【2026年最新】電子帳簿保存法システム比較20選|選び方・機能・費用・法的要件を解説
2024年1月から電子取引データの保存が完全義務化され、全ての事業者が法対応を迫られています。しかし、いざシステムを選ぼうとしても、多種多様な製品のなかから自社に最適なものを見つけ出すのは、簡単ではありません。
電子帳簿保存法に対応するシステムは数多く存在しますが、自社の業務規模や保存区分、既存システムとの連携状況によって、必要な選択肢は異なります。誤った選定をすると、法令違反のリスクや無駄なコストの発生、現場への定着失敗といった問題を招きかねません。
本記事では、おすすめのシステムから、選定で失敗しないための比較ポイントまでを解説します。2026年最新の法令要件を踏まえた情報をお届けしますので、これからシステムの導入・見直しを検討されている方はぜひ参考にしてください。
【この記事のポイント】
- 2024年1月から電子取引データの保存が完全義務化されたため、全ての事業者はタイムスタンプなどの改ざん防止措置と、取引日や金額などによる検索機能を備えた環境を整える必要がある。
- システムには経費精算型や請求書受領型などの種類があるため、自社が優先する保存区分や既存の会計ソフトとの連携可否、さらにJIIMA認証の有無を基準に最適な製品を選ぶべきである。
- 導入時の費用比較では、月額料金だけでなくデータ容量などの総額を試算し、現場の担当者が迷わず操作できるか、無料トライアルを活用して確かめることが、導入後の定着と成功には不可欠である。
電子帳簿保存法システム比較の前に知るべき基礎知識
システムを比較検討する前に、電子帳簿保存法の概要と最新の法改正ポイントを正しく理解しておきましょう。基礎知識なく製品選定を進めると、自社に必要な要件を見落とすリスクがあります。
以下では、法律の概要から義務化ルールまでを3つのポイントに分けて解説します。
- 電子帳簿保存法の概要
- 法改正による要件緩和と義務化のポイント
- 電子取引データ保存の義務化ルールを正しく理解する
電子帳簿保存法の概要
電子帳簿保存法は、税務関係の帳簿や書類(領収書・請求書など)をデータで保存することを認めた法律です。
2024年1月からは、メールやクラウドサービスで受け取った「電子取引データ」を紙に出力して保存することが原則禁止されました。これにより、法律に準拠した形式でのデジタル保存が、規模を問わず全ての事業者に対して完全義務化されています。
手動での管理は、改ざん防止要件や検索機能の確保といった複雑なルールへの対応が難しく、ヒューマンエラーが発生しやすいため、専用システムの導入が不可欠です。
法改正による要件緩和と義務化のポイント
令和3年度および令和5年度の改正により、以前は必須だった税務署への事前承認制度が廃止され、タイムスタンプ要件も大幅に緩和されました。これにより導入ハードルは下がりましたが、電子取引データの電子保存は全ての事業者に対して義務化されており、紙に出力しての保存は原則として認められていません。
ただし、全ての企業に一律に厳しい要件が求められるわけではなく、企業の規模に応じた猶予措置や緩和ルールも存在します。例えば、前々事業年度の売上高が5,000万円以下の事業者などは、条件付きで検索機能が不要となる場合があります。
電子取引データ保存の義務化ルールを正しく理解する
メールやクラウドサービス経由で受領した請求書・領収書などのデータは、データのまま保存しなければなりません。保存時には「真実性の確保(改ざん防止措置)」と「可視性の確保(検索機能・見読装置)」の2大要件を満たす必要があります。
真実性を確保する手段としては、タイムスタンプの付与や、訂正削除の履歴が残るシステムの利用、または事務処理規程の備え付けのいずれかを選択しなければなりません。一方、可視性の確保には、取引年月日・取引金額・取引先の3項目で検索できる状態にしておくことが求められます。
【種類別】電子帳簿保存法システムの特徴の比較
電子帳簿保存法に対応するシステムには、用途や機能のアプローチによって複数の種類があります。ここでは、代表的な5つの種類に分けて、それぞれの強みや導入に適した企業の特性を詳しく解説していきましょう。
- 電子保存型
- 請求書関連型
- 経費精算型
- 契約書管理システム型
- 会計システム一体型
自社のペーパーレス化の優先順位と照らし合わせながら、各タイプの内容を確認してください。
電子保存型
電子保存型は、契約書や請求書、納品書といったあらゆる国税関係書類を、クラウド上で一元的に保管・管理することに特化したシステムです。電子帳簿保存法が求める「日付・金額・取引先」による高度な検索機能に加え、フォルダごとの閲覧権限設定など、ガバナンスを重視した機能を備えています。
自社で発行した控えだけでなく、取引先から受け取った多様なPDFファイルを取り込んで統合管理できるため、全社的なペーパーレス基盤として機能します。例えば、支店ごとにバラバラに管理されていた書類を本社の管理部門が一括して閲覧できる体制を整えることで、内部監査の効率も格段に向上するでしょう。
