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デジタル稟議の導入で経営資産が蓄積される

ワークフロー総研</mt:Var>  ワークフロー総研

デジタル稟議の導入で経営資産が蓄積される

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前回は、稟議の重要性を3つの要素で語るとともに、稟議は企業の歴史と集合知であるとお話ししましたが、今回はよりダイナミックな経営を実現する活用法について解説したいと思います。

デジタル稟議で意思決定が資産となり、経営の精度を向上させる

デジタル稟議は、ある申請に対して承認が得られていくプロセスです。担当から上長へ、そして経営層へと承認を経ていく中で、さまざまな知見が申請に対して反映されるというプロセスを辿ります。つまり、稟議のデジタル化がなされることで、申請から承認を経ていく段階のノウハウやアイデア、そして意思決定の過程などが集積し、経営資産となるのです。

そうして情報やナレッジが溜まり「資産化」することで、最終的により良い意思決定が可能になる。これは非常にパワフルな価値だといえるでしょう。また、稟議とは企業の歴史であるということについて前回触れましたが、知見が積み上げられるとともに、稟議を見れば何をどう判断したのか、意思決定のプロセスがわかります。また、稟議の結果行われたアクションの結果が記録されていれば、この意思決定だったからこそ、この結果が導かれたなども分析が可能でしょう。さらに意思決定プロセスを見れば、企業が何を大事にしているのか、そして何を大事にしていきたいのかも分かります。「現在」を稟議という歴史から紐解けば、今までとは異なった新しい解も出せる可能性も高まります。デジタル稟議は、経営に大きなインパクトを与えるものなのです。

最小のインプットでアウトプットを最大化

申請の一つひとつが集積され、多くの情報によってアップグレードされていく。繰り返しになりますが、これは企業にとってはより良い意思決定ができ、経営に力を与えるということです。

生産性とはインプットとアウトプットの関係性で導き出されるものですが、重要なことは、いかに最小のインプットでアウトプットを最大化するか。この関係をデジタル稟議に照らし合わせると、承認やコミュニケーション(インプット)のスピードを上げることより、アウトプットの質と量を向上できるのです。稟議をデジタル化することで重複するプロセスを削ぎ落とし、インプットを最小化。結果として生産性が最大化します。また、経営資産たる情報が溜まることは「価値」そのものです。高い価値を持つ情報の質・量が向上すれば、さらにアウトプットが充実します。デジタル稟議が精度の高い意思決定を可能にし、成功確率の高い経営判断を実現するともいえるでしょう。

目指すべきは、アナログだった稟議のデジタル化による業務革命。そのうえで経営資産を活用して経営にイノベーションを起こし、未来へつなげていけるシステムがデジタル稟議なのです。

業務フローは社員の方向性を統一し、情報を吸い上げる仕組み

経営者とは、時として自分だけで判断してしまうことがあります。ただ、社内には異業種での経験をもった人材など、まだ見ぬさまざまなアイデアが眠っていることもあります。多様な人間が集まる中、業務フローというのは、社員の方向性を統一するものでもあります。デジタル稟議は業務フローそのもの。業務フローに組み込むことで多様な社員の経験や情報を活用できるのがデジタル稟議です。最終決定は経営者が行うとしても、多方面から情報を吸い上げてより良い意思決定へとつなげていくのが現代的な経営手法だといえるでしょう。

もちろん、コンサルタントや経営者仲間など、同じ立場からのアドバイスや情報収集も経営者にとっては大切です。とはいえ、自社の事業の中身を最もよく知るのは社員です。経営状況をすべて話すことはできないでしょうし、全員と話す時間を作るのは難しいかもしれませんが、だからこそデジタル稟議という仕組みを通して、アイデアやノウハウのヒントを集積するのです。

デジタル稟議で業務を見直し仕事の流れも効率化

世の中のスピードが加速する現在。しかもコロナ禍によって不確実なことが増え、どう動けばいいかわからない局面もあるでしょう。その中で、意思決定のスピードを上げることも問われます。そこで目を向けるべきなのは、経営資産である従業員の声、過去から蓄積された社内の情報そのものなのです。

テレワークが浸透し、コミュニケーションが希薄になりがちな昨今では、Web会議のほか、チャットやメールを駆使されています、しかし、それは双方向ではなく一方的なコミュニケーションになりがちです。フランクなアイデアは集まりにくいといえるでしょう。そこで活用すべきなのが、デジタルによって稟議をあげる仕組みです。これによって、社員から能動的に知見を集めることが可能です。そのようにして集めたノウハウに外部パートナーのプロフェッショナルな知見をミックスすることで、最適かつ精度の高い意思決定ができるのです。

稟議の仕組みを作ることで、従業員から意見を集め、社内のパワーをフルに生かす。これは業務の流れにフォーカスし、基本に立ち戻ることでもあります。コミュニケーションが希薄になりがちな今だからこそ、デジタル稟議で業務を見直し、仕事の流れも効率化させるべきなのです。

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著者プロフィール

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岡本 康広

株式会社エイトレッド 代表取締役社長/ワークフロー総研 所長

ワークフローシステムを開発・提供するエイトレッドの代表取締役社長も務める。
ワークフローを出発点とした働き方の見直しが意思決定の迅速化、組織の生産性向上へ貢献するという思いからワークフローの普及を目指し2020年4月、ワークフロー総研を設立して現職。エイトレッド代表としての知見も交えながら、コラムの執筆や社外とのコラボレーションに積極的に取り組んでいる。

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