電子帳簿保存法対応システム比較15選|失敗しない選び方と規模別おすすめ比較
2024年1月から電子取引データの電子保存が義務化され、全事業者が適切なデジタル保存体制の構築を迫られています。しかし、安易に知名度や価格だけで選んでしまうと、既存の会計ソフトと連携できなかったり、保存容量の追加で予算を超過したりするリスクを孕んでいます。
電子帳簿保存法対応システムは、法的要件を満たした安全なデータ保存を実現するだけでなく、経理業務の効率化・ペーパーレス化・テレワーク推進にまで、広く貢献するツールです。
本記事では、電子帳簿保存法対応システムの基本的な役割から、3つの保存区分・必要な機能・失敗しない選び方・規模別の導入パターンまでを網羅的に解説します。導入を検討されている方は、ぜひ自社に最適なシステム選びの参考にしてください。
電子帳簿保存法対応システムとは
電子帳簿保存法対応システムとは、電子帳簿保存法で定められた法的要件(真実性の確保・可視性の確保)を満たし、会計帳簿や領収書・請求書などの国税関係書類を電子データで適切に保存・管理するシステムです。
単なるファイル保存ツールと異なるのは、改正法で義務付けられた「訂正削除の防止」や「主要項目による検索機能の確保」といった複雑なルールを、システムの機能によって自動的にクリアできる点にあります。
例えば、AI-OCR機能を活用して日付や金額を自動抽出したり、タイムスタンプを自動付与したりすることで、担当者の手作業を最小限に抑えながら法令遵守が可能です。
まずはシステムがどのような役割を果たし、自社のどの業務を代替してくれるのか、その定義を正しく理解することから始めましょう。
電子帳簿保存法対応システムの導入検討時に理解すべき3つの保存区分
電子帳簿保存法への対応は、現在すべての事業者に義務づけられており、要件に違反した場合には、青色申告の承認取り消しや追徴課税といった厳しい罰則が課されるリスクがあります。
適切なシステムを比較・選定するためには、まず法律が定義する「3つの保存区分」の違いを正確に理解しておくことが不可欠です。
電子帳簿等保存
電子帳簿等保存とは、会計ソフトやシステムで作成した仕訳帳や総勘定元帳などを、紙に印刷せずデータのまま保存することを指す区分です。
この区分への対応は任意ですが、対応することでプリントアウトの手間や保管スペースを削減できるメリットがあります。特に、「優良な電子帳簿」の要件を満たして届出を行えば、万が一の申告漏れに対する過少申告加算税が5%軽減される、税制上の優遇措置も受けられます。
システム選定時は、導入予定の会計ソフトがこの「優良」要件を標準でクリアしているかどうかを必ず確認しておきましょう。
スキャナ保存
スキャナ保存とは、取引先から紙で受け取った請求書や領収書を、スキャナやスマートフォンで読み取って電子データとして保存する区分です。
この区分を適用するには、解像度(200dpi以上)や階調・入力期間(最長2ヶ月+7営業日以内)などの一定の要件を満たさなければなりません。
システム上でこれらの要件を自動チェックし、タイムスタンプなどを付与する措置を講じれば、原本である紙の書類は、内容の確認後に即座に廃棄することができます。紙書類の保管スペースを根本から解消したい企業にとって、導入効果が特に大きい区分です。
電子取引データ保存
電子取引データ保存とは、電子メール・Webサイトからのダウンロード・クラウドサービス経由などで受け取った取引データを、データのまま保存しなければならない区分です。
ほかの2区分とは異なり、この区分は2024年1月より全ての事業者に対して完全義務化されており、紙に出力しての保存は原則として認められません。
保存時には「真実性の確保(改ざん防止)」と「可視性の確保(検索機能の保持)」という2つの柱を、同時に満たす環境を整えることが求められます。この区分への不適切な対応は、税務調査時に大きな不利益を招く可能性があるため、未対応の事業者はシステムによる自動化を早急に検討すべきと言えます。
電子帳簿保存法対応システムに必要な主要機能
電子帳簿保存法の要件を確実に満たすためには、システムが備えるべき機能を正確に理解したうえで選定を進めることが重要です。
以下では、選定時に必ず確認すべき4つの主要機能を解説します。自社の取引量や現場の作業フローを具体的にイメージしながら、整理していきましょう。
タイムスタンプ機能
タイムスタンプ機能は、以下の2点を客観的に担保するための不可欠な機能です。
- 電子データがある時刻に存在していたこと(存在証明)
- それ以降に変更されていないこと(非改ざん証明)
特にスキャナ保存を行う場合、受領後速やか(最長約2ヶ月と7営業日以内)にタイムスタンプを付与することが原則的な要件となっています。
ただし、最新の法改正により、データの訂正や削除の履歴が自動的に残る、あるいは訂正削除自体ができないクラウドシステムを利用している場合は、タイムスタンプの付与が不要となる緩和措置も設けられました。
自社の検討しているシステムがどちらの方式で真実性を担保しているのか、また、タイムスタンプ付与が「自動」で行われるのかを確認してきましょう。
検索機能
検索機能とは、保存されたデータのなかから、国税庁が定める「取引年月日」「取引金額」「取引先」の主要3項目で即座にデータを検索・抽出できる機能を指します。
税務調査の際には、調査官からの求めに応じて特定の取引データを速やかに提示しなければならないため、スムーズな検索性は必須の要件となっています。
単一の項目による検索だけでなく、日付や金額の範囲指定検索、および2つ以上の項目を組み合わせた「複合検索」ができる仕様になっているかを確認しなければなりません。
