今さら聞けない!捺印と押印の違いとは?
ビジネスシーンにおいて、いまいち違いがよくわからないよく似た単語は多く存在しますが、「捺印」と「押印」もその代表的な一つです。
皆さんの中には、「2つは一緒の意味じゃないの?」とか「違いはよく分からないけど、今さら人に聞きづらい」という人もいるのではないでしょうか。
そこで、今回のコラムでは、似ているようでちょっと違う「捺印」と「押印」について詳しく解説したいと思います。
それぞれの意味
まずは「捺印」と「押印」、それぞれの意味についておさえましょう。
捺印とは、皆さんも何度も聞いたことがあると思いますが、「署名捺印」を省略した言葉で、書類などに自筆で署名をしてから、印鑑を押すことを指します。
一方、押印はというと、「記名押印」を省略した言葉で、印刷など、自筆以外の方法で予め自分の名前が記されている書類に印鑑を押すこと、もしくは印鑑を押す行為そのものを指します。
つまり、自筆で証明したか否かが2つの大きな違いになります。
法的効力の差
また、署名の有無以外にも、捺印と押印には重要な違いがあります。それが法的効力の差です。
民法訴訟法第228条によると、本人もしくは代理人により、捺印、または押印された書類は、どちらも真正に成立した(一定の法的証拠力を持つ)と判断されますが、筆跡鑑定などにより、本人であることが担保出来る分、印影とあわせて署名が施される捺印の方が一般的に法的証拠力が高いとされています。
確かに、印鑑の複製や無断利用の可能性も考えられるので押印の方が証拠力が低くなってしまうのも頷けます。
会社で取り扱う印鑑・判子の種類や管理方法について詳しく知りたい人はこちら。
捺印や押印はそのうちなくなる?
さて、ここまで捺印と押印の違いについて詳しく解説してきましたが、下記のような背景から近い将来、捺印と押印の文化はなくなるかもしれません。
リモートワークの普及
昨今、捺印や押印の機会が少なくなってきている要因として、コロナ禍をきっかけとしたリモートワークの拡大が挙げられます。
新型コロナウイルス感染拡大当初、捺印や押印のためだけに出社するいわゆる「ハンコ出社」が問題視されたことで、多くの企業が「脱ハンコ」に動き出しました。
※脱ハンコの具体的な取り組みが知りたい人はこちら
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
グローバル化が進む昨今、日本の企業の深刻な課題としてデジタル化の遅れが挙げられます。
特に、捺印や押印に代表される紙やハンコによるアナログ業務はDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の阻害要因となっていることから、すぐにでも脱却する必要があるといえます。
※アナログ業務がもたらす弊害について詳しく知りたい人はこちら
デジタルガバメント
脱ハンコに向けた動きは自治会をはじめとした行政も同様です。
2020年に決定された「デジタルガバメント計画」において、2026年3月31日までに重要な行政サービスの電子化を目指す旨が示されました。
※自治体のDXについて詳しく知りたい人はこちら
捺印・押印の課題を克服するには?
前述にもあるように、捺印や押印といった作業は、業務効率を著しく低下させてしまいます。
そこで、未だに紙の書類に捺印や押印をしているという方にご紹介したいのがワークフローシステムです。
ワークフローシステムとは、稟議をはじめとした業務手続きを自動化するシステムですが、導入することで脱ハンコを推進します。
ワークフローシステムが脱ハンコに役立つ理由
それでは、ワークフローシステムが脱ハンコに役立つ理由について具体的にみてみましょう。
1.社内業務の捺印・押印を電子化できる
ワークフローシステムを導入することで、これまで紙とハンコでおこなっていた申請・承認・決裁といった業務をデジタル化しオンライン上で再現することができます。
これにより、捺印や押印のためだけの出社や外出先からの帰社、紙の書類の持ち回りなどの作業を削減できるため、業務効率を大幅に向上することができます。
※電子決裁について詳しく知りたい方はこちら
2. 外部システムとの連携で社内文書以外も電子化できる
ワークフローシステムは製品にもよりますが、電子契約サービスや電子帳票システムと連携して利用することができます。
これにより、契約書や請求書など企業間取引に関する文書についてもデジタル化・脱ハンコが可能になります。
※ワークフローシステムと外部システムの連携について詳しく知りたい方はこちら
まとめ
さて今回は、捺印と押印の違いについて詳しく解説しましたが、これからは捺印・押印を電子化し業務の効率化を図ることが重要になります。
業種・業界的に難しい、社内文化的に難しいなど、デジタル化を推進しにくい事情もいろいろあるかもしれませんが、まずはワークフローシステムを導入することで脱ハンコの最初の一歩を踏み出してみるのはいかがでしょうか。