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EQ(心の知能指数)とは? EQが高い人の特徴やビジネスとの関係を解説

著者:   bizocean編集部

EQ(心の知能指数)とは? EQが高い人の特徴やビジネスとの関係を解説

従来、IQがリーダーの資質として持ち上げられてきましたが、近年、「EQ」と呼ばれるビジネススキルが注目されはじめています。

EQについての大まかな説明とこの能力が高い人に共通すること、ビジネスとどのように関わるのか解説します。


EQ(心の知能指数)とは?

EQとは、心の知能指数(Emotional Intelligence Quotient)と呼ばれる、「感情をコントロールし、それを上手に利用する能力」を指します。1990年に2人の学者が提唱したもので、感情の知性といった表現がされることもあります。

人との意思疎通をスムーズに行い、周囲の人の気持ちにも働きかける能力とされ、コミュニケーションが必須となるビジネスの場において重要なものです。コミュニケーションの基本的な能力であり、この能力に優れた人材が多いほど、会社の生産性は向上するといわれます。

EQは、遺伝などといった生まれつきに備わる特別な能力ではありません。訓練次第でいくらでも伸ばせます。

EQとIQの違い

EQと似た言葉として挙げられるのが「IQ」です。IQとは、知能指数(Intelligence Quotient)を指す言葉で「頭の良さ」を指しています。

一方、EQとは「生きる力」と表現できます。どれほど知能が高くとも、人は一人で全ての仕事を処理できません。多くの人と接し、協力してこそ大きな仕事をこなせるようになります。

IQの高さは、必ずしも人生の成功を約束してくれるものではありません。プライベートはもちろん、ビジネスの場においても、EQの高さに注目することが大切です。


EQを構成する能力

EQとは、4つの能力によって構成されています。つまり、EQとはそれらの能力が総合的に組み合わさった結果発揮される能力と表現できます。

感情の識別

感情の識別とは、気持ちを感じ取る能力を指します。ここでいう気持ちとは、自分のことだけではありません。

相手の気持ちも含めて、感じ取れる能力こそが感情の識別です。この能力があるおかげで、自分の感情がどういった状況であるのか、相手の気持ちがどうなのかが感じ取れるようになります。EQを構成している能力の中でも、特に重要視されている能力です。

感情の利用

問題や課題をクリアするために自ら気持ちを生み出す能力が感情の利用です。感情をコントロールする能力とも表現できます。

例えば、理性的に話をするシーンでは、冷静さが求められます。怒りといった場を乱すような感情をコントロールし、目的を達成するために冷静な感情を自分で生み出し対応する。これは、感情の利用と呼ばれるこの能力が高くなければできません。

感情の理解

現在生じている感情がなぜ起こっているのか、その原因を把握し、変化を予測する能力のことです。自分や相手の気持ちを察する能力であり、感情の原因がわかれば、今後起こりうる変化も予測しやすくなります。

相手の感情を理解するためには、感情の表現に関する知識が豊富であることが重要です。例えば、笑った顔でピースをした人がいれば、「何か嬉しいことがあって喜んでいるのだな」と察せられます。喜んでいるという状態を理解できれば、その相手に対してどうやった行動をとれば良いのかが予想できます。

感情の調整

上記で紹介した3つの能力を上手に活用しつつ、望ましい行動をとるために感情を調整する能力を指します。

問題をクリアする際、もしくは何らかの判断を下す際の行動は、感情によって左右されることも多いです。感情に動かされた結果、適切な行動につながらないと後に大問題が生じることもあるでしょう。

感情を巧みに調整し、望む行動を選択できれば、最良の結果を引き寄せる可能性が高まります。


EQが高い人に共通する特徴

EQが高い人には共通するある特徴があります。以下に記述する3つの共通する特徴について理解しつつ、自社に当てはまる人物がいないか探してみましょう。

どのような状況でも受け入れる柔軟性

EQの値が高い人は、寛容な心を持っています。世の中には様々な価値観があり、その中には自分の価値観とは異なるものも多いです。そういった異なる価値観を頭ごなしに全否定するのではなく、偏見のない気持ちで受け入れる広い心があります。

ときには大きな失敗をしたり、誰かに強く批判されたりすることもあるでしょう。そのようなとき、EQが優れた人は、怒りで自分を見失ったり、動揺したりすることなく、冷静に行動できるのです。

相手の心を開かせる共感力・傾聴力

優れたEQを持つ人は、共感力・傾聴力が高い傾向にあります。

相手とコミュニケーションを上手にとるためには、独りよがりな態度はいけません。他人の気持ちを理解し、歩み寄る心が必要です。

EQの高い人は、相手の意見に対して共感したり、しっかりと耳を傾けたりすることで、相手の心を開き、良好な関係を築けます。

常に周囲の状況を把握するリーダーシップ

組織としての力を活かすためには、チームを束ねるリーダーの存在が必要不可欠です。リーダーを選ぶ基準として、「IQの高さ」に注目することも多いでしょう。

もちろん、優れた頭脳を持つ方は良い仕事をしてくれるため、期待をかけたくなります。しかし、頭の良さが必ずしもリーダーとして最適な能力を持っているとは限りません。

リーダーには、自分だけでなく周囲の状況を把握する能力に加え、トラブルや絶え間ない変化に冷静に対処し、皆を引っ張る力が必須です。EQが高い人は、自分や他者の感情を理解する能力に長け、優れたリーダーシップを発揮できる傾向にあります。


EQとビジネスの関係

EQとは、日常生活のみならずビジネスにも大きな関係があります。この能力を提唱した人物の一人は、イェール大学の学長を務めているピーター・サロベイ博士、もう一人は、ニューハンプシャー大学の教授ジョン・メイヤー博士です。

両名は、ビジネスの成功者の多くは、対人関係能力に秀でた人物であると結論付けています。対人関係を円滑にするEQは、トラブル防止をはじめ、健康対策や生産性の向上などビジネスに大きく関わってくる能力なのです。

  • 感情からくるトラブルを未然に防ぐ
    強い感情、特に怒りは余計なトラブルを招く要因となりえます。己の感情を把握し、コントールすることでトラブルを未然に防げることは、ビジネスにおいて大きなメリットとして機能するでしょう。
  • メンタルヘルス対策として役立つ
    心の健康を乱す原因は、人間関係であることが多いです。EQの理論を用いれば、現在問題となっている感情の原因を把握でき、それによって解決策を導き出せる可能性があります。職場は多くの人が関わる場所であり、心の問題とは切っても切れない関係にあるのです。
  • 生産性を高められる
    EQの高い人は、相手から共感を得る能力に優れ、それが生産性の向上に直結します。

例えば、会議中、話がまとまらなくなったときになど、そこにEQの優れた人がいれば、持ち前の共感力の高さを活かして、相手の真意を理解し、何をすべきか提示できます。

つまり、相互理解ができないことによる時間のロスを削減し、より無駄のない具体的な話ができるのです。


まとめ

EQについての基本的な知識とこの能力が高い人に共通すること、ビジネスとの関係について解説しました。

ビジネスにおいて、EQが低いことはデメリットとなりえます。人材を育成する際は、心の知能指数にも注目してみてはいかがでしょうか。

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