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スタートアップにも事業継承にも。各ステージで効果を発揮するデジタル稟議

ワークフロー総研</mt:Var>  ワークフロー総研 著者:株式会社エイトレッド 代表取締役社長/ワークフロー総研 所長  岡本 康広

スタートアップにも事業継承にも。各ステージで効果を発揮するデジタル稟議

以前のコラムでデジタル稟議と同義であり、本質的な概念であるワークフローのことをお伝えしました。これによってより、デジタル稟議を理解いただけたのではないかと思います。そのうえで今回お伝えしたいのは、具体例を絡めたデジタル稟議のダイナミックな効果。企業の経営ステージごとに解説することで、よりわかりやすいイメージをもっていただけたらと思います。

改めてお伝えすると、企業が抱える経営課題を解決するシステムがデジタル稟議です。例えば、意思決定を迅速にしてスピード経営を実現する。無駄な業務やコストを削減する。不正防止など、ガバナンスを強化する。ペーパーレス化を実現して業務生産性を向上させる、といったものがあります。

では、経営のどういった局面でデジタル稟議が効果的なのか。会社が抱える課題は、規模や業種に応じてケースバイケースだと思います。そこでわかりやすい例として、企業の成長ステージを3つのシチュエーションに当てはめ、デジタル稟議の具体的な活用法をお伝えしていきます。

スタートアップ企業の迅速な経営と組織づくりに役立つ

まずはスタートアップ企業を例に挙げましょう。急速に成長するスタートアップ企業は、従業員が増えるに従い組織化が進みます。これは組織の階層化ということであり、ミドルマネジメント層が必要となります。

会社の規模拡大や組織化によって、どうしてもトップダウン中心の経営だけでは難しくなります。規模が大きくなれば、一人ひとりの業務を全て細かく把握することは不可能です。そのため、ミドルマネジメント層が必要になります。トップへの情報は、ミドル層から上がり、その上で意思決定を行う形になってきます。つまり、ボトムアップ化です。また、ボトムアップだからこそ、社内の人を巻き込む必要性があり、コンセンサスをとりやすい稟議の重要性が高まります。さらに、将来のIPOや事業売却の際はもちろん、資金調達を行う上での内部統制の構築が不可欠となるでしょう。

そこで注目すべきなのが、迅速かつ精度の高い経営判断を実現する、デジタル稟議です。意思決定プロセスを最適化することで、スタートアップ企業の強みであるスピード感のある経営につながり、DXや生産性を重視した経営を推進することができます。

また、デジタル稟議の導入は社内ルールの整備を促します。つまり、従業員増加に伴う組織化や、将来のIPO準備、事業継承に向けた基盤づくりにも貢献してくれるのです。

二代目経営者のボトムアップ経営を実現

次は、二代目経営者の例。このケースでよくある悩みに、創業者時代のトップダウン経営から、現場とのコミュニケーション、協調を重視したボトムアップ経営への転換が挙げられます。また、各種業務のデジタル化が遅れており、脱アナログの実現に苦労するといったケースも少なくありません。

社内DXの推進および、現場の知見を活かしたボトムアップ経営への転換は、二代目経営者がイノベーションを起こす地盤作りとして不可欠だと言えるでしょう。そこで活用すべきが、デジタル稟議です。

稟議プロセスやそれにまつわる各種業務のDXがデジタル稟議によって促進され、アナログ管理からの脱却を叶えます。また、稟議本来の「人を巻き込む仕組み」をスピーディーに機能させることができ、現場の知見を結集させたボトムアップ型の意思決定を可能にします。

二代目経営者は、創業者に比べて会社に携わってきた歴史や密度が浅いもの。だからこそ、先代での成功・失敗等の知見やナレッジにより、会社の歴史や文脈を把握することが特に重要です。それらの情報や経験値を、デジタル稟議によって埋めていくのです。創業者の武器のひとつにカリスマ性がありますが、勝負はそこではありません。デジタル稟議が持つ、ス ピード性、確実性、透明性で経営の仕組み化、効率化を実現し、カリスマ的で俗人的な経営のあり方から、ステージを変え、事業・組織拡⼤をはかるのです。

透明性の高い管理体制を構築して企業価値を向上

3つめの経営ステージは、M&Aによる事業継承を見据える企業。M&Aでは、できるだけ企業価値を高めて譲渡したいと考えるでしょう。しかし不透明な財務状況や管理体制では、買い手となる企業から高い評価を得ることは難しいと言えます。

そのため、M&Aによる事業継承を目指すには内部統制を整え、財務状況や管理体制をはじめとした経営の透明化に取り組む必要があります。つまりは経営の見える化。稟議プロセスや各種の申請手続きをデジタル化することにより、業務フローの透明度を上げていくのです。

これは業務プロセスの改善、内部統制の整備、デューデリジェンス(投資先などが実施すべき実態調査)対策としても役立ちます。デジタル稟議によって透明性の高い経営と企業価値向上が実現し、事業継承の成功につなげることができるのです。

本稿ではスタートアップ企業、二代目経営者、事業承継者の3つの経営ステージ別に、デジタル稟議の活用法をお伝えしました。もちろん3つのケースに限ったお話ではありませんが、活用に適したシーンをイメージできたのではないでしょうか。さらに詳しく知りたい場合には、ぜひこちらのページもご覧ください。

特に中小企業はDXやIT化で競争力をつけていくことが求められます。しかし業務過多で改善の優先順位が定まらず、なかなか前に進まないという会社は少なくないでしょう。とはいえその中でも、まずは現場の業務改革や生産性を上げることは先決です。電子化やスピードアップ、コスト削減といった目的からでも、まずは検討してみてください。

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著者プロフィール

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岡本 康広

株式会社エイトレッド 代表取締役社長/ワークフロー総研 所長

ワークフローシステムを開発・提供するエイトレッドの代表取締役社長も務める。
ワークフローを出発点とした働き方の見直しが意思決定の迅速化、組織の生産性向上へ貢献するという思いからワークフローの普及を目指し2020年4月、ワークフロー総研を設立して現職。エイトレッド代表としての知見も交えながら、コラムの執筆や社外とのコラボレーションに積極的に取り組んでいる。

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