライアルも提供されており、導入前に操作性を試せるのも魅力です。
帳票OCRフリーソフトを選ぶ際の比較ポイント
帳票OCRフリーソフトは数多く存在するため、どれを選べばよいか迷ってしまうことも少なくありません。選定を誤ると、導入後に「思ったほど使えない」という事態に陥るリスクがあります。
以下では、後悔しないソフト選びのために重要な5つの比較ポイントを解説します。
自社が扱う帳票に対応しているか
まず確認すべきは、自社で取り扱う請求書や領収書のレイアウト・文字にソフトが対応しているかどうかです。フリーソフトのなかには、表形式の読み取りが得意なものと、単純なテキスト抽出に特化したものがあります。実際のサンプル帳票で読み取りテストを行い、精度の確認が不可欠です。
また、手書き文字の読み取りに強い製品や印字に適した製品など、得意分野はソフトによって異なります。自社独自の特殊な伝票を使用している場合は、読み取り範囲を個別に指定できるテンプレート機能の有無を必ず確認しましょう。
データ形式が自社の会計ソフトと適合するか
抽出したデータをCSVやExcel形式でダウンロードできるか確認し、自社の会計ソフトのインポート形式に合わせやすいかを評価することが重要です。項目ごとに列を分けて出力できるソフトを選べば、手作業での並べ替えや加工の工程を大幅に削減できます。データ連携がスムーズに行える環境を整えましょう。
文字コードの問題で出力データが文字化けしないかも、事前にテストすべきポイントです。特に日本語特有の漢字や記号が正しく保持されるかを確認しておくことで、本格的な運用後のトラブルを未然に防げます。
直感的に操作できるユーザーインターフェースか
マニュアルを読み込まなくても直感的にスキャンやアップロードができる、視認性の高いボタン配置やデザインのソフトを選ぶべきです。読み取り結果を確認する画面で、画像とテキストを左右に並べて比較・修正できるプレビュー機能があれば、作業効率が格段に高まります。
動作が軽く、レスポンスが速いソフトを選定することも重要なポイントです。素早い処理が可能になれば、日々の大量処理におけるストレスが軽減されるため、現場への定着率を高め社員の働き方改革にもつながるでしょう。
日本語の認識精度やAI-OCR機能の有無
日本語特有の縦書きや住所、難読漢字の認識率が高いエンジンを搭載しているかどうかも確認しましょう。複数のフリーソフトで同じ書類を読み取って比較することで、精度の違いを把握できます。
機械学習機能(AI)を搭載した無料枠のあるサービスであれば、使えば使うほど自社の帳票パターンを学習し、精度が向上していきます。また「¥」や「,」などの記号を正しく金額データとして認識できることも確認し、数値データの信頼性が担保されているか、厳しく判定しましょう。
将来的な枚数増加を見越して、有料プランへの移行が可能か
事業規模が拡大した際にスムーズにアップグレードできるよう、フリー版と同じ操作性で上位プランが用意されているかを確認しましょう。無料版で蓄積した学習データや設定テンプレートを、有料版へ移行した際もそのまま引き継げる仕様かどうかは、重要な判断基準です。
将来有料化する際の月額コストや追加枚数あたりの単価をあらかじめ把握しておくことで、長期的なコストパフォーマンスをシミュレーションできます。導入時点から、将来を見据えた選定を心がけてください。
帳票OCRフリーソフトを利用するメリット
帳票OCRフリーソフトの導入によって、経理業務にさまざまなメリットがもたらされます。手作業による入力工数の削減だけでなく、データの正確性向上や法令対応の効率化など、多角的な効果が期待できるでしょう。
以下に代表的な5つのメリットについて、詳しく解説していきます。
手入力の工数を削減して、業務効率化につながる
帳票OCRフリーソフトを活用すれば、請求書や領収書の情報を自動でテキスト化できるため、手入力に費やす時間を劇的に短縮できます。大量の書類をスキャンするだけでデータ化が完了するため、経理担当者は入力作業ではなく、確認や分析といった付加価値の高い業務に専念可能です。