導入前のデモでは、キーワードのゆらぎにどこまで対応できるかや、検索結果の出力(CSVなど)のしやすさを、実務担当者の目線で厳しくチェックしましょう。
スキャン機能
スキャン機能は、紙の書類を電子化する過程において、単に画像を読み込むだけでなく、法的要件を満たす画質(解像度200dpi以上など)を確保するための重要な役割を担います。
近年のシステムでは、複合機や専用スキャナとの連携はもちろん、スマートフォンのカメラ機能を利用した撮影・アップロード機能が非常に充実しています。
特にスマホアプリの場合、撮影時に手ブレや照明の反射を検知したり、アップロード前に解像度が要件を満たしているかを自動判定したりする機能があると、再撮影の手間を大幅に削減できます。
複数の領収書を一度に撮影して自動で切り分ける機能や、台紙に貼られた領収書を連続スキャンできる機能なども、現場の作業効率を高める重要な比較ポイントです。
OCR機能
OCR(光学文字認識)機能は、スキャンした画像データから日付・金額・取引先名などの文字情報をAIが自動で読み取る機能を指します。この機能が優秀であれば、検索用のメタデータを手入力する手間が省けるため、経理担当者の入力工数を数十分の一にまで削減することも可能です。
最新のAI-OCRを搭載したシステムでは、手書きの領収書や、取引先ごとにフォーマットが異なる複雑な請求書の読み取りにも高い精度で対応しています。ただし、OCRの精度は100%ではないため、最後は人の目による読み取り結果の確認が必要です。
読み取り精度を比較する際は、自社で頻繁に発生する取引先の書類サンプルを使って、実際の認識率や学習機能の有無を確かめることをおすすめします。
電子帳簿保存法対応システムを導入するメリット
電子帳簿保存法対応システムの導入は、法令遵守にとどまらず、経営全体に波及する多くのメリットをもたらします。
ここでは、業務効率化・コスト削減・ガバナンス強化という3つの観点から、主要なメリットを解説します。自社が抱えている現状の課題と照らし合わせながら、システム化がもたらす具体的な利益を確認していきましょう。
経理業務の効率化と人的ミスの削減
最大のメリットは、日々の経理業務が劇的にスピードアップし、担当者の事務負担を大幅に軽減できる点です。システムに搭載されたAI-OCR機能を活用すれば、領収書や請求書をスキャンするだけで、日付・金額・取引先といった情報が自動でデータ化されます。
これにより手入力の手間が省けるだけでなく、入力ミスや転記漏れといったヒューマンエラーを未然に防ぐことが可能です。
また、過去の書類を探す際もファイルボックスをひっくり返す必要はなく、システム上でキーワード検索するだけで、必要な証憑を数秒で見つけ出せます。こうした検索性の向上は、月次決算の早期化や税務調査時の迅速な対応に直結し、会社全体の事務処理スピードを底上げするはずです。
印刷・郵送・保管コストの抜本的な削減
紙ベースの運用で発生していた「目に見えるコスト」を、大幅にカットできます。具体的には、書類を印刷するためのコピー用紙代やインク代、封筒代や切手代(郵送費)などの経費が不要になります。
また、原則7年から10年間の書類保存義務に伴う「保管コスト」についても、デジタル化によって劇的な改善が見込めるでしょう。物理的なバインダー代や、増え続ける書類を収めるための棚、さらには外部倉庫の賃料や廃棄処理費用を削減できる点は見逃せません。
テレワークの推進とガバナンスの強化
システム上で書類の受領から承認・保存までが完結するため、従来のような「ハンコをもらうためだけの出社」は必要なくなります。クラウド型のシステムであれば、自宅や外出先からでも証憑の確認や承認作業が行えるため、多様な働き方の実現に直結するでしょう。
また、システムで「誰が・いつ・どのような操作をしたか」のログがすべて残るため、ガバナンス(内部統制)の観点でもメリットは大きいと言えます。紙の書類で起こりがちな「紛失」や「改ざん」のリスクを物理的に遮断できる点は、企業の法的防衛力を高めるうえでも極めて重要です。
失敗しない電子帳簿保存法対応システムの選び方
数多くの製品のなかから自社に最適なシステムを選ぶためには、いくつかの重要な判断基準を押さえておく必要があります。
以下の7つのポイントを確認することで、導入後の後悔を防ぐ選定が実現できます。自社の組織規模や取引件数、および現場のITリテラシーを考慮しながら、最適なパートナー選びの基準として活用してください。
JIIMA認証はあるか
JIIMA認証とは、市販のソフトウェアが電子帳簿保存法の法的要件を満たしているかを第三者機関がチェックした証のことです。認証を受けた製品には「JIIMA認証ロゴ」が付与されており、公式サイトや製品パンフレットで簡単に見分けられます。
ユーザー自身が複雑な法律の条文とシステム機能を照らし合わせる必要がなくなり、選定の工数を大幅に削減できる点が大きなメリットです。
さらに、認証製品を利用して適切に保存を行っている場合、税務調査においてシステム要件の確認が一部省略されるなど、調査対応の負担を軽減できる効果も期待できるでしょう。
ただし、JIIMA認証には「電子帳簿」「スキャナ保存」「電子取引」といった区分があるため、自社が対応したい範囲をカバーしているかをロゴの種類で確認してください。
※参照:国税庁JIIMA認証情報リスト
自社が抱える課題をカバーできる機能が搭載されているか
一口に対応システムの導入と言っても、抱えている課題や導入目的によって選ぶシステムは異なります。例えば、経費精算のペーパーレス化が主目的であれば、スマートフォン撮影に特化した「経費精算型」が適しており、請求書の受け取りを自動化したいなら「受取代行型」が候補となります。
