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ビジネス文書の書き方 第13回  ビジネスメールの書式(1) 年末年始の挨拶

ビジネス文書の書き方 第13回  ビジネスメールの書式(1) 年末年始の挨拶

この連載では、ビジネス文書の適切な書き方をお伝えします。

ビジネス文書には、一定の書式があります。今回は、年末年始のビジネスメールの文例4種を見てみましょう。


この記事の著者
株式会社月刊総務 代表取締役社長   戦略総務研究所 所長 

時候の挨拶は不要

ビジネスメールの文面は、これまで解説した対外文書の書き方と同様に考えればOKです。時候の挨拶などは省略しても失礼には当たりませんが、宛先の社名や氏名を冒頭に記し、「いつもお世話になっております」の一言を入れましょう。


件名に一工夫を

件名を「○○の件」とすることが多いでしょう。しかし、毎日大量のメールを送受信する人には、見落とされたり読むのを後回しにされたりすることがあるかもしれません。「ご挨拶」「ご案内」「ご依頼」「ご相談」「ご回答」などの文言を件名に付して自分の立場や目的を明確にすれば、趣旨が一目で伝わります。

また、日常的に連絡する相手であっても、こちらから用件がある時は「Re:」で返信するのではなく新たな件名をつけましょう。

それでは、文例を見てみましょう。


【年末ご挨拶の訪問日程相談メール】

お客様に年末の挨拶をするため、訪問の日程を打診するケースを考えてみましょう。

上司が同行する場合は、その旨を記載します。先方も上司が同席できるよう日程調整をしたり、応接室を手配したりするなどの準備が必要だからです。複数の日程候補を挙げ、先方にも複数の予定を返信いただくようお願いすると調整しやすいでしょう。あわせて、自社の年末年始の休業日を記しておきます。

若手の営業担当者にとって、上司の同行はビジネスチャンスにつながります。こちらが上司同行だと告げれば、先方も上司が同席してくれる可能性が高くなるからです。決裁権限のある方との面談は、今後の取引において重要な機会になります。挨拶にとどまらず、新商品を提案したり先方の来期の方針をお聞きしたりするなど、新しい展開も期待できそうです。


【年末ご挨拶のメール】

お客様に年末の挨拶メールを送る場合を考えてみましょう。

ここでは、まだ受注実績のないお客様を想定しています。「セミナーにご来場いただき」「お問い合わせをいただき」「○○ご提案の機会をいただき」など、先方との関わりを記載すると、その時の場面を思い出してもらいやすくなります。

また、お目にかかってのご挨拶ではないことについて、お詫びの一言を入れましょう。

送るタイミングは、自社または先方の年内の最終営業日の前日までが良いでしょう。先方がサービス業などで年末年始も通常営業している場合もありますので、「これから年末年始休暇に入られると存じますが」といった文を用いる場合は、確認してから書くようにしましょう。


【年始ご挨拶の訪問日程相談メール】

お客様に年始の挨拶をするため、訪問の日程を打診するメールです。

冒頭に年賀状と同様の新年を祝う言葉を入れ、季節感を出しましょう。続いて、昨年の御礼と引き続きのご愛顧を願う文を書きます。

年末にご多忙でお会いできなかったお客様には、改めて年明けの訪問を依頼するのが良いでしょう。多くのビジネスパーソンは年内に仕事の一区切りをつけたいと考えるため、1月前半はスケジュールに余裕がある人も多いものです。先方が新しい1年のことを考え始めるタイミングでの訪問は、新たな提案などにも向いた時期と言えるでしょう。


【年始ご挨拶のメール】

直接訪問できない場合は年賀状をお出しするのが望ましいですが、近年は始業当日にメールで挨拶することも多くなりました。

次回は、寒中見舞いのマナーを紹介します。

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著者プロフィール

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豊田 健一

株式会社月刊総務 代表取締役社長 戦略総務研究所 所長

早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルートで経理、営業、総務、株式会社魚力で総務課長を経験。日本で唯一の総務部門向け専門誌『月刊総務』前編集長。現在は、戦略総務研究所所長、(一社)ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアム(FOSC)の副代表理事として、講演・執筆活動、コンサルティングを行う。

毎日投稿 総務のつぶやき 

毎週投稿 ラジオ形式 総務よもやま話

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著作

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経営を強くする戦略総務』(日本能率協会マネジメントセンター) 

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