繁忙期でも迅速なデータ処理ができるようになるため、残業代の抑制や月次決算の早期化といった組織全体の業務効率化に貢献します。限られた人員で多くの帳票を処理しなければならない中小企業にとって、特に大きな効果を発揮するでしょう。
入力ミスを防止して、データの正確性が向上する
OCRは画像から文字を直接読み取るため、人間のタイピングミスや金額の桁間違いといった初歩的なヒューマンエラーを物理的に排除できます。読み取り精度の高いフリーソフトを選定すれば、ダブルチェックの手間を最小限に抑えつつ、極めて正確な帳票データの作成が可能です。
一貫したルールに基づき自動抽出が行われるため、担当者ごとに異なる入力表記の揺れを抑えられます。データベースとしての質を均一に保てることは、後々のデータ分析の精度向上においても大きく寄与するでしょう。
帳票のデジタル化により、検索性を高めて保管コストを抑える
フリーソフトで帳票をデータ化しておけば、取引先名や日付で瞬時に検索できるため、過去の書類を探し出す無駄な時間がなくなります。物理的な書類の保管スペースが不要になるため、オフィス賃料の節約やファイリング用品の購入費用削減にもつながるでしょう。
電子データとして一元管理することで、テレワーク中の社員でも自宅から必要な帳票情報へ迅速にアクセスできる環境を構築できます。働き方改革を推進する企業にとっても、有効な施策です。
インボイス制度や電子帳簿保存法への対応をスムーズにする
フリーソフトのなかには登録番号の抽出に対応したものもあり、インボイス制度で求められる適格請求書の判定業務を効率化できます。電子帳簿保存法の要件である「日付・金額・取引先」での検索機能を、OCRによるデータ化によって容易に満たすことが可能です。
紙の保存が原則廃止される流れのなかで、OCRによるデジタル化は、法的要件を遵守しながらペーパーレス化を推進するための第一歩となります。法改正への対応を見据えた経理体制の構築に役立つでしょう。
経理部門のDXを低コストでスタートできる
フリーソフトは初期投資がゼロであるため、予算確保が難しい中小企業の経理部門でもリスクなくDXを試行できます。現場の担当者が実際にツールを使いこなすことで、デジタル技術への心理的ハードルを下げ、組織全体のITリテラシーを底上げする効果も期待できるでしょう。
小規模な導入で具体的な成功体験を積めるため、将来的な全社規模のシステム刷新に向けた有効な判断材料やエビデンスの蓄積が可能です。スモールスタートから段階的にデジタル化を進めていく戦略として、フリーソフトの活用は理にかなっています。
帳票OCRフリーソフトの機能の限界とデメリット
帳票OCRフリーソフトには多くのメリットがある一方で、無料であるがゆえの制約や注意点も存在します。導入前にデメリットを正しく理解して、運用開始後のギャップを最小限に抑えましょう。
以下では、代表的な5つの限界とデメリットを解説します。
読み取り枚数やページ数に制限がかかる
多くのフリーソフトには月間の読み取り上限枚数が設定されており、大量の帳票を処理しようとすると途中で利用できなくなる恐れがあります。1ファイルあたりのページ数制限により、複数ページにわたる明細付きの請求書を一度にデータ化できないケースも珍しくありません。
無料枠を使い切った後の制限解除には翌月まで待つか有料化が必要となるため、突発的な業務増加に対応しきれないリスクを考慮すべきです。繁忙期の業務量を事前に見積もり、無料枠で足りるかどうかを検証しておきましょう。
手書き文字や複雑なレイアウトの認識精度が低くなる
フリーソフトは活字の読み取りに強いものが多いですが、癖のある手書き文字やかすれた印字を正確に判別するのは難しい場合があります。多段組のレイアウトや独自形式の伝票などは文字の並びを正しく認識できず、データが支離滅裂な状態で出力されることもあるでしょう。