JIIMA認証の区分を確認する際も、自社が「帳簿」を電子化したいのか、あるいは「紙の領収書」をスキャナ保存したいのか、目的に合致しているかを見極めましょう。
「何のために導入するか」というゴールを曖昧にしたまま機能の多さだけで選んでしまうと、現場で使われない機能に多額のコストを支払うことになりかねません。
既存の会計ソフトやワークフローシステムとAPI連携できるか
現在利用中の会計ソフトとAPI連携できるシステムを選べば、仕訳データと証憑データを自動で紐付けることができます。連携が不十分な場合、CSVファイルの書き出しやインポートといった手作業が毎回発生し、かえって現場の工数が増えてしまうかもしれません。
特に、銀行口座やクレジットカードの利用明細を自動取り込みできる機能があれば、入力ミスの防止と月次決算の早期化を同時に実現できるでしょう。導入を検討しているベンダーに対しては、既存システムとの「標準連携」が可能なのか、あるいは個別開発が必要なのかを事前にヒアリングしてください。
税務調査で求められる検索要件を満たしつつ、直感的に操作できるか
法的要件である「取引年月日」「取引金額」「取引先」での検索がスムーズに行えることはもちろん、現場の社員が迷わず操作できるUI(操作画面)かどうかが重要です。どんなに高機能なシステムでも、アップロードの手順が複雑だったり、検索に時間がかかったりするようでは、全社的な運用は定着しません。
AI-OCR機能が搭載されていれば、領収書をスキャンするだけで主要項目が自動入力されるため、検索用データの作成にかかる心理的負担を軽減できます。操作の直感性はカタログスペックだけでは判断できないため、無料トライアル期間を活用して、複数の部署や年齢層の担当者に実際に試してもらうのがおすすめです。
初期費用・月額費用は予算内か
導入にかかる初期費用と、アカウント数や保存データ容量によって変動する月額ランニングコストを、トータルで見積もることが不可欠です。一見安価に見える基本プランでも、実は「スキャナ保存機能」や「インボイス照合機能」が有料オプション扱いになっており、最終的な支払額が膨らむケースも珍しくありません。
システム選定時は、現在かかっている紙の保管コストや、担当者の作業時間(人件費)をどの程度削減できるかという「投資対効果(ROI)」をセットで算出しましょう。3〜5年単位のトータルコストで各社を比較することで、より正確な投資判断が可能になります。
セキュリティ体制を確認して、長期保管データの安全性とバックアップを確保する
国税関係書類は7年〜10年の長期保存が義務付けられているため、データの保管先であるクラウドサーバーの堅牢性とバックアップ体制は妥協できない項目です。
ベンダーが万が一倒産した場合のデータ担保や、サイバー攻撃による情報漏えい対策がどこまで徹底されているかを、ISMS認証などの第三者評価を指標に確認しましょう。
また、アクセスログの管理機能が充実していれば、社内での不正なデータ書き換えや不適切な持ち出しを未然に防ぐ「内部統制」としての効果も期待できます。
長期にわたり企業の根幹となる重要データを預ける以上、単なる価格の安さよりも、技術的な信頼性と運営企業の経営安定性を重視することをおすすめします。
導入後のサポート体制を比較して、法改正時のアップデート対応を見極める
頻繁に行われる電子帳簿保存法の改正に対して、追加費用なしで迅速にシステムアップデートが行われるかどうかを重視しましょう。法改正への対応が遅れるシステムを選んでしまうと、一時的に手動での対応を強いられたり、最悪の場合は買い替えが必要になったりするリスクがあります。
また、操作が不明な際のサポートの速さやマニュアルの充実度についても、契約前に口コミやデモなどを通じて確認しておきましょう。一部の優良なベンダーでは、システムの設定だけでなく、社内向けの事務処理規程のテンプレート提供や説明会動画の配信など、現場定着を支援するサービスも提供しています。
サポート体制の充実度は、導入時の一時的な安心感だけでなく、数年間にわたって安定した運用を継続できるかどうかを決定づける重要な判断要素です。
おすすめ電子帳簿保存法対応システム15選
国税庁JIIMA認証情報リストのページを見れば、電子帳簿保存法対応システムを一覧で確認できます。
しかし、種類が非常に多いため、このなかから自社に合ったシステムを選定するのは容易ではありません。そこで、ここでは電子帳簿保存法対応のおすすめシステムをピックアップして紹介します。
invox電子帳簿保存
公式サイト:https://invox.jp/storage/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | 20円~ |
| 月額費用 | 1,980円~ |
| 初期費用 | 0円 |
「invox電子帳簿保存」は、低コストで手軽に導入できるクラウド文書管理システムです。電子取引とスキャナ保存の両方に対応し、JIIMAの「電子取引ソフト法的要件認証」と「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証」を取得しているため、安心して電帳法要件を満たすことができます。
最大の特徴は、あらゆる国税関係書類を取り込み、検索に必要な「日付・金額・取引先」やインボイス制度の登録番号を自動でデータ化できる点です。データ化の方法は、予算や求める精度に合わせて「セルフ入力」「AI OCR」「オペレータ入力」の3種類から柔軟に選択できます。
