はじめてのオンラインストレージの選び方
オンラインストレージとは?
クラウド上にデータの保存、共有ができるストレージサービスです。
企業のクラウド利用が進むにつれて、オンラインストレージの利用が増えてきています。そこに新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークの導入が加速した結果、外出先からのファイルアクセス需要が増えることになり、大容量でセキュアなオンラインストレージの需要が拡大するようになりました。今後、オンラインストレージの更なる普及が見込まれています。
オンラインストレージの主なメリット
- 社内のファイルを一元管理できる
- サーバーの管理が不要
- 自動でバックアップを行える
- ファイル共有や共同編集が容易
- インターネット接続環境があれば、どこからでも接続可能
オンラインストレージを選ぶ上でのポイント!
すでに各社からいろいろなオンラインストレージがリリースされていますが、どのサービスが自社に適しているのか迷うことが多いかと思います。
そこで、オンラインストレージサービスを選ぶ際のポイントをご紹介します。
ポイント1:容量
データ容量がどれくらいか、容量不足にならないようにするのは当然ですが、大きすぎても無駄になります。利用するデータ量に合った容量を選択することが重要です。
またアップロードやダウンロートなど転送時1回あたりのデータサイズも確認する必要があります。
ポイント2:利用料金
利用料金もサービスによりさまざまです。利用するデータ容量に加え、利用可能な人数も重要な要素です。
料金を比較する場合は1GB、一人あたりの料金に換算するなど、条件を揃えた上で料金を比較することをおすすめします。
ポイント3:利用可能な端末
テレワークが進む中で必要となるのが、利用可能な端末の種類です。パソコンはもちろんのこと、外出先でアクセスしたい場合などはスマートフォンなどモバイル端末からのアクセスも必要になります。
ポイント4:機能
ファイル同期機能や共同編集機能、タスク管理機能、閲覧制限機能、他SaaSとの連携機能などサービスによって利用できる機能はさまざまです。想定する利用方法で必要な機能の優先度を把握した上で、優先度の高い機能から利用者が使いやすいサービスを選択することが重要になります。
ポイント5:格納データの世代管理・復元
データの復元が必要な際に、どれくらいの世代までさかのぼって復元できるかも重要な要素になります。世代管理ができないと、誤ってデータを消去した場合に復元ができません。バックアップデータが何世代まで保存できるか確認しておきましょう。
また、利用者がデータ復元できる範囲と、システム管理者が復元できる範囲を確認しておきましょう。
ポイント6:操作性
操作性の良し悪しも重要な要素です。
NASなどの現状お使いのオンプレミスのストレージと同じような操作ができるかなど、初心者や未経験者にとって扱いやすいユーザインタフェースなのかを確認しておきましょう。
ポイント7:情報セキュリティ
データを外部に保存するため、重要となるのが情報セキュリティ対策です。
以下のような情報セキュリティ対策を確認することをおすすめします。
- データセンターの設置場所:最近ではデータセンターが国内に設置されていることも重要な要素のひとつとなっています。
- 格納データの暗号化:十分な暗号強度を持つ方式で暗号化されていることも、情報漏えいを防ぐ意味から重要な要素になります。
- アクセス方法:利用者のアクセス時の認証方式がどうなっているか、特に近年ではIDとパスワードだけでなく、SMSなどによる認証を含めた多要素認証を採用していることも重要な要素となっています。
- 不正監視・追跡:不正と思われるアクセス時の通知(ダッシュボード表示やメール通知)や不正操作の追跡機能の有無も重要です。また、利用者だけではなく、システム管理者のアクセス履歴の記録の有無やフォレンジック(法的に有効な電子証跡)対応の有無など、業種によっては高度な情報セキュリティ対策が必要な場合もあります。
ポイント8:データ移行方法
オンラインストレージサービスの利用を始める上で最初の課題となるのが、オンプレミス環境のストレージからオンラインストレージへのデータ移行です。Robocopyなどのファイルコピーコマンドを利用するのが一般的ですが、より簡単にデータ移行が可能なツールを提供しているサービスもあります。
ポイント9:サポート
障害やトラブルが発生した際のサポート体制がどのようになっているかを確認することも必要です。サポートへの問い合わせ方法にはメールや電話、お問い合わせフォームなどさまざまあります。リアルタイムでの問い合わせを希望する場合は、電話対応可能なサービスを選択するのがよいでしょう。
また海外企業が提供しているサービスでは、日本語のサポートがない場合がありますので、日本語でのサポートを希望される場合は注意して選択しましょう。
ポイント10:無料お試し期間
契約前に無料でサービスがお試しできる場合もあります。実際に利用してそのサービスが自社に合致したものか、想定する利用方法が実現できるかなどを試してみることをおすすめします。無料で利用できる容量や期間などはサービスによって異なりますので、あらかじめ確認しておきましょう。
おわりに
オンラインストレージサービスを選ぶ上でのポイントを解説しました。
これからオンラインストレージの利用を考えている方の参考になれば幸いです。
提供:東日本電信電話株式会社(NTT東日本)