誤認識が発生した箇所の修正作業に時間がかかるため、帳票の種類によっては手入力したほうが早いという本末転倒な状況を招きかねません。事前にサンプル帳票でテストを行い、自社の帳票との相性を確認することが重要です。
情報漏洩などのセキュリティリスクがある
海外サーバーを利用するフリーソフトの場合、アップロードした請求書データがどのように管理・二次利用されるか不透明なケースがあります。法人向けの高度なセキュリティ認証を取得していないソフトは、サイバー攻撃やシステムバグによるデータ流出の危険性を否定できません。
万が一取引先の個人情報や機密情報が漏洩した際、無料版の契約形態では十分な賠償や原因究明の協力を得られないリスクがあることも認識しておくべきです。機密性の高い書類の取り扱いには特に注意が必要となります。
トラブル発生時にメーカーの技術サポートを受けられない
フリーソフトは原則として現状渡しであり、操作方法の不明点や予期せぬエラーが発生しても公式のサポート窓口は対応してくれません。不具合が原因で業務が停止しても復旧時期の保証がないため、自力で解決策を検索するか代替ツールを探す手間と時間がかかります。
OSのアップデートによりソフトが突然動作しなくなった場合、開発者による修正プログラムの提供が遅れる、あるいは提供されない可能性もあるでしょう。業務の継続性を重視する場合は、サポート体制の有無を確認してください。
会計ソフトや基幹システムとの自動連携機能が備わっていない
フリーソフトの多くは単独で動作するため、読み取ったデータを会計ソフトへ取り込むにはCSV出力や加工の手間が別途発生します。有料のAI-OCRのようにAPI連携を通じて仕訳まで自動化することは難しく、システム間のデータ移行時に人的ミスが入り込む余地が残ります。
高度な自動化フローを構築できないため、結局は「OCRで読み取った後に手作業で整形する」という二度手間を完全には解消できません。本格的な業務効率化を目指すなら、有料版への移行も視野に入れておく必要があるでしょう。
帳票OCRフリーソフトを導入する5つのステップ
帳票OCRフリーソフトの導入を成功させるためには、計画的なステップを踏むことが重要です。はじめから全社展開するのではなく、段階的に進めることで、リスクを最小限に抑えながら効果を最大化できます。
以下では、導入から本格運用までの5つのステップを解説します。
ステップ1:現状の帳票ボリュームと種類を正確に把握する
ステップ2:複数のフリーソフトを同じ帳票でテストする
ステップ3:スキャン・読み取り・修正の運用ルールを決める
ステップ4:小規模な取引先や特定の帳票から試験運用を開始する
ステップ5:効果を測定し、必要に応じて有料版への切り替えを検討する
ステップ1:現状の帳票ボリュームと種類を正確に把握する
まずは1ヶ月に届く請求書や領収書の枚数を数え、そのうち何割が活字で、何割が手書きや特殊なレイアウトかをリストアップすることから始めましょう。現状の手入力にかかっている時間を計測すれば、フリーソフト導入後にどれだけのコスト削減が達成されたかを定量的に評価できます。
どの取引先の帳票が最も入力しづらく、OCR化による恩恵が大きいかを特定することで、導入の優先順位を明確にできます。現状把握を怠ると、導入効果の測定が曖昧になってしまうため、このステップは省略しないでください。
ステップ2:複数のフリーソフトを同じ帳票でテストする
自社の代表的な帳票を数パターン用意し、複数のフリーソフトで実際に読み取りを行い、それぞれの「癖」や「精度」を徹底的に比較してください。1回のテストではなく、複数回の試行を通じて、安定して高い精度を出せるソフトをメインの候補として選定することが大切です。
この段階で、操作感や出力データの加工しやすさなど、カタログスペックには現れない使い勝手を担当者の視点で厳しくチェックしましょう。現場の声を反映した選定を行えば、導入後の定着率が高まります。
ステップ3:スキャン・読み取り・修正の運用ルールを決める
