このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、対応ブラウザでご覧下さい。

印鑑証明に関する勘定科目は? 仕訳方法や消費税の扱いなど注意点も併せて解説!

印鑑証明に関する勘定科目は? 仕訳方法や消費税の扱いなど注意点も併せて解説!

重要な契約や取引の場面などで、印鑑証明が必要になるケースがあります。

印鑑証明の発行手数料に関する会計処理は複数の勘定科目を使用できますが、消費税や継続性の原則などには注意する必要があります。

この記事では、印鑑証明の発行手数料の勘定科目や仕訳方法、計上する際の注意点について解説するので、ぜひ参考にしてみてください。


この記事の監修者
  公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナー 

印鑑登録と印鑑証明とは?

印鑑登録や印鑑証明は、日常でもよく耳にする言葉ですが、その違いをよく理解できていない人もいるのではないでしょうか。

公的な手続きでよく使われる言葉なので、誤解を生まないためにもそれぞれの意味を理解しておきましょう。

  • 印鑑登録…住民登録している市区町村の役所にて、法人・個人の情報(氏名、住所など)を印鑑に紐づけて登録すること
  • 印鑑証明…市区町村に登録されている印鑑が、法人・個人が所持している印鑑と同じものであることを証明すること

また、「印鑑証明書(印鑑登録証明書)」とは印鑑登録を証明する公的な書類のことです。


印鑑証明の会計処理に用いる勘定科目

印鑑証明を取得するには発行手数料がかかります。その費用の仕訳をする必要がありますが、勘定科目が定められているわけではありません。

ここでは、勘定科目として主に使用されるものを3つ紹介します。

1.租税公課

租税公課とは、国や地方に納める税金と公共団体などに納める金銭を合わせた科目です。

不動産取得税や固定資産税、印紙税や事業税などは租税に該当し、印鑑証明の手数料も租税公課と処理するケースが多くあります。

租税公課のうち、法人税や住民税、罰則金などは、経費にはならないので、注意が必要です。

2.支払手数料

支払手数料は、その名のとおり支払いに関する手数料です。印鑑証明を発行する際にかかる手数料なので、支払手数料として処理することもできます。

3.雑費

印鑑証明の発行手数料を雑費として処理するケースもあります。重要度が低く、少額かつ他の科目に当てはまらないものが雑費です。

発行手数料は数百円と少額かつ、事業における重要度が低いため雑費としても処理できます。


印鑑証明に関するよくある仕訳例

ここでは、印鑑証明の発行手数料に関するよくある仕訳例を具体的に紹介します。

主によくある仕訳例は以下の4つです。

  • 収入印紙を取得してすぐに申請する場合
  • ストックしてある収入印紙を使用する場合
  • オンライン請求の場合
  • (個人)コンビニエンスストアを使用した場合

収入印紙を取得してすぐに申請する場合

印鑑証明の申請をする場合は、まずは発行手数料分の収入印紙を購入しましょう。申請書に貼り付けて法務局に申請を行います。

具体的な仕訳例は以下のとおりです。

借方

貸方

租税公課

400円

現金

400円

ストックしてある収入印紙を使用する場合

ストックしてあった収入印紙を使用する場合は、以下のような仕訳を行います。

収入印紙の購入時(現金5,000円で収入印紙を購入し、会社に保管した場合)

借方

貸方

貯蔵品

5,000円

現金

5,000円

印鑑証明の発行時(ストックしていた収入印紙400円分を使用して法務局に申請した場合)

借方

貸方

租税公課

400円

貯蔵品

400円

月末や年末のタイミングで、収入印紙の残りがないか集計で確認しておきましょう。

オンライン請求の場合

印鑑証明書は、オンライン請求をすることができます。オンラインで印鑑証明を発行した場合は、以下のような仕訳を行います。

借方

貸方

租税公課

400円

預金

400円

オンライン請求時の支払いは、インターネットバンキングや電子納付ができるATMから支払うことができます。

オンライン請求は、窓口で発行するよりも手数料がお得です。

(個人)コンビニエンスストアを使用した場合

個人の場合は、マイナンバーカードを使えばコンビニエンスストアで印鑑証明の発行が可能です。

その場合は以下のように仕訳を行いましょう。

借方

貸方

支払手数料

200円

現金または事業主借

200円


印鑑証明の勘定科目・仕訳における注意点

ここでは、印鑑証明の発行手数料の勘定科目・仕訳における注意点を解説します。

消費税の取り扱い

消費税の取り扱いには注意が必要です。租税公課の消費税区分は原則「不課税」ですが、収入印紙や印鑑証明書の発行手数料などの行政への支払手数料は「非課税」となります。

ちなみに、不課税とは課税対象ではない取引のことですが、非課税とは本来は課税対象であるが課税されない取引です。非課税項目は、17項目が例示列挙されており、収入印紙も項目の一つとして例示されています。

そのため仕訳計上する際は、「非課税」として処理する必要があります。

勘定科目の継続

勘定科目は継続しての使用が大切です。会計には「継続性の原則」があり、一度決めた方法を継続して使用する必要があります。

また、勘定科目を取引の度に変更してしまうと経理の管理がしづらくなるだけでなく、税務調査などの外部の検査が入った際に、使用目的を隠蔽しているのではないかと疑われる可能性があります。

そのため、処理する勘定科目を一度決めたら、継続してその科目で処理をしましょう。


印鑑証明の勘定科目についてのまとめ

印鑑証明の発行手数料は租税公課のほか、重要度に合わせて支払手数料や雑費としても処理できます。

一度使用した勘定科目は継続して使用する、消費税が非課税であるなどの注意点を把握して処理を行いましょう。


【書式のテンプレートをお探しなら】

この記事に関連する最新記事

おすすめ書式テンプレート

書式テンプレートをもっと見る

監修者プロフィール

author_item{name}

内山 智絵

公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナー

大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人の地方事務所で上場企業の法定監査などに10年ほど従事した後、出産・育児をきっかけに退職。

2021年春に個人で会計事務所を開業し、中小監査法人での監査業務を継続しつつ、起業女性の会計・税務サポートなどを中心に行っている。

この監修者の他の記事(全て見る

bizoceanジャーナルトップページ