メールを誤送信! お詫びの仕方とその後の防止策とは
社会人にとって、最も起こりがちなミスといっても過言ではない「メールの誤送信」……。もしも自らが当事者になってしまったとき、どういった行動をとればよいのでしょうか?
情報漏洩にもつながるメール誤送信、大切なのは「迅速かつ誠意ある対応」です。
ここでは、万が一メールを間違えて送ってしまった場合の対処法と、そもそも起こらないようにするにはどういった防止策があるかについて、解説していきます。
誤送信のお詫びは? 対応と謝罪の仕方
メールを誤送信してしまった場合には、気づいた時点ですぐにお詫びをしましょう。謝罪とともに削除依頼をします。
対応が早ければ、開封する前に削除してもらえる可能性もありますので、スピードが大事です。
まずはすぐに電話を!
誤送信メールに気づいた直後に訂正メールを送る人もいますが、それよりも優先すべき対応があります。わかった時点で、すぐに直接電話をかけることです。
ビジネスマナーとして、メールではなく、口頭で謝罪をしましょう。本来であれば、直接相手に会ってお詫びしたいところですが、それでは時間がかかり対処も遅くなってしまうため、電話での謝罪が現実的です。
直接電話でお詫びした後、改めて謝罪のメールを送信するようにしましょう。
メールで謝罪する場合は…
本来であれば、誤送信に気づいた時点ですぐに電話をかけるべきですが、相手の不在でつながらないこともありますね。電話番号がわからないこともあるかもしれません。やむをえない場合は、メールで謝罪をします。
ただし、再度誤りがあってはなりませんので、落ち着いてメールを作成し、他の人にもチェックしてもらうとよいでしょう。何度も間違えると信用をなくしてしまいかねないので、くれぐれも注意して、正しい内容のメールを作成しましょう。
謝罪メールの文例を、3つご紹介します。
例1:宛先を間違えて送信した場合
件名:誤送信のお詫び【〇〇商事/〇〇(名前)】
〇〇株式会社
営業部 〇〇様いつも大変お世話になっております。
〇〇商事の〇〇でございます。先ほどはお忙しいところお電話を差し上げ、申し訳ございませんでした。
下記メールにつきまして、当方の宛先入力の間違いで〇〇様にお送りしてしまいました。
心よりお詫び申し上げます。送信日時:2018/1/1/13:00
差出人:〇〇〇〇
件名:商品説明会のご案内誠に勝手なお願いではございますが、当該メールを削除して頂けましたら幸いです。
今後はこのようなことがないよう、重々注意して参ります。
何卒ご容赦頂けますよう、重ねてお願い申し上げます。
以上、宜しくお願い致します。
例2:内容を間違えて送信した場合
件名:内容誤記のお詫び【〇〇商事/〇〇(名前)】
〇〇株式会社
営業部 〇〇様いつも大変お世話になっております。
〇〇商事の〇〇でございます。先ほどお送りさせて頂きました「件名:商品説明会のご案内」は、
内容を間違えて送信してしまったものでございます。混乱させてしまい、大変申し訳ございませんでした。
お手数をおかけし、大変恐縮ではございますが、先ほどのメールは
削除頂けましたら幸いです。今後は同様のミスがないよう十分注意致しますので、ご容赦頂けますよう、
何卒宜しくお願い申し上げます。後ほど改めてお電話を差し上げたいと存じますが、取り急ぎメールにて
お詫びさせて頂きます。改めまして、誠に申し訳ございませんでした。
今後とも、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
例3:添付ファイルを間違えて送信した場合
件名:添付ファイル誤送信のお詫び【〇〇商事/〇〇(名前)】
〇〇株式会社
営業部 〇〇様いつも大変お世話になっております。
〇〇商事の〇〇でございます。先ほどお送りしましたメールの添付ファイルに、誤りがございました。
誠に申し訳ございません。正しいファイルを添付させて頂きますので、こちらにお差し替え頂けますよう、
宜しくお願い申し上げます。また、お手数をおかけして恐縮ですが、先ほどのファイルは削除して頂けますでしょうか。
今後はこのようなことがなきよう、注意して参ります。何卒宜しくお願い申し上げます。
今後の対策と防止法
メールを誤送信してしまったことで懸念されるのは、情報漏洩です。本来送る相手ではない人に機密情報を送ってしまったら、大切な情報が漏れてしまう可能性もあります。
実は、企業のセキュリティトラブルの原因のなかで、メール誤送信の発生確率は年間10%を超えると言われています。メール誤送信対策は、情報漏洩対策、ひいてはセキュリティ対策にもつながると言っても過言ではないでしょう。
兎に角まずは送る前に何度も確認!