「誰がスキャンし、誰がOCRの結果を修正し、最終的な確認は誰が行うか」という明確なワークフローを構築することが成功の鍵となります。読み取りミスが起きやすい項目(数字の7と1、0とOなど)のチェックリストを作成し、確認漏れを防ぐための社内基準を設けてください。
フリーソフトの制限枚数を考慮し、どの帳票をOCRにかけ、どの帳票を手入力のまま残すかという振り分け基準を事前に確定させることも重要です。運用ルールが曖昧なまま導入すると、現場が混乱する原因となります。
ステップ4:小規模な取引先や特定の帳票から試験運用を開始する
全帳票をOCR化するのではなく、まずはフォーマットが一定で読み取りやすい特定の取引先の請求書からスモールスタートしましょう。1〜2ヶ月の試験期間を設け、現場の担当者からのフィードバックを収集しながら、運用ルールやスキャン設定の微調整を繰り返してください。
試験運用で得られた成功事例を社内で共有することで、ほかの担当者の不安を解消し、部署全体へのスムーズな展開につなげられます。焦らず着実に進めることが、長期的な成功への近道です。
ステップ5:効果を測定し、必要に応じて有料版への切り替えを検討する
導入から数ヶ月後に「削減できた時間」と「残っている課題」を整理し、フリーソフトでの運用を継続するか、有料版へ移行するかを判断してください。フリーソフトの枚数制限や精度の限界が、担当者のストレスや残業増加につながっている場合は、迷わず有料版の検討へステップアップすべきです。
有料版への切り替え時には、無料版での運用実績を具体的なデータとして提示することで、会社からの予算承認を得やすくなります。数値化された効果を示せるよう、導入当初から記録を残しておきましょう。
帳票OCRフリーソフトを使用するうえでのセキュリティと運用の注意点
帳票OCRフリーソフトを安全に活用するためには、セキュリティ面と運用面の両方で適切な対策が欠かせません。無料ツールならではのリスクを理解し、事前に対策を立てておくことで、トラブルを未然に防げます。
以下では、特に注意すべき5つのポイントを解説します。
機密性の高い重要書類のアップロードを慎重に判断する
無料のオンラインOCRサービスのなかには、データの処理過程で外部のサードパーティ製サーバーへ情報が転送されるケースがあります。高額な取引契約書や顧客の振込口座情報が含まれる帳票は、情報漏洩のリスクを避けるためにオフライン型のソフトを使用すべきです。
万が一の流出に備え、社内の情報セキュリティポリシーと照らし合わせ、フリーソフトの利用範囲に関する明確なガイドラインを策定しましょう。機密情報の取り扱いルールを事前に定めておくことで、担当者の判断に迷いがなくなります。
利用規約を確認し、入力データがAIの学習に利用されないか検証する
一部の無料サービスでは、利便性向上の名目でアップロードされたデータをAIの学習素材として利用することを規約に含めています。自社の帳票レイアウトや取引情報がAIの学習データとして蓄積されると、他社の検索結果に反映されるなどの間接的な漏洩リスクが生じるでしょう。
「入力データは保存されない」「学習に利用しない」と明記されている信頼性の高いプラットフォームの選択が不可欠です。利用規約は必ず確認し、不明点があれば運営元に問い合わせてください。
解像度の低いスキャンデータや写真を使用しないように徹底する
OCRの認識精度は元の画像の画質に大きく左右されるため、最低でも300dpi以上の解像度でスキャンした画像を用意すべきです。スマホで撮影する場合は、影が入らない明るい場所で撮影し、文字がボケたり歪んだりしていないかを必ず送信前に確認してください。
ファイル形式は文字情報が劣化しにくいTIFFや高画質なPDFを選択し、圧縮によるノイズが認識の妨げにならないよう注意を払いましょう。画質の基準を社内で統一し、担当者に周知徹底することが重要です。
サービスが突然終了するリスクに備えて、バックアップ体制を整える
無料版は運営会社の都合により、予告なく機能制限が行われたり、サービス自体が閉鎖されたりする可能性が常にあります。特定のフリーソフトに依存した業務フローを組んでしまうと、終了時に業務が完全にストップするため、代替ツールの候補を常に持っておきましょう。
