オープンソースグループウェア11選! 利用メリットやデメリットも紹介
オープンソースのグループウェアは、コスト削減や高いカスタマイズ性を求める企業にとって魅力的な選択肢です。しかし、導入と運用には専門知識やセキュリティ対策、サポート体制を準備しなくてはなりません。
本記事では、このようなオープンソースグループウェアの概要やメリット・デメリットを事前に把握するために解説しながら、そのうえでおすすめの製品を紹介します。
また導入や運用のポイントについても解説しますので、オープンソースグループウェアの活用を検討されている方はぜひ参考にしてください。
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グループウェアとは? 基本機能や種類から選び方まで徹底解説オープンソース型のグループウェアとは
そもそもグループウェアは組織内の情報共有とコミュニケーションを促進するツールです。グループウェアは社内のコラボレーションを強化し、業務効率を向上させる目的で使用されます。
そしてオープンソース型のグループウェアとは、ソースコードが公開され、自由に利用・改変が可能なグループウェアソフトウェアのことです。
開発者コミュニティによって継続的に改善され、ユーザーが自由にカスタマイズできる特徴があります。
オープンソースのグループウェアを利用するメリット
オープンソースのグループウェアを利用することで得られる主なメリットは、コスト削減や高いカスタマイズ性などです。最大限に活用するために詳しく見ていきましょう。
コスト削減につながる
オープンソースのグループウェアを利用したときにコストの削減ができる理由は主に3つです。
まずライセンス料が不要であるため、導入時の初期投資を大幅に抑えられます。またユーザー数に応じた追加費用も発生しないため、企業の成長に合わせた柔軟なスケールアップが可能です。
さらに、カスタマイズや機能拡張も自社で行えるため、外部委託のコストを削減することができます。これらの要因によってコスト削減が期待できるのです。
高いカスタマイズ性を備えている
オープンソース型のグループウェアの高いカスタマイズ性は、ソースコードにアクセスできることによって実現されています。
企業独自のニーズに合わせて自由にカスタマイズ可能です。これにより既存の社内システムとの連携や、独自のワークフローの実装もできます。
UIデザインの変更や、特定の機能の追加・削除などを自由に行うことができる点もカスタマイズ性に繋がっています。
オープンソースグループウェアのデメリット
オープンソースのグループウェアには以下のようなデメリットも存在します。
- 導入や運用に専門知識が必要
- サポート体制が不足している
- 自社でセキュリティ対策をしなければならない
これらのデメリットを理解し、適切に対処することでオープンソースグループウェアを効果的に活用しましょう。
導入・運用に専門知識が必要
オープンソースグループウェアの導入と運用は基本的に自社で対応しなければならないため、高度な専門知識と技術が必要です。
具体的にはサーバーの設定やデータベースの管理、セキュリティ対策など、幅広い技術力が求められます。
またカスタマイズや機能拡張を行う場合は、プログラミングスキルも重要です。これらの専門知識や技術を持つ人材がいない場合に運用コストがかかる可能性があるため注意しましょう。
サポート体制が不足している
オープンソースグループウェアは、商用製品と比べてサポート体制が弱い傾向にあります。そのため緊急時の対応や、専門的な質問への回答が得られにくいです。
問題解決はコミュニティフォーラムやオンラインドキュメントを自力で調査し、解決策を見つけなければなりません。これに時間と労力を要するので注意が必要です。
自社でセキュリティ対策をしなければならない
オープンソースグループウェアを利用する場合、セキュリティ対策やアップデートを自社で管理しなければなりません。
具体的には脆弱性情報の収集と、修正ファイル適用のタイミングを判断する必要があります。
また独自のカスタマイズを行った場合、意図せずセキュリティの弱点を作り出してしまう可能性がある点も把握しておきましょう。
オープンソースのグループウェア11選
オープンソースのグループウェアから厳選した11のサービスをご紹介します。
それぞれの料金プランや機能をまとめましたので、自社に合わせたサービスをご検討ください。
SHIRASAGI
項目 |
内容 |
初期費用 |
無料 |
料金プラン |
無料 |
主な機能・特徴 |
など |
SHIRASAGI(シラサギ)は、無料で利用可能なオープンソースのグループウェアとして、企業や組織の業務効率化を支援します。
