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シックスシグマとは? 構成する5つの要素と活用するメリットをわかりやすく

シックスシグマとは? 構成する5つの要素と活用するメリットをわかりやすく

シックスシグマは、品質管理や改善の手法として有効的なフレームワークです。業務のプロセスを改善し、最終的な製品や品質のばらつきを抑えることを目的としています。

品質管理に携わる責任者や品質改善を課題としている経営者は、シックスシグマを理解して実践することで現状の問題を解決しやすくなるでしょう。

この記事では、シックスシグマの考え方や活用する際のプロセスを解説します。ぜひ参考にしてください。


この記事の監修者
北原中小企業診断士事務所  代表 

シックスシグマとは?

シックスシグマとは、組織がビジネスを進める上でプロセスを改善する際に役立つ手法の1つです。業務のプロセスを改善し、最終的に製品や品質のばらつきを抑えることを目的としています。

ちなみにシグマとは統計学用語で、標準偏差のことを指します。シグマは平均からばらつきがどの程度あるかを示すものです。

誕生の背景と歴史

シックスシグマは、1980年代にアメリカの通信機器メーカーであるモトローラ社が、日本のQCサークル活動を参考にして開発されました。当時、GE社(General Electric社)の経営者であるジャック・ウェルチ氏がシックスシグマを導入し、成功したことから世界的に認知されました。

その後、製造業に限らずサービス業や金融業にも有効的であるとわかり、シックスシグマが広まっています。今では、多くの大企業がシックスシグマを導入し、自社のビジネスに活用しています。

リーンシックスシグマとの関係性

リーンシックスシグマとは、シックスシグマから派生した手法です。リーンシックスシグマは無駄を省くという考え方が、シックスシグマに加えられたものです。

シックスシグマは欠陥を減らすことを目的としていますが、リーンシックスシグマは欠陥を発生させないようにすることを目的としています。製品や業務の品質向上に加えて、効率的にビジネスを進める考え方です。


シックスシグマを実践するメリット

ここでは、シックスシグマを実践するメリットを4つ紹介します。

客観的にデータをみれる

シックスシグマではデータを客観的に集めることが重要とされています。収集したデータを論理的かつ中立的に判断することで、組織の主観や感情を排除できるのがメリットです。

長期的な改善が期待できる

シックスシグマは個人の発想や能力に左右されず、組織内の誰でも活用できます。組織内の人間が誰でも活用できるノウハウとして、データが蓄積されるため長期的に効果を実感できるのもメリットです。

収集するデータは、データ収集期間が長いほど蓄積されていきます。蓄積されたデータを活用しプロセス改善に取り組むことで、品質向上やコスト削減など長期的な改善が期待できます。

汎用性が高い

シックスシグマは製造業の品質管理のために開発されましたが、業種や企業規模に関係なく、多くの組織で利用できる汎用性があります。各企業に応じて導入できるのもメリットといえるでしょう。

顧客アンケートによるデータ収集ができれば顧客満足度向上やサービス向上、製品データの収集により製品の性質向上にもつながる可能性があるなど、活用の可能性は多岐に渡ります。

人材育成に効果的

シックスシグマを活用することで、間接的に人材育成にもつながります。シックスシグマの活用には、経験や勘ではなく客観的なデータ分析による問題解決能力が必要です。

シックスシグマによる改善プロセスを経験することで、リーダーシップや業務意識の向上が期待できるなど、人材育成にも効果的です。


シックスシグマの5つのサイクル

シックスシグマの導入プロセスに「DMAIC(ディマイクあるいはディーマイク)」と呼ばれるものがあります。ここでは、DMAICのそれぞれの要素について解説します。

1.Define:定義

定義とは、課題を明確にするフェーズです。シックスシグマではVOC(Voice Of Customer:顧客の声)を起点に、顧客の不満から製品やサービスの欠陥を探します。

製品やサービスに関連する不満や不具合を課題と定義し、改善の目標を数値で明瞭化することが重要です。

2.Measure:測定

測定では、正確に現状を把握するためにデータを収集するフェーズです。現状とサービス提供者の感覚はズレている場合が多く、適切に実情を理解するために具体的な数字を集めます。

また、現状の問題点が「目に見える」ことを重要視しているため、プロセスマップなどを使うのも有効な手段です。

3.Analuze:分析

測定により明確化した問題点が、なぜ発生しているのか根本的な原因を探るフェーズが分析です。シックスシグマでは、問題点を把握したらすぐに改善するのではなく、なぜ問題が発生するかの根本を探るステップを重要視しています。

分析では、SPC(Statistical Process Control:統計的工程管理)やMSA(Measurement System Analysis:測定システム解析)など、さまざまなツールや手法を利用します。

4.Improve:改善

そしていよいよ改善のフェーズです。定義、測定、分析で集めたデータをもとに複数の改善案を出し、費用対効果を検証しながら優れた案を判断します。

改善案は1つに限らず、複数の策を同時に進行するケースもあります。

5.Contral:管理

管理は、問題点に対する改善策がまとまったら、実際に現場で動いているチームが継続的に実行できるようコントロールするフェーズです。

新しいプロセスの導入方法を伝え実際に検証してもらい、再度問題点が浮かんだら同じ工程で改善を繰り返します。実施の有無や効果を定期的に確認し、業務の改善を続けることが重要です。


シックスシグマを理解するために知っておきたい関連用語

ここでは、シックスシグマを理解する上で理解しておきたい関連用語を紹介します。

VOC

VOCとは「Voice Of Customer」の略称で、その名のとおり「顧客の声」という意味です。VOCは、アンケートや問い合わせ、クレームやECサイトの口コミなど、さまざまな角度から顧客の声を収集します。

シックスシグマでは課題を明確化する起点と考えられていて、非常に重要な要素です。

CTQ

CTQとは「Critical To Quality」の略称で、経営成果に重大な影響を与える要因(重要要因)などと呼ばれます。VOCは顧客側の視点ですが、CTQは経営側の視点の言葉です。

例えば、VOCが「正確なサービスを受けること」だとしたら、CTQは「従業員のミスを減らすこと」と言い換えられます。VOCもとに不満や不具合を把握したら、会社が取り組む課題としてCTQに変換します。


シックスシグマについてのまとめ

シックスシグマは、品質改善だけでなく汎用的な業務プロセスを改善することにも役立つ手法です。基礎をきちんと理解したうえで、5つの改善サイクルを利用することでさまざまな効果が期待できます。

企業規模に関係なく導入できるため、適切なプロセスを理解して実践してみましょう。


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監修者プロフィール

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北原 竜也

北原中小企業診断士事務所 代表

2017年に中小企業診断士を取得。補助金等の事業計画書作成支援を中心にコンサルティングを開始。

ITコーディネータ、健康経営エキスパートアドバイザーの資格も保有しており、中小企業を中心に幅広い知見を活かした支援・助言を行っている。

カウンセラーとしての側面もあり、カウンセリングの聴く技術を活かし、クライアントが望む姿を明確にし、具体的な行動に移せるコンサルティングを得意としている。

【保有資格】

・認定経営等革新支援機関 中小企業診断士

・ITコーディネータ

・健康経営エキスパートアドバイザー

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