このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、対応ブラウザでご覧下さい。

今注目を集めるウェルビーイング経営とは

ワークフロー総研</mt:Var>  ワークフロー総研

今注目を集めるウェルビーイング経営とは

コロナ禍以降の新しい働き方として、昨今注目を集めるひとつに「ウェルビーイング経営」があります。

しかし、

  • 「そもそもウェルビーイングってなに」
  • 「健康経営とどう違うの」
  • 「具体的にどう取り入れたらいい」

といった疑問をお持ちの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、ウェルビーイング経営に関する基礎知識や企業の取り組み事例、取り組みのポイントなどについてご紹介したいと思います。


この記事の著者

そもそもウェルビーイングって

ウェルビーイング経営について解説する前に、まずはウェルビーイングについて知っておきましょう。

ウェルビーイング(well-being)という言葉が最初に登場したのは、1946年に署名された世界保健機関(WHO)憲章の前文です。

「健康とはどういった状態か」を定義した一節で、

「Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.」

と記されました。

これを翻訳すると、

「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。」

となることから、「ウェルビーイング(well-being)」とは、「肉体的・精神的・社会的に満たされた状態」を指します。


混同しやすい言葉

WHO憲章での登場以降、社会福祉分野を中心に定着してきたウェルビーイングの概念ですが、いくつか混同しやすい言葉があるので整理しておきましょう。

ウェルネス

まず1つ目の混同しやすい言葉はウェルネスです。

どちらも、肉体的かつ精神的に健康であるという点では同じですが、ウェルビーイングが仕事や人間関係での充足感といった社会的な幸福を含有しているのに対し、ウェルネスにはこれが含まれません。

ウェルフェア

ウェルビーイングと混同しやすい言葉として、2番目に挙げられるのはウェルフェアです。

ウェルフェアは主に「福利厚生」と認識されます。

つまり、ウェルフェアとは、従業員およびその家族の幸福度を向上させるための手段であり、ウェルビーイングは、ウェルフェアにより達成される状態(目的)であるといえます。


ビジネスで注目を集めるウェルビーイング経営

ウェルビーイングの基本について理解できたところで、次はウェルビーイング経営についてみていきます。

ウェルビーイング経営とは

ウェルビーイング経営とは、企業にかかわる全ての人が心身ともに満たされた状態のことを指します。

ここでいう「企業にかかわる全ての人」とは、従業員や経営者だけではなく、消費者や株主、取引先なども含まれます。

健康経営とどう違う?

「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する取り組みを指します。

具体的には、従業員が食事や運動について専門家からアドバイスを受けれる機会をつくったり、休暇の取得率を向上させる取り組みなどが健康経営にあたります。

心身の良好だけではなく、仕事のモチベーションや組織への帰属意識など社会的幸福に焦点をあてているという点において、「ウェルビーイング経営」は「健康経営」の先にある形であるといえます。


なぜウェルビーイング経営が重要なのか

それでは、なぜ今ウェルビーイング経営が注目を集めているのか、多くの企業でウェルビーイングが重要視されている理由についてみてみましょう。

1.多様な人材の獲得

昨今「ダイバーシティ」という言葉が流行しています。

ダイバーシティとは、ビジネスシーンで使う場合は多様性を意識した雇用を指しますが、あえて価値観やライフスタイルが異なる人材を集めることで、互いに刺激を与え合い、イノベーションの機会を創出するという狙いがあります。

多様な人材がそれぞれの個性を十分発揮するためには、「肉体的・精神的・社会的に満たされた状態」で就労できる環境の整備が不可欠であるといえるでしょう。

2.人材不足の対応

近年、日本の生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口)は減少の一途をたどっています。

このような状況下において、企業が成長を続けていくためには、定年や結婚、介護などを理由に退職を余儀なくされてしまった、就労意欲があっても働けなかった人たちを積極的に取り込む必要があり、そのためには、ウェルビーイングの取り組みが非常に重要になるといえます。

3.働き方改革の促進

働き方改革とは、「働く人々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会」を実現するための取り組みです。

多様な働き方を選択できるようになることで、従業員は、肉体的かつ精神的、社会的に満たされた状態に近づくことができるため、働き方改革とウェルビーイングは密接な関係にあるといえます。

4.SDGsの取り組み

昨今世界中で注目を集めているSDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」で掲げられている17の目標の中には、「すべての人に健康と福祉を(GOOD HEALTH AND WELL BEING)」や「働きがいも経済成長も(DECENT WORK AND ECONOMIC GROWTH)」という項目もあり、これらの目標の達成には、ウェルビーイングの実現が不可欠であるといえます。


ウェルビーイング経営のメリット

次は、ウェルビーイング経営を行うことで、企業が享受できるさまざまなメリットについてみてみましょう。

1.人材獲得

ウェルビーイングの取り組みに積極的な姿勢は、就労希望者に「従業員が働きやすくやりがいを感じられる職場づくりを行っている」という印象を持たれやすく、魅力的に映ります。

