【例文あり】有給休暇申請書の書き方ガイド|注意点やよくある質問もあわせて解説
有給休暇を取得する際に、有給休暇申請書の提出を求められることがあります。このとき、「何を書けば良いのか」「申請理由をどう書けば良いのか」と悩む方も多いでしょう。
本記事では、有給休暇申請書の基本的な書き方や、役立つ申請理由の例文を詳しくご紹介します。これを読めば、初めての方でも迷わずに申請書を作成できるようになります。
すぐに使えるテンプレートもご用意したので、ぜひ参考にしてください。
有給休暇とは
有給休暇とは、労働者が有給で休暇を取得できる制度のことです。労働者の勤続期間と所定労働日数に応じて、一年ごとに規定の休暇が付与されます。
そのため、正式には年次有給休暇制度と呼ばれますが、一般的には「有休」と略すことが多いです。
有給休暇は、労働者の正当な権利ですが、労働基準法に則り、申請の際は正しい手続きをしなければなりません。申請書を作成する場合は、取得したい時期や日数、休暇理由などを明確に記載しましょう。
有給休暇申請書の書き方
有給休暇申請書に記載されている主な項目は、以下の7つです。
①申請日
②所属と氏名
③休暇期間
④休暇事由
⑤休暇中の連絡先
⑥備考
⑦承認欄
それぞれの項目の書き方を見ていきましょう。
①申請日
有給休暇申請書を提出する日を記入します。
②所属と氏名
申請者が所属している部署名と、申請者の氏名を記載します。申請者名の横に捺印欄が設けられていたら、そこにハンコを押しましょう。
③休暇期間
いつからいつまで休むのかを記載します。
1日だけ有給休暇を取得する場合:◯年◯月◯日
数日間有給休暇を取得する場合:◯年◯月◯日~◯年◯月◯日まで ◯日間
④休暇事由
有給休暇を取得する理由を記載します。
⑤休暇中の連絡先
有給休暇中の連絡先を記載します。長期休暇を取得する際には、滞在先を記載することがあります。
⑥備考
休暇期間や休暇事由のほかに、何か伝えておきたいことがある場合は備考欄に書いておきましょう。
また、ここまでの項目で、記載する欄がないものがあれば、備考に書いておくとよいでしょう。とくに書くことがない場合は、空欄のままでかまいません。
⑦承認欄
承認欄は、有給休暇の取得を許可した管理者が記入・捺印する箇所です。申請者が記入する必要はないので、空欄にしておきましょう。
≫年次有給休暇届
≫休暇届・休暇申請書・休暇願の書式テンプレート
有給休暇申請書の理由の書き方・例文
有給休暇は労働者の権利として付与されるものです。取得理由を詳細に書く必要はなく、「私用のため」と書いても問題はないとされています。
といっても、きちんと理由を書いておきたいという人もいるでしょう。ここでは、有給休暇の取得理由の記載例をいくつか紹介します。
子どもが流行病にかかった時
例文:「家族の看護のため」
欄外に「息子が水疱瘡にかかりました、ご迷惑をおかけします」などと事情を記載すると、よりていねいな印象になるでしょう。
遊びに行く、旅行に行く時
例文:「私用のため」、「私事のため」、「リフレッシュのため」
この場合は当たりさわりのない理由を記し、深く理由を書かない方がベターです。
研修やセミナーに参加する時
例文:「自己啓発のため」
この場合は、欄外に「◯◯の資格取得のため」と記載したり、出席するセミナーの名称を記載したりしても良いでしょう。
結婚式に参加する時
例文:「私事のため」、「私用のため」
兄弟などの家族の場合には、欄外に「姉の結婚式に出席のため」などと記載しても良いでしょう。友人の結婚式に出席する場合には、「私事都合」とし、とくに注記も必要ありません。
有給休暇申請書を書く時の注意点
有給休暇申請書を書く時に、いくつか注意したいことがあります。
嘘の理由を書かない
遊びに行くなどの理由で有給休暇を取得する場合、理由を書きづらいと感じる人も多いのではないでしょうか。