読み取った結果のデータだけでなく、設定したテンプレートや過去の処理ログは定期的にローカルストレージへ保存する習慣をつけてください。バックアップ体制の整備は、業務継続性を確保するための基本です。
フリーソフトで読み取った後に、必ず人間の目による確認フローを入れる
フリーソフトの精度は100%ではないため、データ化された数値が原本と一致しているかを目視でチェックする工程を業務フローに組み込んでください。特に「金額」「日付」「取引先名」の3大項目は、誤りがあると決算に影響するため、重点的に確認する仕組みを徹底することが大切です。
エラーが発生しやすい帳票の傾向を分析し、特定の取引先の書類だけは最初から手入力にするなど、柔軟な運用ルールを定めましょう。OCRはあくまでも補助ツールであり、最終確認は人間が行うという原則を忘れないでください。
帳票OCRフリーソフトの種類別認識精度を高めるポイント
帳票OCRフリーソフトの認識精度は、帳票の種類や状態によって大きく異なります。それぞれの帳票タイプに適した読み取り方法を知っておくことで、精度向上と修正工数の削減を同時に実現できるでしょう。
以下では、帳票の種類別に認識精度を高めるポイントを解説します。
請求書の表形式データを崩さずに読み取るコツ
請求書の明細行はズレが生じやすいため、罫線を認識しやすいスキャン設定や、表構造を維持して書き出せるツールを優先的に使用してください。セルの結合がある帳票は誤認されやすいため、可能な限り単純なレイアウトの書類から優先してOCRにかけるのが賢明です。
CSV出力後にExcelの「区切り位置」機能を活用することで、多少ズレたデータも効率的に正しい列へ整列させられます。
表形式の帳票を扱う際は、出力後の整形作業も含めた運用を設計しておきましょう。
領収書やレシートの小さな文字を正確に捉える方法
感熱紙のレシートは高温や過度の湿気、紫外線によって文字が薄くなる場合があります。そのため、レシートのスキャン時にはコントラストを強めに調整して、文字をくっきり浮かび上がらせることが重要です。
店舗名や電話番号などの固有情報が欠落しないよう、領収書専用の解析エンジンを持つアプリやフリーソフトを使い分けるのが望ましいでしょう。
撮影時の光の反射(白飛び)を防ぐため、真上からではなく、少し斜めから撮影してアプリ側で歪み補正をかけるテクニックも有効です。レシートは劣化が早いため、受け取ったらなるべく早くスキャンする運用を心がけてください。
納品書や検収書など、多種多様なフォーマットへの対応策
取引先ごとに異なるフォーマットの納品書は、共通して含まれる「日付・合計金額」だけを狙って読み取るシンプルな運用から始めましょう。頻繁に届く取引先のフォーマットには、フリーソフトのテンプレート登録機能を活用して、読み取り範囲を固定すると精度が安定します。
あまりに特殊なデザインの帳票は無理にOCRに頼らず、手入力チームとOCRチームで役割を分担することで全体の処理速度を最適化できます。100%のOCR化を目指すのではなく、費用対効果を考慮した運用設計が大切です。
手書きの伝票をどうしてもフリーソフトで処理したい場合
手書き文字の認識は無料版では限界があるため、ハネや払いを意識した丁寧な楷書体で書かれた書類のみを対象にするのが現実的です。枠線に文字が重なっていると認識率が著しく下がるため、記入段階で枠内に収める運用ルールを社内に徹底させることが精度向上に直結します。
最終的には、手書き文字に関してはAI-OCRの無料試用枠などを利用し、フリーソフトの限界を超えた部分を補完するのが効率的でしょう。長期的には手書き帳票を廃止し、印字化やデジタル化を検討することをおすすめします。
外国語表記の帳票(海外請求書)を読み取る際の設定
海外からの請求書を処理する場合、OCRエンジンの言語設定を「英語」や該当言語に切り替えないと、英数字が正しく抽出されません。通貨単位($や€)が円記号と混同されるケースがあるため、読み取り後のデータ検証では通貨コードの確認を最優先で行うべきです。
