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ベースアップとは? 計算方法や企業での実施状況まで詳しく解説!

ベースアップとは? 計算方法や企業での実施状況まで詳しく解説!

自社でベースアップが実施されると聞いて、『給料がどれだけ上がるの?』や『昇給のタイミングはいつ?』など、具体的な疑問を抱えていませんか?

ベースアップは単なる給与の増加だけでなく、生活や将来のプランに大きく影響を与える重要な要素です。本記事では、ベースアップの基本的な考え方から、実際の計算方法、さらに、業界全体の動向を専門家の意見も交えながら詳しく解説します。

この記事を読むことで、自分のキャリアや給与に対する理解を深め、今後のプランを立てるヒントが得られるはずです。


この記事の監修者
マネーライフワークス  代表/社会保険労務士・1級FP技能士・CFP 

ベースアップとは?考え方を押さえよう

ベースアップとは、全従業員の基本給を一律で上げる制度です。成績や役職などは考慮されません。どれだけ上がるかは春季闘争(春闘)で交渉します。

ベースアップの計算方法と、定期昇給との違いを解説します。

計算方法

昇給はベースアップと異なり、勤続年数や業績などによって上昇額が異なります。昇給額の計算式は「昇給後の給与額 - 昇給前の給与額 = 昇給額」です。

基本給が20万円のケースを例に、昇給額を計算してみます。

  • 30歳(勤続年数が5年)の人の場合:1万円
  • 45歳(勤続年数が10年)の人の場合:3万円

年齢や勤続年数に応じてあらかじめ昇給額を決めておくことで、決まった時期に昇給します。

また、昇給率で昇給額を決める方法もあります。昇給率は「昇給前の給与額 × 昇給率〜昇給額」で算出できます。

定期昇給との違い

定期昇給は、企業が決めたタイミングで給与を上げる機会を設けることです。すべての従業員が対象なのではなく、企業への貢献度や年齢などを考慮して昇給が実施されます。

なお、企業の業績などによっては、定期昇給されないこともあるでしょう。

それに対して、ベースアップは企業の業績に応じて、すべての従業員を一律で昇給させることです。


ベースアップが担う役割

ベースアップが果たす役割は以下の2つです。

  • 評価指標
  • 名目賃金調整

それぞれ解説します。

評価指標

ベースアップは企業の成果を従業員と共有する方法として役立ち、従業員の評価指標になるでしょう。定期昇給とは異なり、ベースアップは全社員の給与を均等に上げますので、働く意欲が高まります。

基本給が均等に引き上げられることになりますので、従業員は不平等を感じにくくなるでしょう。

名目賃金調整

物価が上がると、同じ賃金でも実質的な価値が下がります。物価の上昇率が賃金の上昇率を上回ってしまうと、名目的にも賃金の上昇に対する恩恵を実感しにくくなります。

特に日本では、高度経済成長期からベースアップを取り入れてきましたが、バブル経済が崩壊したあとは、ベースアップの動きが減少していました。

しかし、近年では、中小企業を中心にベースアップの実施率が増えています。


ベースアップの現状

ここからは、最新のベースアップの現状を解説します。

実施する企業の推移

画像引用元:厚生労働省 令和4年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況

厚生労働省が発表した「令和4年賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、ベースアップした企業の数は2012年よりも2倍以上になりました。

ベースアップの実施率

一般職

管理職

2012年

12.1%

29.9%

2022年

9.8%

24.6%

2021年はコロナウィルスにより、ベースアップを実施した企業は減少気味です。

しかし、2022年は物価の高騰と、アフターコロナによる労働力の需要の高まりが重なり、ベースアップに応じる企業が増加しました。

2024年も人手不足と物価高が続き、企業の賃上げが次々と表明されています。

(出典:厚生労働省 賃金引上げ等の実態に関する調査

ベースアップ増加の背景

ベースアップや、定期昇給を含む賃上げを実施する企業が増加している背景には、2022年に連合(日本労働組合総連合会)が、5%の賃上げを春闘で求めたのがきっかけです。大手企業の賃上げに伴い、多くの中小企業も参加しました。

近年では少子高齢化に伴い労働力の減少や、プロフェッショナルな人材の少なさなど、多くの企業が人材不足に悩んでいます。

賃上げを実施することで、他社よりも有利に人材確保できるというメリットがあります。


ベースアップについてのまとめ

ベースアップは、従業員の勤続年数や役職に関係なく、基本給を均一に引き上げる制度です。従業員のモチベーション向上を期待できたり、名目賃金を調整したりという効果があります。

しかし、景気や業績による影響も考慮されるため、ベースアップの実施を前向きに検討しながらも、慎重に判断すると良いでしょう。


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監修者プロフィール

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岡崎 壮史

マネーライフワークス 代表/社会保険労務士・1級FP技能士・CFP

生命保険の営業や不動産会社の営業企画を経て、1級FP技能士とCFPを取得。

平成28年に社会保険労務士試験に合格。その翌年にマネーライフワークスを設立。

現在は、助成金申請代行や助成金の活用コンサルを中心に、行政機関の働き方改革推進事業のサポート事業や保険などの金融商品を活用した資産運用についてのサイトへの記事の執筆や監修なども行っている。

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