中小企業におすすめの会計システム14選! 導入のメリットや選び方を解説
中小企業に会計システムを導入すると、業務が効率化でき人手不足の解消につながります。システムを選ぶ際には、自社に必要な機能が備わっているか、専門知識がなくても使えるかなどの点に注目して選択すると良いでしょう。
ただし会計システムを選ぶ際には、既存の税理士のシステムと連携ができるかなどの注意点があります。
本記事では、中小企業が会計システムを選ぶ際のポイントや中小企業向けのおすすめの会計システムを詳しく解説していきます。
中小企業が会計システムを導入するメリット
中小企業が会計システムを導入するメリットは、以下の4つです。
- 経理業務の効率化につながる
- 財務状況を把握できる
- コストカットと経営資源の有効活用ができる
- 法令遵守につながる
ここでは、それぞれのメリットについて詳しくご紹介します。
経理業務の効率化につながる
会計システムを導入することで、業務量を減らし経理の負担を軽減できます。会計システムを利用していないと、取引ごとに手作業で記録しなければなりませんが、システムを導入することで、取引ごとの仕訳を自動化できます。
また、領収書やクレジットカードの明細書も自動で読み取り・記録が可能です。こういった機能は、経理にかかる時間を減らし負担を軽減します。
システムが自動で記録してくれるため、人的ミスも減らすことができるでしょう。
財務状況を把握できる
正確な財務状況を、リアルタイムで把握できる点もメリットの一つです。会計システムを導入することで、日々の売り上げや経費の把握が容易になります。
常に最新の財務情報を把握できると、経営判断のスピードが上がり、より的確な意思決定を行えます。これは、経営者にとって大きな強みとなるでしょう。
コストカットと経営資源の有効活用ができる
会計システムを導入すると、今まで経理にかかっていた時間や人材を減らし、他のことに活用できるようになります。
例えば、経理担当者の業務が効率化され業務量が減ることで、今まで経理に充てていた人材を人手が足りない部署へ配属することも可能です。
あるいは、経理部内の他の仕事に時間や人手を割くこともできるでしょう。
法令遵守につながる
最新の法令にもいち早く対応できるメリットがあります。
特に最近では、「インボイス制度」や「電子帳簿保存法」の改定などがありました。このような法改正に企業側が自社で対応しようとすると、膨大な時間が必要です。
しかし、ほとんどの会計システムでは法改正に自動で対応してくれるため、企業側はほとんど手間をかけずに改正法などへ対応できます。
中小企業向け会計システムの選び方
中小企業が会計システムを選ぶ際には、必要な機能が備わっているか・専門知識が無くても使えるかなど、確認しておくべきポイントがあります。
ここでは、自社に適した会計システムを選択するための選び方を見ていきましょう。
必要な機能を見極める
会計システムについている機能が自社に必要かどうか、日々の業務を洗い出して考えることが大切です。
会計システムには基本的な仕訳・帳簿作成機能に加えて、領収書などの明細の自動取り込み機能、請求書作成機能など様々な機能があります。
複数のシステムを比較して、自社にあうサービスを選択しましょう。
専門知識がなくても使えるか
専門知識がなくても簡単に使えるかどうかが、システムを選ぶ際のポイントです。
たとえ自社に必要な機能が備わっていても、使いづらければ逆に作業効率が落ちてしまうこともあります。
マニュアルやチュートリアルが充実していたり、誰でも直観的に利用できたりするものが理想的です。
導入時と運用時のサポート体制が整っているか
導入時や運用時に、どこまでサポートをしてもらえるのかを確認しておきましょう。
電話やチャットでのリアルタイムサポートの有無、オンラインマニュアルなどが充実しているかなどのチェックが必要です。
サポート体制は、選択するシステムやプランによって異なります。事前に自社がどのくらいのサポートが必要なのかも検討しておくといいでしょう。
中小企業向け会計システムおすすめ14選
ここからは、導入コストを抑えながらも確実に業務改善を実現できる会計システム14選を厳選してご紹介します。
経理初心者でも扱いやすく、経営判断に必要なデータをスムーズに取得できるシステムばかりです。御社の規模や業態に合わせた最適なシステム選びにお役立てください。
PCAクラウド 会計
項目 |
内容 |
初期費用 |
要問い合わせ |
月額費用 |
23,100円(税込) ※ 2ユーザーで利用する場合 |
主な機能 |
|
サポート体制 |
〇 |
提供形態(クラウドorインストール) |
クラウド |
PCAクラウド会計は、中小企業向けに特化したソフトがあり、日々の伝票入力から自動仕訳など会計処理を一元管理します。
内部統制機能や電話などでのサポートサービスも充実しており、安心して利用可能です。
クラウド ERP ZAC
項目 |
内容 |
初期費用 |
※導入支援費用は、利用範囲や条件によっては0円にすることも可能 |
月額費用 |
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主な機能 |
|
サポート体制 |
〇 |
提供形態(クラウドorインストール) |
クラウド |
クラウド ERP ZACは、案件・プロジェクト型ビジネスに特化した会計システムです。販売管理機能やIPO対応の内部統制機能も搭載されています。
