送付状の書き方【スマートな見本・ビジネス向けテンプレート付き】
送付状は相手へ送る書類に添える書類で、カバーレター、挨拶状、添え状、送り状とも呼ばれます。
履歴書・職務経歴書を送る場合や、ビジネス上でも重要な送付状。
ここでは、社会人としての基本マナーを押さえ、受け取った相手に好印象を与えるスマートな書き方を、ポイントとともに解説していきます。
送付状の役割とは？
送付状には「相手への挨拶」「送付内容の紹介・通知」「内容物の補足」の3つの役割があります。
「誰」が「何」を「何枚」送ったのかを示しているので、相手側に丁寧な印象を与えるとともに、もし同封されている書類に不備があってもすぐに気付いてもらえるでしょう。
学生の方には馴染みがないかもしれませんが、エントリーシートや履歴書・職務経歴書の提出を郵送で求められた場合には必ず同封してください。
これだけで「しっかりとマナーを知っている学生さんだな」といった良い印象を与えることが可能です。
送付状の正しい書き方・テンプレート
送付状のレイアウトに決まりはありません。
しかし、記載内容はもちろんのこと、記載位置や順序も重要となるため、一般的に使用されているシンプルな構成のテンプレートを編集して使用することをおすすめします。
①日付
最初に、ビジネス文書においての共通ルールとして日付は右上に配置します。
作成した日付ではなく、送付する日を記載しましょう。
いつ書類を送ったのかが分からないと、後にトラブルに繋がってしまうことも。
西暦・和暦に関してはどちらを使用しても構いませんが、同封する書類の記載方法と混在しないように統一しましょう。
②宛先・担当者名
日付から一段下がり、左上に宛先・担当者名を書きます。
株式会社を「（株）」といったように省略するのは失礼にあたるのでNGです。必ず企業名は正式名称で記載しましょう。
また、宛先・担当者名には敬称として、社名や部署名には「御中」、個人名には「様」をつけます。
下記が例になります。「御中」と「様」の両方をつけて記載してしまわないように注意してください。
<例>
会社名の場合： … 〇〇株式会社 御中
会社名 ＋ 部署名の場合： … 〇〇株式会社 人事部 御中
会社名 ＋ 部署名 ＋ 個人名の場合： … 〇〇株式会社 人事部 △△ 様
③題名
中央に記載し、用件を伝えます。
「〇〇のご案内」や「〇〇の件」「〇〇について」など、相手が瞬時に用件を把握しやすいよう、シンプルなものが好ましいとされています。
④社名・住所・名前（書類作成者）
宛先から一段下がり、右に寄せて書類作成者の連絡先と名前を記載します。
「会社の住所（郵便番号含む）」「会社名」「電話番号」「名前」の順番で書きましょう。
社判がある場合は使用し、住所は省略せずに都道府県から記入するよう注意してください。
≫【社判について分かりやすく解説！社印との違いやその役割】
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➄拝啓・挨拶・主文(書類を送付する旨を伝える）
基本構成は下記になります。
- 「拝啓」などの頭語
- 一般的な挨拶文
- 主文（書類を送付する旨）
- 「敬具」などの結語
挨拶文は様々で、上記テンプレートのように通年利用できる書き出しもあれば、「春暖の候」といった時候の挨拶と呼ばれる、季節を感じさせる文章もあります。
頭語や結語、時候の挨拶などの種類や例については下記にて解説していますので、参考にしてみてください。
⑥送付する書類と枚数
「記」と「以上」の間に、送付する内容物とその枚数を記載します。
分かりやすいよう、箇条書きで書きましょう。
なお、このようなシンプルな送付状に会社のロゴを組み入れて自社用の送付状を作成しておくのも良いでしょう。
送り先によっては挨拶部分に「先日はご来訪頂きありがとうございました」などのコメントを書き添える、ちょっとした気遣いもポイントです。
送付状作成においての注意点
送付状は、送付先の相手が受け取ってから最初に目にする書類です。
相手方に失礼にならないよう、送付状を作成する際の注意点を確認しておきましょう。
ページ数、用紙サイズについて
送付状は、1ページに収めるのが一般的とされています。
用紙サイズは、送付内容の書類に合わせると良いでしょう。例えば、送付書類がA4の場合は、送付状のサイズもA4ということになります。
一番上に送付状がくるように重ねる
封筒などに入れて送る際、一番上に「送付状」、その次に「送付内容物」が来るように重ねます。
開封してすぐ相手側に、「誰」が「何」を「何枚」送ったのかが伝わり、送付状の役割を果たすことが出来るからです。
汚れたり、折れ曲がったりしないよう、送付書類はクリアファイルに入れて送ると良いでしょう。
履歴書に同封する場合の送付状
企業に履歴書またはエントリーシートを送る場合に同封する送付状は、履歴書だけでは伝えきれない自分の長所や志望動機、バックグラウンドなどを採用担当者に伝える重要な書類にもなります。
文章が長すぎると採用担当者に読まれないことがあるので、A4サイズ1枚に収まる程度だと良いでしょう。
以下の3つの項目を1ブロック（3～4文）ずつ簡潔に書くのがおすすめです。
- 希望職種、志望動機
- 今までの経験、実績からの自己アピール。長所がどう活かせるか。
- お礼の言葉と、面接希望のお願い
送付状に不要な情報は書かない
送付状を作成する際には、必要最小限の情報を記載することが大切です。送付状の主な目的は、相手先への挨拶や、送付内容の通知、内容物の補足です。
具体的には、以下のような内容を記入します。
- 送付日
- 宛先（社名・担当者名）
- 題名
- 拝啓・挨拶・主文
- 差出人情報（社名・住所・名前）
- 送付する書類・枚数
送付状に冗長な挨拶や詳細な希望条件などを書いてしまうと、送付状で伝えたい内容がぼやけてしまい、相手側を混乱させるかもしれません。
送付状には不要な情報は記載せず、伝えたいことをできるだけ簡潔にまとめるとよいでしょう。
定型文だけで作成しない
送付状の文面は、定型文だけではなく独自性を持たせることが重要です。シンプルな送付状は好ましいですが、すべてをテンプレートに頼るのは避けましょう。
定型文を連ねただけの送付状は、先方へ熱意を伝えにくいだけでなく、「他社への送付状のコピーではないか」「手抜きではないか」という、ネガティブな印象を与える可能性があります。
独自性を過剰に強調する必要はありませんが、各企業に合わせて丁寧に作成することが望ましいです。
まとめ
送付状は記載すべきポイントを押さえておけば、簡単に作成できる書類です。
マナーとして大事な書類にしっかりと同封をし、先方と良い関係を築いていきましょう。