また、メールやクラウドストレージと連携し、指定フォルダに置くだけで取り込めるため、既存の業務フローを極力変えずに導入できるのも魅力です。
初期費用は0円、ユーザー数無制限の月契約で、月額1,980円(税抜)からという業界最安水準で利用できます。将来にわたる「値上げなし」を宣言しており、長期的にコストを抑えて運用したい企業に最適なツールです。
DenHo
公式サイト:https://www.smartocr.jp/denho/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | サービス、クラウド |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 9,000円~ |
| 初期費用 | お問合せ |
「DenHo(デンホー)」は、電子帳簿保存法とインボイス制度に対応したクラウド文書管理システムです。JIIMAの「電帳法スキャナ保存ソフト」および「電帳法電子取引ソフト」の法的要件認証を取得しており、確実な法対応を保証しています。
最大の特徴は、独自開発の高精度AI-OCRエンジンを標準搭載している点です。文書ファイルをアップロードするだけで、電帳法に必要な検索要件項目やインボイス登録番号をAIが全自動でデータ化するので、面倒な手動入力作業が発生しません。
スマホで撮影したゆがみやかすれのある画像にも対応し、高精度な読み取りを実現します。
複雑な設定は一切不要で、シンプルですぐに利用を開始できるのも魅力です。自動タイムスタンプ付与や全文検索といった便利な機能に加え、ISO認証取得などの堅牢なセキュリティ体制も備えており、経理業務のDX化をサポートします。
楽楽電子保存
公式サイト:https://www.rakus.co.jp/rakurakucloud/denshihozon/002/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | お問合せ |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 17,000円~ |
| 初期費用 | 50,000円 |
「楽楽電子保存」は、累計導入95,000社以上の実績を持つ株式会社ラクスが提供する、電子帳簿保存法に完全対応したクラウドシステムです。最大の特長は、電子取引データだけでなく紙で受領した書類のスキャナ保存にも対応し、電子も紙もまとめて一元管理できる点にあります。
電帳法対応において課題となりやすいデータ入力作業も、「AI-OCR機能」が取引年月日や金額など5項目を自動で読み取るため、要件を満たすための面倒なファイル名の手入力や索引簿の作成がいりません。
さらに、検索要件の充足、認定タイムスタンプの付与、訂正履歴削除不可といった法的要件を網羅しており、安心して運用可能です。
直感的に操作できるシンプルな画面設計で、特別な知識がなくても誰でも簡単に使え、社内への浸透もスムーズに行えます。初期設定時の事前準備も不要で最短3営業日から利用を開始できるため、業務負担を抑えつつ迅速に法対応を進められるでしょう。
バクラク電子帳簿保存
公式サイト:https://bakuraku.jp/denshichobo/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | 12,000円~ |
| 初期費用 | お問合せ |
「バクラク電子帳簿保存」は、電子帳簿保存法やインボイス制度に対応したクラウド型のシステムです。JIIMA認証(スキャナ保存ソフト・電子取引ソフト法的要件認証)を取得しており、法令要件を確実に満たして運用することができます。
最大の特長は、高精度AIによる入力業務の圧倒的な効率化です。最大100枚の書類を同時にアップロードするだけで、電帳法の検索要件である「取引先名・取引日・取引金額」をAIが数秒で自動読み取りし、入力を補完します。さらに、インボイスの事業者登録番号の自動照合や、タイムスタンプの付与機能も特徴です。
マニュアル不要で誰でも直感的に操作でき、アップロードから入力、検索までのステップが同じ画面で完結します。月間200件まで利用可能な「無料プラン」も用意されており、まずは手軽に電帳法対応を始めたい企業にも最適です。
信頼性においても、シリーズ累計15,000社以上の導入実績と99%以上のサービス継続率を誇っています。
DataDelivery
公式サイト:https://www.jfe-systems.com/products/datadelivery/datadelivery.html
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | オンプレミス、クラウド |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | オプションあり |
| 月額費用 | - |
| 初期費用 | 1,000,000円~ |
「DataDelivery」は、企業のデータや電子文書の長期保存と証跡管理に特化したペーパーレスソリューションです。
最大の特徴は、電子帳簿保存法の「帳簿」「書類」「スキャナ保存」「電子取引」の4領域すべてにおいてJIIMA認証を取得している点にあります。これにより、現場に法対応の知識がなくても安心して適正な保存が可能です。
特許取得の独自データベースにより、登録データは変更不可(非改ざん)の状態で安全に長期保管されます。
