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契約締結日とは? 意味や設定方法、設定時の注意点をわかりやすく解説

契約締結日とは? 意味や設定方法、設定時の注意点をわかりやすく解説

契約書の最後に記載される「契約締結日」は、契約が正式に成立した日を指し、契約管理において極めて重要な役割を果たします。

この日付に誤りがあれば法的トラブルに発展するリスクもあるため、契約時には注意しなければなりません。

本記事では、総務や法務担当者に向けて、契約締結日の基本的な意味や設定方法、さらに実務で押さえておくべき注意点を詳しく解説します。

契約業務で失敗しないための基礎知識を身につけたい方は、ぜひ参考にしてください。


この記事の監修者
  行政書士、申請取次行政書士 

契約締結日とは?

契約締結とは、関係する人たちが契約内容に合意したことで、法的なつながりができることです。契約締結日とは何が違うのか、契約書に書かれた日はどういう意味があるのか詳しく見ていきましょう。

契約締結日の定義

契約締結日は、出来上がった契約書に関係する全員が、サインや印鑑を押した日のことを指します。

もし、契約書に具体的な日にちが書かれていなかったら、契約が始まる日と契約締結日は同じになり、法律的な意味を持ち始めます。

将来的なトラブルを避けるためにも、契約する前に当事者同士で話し合って、契約締結日を決めておくとよいでしょう。

契約書の記入日との違い

契約書に書く日にちやサイン日は、契約締結日や開始日とは関係ありません。それらは、参加者がみんなで一緒にいるかどうかで異なることがあります。

  • みんなが一緒にいる場合:同じ日になります。
  • 違う場所で郵送などを利用する場合:日にちがバラバラになります。

要するに、契約締結日は合意が成立した日で、それ以降、契約が法的な力を持つようになります。この日をしっかり確認して、トラブルを防ぐために注意しましょう。


契約締結日の決め方は複数ある

契約締結日の設定の仕方には、いくつかの方法があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

契約の初日

契約書に書かれている契約期間がスタートする日を、そのまま契約の締結日とします。このやり方は、契約が実際に動き出す日と契約締結日が一緒のため、関係者にとって分かりやすく、実際の現場でもよく使われます。

民法では、契約当事者が合意したことをもって契約が成立するため、契約に合意した日を契約締結日にするほうが理にかなっているとされているためです。

当事者同士が最初に契約書に署名した日

契約に関わる人たちのなかで、誰か一人が先にサインをし、その日を契約締結日とするやり方もあります。しかし、このやり方は、先にサインしなかった人は少々不満に感じるかもしれません。

契約書を確認していない状態で相手方の都合によって契約日が設定されるためです。

当事者同士が最後に契約書に署名した日

後で契約書にサインする人が、自分がサインする日を契約の成立日にするやり方です。しかし、最初にサインする側は不安に感じるかもしれません。なぜなら、後からサインする人が日付を書くため、最初にサインする人は契約締結日を決められないためです。

また、契約内容を実際に始める日が契約の成立日とされると、後々問題が起こるリスクもあるでしょう。

基本的条件に双方が合意した日

契約の条件をお互いが納得した日を、契約締結日とする方法です。担当者たちが契約書の中身を熟読しながら話し合って決めるため、双方が十分に納得しているといえるでしょう。

すべての関係者の社内承認が完了した日

契約の当事者全員が、各所属先で承認をもらった日を、契約の締結日にする方法です。これは確実性のある方法ですが、全員が事前チェックを十分に行う必要があります。


契約締結日と効力発生日を別に設定したい場合

契約締結日を過去の日付にしたときと、未来の日付にした場合の具体例を見ていきましょう。

方法1.過去の日付を設定する

契約の内容は一番先に決めて契約書を作り、契約が有効になる日を未来に設定します。記載例を紹介します。

「本契約の効力の発生日は、令和5年7月1日とする。令和5年6月15日(契約日)」

方法2.未来の日付を設定する

過去の日付を契約締結日にすることを「遡及適用」や「遡及契約」とも表現します。すでに取引が始まった場面において、契約書が遅れた際、過去の日付から契約を有効にさせたいときに便利です。

記載例は次の通りです。

「本契約の効力発生日は、令和5年6月1日とする。令和5年6月15日(契約日)」

契約が進行中でも、後々困らないようにする対策法として使われます。


契約締結日を設定・記載する際の注意点

契約締結日を設定したり、記載したりする際の注意点をまとめました。

  • 契約締結日をバックデートしない
  • 日付の記載漏れには注意する

それぞれ見ていきましょう。

契約締結日をバックデートしない

バックデート(back date)は、サインした日よりも前の日を契約締結日にすることで、取引開始後に契約書がない状況で、取引開始日と契約日を同じにするために使われます。

しかし、バックデートは、契約を結んだ過程を事実とは違う形で書くため、注意が必要です。もし、将来的に契約の有効性に関するトラブルが生じると、契約はいつ結ばれたのか、いつから効いているのかを確認するのが大変になるかもしれません。

日付の記載漏れには注意する

契約日を書き忘れた場合、その契約に法的な効力はありません。もし、企業同士で何か問題が起きて裁判になった際、契約締結日が大事なポイントになりやすいため、不利になるケースもあるでしょう。

契約締結日は明記されているか、確認するのを忘れないようにしてください。


契約締結日についてのまとめ

契約締結日は、すべての関係者が契約書で署名もしくは押印を完了させた日を指します。とても重要な書類ですので、空欄や記入漏れがあると、書き換えられる可能性があります。

契約書を扱うことの多い人は、ぜひこの記事を参考にしながら、契約締結日の理解を深めてください。


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監修者プロフィール

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井上 通夫

行政書士、申請取次行政書士

行政書士(平成18年度行政書士試験合格)、申請取次行政書士(令和2年1月取得)。

福岡大学法学部法律学科卒。大学在学中は、憲法・行政法ゼミ(石村ゼミ18期生)に所属、新聞部編集長を務める。

卒業後、大手信販会社や大手学習塾等に勤務し、平成20年7月に福岡市内で行政書士事務所を開業、現在に至る。

現在の業務は相続・遺言、民事法務(内容証明・契約書・離婚協議書等)、会社設立、公益法人(社団・財団法人)関連業務、在留資格業務など。福岡県行政書士会所属。

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