大企業向け会計システムおすすめ12選! 選定ポイントとメリットを紹介
大企業での会計業務において、「複雑な連結決算が負担になっている」「データの安全管理が心配」「膨大な会計データを効率的に処理したい」などのお悩みはありませんか?
これらの課題を解決するには、適切な会計システムの導入が不可欠です。
大企業向けの会計システムを導入することで、業務の効率化やセキュリティ強化はもちろん、経営判断に役立つデータの活用も可能になります。
本記事では、大企業が選ぶべき会計システムのポイントとおすすめシステム12選もご紹介しますので、導入検討の参考にしてください。
大企業が会計システムを導入するメリット
大企業が会計システムを導入するメリットは以下の3つです。
- 会計業務の効率化につながる
- 財務状況が可視化される
- 内部統制の強化
それぞれのメリットについて詳しく説明します。
会計業務の効率化につながる
大企業の会計業務は取引量が多く複雑なことから、手作業では膨大な時間と労力が必要です。
しかし、会計システムを導入することで、各取引の仕訳や帳簿の作成を自動化できます。これにより手作業だけの時と比べて、業務量の削減が可能です。
また、月次決算や年次決算の際に、必要な財務諸表もシステムが自動で作成してくれるため、計算ミスなどによる二度手間も少なくなります。
財務状況が可視化される
大企業では、複数の子会社や事業部門を抱えていることが多く、全体の財務状況を把握するのが難しい場合があるでしょう。
しかし、会計システムを活用することで、リアルタイムでグループ全体の財務状況を可視化できます。
財務状況は各グループ会社の経営方針を決定するのに欠かせないため、リアルタイムでいつでも確認できることは、経営上大きな強みとなります。
会計システムにはグループ経営を効率的に管理できるものもあるため、適したシステムを探してみてください。
内部統制の強化
大企業は、内部統制が欠かせません。内部統制とは、企業活動を健全かつ効率的に行えるようにするものです。
具体的には、業務上のリスクを従業員が把握していること、情報が正確に共有されること、取締役会などが正常に機能していることなどが挙げられます。
内部統制を強化することのメリットは以下の通りです。
- 業務を効率化できる
- 財務報告書の信頼性を獲得できる
- 企業活動において法令を遵守できる
- 資産を安全に管理できる
また、このほかにも社内の不祥事を未然に防げるなどのメリットもあります。内部統制機能が付いている会計システムは、大企業にとって最適とも言えるでしょう。
大企業向けのおすすめ会計システム12選
ここからは大規模な組織運営に適した会計システム12選を、特徴や価格帯とともにご紹介します。
コンプライアンスや内部統制の観点からも、ぜひ最適なシステム選びの参考にしてください。
Money Forward クラウド会計
項目 |
内容 |
代表的な機能 |
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初期費用 |
0円 |
大企業向けプランの月額料金 |
スモールビジネス:3,980円(税抜) ※IPO準備・中堅〜上場企業向けに「マネーフォワード クラウド会計Plus」があり、価格は要問合せ |
内部統制(IPO)対応 |
〇 |
Money Forwardクラウド会計は、大企業向けのクラウド型会計ソフトです。自動仕訳や複数拠点の一元管理、複雑な財務レポート作成を効率化する機能が備わっており、業務のスピードと精度を向上させます。
また、リアルタイムでのデータ可視化と法令遵守のサポートがあり、経営判断を迅速かつ正確に行えます。
freee会計
項目 |
内容 |
代表的な機能 |
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初期費用 |
無料 |
大企業向けプランの月額料金 |
要問い合わせ |
内部統制(IPO)対応 |
〇 |
freee会計は、クラウド型の柔軟なプラットフォームで、大規模な企業のニーズにも対応できる点が強みです。自動仕訳や多通貨対応機能、複数部署での経理業務を効率化するワークフロー機能を備えており、業務の大幅な効率化を実現します。
また、リアルタイムでの財務データの可視化により、経営判断をサポートする点も魅力です。
弥生会計 オンライン
項目 |
内容 |
代表的な機能 |
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初期費用 |
無料 |
大企業向けプランの月額料金 |
ベーシックプラン:3,133円~(税込) |
内部統制(IPO)対応 |
× |
弥生会計オンラインは、大規模な企業に対応する高度な会計機能を備えたソフトウェアです。複雑な仕訳や決算処理を効率化する自動化機能に加え、多拠点の財務データを一元管理できるため、業務の効率化に貢献します。
さらに、法令改正にも対応しており、常に最新の税制に基づいた処理が可能です。
ジョブカン会計
項目 |