さらに、強力な汎用ビューアを搭載しており、1億件規模の大量データでも数秒での高速検索や、異なるデータを横断する「串刺し検索」が可能です。そのため、税務調査や内部監査でのスムーズなデータ抽出を実現します。
電子帳票シリーズとして4,000社以上の導入実績があり、15年以上の事業継続という確かな実績を持つ信頼性の高いシステムです。アーカイブからシステム連携までをワンシステムで実現し、コスト(TCO)削減にも貢献するでしょう。
TOKIUMインボイス
公式サイト:https://www.keihi.com/invoice/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | 10,000円~ |
| 初期費用 | お問合せ |
「TOKIUMインボイス」は、電子帳簿保存法に対応したペーパーレス化を推進できる、請求書受領サービスです。
最大の特徴は、AIを活用した入力・照合業務の自動化です。仕訳も照合も、AIが代わりに行う請求書受領AIエージェントを搭載しており、「TOKIUM AI請求照合」や「TOKIUM AI明細入力」といった機能によって、手作業による入力負担や支払い漏れを大幅に削減します。
また、請求書の受領・保管にとどまらず、「スマホで経費精算が完結」する機能や、契約書管理、「あらゆる送付作業を一本化」する帳票発行機能など、幅広いバックオフィス業務を網羅しているのも強みです。
「TOKIUM AI経費承認」や「TOKIUM AI新リース判定」などの多彩なAI機能も備わっており、適法な書類管理と同時に経理部門の業務効率化も進められるでしょう。
BtoBプラットフォーム 請求書
公式サイト:https://www.infomart.co.jp/seikyu/index.asp
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | お問合せ |
| 初期費用 | お問合せ |
「BtoBプラットフォーム 請求書」は、利用企業数126万社以上を誇る国内シェアNo.1のクラウド請求書システムです。強みとして、請求書の「発行」と「受取」の双方に1つのシステムで対応し、電子帳簿保存法への対応を完結できます。
デジタルデータでの送受信はもちろん、紙やPDFなどあらゆる形式の請求書を一元管理できます。紙やPDFで届いた請求書もAI-OCR機能を使って電子化することが可能です。さらに、有料プランでは自社と取引先の双方でデータを12年間保存できるため、電帳法・インボイス制度の要件を確実に満たせます。
また、請求書だけでなく、ほかの国税関連書類の電子保存にも対応しており、関連書類を添付して管理できるのも魅力でしょう。多くの会計・販売管理システムとの自動連携にも対応しているため、既存の自社システムに組み込みたい企業にも最適です。
freee支出管理
公式サイト:https://www.freee.co.jp/spend-management/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | お問合せ |
| 従量課金 | 650円/人~ |
| 月額費用 | 19,800円~ |
| 初期費用 | お問合せ |
「freee支出管理」は、経費精算や請求書処理、小口現金など、会社のあらゆる支払業務を一元管理できるシステムです。電子帳簿保存法およびインボイス制度にしっかり対応しており、法令対応と業務効率化をシームレスに実現します。
このツールの特徴は、領収書の写真をLINEで送るだけで電帳法対応で自動保存される機能や、スマホをかざして最短1.5秒で申請が完了する「魔法スキャン」を備えている点です。また、受け取った請求書もAI-OCRが取引明細まで自動で読み取るため、面倒な手入力の手間を最小限に抑えることができます。
さらに、Slackからの通知受け取りやそのままの承認・コメントにも対応しており、スマートフォンやPCからいつでも手軽に手続きが完結します。現在利用している会計ソフトを変更せずに導入できるため、紙の原本保存や手作業をなくし、経理処理を圧倒的にラクにしたい企業におすすめです。
Bill One請求書受領
公式サイト:https://bill-one.com/ap/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | お問合せ |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | お問合せ |
| 初期費用 | お問合せ |
「Bill One請求書受領」は、紙の郵送やメール、PDFなど、あらゆる形式で届く請求書をオンラインで受領し、クラウド上で一元管理できるサービスです。
電子帳簿保存法への対応において、JIIMAの電帳法対応ソフト認証を取得している点は魅力的でしょう。これにより、企業側で電帳法の複雑な要件を個別にチェックする必要がなくなり、法要件を満たした電子保存とスムーズな検索が容易に実現できます。
また、今後の法改正にもシステム側で自動対応するため、コンプライアンス維持の業務負荷を大幅に軽減可能です。
さらに、受領した請求書は99.9%の高精度でデータ化されます。現場担当者の支払い申請から上長の承認、経理部門での仕訳作成まで全てのフローをシステム上で完結できるため、経理部門だけでなく、全社的なペーパーレス化と生産性向上を図りたい場合におすすめです。
マネーフォワード クラウドインボイス
公式サイト:https://biz.moneyforward.com/cloud-invoice/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | お問合せ |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | お問合せ |