しかし、書きづらい理由だからといって、嘘の理由を書くのは避けましょう。嘘をついたことが発覚した場合に、職場での印象が悪くなる可能性があります。
「時季変更権」に注意
有給休暇は労働者の権利であり、いつどのような理由でも取得できるのが原則です。ただし、会社には「時季変更権」がある点に注意する必要があります。
時季変更権とは、有給休暇の取得を認めることによって業務に支障が出る場合に、有給休暇の取得時期を変更できる権利です。この権利により、繁忙期の有給休暇の取得が認められないことがあります。
子どもの看病などやむを得ない理由以外での有給休暇は、職場の状況を見極めたうえで申請するよう心がけましょう。
申請の証拠を残す
有給休暇を申請したにもかかわらず、管理者が忘れていたなどのトラブルが起こることがあります。
このようなときのために、有給休暇申請書をメールで送付する、コピーを取っておくなどして、申請の証拠を残しておきましょう。
できるだけ早めに申請する
従業員が有給休暇を取得すると、会社側は業務を代行する人を探すなど、いろいろと調整しなくてはなりません。
ギリギリで申請すると調整が間に合わなくなる可能性があるので、有給休暇を取る場合は、できるだけ早めに申請するようにしましょう。
有給休暇に関するよくある質問
ここでは、有給休暇に関するよくある質問への回答を紹介します。
有給休暇はいつから取得できる?
有給休暇は正社員やアルバイトなど、雇用形態にかかわらず、勤務開始から6ヶ月経過すると取得できるようになります。
有給休暇は1年間に何日?
正社員が取得できる有給休暇の日数は、以下のとおりです。勤務年数が長くなるごとに、取得できる日数が増えていきます。
勤務期間 | 有給休暇の日数 |
---|---|
6ヶ月 | 10日 |
1年6ヶ月 | 11日 |
2年6ヶ月 | 12日 |
3年6ヶ月 | 14日 |
4年6ヶ月 | 16日 |
5年6ヶ月 | 18日 |
6年6ヶ月以上 | 20日 |
アルバイトが取得できる有給休暇の日数は、労働日数によって異なります。勤務年数が長くなると有給休暇の日数が増える点は正社員と同じですが、正社員よりも日数が少なく設定されています。
勤務期間 | 労働日数別(年間)の有給休暇の日数 | |||
---|---|---|---|---|
48~72日 | 73~120日 | 121~168日 | 169~216日 | |
6ヶ月 | 1日 | 3日 | 5日 | 7日 |
1年6ヶ月 | 2日 | 4日 | 6日 | 8日 |
2年6ヶ月 | 2日 | 4日 | 6日 | 9日 |
3年6ヶ月 | 2日 | 5日 | 8日 | 10日 |
4年6ヶ月 | 3日 | 6日 | 9日 | 12日 |
5年6ヶ月 | 3日 | 6日 | 10日 | 13日 |
6年6ヶ月以上 | 3日 | 7日 | 11日 | 15日 |
有給申請は何日前までにすればいい?
有給休暇は特別な理由がない限り、いつでも取得することができます。
有給休暇を取得する場合、いつまでに申請するべきかは法律上特段定められていません。基本的には、会社ごとの規則が用いられます。
多くの会社では原則前日までとしていることが多いですが、会社や事業内容によっては3日前や1週間前などと定められていることもあります。
有給休暇はパートや派遣社員でも貰える?
有給休暇は雇用形態にかかわらず取得できるものです。パートや派遣社員でも、勤務開始から6ヶ月経過すれば有給休暇がもらえます。
有給休暇中はいくらもらえる?
有給休暇中は、出勤日と同額の賃金が支払われるのが基本です。時給の場合は「時給額×所定労働時間数」、月給の場合は「月給額÷その月の所定労働日数」で計算した金額が支払われます。
まとめ
有給休暇を取得するには、従業員が自分で申請を行う必要があります。有給休暇申請書の書き方に迷ったら、今回解説した内容を参考にしてみましょう。
有給休暇申請書のテンプレートが用意されていない場合は、下記のテンプレートをご活用ください。