内容 |
代表的な機能 |
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初期費用 |
0円 |
大企業向けプランの月額料金 |
要問合せ |
内部統制(IPO)対応 |
〇 |
ジョブカン会計は、大企業向けに設計された高機能なクラウド型会計システムです。自動仕訳や複数の口座やカードとの連携機能により、大量の取引データを効率的に処理し、経理業務を簡素化します。
さらに、リアルタイムでの財務データ分析が可能で、迅速な経営判断をサポートする点が強みです。
かんたんクラウド会計
項目 |
内容 |
代表的な機能 |
Plusプランは下記機能も搭載
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初期費用 |
0円 |
大企業向けプランの月額料金 |
Basicプラン:1,800円(税抜) |
内部統制(IPO)対応 |
〇 |
かんたんクラウド会計は、大規模な企業にも対応できる柔軟なクラウド型会計システムです。自動仕訳や多拠点管理機能を備え、複雑な経理作業を効率的にサポートします。
リアルタイムで財務データの可視化ができるため、正確な会計処理と適切な経営判断ができる点が強みです。
勘定奉行クラウド
項目 |
内容 |
代表的な機能 |
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初期費用 |
50,000円(税抜)~ |
大企業向けプランの月額料金 |
要問合せ |
内部統制(IPO)対応 |
〇 |
勘定奉行クラウドは、大規模企業向けのプランも充実しています。自動仕訳機能や部門別の財務データを分析できるダッシュボード機能があり、経営判断をサポートします。
中堅・成長企業向け・グループ企業向け・グローバル企業向けと細かく分かれているため、自社のニーズに合ったプランを見つけられるでしょう。
ACT-Potentia
項目 |
内容 |
代表的な機能 |
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初期費用 |
要問合せ |
大企業向けプランの月額料金 |
要問合せ |
内部統制(IPO)対応 |
要問合せ |
ACT-Potentiaは、日本の経理に関する法律や習慣に細かく対応できます。導入時に、ノンカスタマイズでも高い業務適合性を実現できる点や、多言語・多通貨に対応している点も強みです。
また、システム全体を一元化し、効率的な経理運用が可能です。
大蔵大臣NX
項目 |
内容 |
代表的な機能 |
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初期費用 |
要問合せ |
大企業向けプランの月額料金 |
要問合せ |
内部統制(IPO)対応 |
× |
大蔵大臣NXは、一般的な振替伝票を使用した簡単なデータ入力で、元帳や決算書の作成を自動化できます。
また、入力作業は極限まで簡略化されており、手書き感覚で様々な書類を作成可能です。シンプルで直感的に操作できるため、初心者にはわかりやすく、熟練者は快適に利用できます。
Dynamics 365 Finance
項目 |
内容 |
代表的な機能 |
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初期費用 |
要問合せ |
大企業向けプランの月額料金 |
Dynamics 365 Finance:31,484円/ユーザー |
内部統制(IPO)対応 |
× |
Microsoft Dynamics 365 Financeは、財務の計画と分析機能や会計・決算機能などに加え、AIを活用した請求や売掛金勘定、回収ができます。
請求書などのフローを自動化することで、時間や人件費を削減可能です。また、57の国や地域の言語やコンプライアンスにも対応しています。
PCAクラウド 会計
項目 |
内容 |
代表的な機能 |
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初期費用 |
要問合せ |
大企業向けプランの月額料金 |
要問合せ |
内部統制(IPO)対応 |
〇 |
PCAクラウド 会計は会計・給与・販売管理など、業務ごとに機能を選べるシステムです。オンプレミス型とクラウド型の2種類を合わせたハイブリッド型のため、様々なシーンで活用できます。
主に中小企業向けのシステムのため、大企業で導入を検討中の方は問い合わせが必要です。
クラウド ERP ZAC
項目 |
内容 |
代表的な機能 |
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初期費用 |
※導入支援費用は、利用範囲や条件によっては0円にすることも可能 |
大企業向けプランの月額料金 |
要問合せ |
内部統制(IPO)対応 |
〇 |
