脆弱性の対応はなぜ必要? 対策方法を解説
脆弱性とは、組織や情報システムの弱点や欠陥のことです。
脆弱性は脅威と結びつくことで、不正アクセスや情報漏洩、紛失、改ざんなどの実害を発生させる原因となります。具体的な脆弱性としては、マルウェア対策の不備やソフトウェアのバグ、安易なパスワードといった技術面に関するものから、入室管理の不備やユーザー教育の不備といった、物理面・管理面の脆弱性までさまざまです。
この記事では、脆弱性への対応が必要な理由と、対策する際のポイントや注意点を解説します。
脆弱性への対応が必要な理由
脆弱性に対応する理由には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、代表的な理由をいくつか紹介します。
1. 機密情報の流出を防ぐため
脆弱性が放置されていると不正アクセスやマルウェア感染などにより機密情報が流出する危険性があります。リリース後にOSやソフトウェアなどで脆弱性が発見されることはよくあり、通常は開発元が修正プログラムなどを提供しますが、それを適用せず脆弱性を放置したことで、そこを狙ったサイバー攻撃により情報流出した事例があります。
2. 個人情報流出などによる企業の信頼性の失墜を防ぐため
脆弱性を放置することでサイバー攻撃の被害を受ける危険性が高まり、個人情報を流出させた企業は社会的信用を失います。被害事例の多くには個人情報を含む情報資産の流出が含まれ、脆弱性から発展して企業の社会的信頼性が失墜してしまう可能性も大いにあります。
3. 情報の改ざんなどの脅威から守るため
脆弱性をはらんだシステムは情報の改ざん被害を受けやすくなります。その原因のひとつが、安易なパスワード設定です。「Pass0123」のような推測しやすいパスワードを設定していると不正アクセスを許してしまう危険性があります。実際に、パスワードを突破され組織のホームページが書き換えられた被害事例があります。
脆弱性への対応方法
脆弱性に対しては、次のような方法で対応するのがおすすめです。
1. OSやソフトウェアを最新の状態にアップデートする
OSやソフトウェアをアップデートし、常に最新版を使用することで既知の脆弱性から情報資産を守ることができます。古い状態のまま放置されているOSやソフトウェアは、脆弱性を狙ったサイバー攻撃のターゲットになるので注意しましょう。
また、たとえ数日アップデートが遅れただけでも、既知の脆弱性を狙った攻撃被害にあう危険性があります。アップデートや修正プログラムが配布された際は速やかに適用することが大切です。
2. 脆弱性に関する情報を収集する
組織で利用しているシステムに関する脆弱性の情報を収集することも対策のひとつです。
情報の収集元としては、開発元のホームページやセキュリティ関連機関のホームページ・メールがあげられます。一般的に、脆弱性が発見された際は開発元から予告なしに当該情報が公開されます。情報には脆弱性に対して推奨される対応事項があり、組織の管理者はその内容をキャッチアップしなければなりません。
3. 組織における情報システム構成を管理する
脆弱性によるリスクは、正しく対策すれば低減できます。しかし、組織の業務システムやソフトウェア全体を管理できていなければ、アップデートや情報収集といった脆弱性対策を効果的に実施することができません。
情報システム導入の際にデータ登録を必須にするルールを設けるなどして、組織内の情報システム構成を日頃から管理しましょう。管理を支援するツールの導入もおすすめです。
脆弱性への対応に関するまとめ
組織や情報システムの弱点・欠陥である脆弱性は、脅威と結びつくことで実害につながります。そのため、脆弱性が脅威と結びつかないようにするための対策が効果的です。
システムの使用者レベルではOSやソフトウェアのアップデート、管理者レベルではシステム構築の管理が有効です。日頃から脆弱性に対する危機感を高め、組織全体で対策を行いましょう。
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