| 初期費用 | お問合せ |
「マネーフォワード クラウドインボイス」は、請求書や納品書などあらゆる帳票の発行・送付作業を自動化できるシステムです。これにより、郵送費と作業時間の大幅な削減が期待できます。
最大の特長は、電子帳簿保存法にしっかりと対応している点です。「電子書類ソフト法的要件認証」を取得しているため、コンプライアンス面でも安心して導入することができます。
また、柔軟なデータ連携機能を備えており、現在利用している基幹システムを改修することなく運用を開始できる点も大きな魅力です。AIが既存の請求書フォーマットを読み取って自動生成するため、取引先が慣れ親しんだデザインをそのまま再現できます。
さらに、取引先からの電子化に関する問い合わせ対応を専任担当者が代行する「移行支援サービス」も用意されています。
自社の法対応と業務効率化を両立しつつ、取引先への負担も最小限に抑えながら、ペーパーレス化を進めたい企業におすすめのツールです。
楽楽精算
公式サイト:https://www.rakurakuseisan.jp/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | 30,000円~ |
| 初期費用 | 100,000円 |
「楽楽精算」は実績豊富なクラウド型経費精算システムです。累計導入社数および電子帳簿保存法対応社数でNo.1を誇っています。
法対応の面では、JIIMAの認証を正式に取得しており、タイムスタンプ付与、検索機能、一括検証機能を標準搭載しています。そのため、安心して電子帳簿保存法に対応した運用が可能です。紙の領収書のファイリングや原本保管が不要となり、経理部門のペーパーレス化を一気に進められるでしょう。
法対応に加えて、業務効率化の機能が充実しているのも大きな特徴です。AI-OCR搭載のスマホアプリで領収書を撮影するだけでの自動データ化や、交通系ICカード読み取り、クレジットカード連携機能により手入力を削減します。
さらに、自動仕訳や各種会計ソフトとの連携機能も備えており、申請者から経理担当者まで、社内全体の精算業務の効率化を実現できるでしょう。
バクラク経費精算
公式サイト:https://bakuraku.jp/expense/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | 30,000円~ |
| 初期費用 | お問合せ |
バクラク経費精算は、電子帳簿保存法に完全対応し、経理業務のペーパーレス化を強力に推し進めるクラウド型の経費精算システムです。JIIMAによる「電子取引ソフト法的要件認証」と「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証」を取得しており、安心して導入できます。
最大の特徴は、電子帳簿保存法に対応した認定タイムスタンプの付与機能です。これにより領収書原本の回収・保管やファイリングが不要となり、書類提出や保管のための出社をなくすことができます。
さらに、申請や承認の際にスキャナ保存要件に適合しているかをシステムが自動で判定するため、手戻りの手間を未然に防ぎます。
また、高精度なAI機能により、スマホで撮影した最大100枚の領収書を数秒で一括データ化できるのも魅力です。内訳の自動入力や領収書の重複(使いまわし)検知、インボイス登録番号の自動判定機能も備えており、入力作業と目視確認の工数を削減できます。
経費BANK
公式サイト:https://kb2.sbi-bs.co.jp/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 中小企業向け |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | 3,000円~ |
| 初期費用 | 0円 |
「経費BANK」は、SBIグループが提供する業界最安水準のクラウド型経費精算システムです。追加料金不要で電子帳簿保存法に標準対応しています。「JIIMA認証(電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証)」を取得しており、安心して法令対応を進められるでしょう。
スマホやスキャナで撮影した領収書や請求書はAI-OCRで手間なくデータ化でき、読み取り後の紙の原本は破棄することが可能です。また、領収書や請求書だけでなく、見積書といった一般書類の電子保存にも対応しています。
各種申請から承認、そして要件を満たした証憑の保存までワンストップで完結できるため、紙の保管の煩わしさがありません。
料金面でも、10ID単位から月額3,000円という圧倒的なコストパフォーマンスで利用できます。
OPTiM 電子帳簿保存
公式サイト:https://www.optim.co.jp/denshichobo/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 9,980円~ |
| 初期費用 | 0円 |
「OPTiM 電子帳簿保存」は、電子帳簿保存法とインボイス制度に対応したクラウド型の管理システムです。JIIMA認証を取得しており、電子取引データおよびスキャナ保存要件をしっかりと満たしています。