リアルタイムでプロジェクト収支管理が可能で、見込売上や利益の予測機能も充実しています。
大蔵大臣NX
項目 |
内容 |
費用 |
下記はソフトの価格
スタンドアロン:264,000円
※1 Microsoft SQL Serverを別途お求めいただく必要があります。取扱代理店にお問い合わせください。 |
主な機能 |
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サポート体制 |
〇 |
提供形態(クラウドorインストール) |
インストール |
大蔵大臣NXは中小企業向けの会計システムで、豊富な機能とカスタマイズ性が強みです。
領収書や伝票を電子管理でき、業務の効率化をサポートします。電子帳簿保存法に対応しているため、法改正などの際も安心して利用可能です。
電子帳簿保存法の要件を満たす製品として、JIIMA認証を取得しています。
Galileopt DX 財務大将
項目 |
内容 |
初期費用 |
要問合せ |
月額費用 |
要問合せ |
主な機能 |
|
サポート体制 |
〇 |
提供形態(クラウドorインストール) |
クラウド |
Galileopt DX 財務大将は、中小企業に適しているクラウド型の会計システムです。場所を選ばずに利用でき、導入や運用も簡単です。
売上管理や請求書発行機能、AIによる自動仕訳機能などが搭載されており、業務効率の向上、業務のDXを推進できます。
会計王PRO
項目 |
内容 |
費用 |
with SQL Server(With版)は「Microsoft SQL Server」バンドルクライアントライセンス付きです。for SQL Server(For版)は別途「Microsoft SQL Server」が必要となります。 |
主な機能 |
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サポート体制 |
〇 |
提供形態(クラウドorインストール) |
インストール型 |
会計王PROは、インストール型ならではの軽い操作性が特徴です。クレジットカードや銀行と連携して仕訳を自動化するため、業務ミスを減らせます。
また、多彩な伝票入力や、自動仕訳のアドバイス機能などが搭載されており、業務の効率化を図れます。
円簿会計
項目 |
内容 |
初期費用 |
0円 |
月額費用 |
0円 |
主な機能 |
|
サポート体制 |
〇 |
提供形態(クラウドorインストール) |
クラウド |
円簿会計は、無料で使える高機能なシステムです。自動仕訳機能やリアルタイムの財務データ管理をサポートし、効率的な経理業務を実現できます。
このシステムは、機能や期間の限定なしに、無料で利用できます。インターネット環境さえあればいつでもどこでも利用可能です。
フリーウェイ経理Lite
項目 |
内容 |
初期費用 |
0円 |
月額費用 |
無料版:0円 |
主な機能 |
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サポート体制 |
〇 |
提供形態(クラウドorインストール) |
インストール |
フリーウェイ経理Liteは、中小企業向けに特化したプランを提供しています。このシステムを利用することで、手書きの会計処理やExcelでの処理を無くせることができます。
無料プランでも、仕訳形式・出納形式での入力や決算書などの各種帳票の出力が可能です。
さくら会計
項目 |
内容 |
初期費用 |
0円 |
月額費用 |
サブスクリプション版 買取版もあり |
主な機能 |
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サポート体制 |
要問合せ |
提供形態(クラウドorインストール) |
クラウド |
さくら会計は、中小中堅企業や海外に子会社を展開する企業などに特化した会計システムです。多言語に対応している点が特徴で、英語・日本語・中国語が表示できます。
オプションで追加すれば、そのほかの言語にも対応可能で、自動翻訳機能も搭載されています。帳簿を作成する際も、IFRSや海外の会計基準に対応可能です。
ジョブカンDesktop 会計
項目 |
内容 |
費用 |
パッケージ型:30,800円(税込) |
主な機能 |
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サポート体制 |
〇 |
提供形態(クラウドorインストール) |
パッケージ型 |
ジョブカンDesktop 会計は、データ分析機能や、請求書作成・経費精算を一元管理できる機能が特徴で、業務の効率化を実現します。
電子帳簿保存法などの法改正があった場合でも、それに沿ったプログラムを提供されるため、買い替え無しで対応可能です。
また、中小企業向けの決算書に対応した消費税申告書の作成もできます。
Dynamics 365 Finance
項目 |
内容 |
初期費用 |
要問合せ |
月額費用 |
Dynamics 365 Finance:31,484円/ユーザー |
主な機能 |
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サポート体制 |
〇 |
提供形態(クラウドorインストール) |
クラウド |