また、従業員の心身の健康状態を把握し、サポートするような取り組みを行うことで、
会社への帰属意識を育むことができ、離職防止や従業員の定着につながります。

2.生産性の向上

従業員のウェルビーイングを向上させ、モチベーションも高めることにより、業務のパフォーマンスが改善し、個人の生産性を高めることが期待できます。

3.企業イメージの向上

近年、経済産業省による「健康経営優良法人認定制度」など、従業員の健康に配慮する企業の社会的な評価が高まりつつあります。

このような状況下において、ウェルビーイングの向上に積極的に取り組むことで、「従業員を大切にする会社」というイメージが世間に浸透し、金融機関や取引先、顧客からの信頼につながります。


取り組みのポイント

それでは、ウェルビーイング経営に取り組む際のポイントについてみてみましょう。

1.労働環境の改善

長時間労働や低い有休取得率、正規・非正規の格差といった労働環境は、従業員のウェルビーイングを著しく害します。

そのため、ウェルビーイング経営の取り組みを行う際は、まず、これらの課題を解消することが重要になります。

また、前述にあるように従業員のライフスタイルが多様化している昨今においては、テレワークをはじめとした柔軟な働き方を導入することも、ウェルビーイング向上の有効な手段であると考えられます。

2.職場環境の改善

快適な職場環境もまた、従業員のウェルビーイング向上につながります。

例えば業務に集中できる執務スペースやリフレッシュスペースの設置、分煙の徹底、コミュニケーションツールの導入といった職場環境を行うことで、従業員の仕事に対するモチベーションがあがり、生産性の向上にも効果が期待できるでしょう。

3.福利厚生の充実

法で定められた社会保険料の負担以外にも、家賃補助や人間ドック、育児休暇の付与などさまざまな福利厚生を充実させることでウェルビーイング向上につながります。


ウェルビーイング経営にはワークフローシステム

ここまで、ウェルビーイング経営がなぜ重要なのかや取り組みのメリット、ポイントなどについてご紹介してきましたが、なかには、「何からはじめていいのか分からない」という人もいるのではないでしょうか。

そこで、そんな人たちにウェルビーイングの最初の1歩としておすすめしたいのがワークフローシステムです。

ワークフローシステムとは、社内で行われる各種申請手続きを電子化する仕組みのことで、導入することでさまざまな効果が見込まれます。


ウェルビーイング経営にワークフローシステムが有効な理由

それでは、ウェルビーイング経営にワークフローシステムが役立つ理由についてみてみましょう。

1.業務効率化

ハンコやFAXといった紙を前提にしたアナログの作業は、あらゆる業務効率だけにとどまらず、従業員の集中力やモチベーション、生産性を大きく低下させてしまい、長時間労働の原因となってしまいます。

そこで、ワークフローシステムを導入すれば、社内文書の多くがペーパーレス化され、あらゆる業務の効率を大幅アップすると同時に、労働環境の改善につなげることもできます。

2.テレワークの実現

前述にもあるように、ライフスタイルが多様化する昨今において、従業員のウェルビーイングを実現するには、テレワークなど柔軟な働き方の実施は不可欠であるといえます。

そこで、ワークフローシステムを導入すれば、申請・承認業務を進めるために出社するいわゆる「ハンコ出社」が不要となるため、テレワークなどの柔軟な働き方に対応することができるようになります。

3.福利厚生の利用促進

福利厚生制度の申請手続きが複雑だったり、時間がかかったりする場合、制度利用の妨げとなってしまう可能性があります。

そこで、ワークフローシステムを導入し、申請手続きの効率化・迅速化を行うことで、ハードルを下げ、実際に従業員に利用してもらう機会を増やすことでウェルビーイングの実現します。


グループウェアとの連携でコミュニケーションを円滑化

従業員どうしのコミュニケーションの円滑化もまた、ウェルビーイングの実現に向けた取り組みの一環になります。

チャットや掲示板、ファイル共有、スケジュール管理などの機能を備え、社内のコミュニケーションを円滑にしてくれるソフトウェアにグループウェアがあります。

ワークフローシステムには、製品によりグループウェアとの連携が可能なものがあるため、上述のメリットに加え、グループウェアとの連携でコミュニケーション活発化を図ることができるため、ウェルビーイング向上に大いに役立てることができるでしょう。


まとめ

今回は、昨今ビジネスシーンで注目を集めるウェルビーイング経営について、基礎知識やメリット、取り組みのポイントなどについて説明しました。

少子高齢化や女性の社会進出、コロナ禍など、まわりの環境がめまぐるしく変化するなかで価値観やライフスタイルの多様化が進む現在、ウェルビーイングの取り組みは企業にとって欠かせないものになるでしょう。

この記事に関連する最新記事

おすすめ書式テンプレート

書式テンプレートをもっと見る

著者プロフィール

author_item{name}

ワークフロー総研 編集部

「ワークフロー総研」では、ワークフローをWork(仕事)+Flow(流れ)=「業務プロセス」と定義して、日常業務の課題や顧客の潜在ニーズの視点からワークフローの必要性、重要性を伝えていくために、取材やアンケート調査を元にオンライン上で情報を発信していきます。また、幅広い情報発信を目指すために、専門家や企業とのコラボレーションを進め、広く深くわかりやすい情報を提供してまいります。

この著者の他の記事(全て見る

テーマ/キーワードから記事を探す

カテゴリ別テーマ一覧へ

フリーワードで探す

bizoceanジャーナルトップページ