多言語対応のGoogleドキュメントなどは、アルファベットの認識精度が高いため、海外取引が多い経理担当者の強力な味方になります。海外帳票を扱う機会が多い場合は、言語切り替えが容易なツールを選定しておきましょう。
帳票OCRフリーソフトと併用すべき周辺ツール
帳票OCRフリーソフト単体でも業務効率化は実現できますが、周辺ツールとの組み合わせによってさらに大きな効果を得られます。画像補正やデータ整形、クラウド管理など、それぞれの役割を持つツールを活用することで、OCRの導入効果を最大化できるでしょう。
以下では、併用をおすすめする5つの周辺ツールを紹介します。
スキャン画像を最適化する画像編集・補正ソフト
OCRにかける前に無料の画像補正ソフトで傾きを修正し、ノイズを除去するだけで、認識率は劇的に向上し修正の手間が減ります。グレースケール変換や二値化処理を行えば、背景のデザインや汚れを無視して文字だけをクリアに抽出することが可能です。
一括処理ができる画像変換ツールの併用により、大量の帳票画像をOCRに最適なフォーマットへ数秒で整えられます。前処理の品質がOCR精度を大きく左右するため、画像補正ツールへの投資は十分に価値があるでしょう。
出力されたCSVデータを整形するマクロや関数
OCRで出力された生データは項目がバラバラなことが多いため、ExcelのVLOOKUP関数やマクロを組んで自動で整形する仕組みを作りましょう。特定のキーワードが含まれる場合に自動で勘定科目を割り当てる関数を設定しておけば、仕訳作業の自動化に一歩近づけます。
表記の揺れ(株式会社と(株)など)を置換機能で統一する手順をルーチン化すると、会計ソフトへのインポートエラーを未然に防げるでしょう。データ整形の自動化は、OCR導入効果を高める重要な取り組みです。
クラウドストレージを活用したチーム内での原本管理
OCR処理後の画像とテキストデータは、GoogleドライブやOneDriveなどのクラウド上にセットで保管し、いつでも参照できるようにしてください。フォルダ構成を「取引先別・年別」に整理し、OCRで抽出した日付をファイル名に含めるルールを作ることで、検索性が最大限に高まります。
アクセス権限を適切に設定すれば、経理担当者以外でも必要な時に必要な帳票を安全に閲覧できる体制が構築できます。原本管理のルール化は、監査対応や法令遵守の観点からも重要です。
PDFの結合・分割を行う無料のPDF編集ツール
複数枚の領収書を1枚のPDFにまとめたり、逆に分厚い請求書から必要なページだけを切り出したりする編集作業はOCRの前段階で必須となります。フリーのPDF編集ソフトを使いこなすことで、OCRツールのページ数制限を回避しながら、効率的に読み取り作業を進められるでしょう。
ファイルサイズが大きすぎてアップロードできない場合に備え、画質を維持したままPDFを圧縮するツールも用意しておくと重宝します。PDF編集ツールはOCR運用の必需品と言えます。
RPA(ロボットによる業務自動化)との簡易的な連携
Windowsの標準機能や無料のRPAツールを使い、スキャンしたファイルを特定のフォルダに入れるだけで自動でOCRを実行させる流れを作れます。OCR後のデータを会計ソフトの画面に自動で貼り付けるような簡単なロボットを自作すれば、入力作業を完全に無人化できる可能性もあるでしょう。
まずは、単純な「ファイルの移動」や「名称変更」といった周辺作業から自動化を取り入れることで、OCRの導入効果を最大化できます。RPAとの連携は、経理業務の更なる効率化への足がかりです。
フリーソフトから有料の帳票OCRへ移行するタイミング
フリーソフトでの運用には限界があり、事業の成長に伴って有料版への移行を検討すべきタイミングが訪れます。適切な時期に移行すれば、業務効率の向上とコスト最適化を両立させることが可能です。
以下では、有料版への移行を検討すべき5つのタイミングを解説します。
