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テレワーク標準化には書類作成のデジタル化は 必須!今こそ手書き文化の見直しを

ワークフロー総研</mt:Var>  ワークフロー総研


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2020年を振り返ると、テレワークが進み、書類作成におけるデジタル化が急速に進んだ年と言えます。コミュニケーションは、メールはもちろん、チャットツールなどの導入がなされ、報告書や申請書なども「手書き」ではなく、「デジタル化」が進んでいます。

この背景には、テレワークにより仕事の拠点が点在し、書類郵送などの作業負担や到着・承認などのリードタイムがかかることなどがあげられます。本稿では、2019年のデータを見ながら、書類作成のデジタル化の必要性についてお伝えしていきます。

2019年には2割の企業で報告書・申請書が手書きの実態。重い現場負担があらわに

申請書や日報、出勤表など、各種書類をいまだに手書きで作成している企業は少なくありません。

株式会社ビズオーシャンが2019年に行った調査で、営業報告書や各種申請書類など「社内での報告・申請はどのように作成して提出していることが多いか」と質問したところ、「エクセルやワードを使用して書類作成、印刷して提出」(34%)、「エクセルやワードを使用して書類作成、データで提出」(26%)、「指定用紙に手書きして提出」(22%)、「社内システム等へ入力して、提出」(14%)という結果になりました。

対象企業のうち、22%が営業報告書や各種申請書類を「指定用紙に手書きして提出」させていると回答しています。実に5社に1社以上の割合で、手書き文化が残っているのです。

「社内での報告・申請はどのように作成して提出していることが多いか」調査結果

中には、手書きの文字から伝わる温かみにこだわる経営者もいるのかもしれませんが、紙ベースの作業に、負担を感じている従業員がいるのも事実です。

また、アドビが中小企業を対象に行った調査では、「紙ベースのプロセスからデジタルでのプロセスへ移行する『業務のデジタル化』はどのくらい重要だと思うか」という問いに対し、事務系職員の70%が「重要(極めて重要・重要)」だと回答しています。

「紙ベースのプロセスからデジタルでのプロセスへ移行する『業務のデジタル化』はどのくらい重要だと思うか」調査結果

これらの調査結果から、人手不足が深刻な中小企業において、デジタル化による業務効率化が急務である実態が浮き彫りになっています。

手書き文化の見直しを!デジタル化すべき3つの理由

具体的に、デジタル化にどのようなメリットがあるのでしょうか。デジタル化にすべき3つの理由をご紹介します。

デジタル入力は手書きよりもはるかに作業スピードが向上

手書きはデジタル入力と比べ、書く作業そのものに時間が掛かります。報告書のような文章量が多い書類を手書きで作成すると、膨大な作業時間が必要になるでしょう。また、申請書などはボールペンで手書きをするため、一部分だけを書き直すことができません。「一文字でも間違えたら最初からやり直し」というケースも往々にして発生します。

このようなタイムロスが、業務効率を悪化させている原因です。デジタル入力であれば、手書きと比べ同じ時間の作業スピードがはるかに向上します。手書き文化を残している会社は、「文字を書く作業に給料を払っている」ともいえる状況にあるのです。

さらに、申請書を承認フローに通す場合、手書きによって申請が遅れることで、関係部署の業務にもタイムロスが生じます。一部の書類が手書きであるだけで、社内全体の業務効率に影響を及ぼす可能性があります。

書き間違い・読み間違いなど、人為的なミスによる損害を防止

コピー&ペーストできない手書きでは、誤字・脱字をしやすいのはもちろん、数字などの転記ミスも生じやすくなります。また、筆跡にはどうしても書き手の癖がでるため、読む側が理解できなかったり、読み間違えたりといったことも起こり得ます。

契約書や見積書など、重要な書類で手書きによるミスが発生すると、多大な損害が出てしまうかもしれません。

手書き作業を削減し、営業活動・採用活動など価値ある仕事に集中する

そもそも書く作業自体が、会社に価値をもたらす“本来の仕事”ではありません。

例えば、営業部門の本来の仕事は日報や経費申請書を書くことではなく、商談を成約に導くことです。また人事部門では、勤怠管理や給与計算以上に、戦略的な採用活動や社内の働き方改革など、組織を強化するための業務にクリエイティビティを発揮する必要があります。

以上のような“本来の仕事”が、間接業務に過ぎない手書きの作業に阻害されてしまうのです。これでは従業員のモチベーションも下がり、場合によっては、会社の利益を損なう恐れもあります。

デジタル化を成功させる第一歩目、それは「業務プロセス」の洗い出し

会社組織全体の生産性を下げる手書き文化を脱却するためには、ITツールを効果的に活用して、業務をデジタル化する必要があります。中でも、基幹系システムや各種ツール、ソフトなどを連携させ、データを共有する方法は有効です。

例えば、次のような工夫が考えられます。

出勤簿

勤怠管理ソフトを導入して、給与計算システムと連携させれば、労務管理を一気通貫で脱手書き・デジタル化できる。

経費申請

ワークフローシステムで申請書をデジタル化することが可能。あわせて、クラウド型会計ソフトを活用し、交通系電子マネーの利用情報を自動取得したり、ワークフローシステムと連携させたりすることで、一層の業務効率化を図ることもできる。

ツールの活用によっては、手書きそのものに起因するタイムロスを削減し、人為的ミスを防止することが可能です。

一方で、「ITツールの導入には費用が掛かる」「せっかく導入しても使いこなせないのでは」などの不安があり、ツールの導入をためらう場合もあるでしょう。業務のデジタル化に失敗しないためには、以下の点も留意しておきましょう。

  • ITツール導入以前に業務プロセス全体を洗い出し、無駄がないか、簡略化できる部分はないかを検討する。
  • ツール導入の目的を明確化する。
  • ITスキルが高くない従業員でも教育コストを掛けることなく、直感的・簡単に使える機能、UI(画面)のツールを選ぶ。

ツールを導入する前に、これらのポイントを事前に検討・対策しておけば、デジタル化のデメリットはほとんどないといえます。また、ツールを導入する前にサービスを提供しているベンダーに相談して、検討してみるのもよいでしょう。

優秀人材は企業を選ぶ軸としてデジタル化の度合いを見ている

2020年は大きく社会が変わりました。大手企業がジョブ型雇用への取り組みを発表したり、副業解禁の動きが進み、人材の流動性が高まっています。また、地方企業でも都内の優秀人材を副業として受け入れ、競争力を上げている事例も出てきています。

優秀人材であればあるほど、本来の価値ある仕事に集中し、成果を出したいという意識が強く存在します。そのような中で、手書き文化というのは、このような優秀人材を遠ざけてしまうばかりか、現在採用している社員の離脱も引き起こしかねません。

手書き文化は、会社のブランド毀損や損失につながります。今こそ、デジタル化に取り組むべきとして自社を見直してはみてはいかがでしょうか。

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著者プロフィール

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編集部

ワークフロー総研

「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。

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