CTOとは? 求められるスキル・役割を解説
CTOは、IT関連の企業を中心に設置されている役職です。技術全般の総責任者として、日本でも浸透しつつありますが、詳しくはわからないという人も多いでしょう。
今回は、CTOの役割や求められるスキルについて解説します。会社のデジタル化を進めるために大きな役割を担う役職について、正しく理解するための参考にしてください。
CTOとは?
まずは、CTOとは何か、意味や定義について解説します。
CTOの意味や定義
CTOとは「最高技術責任者」のことです。「Chief Technology(Technical) Officer」の頭文字をとった役職であり、企業の技術を統括します。ここで言う技術は、IT(情報技術)を指すことが多いのですが、製造技術・化学技術・研究開発技術なども含まれます。
現在は、IT企業の多くがCTOを設置しています。一般社団法人日本CTO協会の調査では、89社の高成長デジタル企業のうち90%以上が「ソフトウェア技術者・出身者の役員を設置している」と回答しました。
参考:DX動向調査レポート 2021年度版|一般社団法人日本CTO協会
CTOの役職は?役員ではない?
CTOの責任領域は企業によって異なり、取締役あるいは執行役員として設置されます。執行役員である場合、従業員のトップとして業務を執り行います。下記事項に当てはまると、兼務役員である可能性が高いです。
- 他の技術者と同じ仕事をしているか
- 労働時間・日数が管理されているかなどの労働者性があるか
また、CTOと似た役職にCIOがあります。CIOはIT(情報技術)に特化した最高責任者であるのに対し、CTOはITを含めた技術全般の最高責任者です。スタートアップ企業では、CTOがCIOの役割も担うケースもあります。
CTOやCIOといった役職を「CxO(シーエックスオー)」と呼び、その代表格がCEOです。CEOは企業経営の最高責任者であり、会長や社長が務める役職です。
CTOの役割
ここからは、CTOの主な役割について解説します。
経営幹部・役員・ステークホルダーに対する、自社の技術の説明
自社技術や最新の技術動向を把握し、経営方針の策定に資する情報を提供します。有事の際には利用者を含むステークホルダーに、経緯を説明することもCTOの役割です。
技術者の採用・教育
自社が求めるスキルのレベルを、現場で最も把握している役職者がCTOです。採用のスキル条件や入社後の研修を決定し、会社の技術力強化に努めます。
CTOに求められるスキル
技術の最高責任者であるCTOに必要なものは、技術に関する専門知識だけに留まりません。ここからは、CTOに求められるスキルについて解説します。
専門用語を説明する力
技術用語は似たような言葉やカタカナ語が多く、専門家や技術者でない一般人にはわかりにくいことがほとんどです。CTOには、難解な言葉をわかりやすく伝えるスキルが求められます。
企業経営に関する知識
技術に関する知識の他に、最新の業界の動向や経営に関する知識も必要です。IT企業の場合は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の高度試験区分がわかりやすい知識の指標となります。
CTOの仕事内容
CTOはその役割を果たすために、どのような仕事を行っているのでしょうか。CTOの具体的な仕事内容について解説します。
知識のインプット
技術は日進月歩のため、日頃から知識のインプットを行うことが不可欠です。技術者としての実務に携わることが、最良のインプット方法だと考えられます。
技術部署の運営
技術部署のスキルレベルの向上や、進捗把握に気をつけながら部署を運営します。ITの場合、エンジニアの長時間労働常態化が多く、労働時間の問題には特に配慮することが求められます。
CTOについてのまとめ
CTOは企業の技術を統括する最高技術責任者であり、高い成長率のデジタル企業ほど設置されている役職です。経営戦略に必要な最新の技術情報を提供するとともに、技術者の採用・教育を担っており、特にIT企業で大きな役割を果たしています。
現場のエンジニア目線と経営者の視点の両方を持つCTOは、今後ますます重要なポジションになることが予想されます。この記事を参考に、CTOについて理解を深めてみてください。
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