クラウド ERP ZACは、業務に応じた柔軟なカスタマイズが可能なシステムです。価格は、選択した機能とユーザー数によって決まるため、必要な分のみを導入できます。
機能もユーザー数も自由に拡張・縮小が可能なため、大企業や変化が多い企業に適しているでしょう。
NetSuite
項目 |
内容 |
代表的な機能 |
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初期費用 |
要問合せ |
大企業向けプランの月額料金 |
要問合せ |
内部統制(IPO)対応 |
〇 |
NetSuiteはクラウドベースのERPシステムとして、キャッシュフローと財務状況が把握できます。会計業務をすべて一か所に集約できるため、業務を効率化させ時間を短縮可能です。
また、クラウドシステムのため、インターネット環境があればスマートフォンなどからでもアクセスができます。
大企業向け会計システムの選定ポイント
大企業が会計システムを選定する際には以下の5つのポイントがあります。
- 連結決算と会社間取引へ対応しているか
- 大量データ処理機能と拡張性を備えているか
- カスタマイズやシステムとの連携が可能か
- セキュリティと内部統制機能を備えているか
- ユーザビリティとサポート体制を備えているか
ここでは、これらのポイントが大事な理由を詳しく説明します。上記5つのポイントを押さえて、企業にあったシステムを選びましょう。
連結決算と会社間取引へ対応しているか
大企業は、子会社や関係会社を持つ企業が多い傾向にあります。そのため、連結決算システムや会社間取引に対応している会計システムを選ぶことがポイントです。
仮に連結決算などに対応していないシステムを選んでしまうと、連結決算用に別のシステムを購入したり、手作業で決算業務を行ったりする必要が生じます。
また、関係会社が多い企業ではデータにアクセスできる従業員や、データの承認過程を柔軟に変更できるかどうかもシステム選定ポイントの一つです。
大量データ処理機能と拡張性を備えているか
膨大な数の取引を処理する能力があり、将来の事業拡大に対応できるシステムを選ぶこともポイントです。
特に大企業では、通常の企業に比べて一日の取引量や情報量が多くなります。システムのデータ処理能力が低いと、すぐにエラーになり逆に業務効率が落ちてしまう可能性があります。
また、将来さらに子会社や関係会社を増やす予定のある企業では、機能を拡張できるシステムを選ぶといいでしょう。
ユーザー数やデータ保存量の増加、事業拡大などに応じて拡張できるものを選ぶことで、将来も安心して利用できます。
カスタマイズやシステムとの連携が可能か
既存システムと統合ができるか、業務フローに合わせた調整が可能であるかといった点も、システムを選択する際に確認してください。
企業独自の会計処理や業務フローに合わせて機能をカスタマイズできると、より業務を効率化できます。適切な機能をカスタマイズすることで業務が複雑になることを防げるため、業務ミスも減らせるでしょう。
また、企業の既存システムとの連結が出来れば、手動で売上情報や取引情報などを移動させる必要がありません。
そのため、システム設置時の手間や時間を省けます。連結後も異なるソフト間の情報を共有できるため、より快適にシステムを利用できるようになります。
セキュリティと内部統制機能を備えているか
大企業の会計システムは、厳格なアクセス権限管理機能と内部統制機能が備わっていることが重要です。
例えば、セキュリティ面では、役職や部署に応じた細かなアクセス権限設定や、誰がいつどのような操作を行ったかを追跡できる機能が必要です。
内部統制機能は、前述したとおり企業内の不正を防ぎ健全に経営活動ができるようにするために欠かせません。従業員数が多く、子会社・関係会社が多い企業ほどこの機能の重要度が高くなります。
ユーザビリティとサポート体制を備えているか
システムの使い勝手の良さやサポート体制が整っているかどうかも、システム選定時のポイントです。
たとえ、上記のポイントがすべてそろっているシステムでも、操作が難しければ作業効率が落ちてしまいます。誰でも直観的に操作できるシステムを選びましょう。
また、24時間365日対応可能なサポート体制や充実したマニュアル、オンラインヘルプなどシステム導入後もスムーズに対応してもらえることが重要です。
システムの不具合や不明点にすぐに対応してもらえないと業務に支障が出てしまいます。
そのため、サポートが充実しているかという点も、しっかりと確認しておきましょう。
自社に最適な大企業向け会計システムを選択して経営効率を高めよう
大企業が会計システムを導入すると会計業務を効率化でき、内部統制を強化できるなどのメリットがあります。
今の会計業務を50%削減できたなどの事例もあるため、適切な会計システムを選択して、業務の効率化を実現させてください。
またシステムを選択する際は、連結決済に対応しているかや大量のデータを処理できる能力があるかなどのポイントを確認しておきましょう。
大企業ならではの確認ポイントを押さえることで、より自社に適した会計システムを選ぶことができます。