企画書の構成と使えるデザインテンプレートは?
企画書を作る際に、伝えたいことに合わせてデザインテンプレートを使うと便利で、早く仕上げることができます。
例えばフローチャートやサービスの流れ、ガントチャートなど、決まったフォーマットがあります。
PowerPoint(パワーポイント)のSmartArt(スマートアート)もありますが、デザインセンスに自信がない方は、ぜひテンプレートを使いましょう。
企画書の構成
まず『企画』とは、それによって『目的を実現すること』をいいます。現状に何か問題がある場合や、新たな目的を達成したい場合に企画をし、そのアイデアを書面にしたものが『企画書』になります。そのため企画書の構成は、目的を実現するための方策が示されていなければなりません。つまり、現状の問題から解決までのプロセスがストーリーに沿って設計されている必要があるのです。
一般的な企画書の構成は1)表紙、2)目次、3)目的・課題、4)施策・調査結果・実施方法など、5)効果、6)工程フロー・スケジュールなど、7)収支計画の順で展開されます。
1. 表紙
表紙は、最初に読み手の視界に入るものです。表紙をじっくり読むということはありませんから、長々と文章を入れる必要はありません。ここでは、企画内容が想像できるような印象深いキャッチフレーズをタイトルとしてつけましょう。自社のイメージカラーがあれば、そのカラーを基調にしたり、マスコットキャラクターなどがあれば表紙に添えたりすると視覚的に印象が残ります。
≫表紙の書式テンプレート
2. 目次
目次は、企画書の概要を示すものです。目次の時点でストーリー組みをしておけば、読み手も心構えができます。いわば、あらすじのようなものといえるでしょう。あらすじをはじめに伝えておけば、本題に入ったときに相手の理解度が深まりやすくなります。
≫目次の書式テンプレート
3. 目的・課題
目的は、今回の企画が何のためになされたのかを、わかりやすく伝えます。どこに課題があって、それをどうするのか、図解や矢印で示しながらロジックを展開します。ここで目的や課題を深くとらえてもらえれば、今後の解決策の重要性が増します。
4. 施策・調査結果・実施方法など
施策を説明するにあたっては、それを実行するメリットを示すために、具体的な調査結果などがあると説得力があります。企画の裏づけを提示するのです。市場動向と自社の状況を照らし合わせた分析結果などを、具体的な数値やグラフで表します。人間は、文章だと理解するのに時間がかかりますので、企画書は視覚勝負であるといっても過言ではありません。
≫調査・分析の書式テンプレート
5. 効果
その施策を講じたら一体どんな効果が得られるかというのは企画書の中で最大の重要ポイントでしょう。効果があまり出なければ、実施する意味はありません。見込める効果も具体的な数値で示すようにしましょう。また、その効果が企画を提案される側の要望やメリットに沿っているかということも大切です。効果が的外れなところにあれば、企画は通りません。
6. 工程フロー・スケジュールなど
企画する施策を講じるのに、どれほどの工程が必要で、どのくらい時間がかかるかということも盛り込まなければなりません。それにより、関わる人員の確保をしなければなりませんし、施策を講じる日まで逆算して準備を開始しなければならないからです。実現可能なスケジュール組みをしましょう。
7. 収支計画
ロジックも通っていて、聞き手が納得する企画書ができたとして、必ず聞かれることが収支計画です。立ち上げにあたりどのくらいコストがかかるのか、回収はどのようにして見込めるのかなどを記載する必要があります。施策を講じるにあたっては必ずコストがかかりますが、それが大きすぎるとどんなに良い提案でも却下されてしまうこともあります。全体像を考えながらうまく収支計画とのバランスを取ることが大切です。
アイデア満載、さまざまなシーンの企画書デザインテンプレート
企画書のテンプレートには、さまざまなシーンで使える素材がたくさんあります。企画書のデザインをするのが苦手で、いつも見づらいといわれてしまう人は、是非参考にしてみてください。企画書の要となる3)目的・課題と4)施策・調査結果・実施方法など、の具体的なアクションの箇所は、企画者の腕の見せどころでもあります。なるべくわかりづらい表現は少なくして、デザイン豊かに視覚に訴えかける表現を心がけましょう。
新商品の運送ルートについての企画書デザインを例に挙げてみましょう。こちらは新型テレビが工場から出荷され、どのような運送ルートで納品されるかを図で表したものです。言葉の説明がなくても図を見ただけで何を表しているのかがわかりますね。
テレビやトラック、ビルのイラストを使用することで読み手の頭の中で運送ルートが視覚情報だけで再生されます。ビルのイラストで納品先を表し、その色をブルーに統一することでまとまりあるデザインになっています。
出荷されてから右方向へ矢印が流れていくデザインであるため、時系列をイメージすることができ非常にシンプルでありながらわかりやすいデザインであるといえるでしょう。
次に、人事マネージメントについての企画書デザインを例に挙げてみましょう。こちらは人事マネージメントのフローを計画・立案、採用・調達、評価・フォローアップ、育成というサイクルで回していく流れを図で表したものです。
こちらの図では、Plan、Do、Check、ActionのPDCAと呼ばれる手法に則っています。今後も継続されるサイクルであるため、矢印の輪が中央に配置されています。
ポイントを2つずつに絞って文字に落とすことで全体イメージはすっきり収まりながら、読み手が理解しやすいデザインになっています。その理解を促すために、それぞれの項目でイメージイラストが添えられています。
まとめ
企画書の構成は、最終的に何が目的でありゴールはどこなのかを明確にしたうえで、聞き手を納得へ導くためにストーリーを組み立てることが大切です。その目的によってフローチャートやガントチャート、グラフなど、一番合致したツールを駆使して説得力を持たせます。
説明が足りず、読み手に疑問が残ってしまうとせっかく良い企画も趣旨がうまく伝わらないことがあります。伝えたい内容を、いかに魅力的に見せることができるかがポイントです。企画書デザインテンプレートを使って、通りやすい企画書作りを心がけましょう。