メールを送信する際、急いでいたり慌てていたりすると間違いが起きやすくなります。メールを送るときには、なるべく時間に余裕を持って、何度も確認するようにしましょう。作成したメールを下書きに保存しておき、時間を空けて確認すると、誤りに気づくこともあります。
メールをチェックするときは内容だけでなく、宛先も『to/cc/bcc』それぞれ確認してください。特に一斉送信する際には、必要な人が漏れていたり、送るべきではない相手が入っていたりしやすいので、何度もチェックが必要です。
宛先の自動入力機能をオフにする
メーラーによっては、宛先を入力する際にオートコンプリート機能がついており、アドレスを入力しようとすると、候補が出てくる場合があります。便利な機能ではありますが、ちょっとした操作ミスによって、誤った宛先を入れてしまう可能性もあります。
また、同じ苗字の人が並ぶと、ますます混同しやすくなりますので、注意が必要です。アドレスが多い場合は、宛先の自動入力機能をオフにしてしまったほうがよいかもしれません。
添付以外のメールにも全てパスワードをつける
添付ファイルを送る場合、最近のクラウド型メーラーでは、自動でパスワードをかけて送信してくれるものが多くなりました。これを利用し、全ての添付ファイルにパスワードをかけて送信すると、セキュリティが強化されます。
誤送信防止機能のあるツールを使用する
近頃は、誤送信防止機能として送信履歴を一括確認できる、ログ管理機能を持たせたソフトがあります。また、送信したメールを相手が開封する前であれば、取り消せる機能を持たせたソフトもあります。
可能であれば、これらの便利なツールを使用することも検討してみてはいかがでしょうか。
メーリングリストの定期メンテナンスをする
宛先が多い場合は、メーリングリストを活用する場合も多いと思います。
しかし、一度作成した後は、なかなかメンテナンスができていないという人もいるでしょう。すでに異動や配置転換でメンバーから外れているにも関わらず、リストに追加されたままであるケースは多くあります。
人数が多いと手間はかかりますが、メーリングリストは定期的に見直して、メンテナンスするようにしましょう。
情報漏洩したときのリスクを学んでおこう
メール誤送信は多くの場合、真摯かつ素早い対応によって大きな問題となることを防げるものです。
しかし、なかには誤って機密情報を競合他社に送ってしまうような、重大なトラブルに発展するケースも考えられます。
営業機密の情報漏洩は故意であろうと過失であろうと責任が重く、損害賠償が求められる可能性もあるのです。
不正競争防止法では(1)秘密として管理されていること、(2)有用な営業上または技術上の情報であること、(3)公然と知られていないことの3つを満たすものが、営業秘密と定められています。これを開示する行為は不正競争防止法違反とみなされ、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科されることもあります。
このことを頭に入れておき、十分に注意しましょう。
まとめ
今やビジネスコミュニケーションに欠かせないメールですが、ふとした不注意で起きてしまう誤送信。
経験したことがある方も、多いのではないでしょうか。
多くの場合、迅速に対応すれば大きな問題には発展しません。
しかし、大切なのは未然に防止することです。そのためには、送信前に何度も確認をすること、誤送信を防ぐツールを有効利用することが大切であると言えるでしょう。
簡単に送信できるツールであるからこそ、事前チェックを念入りに行うようにしたいものですね。