月間の処理枚数が無料枠を安定して超え始めたとき
事業の成長に伴い処理枚数が増え、複数のアカウントを使い分けるなどの「無理な運用」が始まったら、それが有料化の明確なサインです。無料枠を気にして作業の手を止めたり、翌月まで入力を遅らせたりすることは、経理業務の適正な遂行を妨げるため避けるべきでしょう。
有料化によって枚数制限から解放されれば、より多くの帳票をデジタル化でき、組織全体のペーパーレス化が一気に加速します。無料枠の上限に達するのが常態化してきた場合は、有料版への移行を積極的に検討してください。
手書き文字の認識率不足により、修正工数が膨らんでいるとき
フリーソフトの認識精度の限界により、読み取り結果の半分以上に修正が必要な状態であれば、AI搭載の有料OCRを導入したほうがトータルコストは安くなります。最新のAI-OCRは乱雑な手書き文字でも90%以上の精度で読み取れるため、担当者の精神的負担と作業時間を劇的に減らせるでしょう。
修正作業に追われる時間を、本来の財務分析や資金繰り計画などの重要な業務に充てられるメリットは、システム費用を上回る価値があります。作業効率と費用対効果を総合的に判断し、有料ソフトへの移行の是非を決定してください。
ほかの基幹システムや会計ソフトとの自動連携が必要になったとき
CSVの書き出しと取り込みを手動で行う手間が、月数十時間を超えるようなら、APIによる直接連携が可能な有料版へ移行する価値があります。仕訳データが会計ソフトへ自動で共有される仕組みを構築できれば、経理の入力業務は「確認ボタンを押すだけ」という極限の効率化を達成可能です。
二重入力や転記ミスが物理的に発生しない環境を作ることは、企業のガバナンス強化や内部統制の観点からも非常に重要と言えます。システム連携による自動化を実現したい場合は、有料版への移行を前向きに検討しましょう。
高度なセキュリティ要件やISMSなどの認証が必要なとき
上場準備や取引先からのセキュリティ要求が厳しくなった場合、運営元が不透明なフリーソフトの利用を継続することはリスクとなります。法人向けの有料ツールは、データの暗号化、IP制限、操作ログの保持など、企業が安心して機密情報を預けられる強固な基盤を備えています。
万が一の際の補償や、SLA(サービス品質保証)が設定されている有料ツールは、企業の社会的責任を果たすうえでの安全装置となるでしょう。セキュリティ要件が高まったタイミングでは、迷わず有料版への移行を決断してください。
サポート体制の有無が業務継続性に直結すると感じたとき
システムの不具合で月次決算が遅れるリスクを許容できないフェーズに達したら、24時間対応や電話サポートのある有料版への移行を推奨します。法改正(インボイス制度の変更など)への迅速な対応や、最適な運用方法のコンサルティングを受けられるのは有料サービスならではの特権です。
専門家の知見を借りることで、自社だけで悩む時間をショートカットし、最短ルートで経理業務の最適化を実現できます。業務の安定性と継続性を重視するフェーズに入ったら、サポート体制の充実した有料版への切り替えを検討してください。
帳票OCRフリーソフトで、経理業務のデジタル化を推進しよう!
帳票OCRフリーソフトは、経理業務のデジタル化を低コストで始められる有効なツールです。手入力の工数削減、データの正確性向上、検索性の向上、法令対応の効率化など、導入によって得られるメリットは多岐にわたります。
一方で、読み取り枚数の制限やセキュリティリスク、サポート体制の不足といったデメリットも存在するため、自社の業務規模やセキュリティ要件に合わせて慎重に選定することが大切です。導入に際しては、まず現状の帳票ボリュームを把握し、複数のソフトでテストを行い、小規模な試験運用から始めると良いでしょう。
フリーソフトで経験を積み、効果を実感できたら、必要に応じて有料版へのステップアップも視野に入れてください。帳票OCRの活用は、経理部門のDXを推進する第一歩となります。
本記事を参考に、自社に最適なツールを見つけ、業務効率化を実現しましょう。