Microsoft Dynamics 365 Financeは、グローバル企業向けの会計システムです。財務の計画と分析機能や会計・決算機能などに加え、AIを活用した請求や売掛金勘定、回収ができます。
また、57の国や地域の言語やコンプライアンスにも対応しています。
ジョブカン会計
項目 |
内容 |
初期費用 |
0円 |
月額費用 |
スタートアップ:2,500円(税抜) |
主な機能 |
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サポート体制 |
〇 |
提供形態(クラウドorインストール) |
クラウド |
ジョブカン会計は、中小企業向けの会計システムで、領収書の自動読み取り機能やクレジットカード連携による自動仕訳が強みです。
クラウド上でのリアルタイム管理により、どこからでもアクセス可能で、従業員や管理者がスムーズに利用できます。
freee会計
項目 |
内容 |
初期費用 |
0円 |
月額費用 |
【個人事業主向け】 【中小企業向け】 ※すべて税抜 |
主な機能 |
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サポート体制 |
〇 |
提供形態(クラウドorインストール) |
クラウド |
freee会計は、複雑な会計処理をシンプルにして、負荷を軽くする機能を搭載しています。このシステムの主な機能は、会計機能、レポート・管理会計、サポート・セキュリティ機能です。
AIによる仕訳学習機能や文字認識機能により、従来の業務をより効率化可能です。
弥生会計 オンライン
項目 |
内容 |
初期費用 |
0円 |
月額費用 |
セルフプラン:2,316円(税込) ※1年間無料 |
主な機能 |
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サポート体制 |
〇 |
提供形態(クラウドorインストール) |
クラウド |
弥生会計オンラインは、中小企業や個人事業主に適した会計システムです。上記の主な機能のほか、AIによる自動仕訳機能や経営状況の見える化、スマホアプリとの連携機能などがあります。
また、インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応している点が特徴です。通信時はデータが暗号化されているため安心して利用できます。
かんたんクラウド会計
項目 |
内容 |
初期費用 |
0円 |
月額費用 |
Basicプラン:1,800円(税抜) |
主な機能 |
※Plusプランは下記機能も搭載
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サポート体制 |
〇 |
提供形態(クラウドorインストール) |
クラウド |
かんたんクラウド会計は、コストパフォーマンスと使いやすさが特長です。自動仕訳機能や財務レポートの簡単作成機能により、経理業務の効率化を図れます。
また、クラウド上で安全にデータを管理できるため、リモートワークや複数拠点での業務にも柔軟に対応可能です。
中小企業が会計システムを選ぶ際の注意点
中小企業が会計システムを選ぶ際には、既存システムとの連携ができるか、事業規模に沿ってシステムが柔軟に対応できるかという注意点があります。
ここでは、それぞれの注意点について詳しく説明します。
税理士との連携を考慮する
税理士が使用している既存システムとのデータ交換やデータの連携ができないと、経営サポートが難しくなってしまいます。
中小企業では、コストを削減するために顧問税理士を雇う企業も少なくありません。税理士は、日常の細かい費用を見直し、節税効果を高めるアドバイスをしてくれます。
また、専門的な会計ルールにも詳しいため、会計基準を順守するためにも必要です。そのため、システム導入前に、必ず税理士が使用しているものとデータ交換または連携ができるかどうか確認を行いましょう。
税理士とスムーズに会計データを共有できれば、節税対策などの適切なアドバイスを得られます。それにより、より効果的な経営戦略を立てられるでしょう。
将来の事業拡大を見据える
将来の事業拡大にも対応できるシステムか、という点にも注意が必要です。
特に中小企業では、将来的にユーザー数が増加したり店舗数が増えたりすることがあります。また、会社内で部署が拡大することもあるでしょう。
そういった変化に柔軟に対応できないと、新たにシステム内の容量を増やしたりシステム自体を買い直したりする必要が出てきます。
そのため、事業の将来性も見据えて選ぶことが大切です。
自社に最適な会計システムを選んで経営力を高めよう
中小企業が会計システムを取り入れることで、経理業務を効率化できるなどのメリットがあります。効率化した分の人件費は、コストカットしたりほかの業務に人手を当てたりできるでしょう。
会計システムを選ぶ際は、不必要な機能がついていないかをきちんと見極めることが大切です。また、導入時のサポート体制が整っており、誰でも直観的に使用できるものが良いでしょう。
ただし、税理士が使っているシステムとうまく連携ができないと、せっかく会計システムを導入しても、逆に手間がかかってしまう場合があるため注意が必要です。
まずは自社に必要な機能を洗い出し、今あるシステムとも問題なく連携できるか確かめたうえで、選択するといいでしょう。