ビジネス文書の書き方 第25回 社内文書の書式(1) 連絡書・送付状・始末書
この連載では、ビジネス文書の適切な書き方をお伝えします。
ビジネス文書には、一定の書式があります。今回は、社内文書や社内メールの文例7種を見てみましょう。
社内文書の基本形
本連載ではこれまで、取引先など社外の方に宛てるビジネス文書の書き方を説明しました。今回からは、自社内の人に向けて書く社内文書について解説します。対外文書と異なり、社内文書では挨拶の文言は不要です。項目ごとに要点を見てみましょう。
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1 文書番号
発信部署名や通番を記号化したものです。1行目の右に寄せて書きます。
保管する際に整理しやすいよう付ける番号で、不要であれば省略します。
2 発行日
次の行の右に寄せて、文書の発行日を記します。「文書作成日」ではなく「文書発行日」であることに留意します。
年号は西暦でも和暦でもどちらでも構いませんが、できれば社内で、少なくとも部署内で統一しておけば便利です。
3 宛名
次の行の左に寄せて、宛名を書きます。
敬称は、個人宛の場合は「様」、複数の個人宛の場合は「各位」、組織宛の場合は「御中」とします。「各位」は敬称の意味を含むため、「各位様」「各位殿」と重複させないようにしましょう。
また「○○部長」などの役職名は「部長」が敬語のニュアンスを持つため「様」「殿」は不要ですが、「部長様」「部長殿」としても誤りではなく、より丁寧な表現になります。
- ○○様(個人宛)
- ○○部各位、課長各位(複数の個人宛)
- ○○部御中(組織宛)
- ○○部長(役職者宛)
- ○○部長様、○○部長殿(役職者宛の丁寧な表現)
4 発行部署・氏名
次の行の右に寄せて、発行部署と氏名を記します。実務担当者名を記載するのか、権限や責任を持つ部門長名で発行するのか、用件の内容によって検討してください。
5 表題(件名)
行の中央に寄せて、簡潔かつ明確な表題を記載します。
6 本文
すぐに用件に入ります。
対外文書と異なり、次のものはすべて不要です。
- 頭語と結語(「拝啓―敬具」など)
- 時候の句(「○○の候」など)
- 前文(「ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」「平素はお世話になっております」など)
7 記書き
本文への記載事項が多い場合は、「記」として箇条書きにします。
8 結び
右下に「以上」と記載します。
9 担当者名
④を部門長名とする場合、問い合わせ先として担当者の氏名と連絡先を記しておくと親切です。
【連絡書】
会議の連絡など、社内でよく使われる通達文です。
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【連絡メール】
社内の通達文は、メールで発信することが多いでしょう。メールでの文例を見てみましょう。
件名:【ご連絡】○○○○販売促進会議の件 |
部課長・関係各位 下記の通り○○○○販売促進会議を開催いたしますので、 関係部課長、担当者のご出席をお願いいたします。 記 1.日時:○月○日(〇) ○時〇分~○時〇分 2.場所:第○会議室 3.内容:○○○○販売促進計画、PR手法 4.出席者:○○部、△△部 全員 以上 --------------------------- 営業企画部 ○○○○ 内線:1234 E-mail ___________________ --------------------------- |
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【送付メール】
書類を添付ファイルとしてメール送信する場合の文例です。
件名:【書類送付】○○○○パンフレット類送付の件 |
各位 広報部では、○○○○の新しいパンフレットならびにリーフレットを発行しました。 サンプルを添付いたしますので、ご査収ください。 記 1.○○○○パンフレット 1部 2.○○○○リーフレット 1部 以上 --------------------------- 広報部 ○○○○ 内線:1234 E-mail ___________________ --------------------------- |
【FAX送付状】
今日では文書の送受信にメールを使用することが多くなりましたが、ファクシミリのほうが使い勝手が良いと感じる人もいます。
FAXを送信する場合、先方の部署内で確実に相手が受け取れるよう、必ず送付状を付け宛名を明記します。発信人の欄には、電話番号とFAX番号を記します。また、文書の下部にページ番号を記入し、総送付枚数が分かるようにしておくと良いでしょう。さらに、機器のトラブルや宛先の間違いなどによる不達も起こりうるため、送信後に電話で確認を入れると安心です。
ここでは、社内宛と社外宛の2種の文例を見てみましょう。
<社内宛>
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【始末書】
自社の就業規則への違反や懲罰規定の対象となる行為を行い、会社に損害を与えた場合などに、会社に対してお詫びを述べ、二度と繰り返さないことを誓う文書です。
始末書には、次の点を記載することが肝要です。
- 過失の事実を明記する
- 自分の責任を認める
- 謝罪する
- 同様の過失を二度と繰り返さないよう誓う
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次回も社内文書や社内メールの書き方を紹介します。