このツールの特徴は、業務負担を大幅に軽減する高精度なAI機能です。請求書や領収書などの取引書類をアップロードするだけで、AIが取引年月日、取引金額、取引先企業名、インボイス登録番号を自動で抽出・入力します。インボイス番号の有効性も自動チェックされるため、面倒な台帳記入の手間が省けます。
また、複数条件検索や全文検索に対応しているほか、法対応に必要な「事務処理規程のテンプレート」が提供される点も魅力です。初期費用が無料で、自社の書類アップロード件数に合わせた無駄のないプランを選択できるため、コストを抑えつつ、手軽に導入しやすいツールです。
Fleekdrive
公式サイト:https://www.fleekdrive.com/
| 項目 | 内容 |
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | 6,000円~ |
| 初期費用 | お問合せ |
「Fleekdrive(フリークドライブ)」は、導入実績1,000社、30万ユーザー以上を誇る、強固なセキュリティを備えた企業向けオンラインストレージサービスです。専用の「電子帳簿保存法オプション」が用意されており、企業が抱える書類のペーパーレス化や、電帳法に対応したDX化をスムーズに実現します。
単なるファイルの保存にとどまらず、契約書などの更新時期を事前にメールで通知する機能や、ファイルのアップロードを契機とした上長からの承認など、定型業務を自動化できる点が特徴です。
AWSを基盤とした高度なセキュリティ対策に加え、クラウドセキュリティの国際認証も取得しています。そのため、情報漏洩のリスクを抑えながらテレワークや外出先からでも安全にアクセス可能です。
また、誰もが使いやすい操作性と、企業規模や業種に合わせた柔軟なカスタマイズ性により、安全かつ効率的な文書管理をサポートしてくれます。
電子帳簿保存法対応システムのタイプ一覧
電子帳簿保存法対応システムには、業務用途や機能の特性によってさまざまなタイプが存在します。単に「安さ」や「知名度」だけで選ぶのではなく、自社が解決したい課題にフィットするタイプを正しく選ぶことが、導入効果を最大化する鍵です。
以下では、市場で主流となっている代表的な4つのタイプを、それぞれの特徴と併せて詳しく解説します。
クラウド会計タイプ
クラウド会計タイプは、会計ソフトそのものに証憑保存機能が組み込まれているため、仕訳入力と同時にデータの紐付けと保存が完了します。別途専用システムを契約する必要がなく、データ連携の手間もないため、小規模事業者やスタートアップにおすすめのタイプです。
元帳からワンクリックで該当する請求書や領収書の画像を確認できるため、税務調査時の資料提示も非常にスムーズに行えます。最新の製品では、銀行口座やクレジットカードの明細から仕訳を自動生成し、さらに受領したPDFをAIが解析して自動で紐付けるといった、高度な自動化が進んでいる点も大きな魅力です。
文書管理特化タイプ
文書管理特化タイプは、請求書や領収書だけでなく、契約書・見積書・図面・報告書など社内のあらゆるドキュメントをフォルダ管理できます。高度な検索機能や属性(タグ)付与機能を持ち、部門をまたいだ文書共有やワークフローの基盤として幅広く活用可能です。
既存の販売管理システムやERPから出力される帳票データを自動保存するなど、他システムとの連携性に優れている点も特徴です。単なる法対応の枠を超えて、社内のナレッジ共有やペーパーレスの実現を組織横断的に推進したい中堅・大企業に特に適したタイプと言えます。
経費精算タイプ
経費精算タイプは、従業員がスマホで領収書を撮影し、そのままアップロードするだけで、スキャナ保存の法的要件を満たせるよう設計されています。これにより、従来のような紙の領収書の回収、および原本の原本確認・ファイリングといったアナログな保管業務を、現場と経理の両面から完全に撤廃することが可能です。
さらに、交通系ICカードやクレジットカードの明細を自動連携させることで、精算申請の入力ミスや不正請求を防止できます。承認フローがシステム上で完結するため、上長の承認作業も場所を選ばずに行え、経理部門のチェック負担も軽減されるでしょう。
外出の多い従業員が多い企業や、経費精算業務の効率化を最優先したい組織に向いています。
電子保存タイプ
電子保存タイプは、契約締結業務をすべてデジタル化することで、契約書データがそのまま電子帳簿保存法に対応した形式で保存できます。紙の契約書で必要だった収入印紙代や郵送代が不要になり、契約締結までのリードタイムも大幅に短縮できるのが強みです。
近年では、他社から送られてきた契約書のPDFも取り込んで一元管理できる機能が充実しており、自社の契約フロー全体をデジタル化する基盤となります。契約業務の頻度が高い企業や、法務部門のDX化と電子帳簿保存法への対応を同時に、かつ確実に実現したいと考えている企業に特に適したタイプと言えるでしょう。
自社にマッチする電子帳簿保存法対応システム導入パターン
電子帳簿保存法対応システムの最適な導入方法は、企業の規模・予算・業務の複雑さによって異なります。
以下では、企業規模別に3つの代表的な導入パターンを挙げ、それぞれの戦略的なポイントを詳しく解説します。
個人事業主・小規模法人は、コストを抑えて「電子取引」の保存義務に対応する
予算や人的リソースが限られている個人事業主や小規模法人の場合、まずは無料プランや低価格なクラウド会計ソフトの付属機能をフル活用するのが現実的です。
この規模では、複雑なワークフローや多階層の承認機能は必要なく、最低限の「検索要件」と「改ざん防止措置」が担保できれば、十分に適法な運用が可能となります。
特に、顧問税理士とリアルタイムでデータを共有できるシステムを選んでおけば、確定申告時の資料の受け渡しや郵送の手間、および紛失リスクを劇的に減らすことができるでしょう。