特徴的な機能として、ペーパーレス化を促進するワークフロー機能があり、稟議書や経理処理の電子化が簡単に実現可能です。
また、スケジュール共有、設備予約、掲示板、ファイル共有といった多彩なツールが統合されており、スマートフォンやPCからアクセスできる柔軟性も魅力です。
GroupSession
項目 |
内容 |
初期費用 |
【byCloud】
|
料金プラン |
【byCloud】
【ZION】(ユーザ数100の場合) 初年度:400,000円/年
※すべて税抜 |
主な機能・特徴 |
など |
GroupSessionは、無料で始められるオープンソースのグループウェアで、多機能ながら使いやすさを重視しています。
スケジュール管理やチャット、ワークフロー、ファイル共有など、業務効率化に欠かせない機能が一つのプラットフォームに統合。
オンプレミス運用が可能で、カスタマイズ性に優れているため、あらゆる規模の企業や組織に適応します。モバイル対応も含め、外出先でもリアルタイムで情報共有が可能です。
Zimbra Collaboration
項目 |
内容 |
初期費用 |
要問い合わせ |
料金プラン |
要問い合わせ |
主な機能・特徴 |
など |
Zimbra Collaborationは、メール、カレンダー、タスク、ファイル共有、業務アプリを統合したオープンソースのグループウェアです。
プライベートクラウドとパブリッククラウドの選択が可能で、スマートフォンやデスクトップとも簡単に同期します。
高度な検索機能や文書管理機能を備え、柔軟な構築オプションで小規模から大規模環境まで対応可能です。
Joruri Gw
項目 |
内容 |
初期費用 |
無料 |
料金プラン |
275,000円(税込) Joruri Gwサポート1年分を含む |
主な機能・特徴 |
など |
Joruri Gwは、組織内の効率的な連携を支援するオープンソースのグループウェアです。スケジュール管理やToDoリストの共有、施設予約、カスタマイズ可能なワークフローなど多機能を搭載。
特に、回覧や社内メモを簡単に管理できる機能が魅力で、情報共有を円滑にします。柔軟な設計により、さまざまな組織のニーズに対応可能です。
Group-Office
項目 |
内容 |
初期費用 |
要問い合わせ |
料金プラン |
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主な機能・特徴 |
など |
Group-Officeは、オープンソースのグループウェアで、チームのコラボレーションやビジネス管理を効率化します。文書の共同編集や共有カレンダー、メール統合、セキュリティファイル管理など、幅広い機能を利用可能です。
CRMやプロジェクト管理の機能は、クライアント管理やタスクの割り当て、時間管理をシンプルかつ効率的に行えます。
また、独自の柔軟性が特徴で、自己ホストによる完全なデータ管理を選ぶか、99.9%の稼働率や毎日のバックアップを含むホスティングサービスを利用することが可能です。
SOGo
項目 |
内容 |
初期費用 |
無料 |
料金プラン |
無料 |
主な機能・特徴 |
など |
SOGoは、オープンソースのグループウェアとして、メール、カレンダー、アドレス帳を統合的に管理する高度なソリューションを提供します。
その特徴的な機能には、Microsoft OutlookやMozilla Thunderbirdとのネイティブな連携があり、特に大規模な導入や同期を簡単に行えます。
また、ActiveSyncをサポートしており、モバイルデバイスやiOS環境でもスムーズに利用可能です。
OSSカレンダー
項目 |
内容 |
初期費用 |
無料 |
料金プラン |
無料 |
主な機能・特徴 |
など |
OSSカレンダーは、企業向けに特化したオープンソースのカレンダーアプリケーションです。GPLv3ライセンスにより自由にカスタマイズが可能で、個人やグループのスケジュールを効率的に管理できます。
特に、予定の公開・非公開設定や繰り返し予定、通知機能などの強力な機能を備えています。
さらに、商用ライセンスも提供されており、サポートやカスタマイズの選択肢が充実しているため、企業ニーズに柔軟に対応可能です。
Abdul v128a
項目 |
内容 |
初期費用 |
要問い合わせ |
料金プラン |
要問い合わせ |
主な機能・特徴 |
など |
Abdul v128aは、OneThird CMSプラットフォーム上で動作する軽量なオープンソースのグループウェアです。
簡単な操作でチームやプロジェクトに最適なフォルダ管理ができ、メッセージボードやファイル共有、スケジュール管理などの機能を柔軟にカスタマイズできます。
