第4回 ビジネスも人間関係も円滑にする 傾聴・承認スキル
経営者が求める人材とは
今まで、外見や話し方についてお伝えしてきましたが、コミュニケーション能力には「聴き方」も重要です。2011年『モチベーション研究所』による経営者305人への「求める人材について」の調査によると、新入社員に求める素質のトップは「コミュニケーション能力」(56.4%)、理想の新入社員は、男性1位 石川遼選手、2位 坂本龍馬、3位 豊臣秀吉でした。(女性は1位 上戸彩、2位 蓮舫、3位 津田梅子)
石川遼選手の感じの良さは皆さんご存知の通りですが、実は坂本龍馬も豊臣秀吉も、笑顔と愛嬌に満ちた、コミュニケーション能力の高い人でした。秀吉は信長から褒美を与えられると大いに喜び、その姿を見て信長は嬉しくなってますます褒美を与え、異例の出世につながりました。好かれることで周りから引き立てられ、天下さえ取ることができたのです。
ここでは、そんな人に好かれる傾聴・承認スキルについてお伝えします。
好かれる聴き方のコツは「あいうえお」
傾聴の「聴」は、漢字に耳と目と心が入っていることからもわかるように、五感をフルに使い、心もこめて相手の話を聞くということです。傾聴されることによって、話し手は癒され、聴き手のことを好きになります。傾聴スキルは、「あいうえお」と覚えてください。アイコンタクト、相づち、うなづき、笑顔、オーム返しです。アイコンタクトと笑顔の大切さは、既にお話しましたね。相づちは「はひふへほ」と覚えましょう。「はい」「はぁ」「ふ~ん」「へ~」「ほぉ」を中心に、感情をこめて相づちをうってください。
うなづきは、特に会議やプレゼンテーションを聞く等、大勢で話を聞くときに力を発揮します。講演者の話を聞いて、大きくうなづきましょう。うなづくことで、大勢の中でも目立ち、一目置かれる存在になります。オーム返しは、相手の言ったことを繰り返すことです。例えば、自分:「夏休みはどこに行ったんですか?」 相手:「箱根です」 自分:「箱根、いいですねぇ」というように、相手のキーになる単語を繰り返します。会話の最初の5分だけでも行うと、「聴いてもらってる感」が出て、好印象です。
ほめることは人を喜ばせるだけでなく、自分のセルフイメージも上げる
「承認」は、人間の最も強い欲求です。ほめられて悪い気がする人はいません。人間は、「認められたい」「ほめられたい」「肯定されたい」「賛同されたい」「賛成されたい」100%の動物なのです!フェイスブックが今、流行しているのも、「いいね!」ボタンを押してもらうことが「認められた」ことになるので、とても嬉しいんですよね。また、ほめられると科学的には脳内の線条体という部位の活動が活発化します。これは「お金・報酬を得た」のと同じくらい嬉しいのだそうです。
また、潜在意識は一人称で主語がありません。人をほめていても、全て自分に言っていると認識します。自分をほめていることになるので、自分のセルフイメージ(自己価値)も上げて、自信をつけていくのです。
ほめ言葉は「さしすせそ」
それでは、ほめ方のポイントをお伝えしましょう。「さしすせそ」と覚えてください。
さ…「さすが」「最高」
し…「親切ですね」「信頼しています」「信じてます」
す…「すごい」「ステキ」「素晴らしい」「好きです」
せ…「センスがいい」「世界一」
そ…「尊敬します」
ポイントは、男性は大きくほめる、大げさにほめる(世界一!等)、女性は小さくていいのでコンスタントにほめることです。バラの花束だったら、男性には大きな花束をいっきに渡すイメージ、女性には1本1本バラを抜いて渡すイメージです。また、男性はスキル的なことをほめると喜びます。「仕事できますね」「力強いですね」女性は美に関すること、「綺麗ですね」「センスいいですね」とほめると、喜ばれますよ。ほめられることによって、お客様も気分が良くなり、商品を買ってしまうのです。
ぜひ、以上の「傾聴・承認スキル」を、ビジネスだけでなく、家族や周りの人にも生かし、素晴らしい人間関係を築いてくださいね。
少しずつ実践して自分のものに!
4回に渡って、「好かれる・売れる コミュニケーション術」についてお伝えしてきました。全部のスキルをいっきにやってみるのは難しいと思いますので、「今回は笑顔を意識してみよう」「ほめることを重点的にやってみよう」etc、少しずつ実践して、ぜひ自分のものにしてくださいね。
ご質問があれば、いつでもお気軽にご連絡ください。これからも皆さまのことを心から応援しております!