スキャナ保存による原本廃棄まで一気に進めるのが難しい場合は、まずはメール添付の請求書保存から始めるといったスモールスタートがおすすめです。
「まず義務を果たすこと」を最優先に、シンプルで使いやすいシステムから始めるアプローチを検討しましょう。
中堅・中小企業は、経理のペーパーレス化と業務フローの効率化を推進する
経理担当者の属人的な負担を軽減したい中堅・中小企業は、経費精算や請求書受領に特化したシステムを導入し、手入力作業の抜本的な削減を目指しましょう。スキャナ保存の要件を満たすシステムを選定し、社内に溢れる紙の領収書や請求書を廃棄できる環境を整えることが第一歩です。
さらに、社内の申請・承認ルールを見直し、ハンコレスなデジタル承認フローを構築することで会社全体の生産性を向上させられます。法改正をきっかけに、業務改革を同時に推進することが、中堅・中小企業にとっての最大の投資効果を生み出します。
大企業・上場企業は、ガバナンス強化と基幹システム(ERP)との連携を重視する
大企業や上場企業には、膨大な取引データ量を安定して処理できるシステムの堅牢性と、詳細なアクセス権限設定、厳格な操作ログ管理機能を備えたハイエンドな製品が必須となります。
既存の基幹システム(ERP)とシームレスに連携できるAPIや専用アダプタを持つ文書管理システムを選定し、データの二重入力を防ぐ自動化ラインを構築しましょう。
グループ会社全体での統制を効かせるため、拡張性が高く、内部統制報告制度(J-SOX)にも対応できる製品を選ぶことが求められます。スケールと法的信頼性を最優先に、長期的なガバナンス強化の基盤となるシステム選定を行うことが、社会的な信用を維持する大企業にとって不可欠な戦略です。
電子帳簿保存法対応システムを導入する際のポイント
システムを選定・導入する際には、技術的な機能確認だけでなく、社内体制の整備や法的要件への対応も重要な準備作業となります。導入後に「現場が混乱して運用が止まってしまう」といった事態を防ぐためには、事前のシミュレーションとルールの明文化が欠かせません。
導入後のスムーズな運用を実現するために、以下の4つのポイントをあらかじめ確認しておきましょう。
導入範囲を明確にする
システムの導入には相応の初期コストや月額費用がかかるだけでなく、既存のフローを刷新するための教育コストも発生します。そのため、まずは「どの書類を、どの部署から電子化するか」という導入範囲を事前に明確に定義しましょう。
例えば、義務化された「電子取引データ」の保存を最優先とし、次に「紙の領収書(スキャナ保存)」、最後に「自社発行の請求書控え」というように、段階的なスケジュールを組むのが現実的です。
導入範囲が不明確なまま多機能なシステムを導入してしまうと、設定の複雑さに現場が疲弊し、結果としてデジタル化が形骸化する恐れがあります。経理部門だけで進めるのではなく、営業や購買といった現場部署に対しても、電子化の目的やメリットを共有し、協力が得やすい体制を整えましょう。
事務処理規程を作成する
システムで技術的に訂正削除を防止できない場合は、社内規程として「事務処理規程」を策定して運用する必要があります。この規程は、データの取り扱い責任者や訂正削除時の申請フローを定めるもので、国税庁やシステムベンダーが公開しているひな形を活用すれば、自社の実情に合わせて効率的に作成できます。
規程を作って終わりではなく、実際に運用されている実態がなければ税務調査で否認される可能性があるため、日頃から運用の実態を記録しておくことが大切です。
「真実性の確保」のための機能を検証する
保存するデータが改ざんされていないことを証明するため、タイムスタンプの自動付与機能や履歴管理機能を確認しましょう。特にスキャナ保存を行う場合は、受領から「最長2ヶ月と7営業日以内」という入力期間制限を物理的に守れる運用体制になっているか、検証してください。
訂正や削除を行った場合に、自動的に「いつ・誰が・何を」変更したかのログが残るシステムであれば証拠能力が高く、税務調査時の信頼性が大幅に向上します。高度な履歴管理機能を備えたシステムを選定することで、悪意のある不正だけでなく、うっかりミスによるデータの不整合も未然に防げるようになります。
「可視性の確保」のために、ディスプレイやプリンタの備え付け状況を確認する
電子帳簿保存法では、税務調査官の求めに応じて、保存されたデータを速やかに画面で表示できることが「可視性の確保」として義務付けられています。具体的には、14インチ以上のカラーディスプレイなど、文字が明瞭に確認できるスペックの機器を経理担当者の手元に用意しておく必要があります。
また、マニュアル(操作説明書)を備え付けるか、システム内のヘルプ機能ですぐに操作方法を確認できる状態にしておきましょう。調査時に担当者が不在であっても、ほかのスタッフが速やかにデータを検索・提示できるような共通の操作マニュアルを作成しておくと、より安心です。
電子帳簿保存法対応システム一覧を活用して、経理DXを成功させよう!
電子帳簿保存法への対応は、単なる法令遵守の枠を超え、企業のペーパーレス化と経理DXを加速させる絶好の機会です。本記事で解説した3つの保存区分や、選定時に重視すべき4つの主要機能を踏まえ、自社に最適なシステムを見極めてください。
特に2024年1月からの電子取引データ保存の完全義務化により、全事業者にとって迅速なシステム対応が不可欠な状況となっています。まずは自社の書類発生数や既存システムとの親和性を整理し、気になる製品の資料請求や無料トライアルから始めることをおすすめします。