また、内外のサーバーで簡単に動作し、最小限のサーバー要件で動作するため、小規模なチームでも導入しやすいのが特徴です。
Feng Office
項目 |
内容 |
初期費用 |
無料 |
料金プラン |
STARTER:無料 |
主な機能・特徴 |
など |
Feng Officeは、オープンソースのグループウェアで、プロジェクト管理、タスク管理、ドキュメント共有、タイムトラッキングなどを一元化できるツールです。
リアルタイムでの進捗確認やレポート生成、カスタマイズ可能なワークフローなど、チームの生産性向上に役立つ機能が充実しています。
ユーザーフレンドリーなインターフェースと柔軟な設定が魅力的で、効率的なコラボレーションを支援します。
TWAKE
項目 |
内容 |
初期費用 |
無料 |
料金プラン |
Free:€0 |
主な機能・特徴 |
など |
TWAKEは、チームのコミュニケーションと生産性を向上させるためのオープンソースグループウェアです。セキュアなメッセージング、ファイルストレージ、メール機能を統合し、データの暗号化によってプライバシーを守ります。
さらに、オンプレミスでの導入や柔軟な統合オプションが特徴で、GDPRにも準拠しており、企業のニーズに対応します。直感的なインターフェースと強力なセキュリティで、チームワークを効率化する理想的な選択肢です。
GRIDYグループウェア
項目 |
内容 |
初期費用 |
無料 |
料金プラン |
無料 |
主な機能・特徴 |
など |
GRIDYグループウェアは、企業内外の情報共有をスムーズにする無料のSaaS型グループウェアです。セキュリティ機能が強化されており、アクセス管理が柔軟で、ISO27001に準拠したデータ保護が特徴です。
社内外のチームでの円滑なコミュニケーションを実現し、スケジュール管理や業務効率化をサポートします。さらに、追加投資なしで豊富な機能を利用でき、煩わしい広告もありません。
オープンソースのグループウェアの導入と運用
オープンソースのグループウェアを効果的に活用するためには、適切な導入プロセスと運用方法が不可欠です。
ここではオープンソースグループウェアの導入手順と、運用方法について解説します。
導入方法
オープンソースグループウェアの導入は、一般的に以下の段階を経て行われます。
- 要件定義
- 環境構築
- カスタマイズ
- テスト
- ユーザートレーニング
要件定義では、現状の業務フローを分析して必要な機能を明確化してください。環境構築では、サーバーの選定やネットワーク設定、データベースの構築などを行っておきましょう。
運用方法
オープンソースグループウェアを効果的に運用するためには、以下の作業をしておきましょう。
- 定期的なバックアップ
- セキュリティアップデート
- ユーザーサポート
データの定期バックアップと、リストア手順の確立は不可欠です。ユーザーからの問い合わせに対応するヘルプデスクを整備しておくと、よりサポート体制が整います。
オープンソースのグループウェアを導入する際のポイント
オープンソースのグループウェアを導入する際には「企業の技術力や規模に適切なサービスかの確認」や「長期的なコスト分析」がポイントです。
具体的にどのように実行していくのか見ていきましょう。
企業の技術力と規模が適しているか確認する
オープンソースグループウェアの導入を検討する際、まず自社の技術力と組織規模が適しているかを評価しなければなりません。
例えば社内にLinux系OSやWebサーバー、データベース管理の知識を持つ人材がいるかを確認しましょう。
組織の規模が大きく、カスタマイズのニーズが高い場合はオープンソースが有利になることがあります。
長期的なコスト分析を行う
オープンソースグループウェアの導入を検討する際は、導入・運用コストと期待される効果を比較し、長期的なコスト分析を行いましょう。
単に初期導入コストだけでなく、カスタマイズや保守にかかる人件費も考慮する必要があります。
また業務効率化や情報共有の促進による生産性向上の効果を、定量的に評価することもポイントです。
オープンソースのグループウェアを活用して業務効率を向上させよう
オープンソースのグループウェアは、コスト削減と高いカスタマイズ性を兼ね備えた強力なツールです。
特性を理解し適切に導入・活用することで、業務効率の大幅な向上が期待できます。導入前の十分な検討と計画、導入後の継続的な改善と運用体制の整備が成功の鍵です。
そのためには自社の技術力と導入目的を十分に検討し、長期的な視点でコスト分析を行わなければなりません。
ユーザーの声を反映させながら継続的に改善を行うことで、自社に最適化されたシステムを構築できます。この特性を理解して活用することで、オープンソースのグループウェアを効果的に運用していきましょう。