書類の種類が膨大であり、部門をまたいで横断的に情報の検索・共有を行いたい中堅・大企業に特に適したタイプと言えます。
請求書関連型
請求書関連型は、受領した請求書をAI-OCR(光学文字認識)で読み取り、日付・金額・取引先などをデータ化して自動でデータ化する機能を持ちます。インボイス制度に対応した適格請求書発行事業者登録番号の照合チェック機能を備えている製品が多く、制度対応と業務効率化を同時に実現できるのが魅力です。
紙・メール・PDFなどバラバラに届く請求書を一箇所に集約し、支払い消込業務まで効率化できる点が大きな強みです。例えば、毎月数百枚以上の請求書を処理する企業では、手入力の手間がなくなるだけで、月間の経理工数を数日分カットすることも夢ではありません。
受領から振込予約、さらには会計ソフトへの仕訳連携まで、一連のフローを統合したい企業に向いています。
経費精算型
経費精算型は、従業員がスマートフォンで領収書を撮影し、外出先からその場で経費申請を行えるシステムです。スキャナ保存の法的要件であるタイムスタンプの自動付与や、画像解像度のチェック機能が標準搭載されており、法令を意識せずに正しい運用が継続できます。
会計システムと連携して仕訳データを自動生成できるため、経理担当者の入力負担を軽減するだけでなく、入力ミスによる差し戻しなどの手間も大幅に削減可能です。例えば、営業担当者が移動中に精算を済ませることで、月末に社内で事務作業に追われるといった非効率な時間を排除できるはずです。
外出や出張の多い営業部門を抱える企業や、従業員数の増加に伴い経費精算業務が複雑化している組織に適したタイプと言えるでしょう。
契約書管理システム型
契約書管理システム型は、電子署名を用いた電子契約の締結から、締結後の契約書データの保管・管理までをワンストップで行えるシステムです。契約更新時期のアラート通知や、関連する覚書・注文書の紐付け管理など、法務部門にとっても有用な機能が豊富に搭載されています。
電子帳簿保存法の電子取引要件を満たした状態で契約書を長期保管できるため、原本の紛失リスクや保管コストを完全に排除できる点がメリットです。電子印鑑を活用することで印紙税の節約にも直結するため、取引先数が多い企業ほど、高いコスト削減効果が期待できるでしょう。
法務・総務・経理の連携が必要な企業や、契約管理を体系化したい企業に特に適しています。
会計システム一体型
会計システム一体型は、日常の会計処理を行うシステム自体に証憑データの保存機能が組み込まれており、帳簿と証憑の紐付けが一体化されているタイプです。別途専用の保存システムを契約する必要がないため、初期コストを抑えつつ、小規模事業者でも手軽に法対応を完了できる点が大きな魅力となります。
仕訳入力画面から直接証憑データを参照できるため、内容確認や監査対応のスピードが格段に向上します。既存の会計ソフトをアップグレードするだけで利用開始できるケースが多く、新しいツールの操作を覚える負担も少なく済みます。
シンプルな構成でコストを最小化したい、中小企業や個人事業主に向いたタイプと言えるでしょう。
電子帳簿保存法のシステムに関する保存区分の比較
電子帳簿保存法では、保存する書類の種類や作成経緯によって、対応すべき区分が異なります。
保存区分は、「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引データ保存」の3つです。ここでは、各区分の定義と、システム選定時に注目すべきポイントを詳しく解説していきます。
電子帳簿等保存
電子帳簿等保存とは、会計ソフトや経費精算システムなどを利用してコンピューター上で一貫して作成した、総勘定元帳や仕訳帳・決算関係書類などをデータのまま保存する区分です。
最初からデジタルデータとして作成しているため、紙に出力してスキャンし直す手間は不要ですが、訂正削除の履歴確保やシステム関係書類の備え付けといった真実性を担保する機能要件が求められます。
特に「優良電子帳簿」の要件を満たすシステムを導入し、一定の届出を行うことで、万が一の税務指摘時に過少申告加算税が5%軽減される優遇措置を受けられます。また、青色申告特別控除の最大額(65万円)を適用するための要件クリアにも繋がるため、税務上の恩恵が大きい区分と言えるでしょう。
積極的に活用することで、節税効果と経理品質の向上を同時に実現できる区分です。
スキャナ保存
スキャナ保存とは、取引先から紙で受領した請求書や領収書、あるいは自社で発行した紙書類の控えを、スキャナやスマートフォンで読み取り、電子データとして保存する区分です。
解像度200dpi以上かつカラー画像(一般書類はグレースケール可)での読み取りに加え、受領から最長約2ヶ月と7営業日以内という入力期間内に、タイムスタンプを付与するか、訂正削除履歴が残るシステムへ保存する必要があります。
スキャン後の紙原本は、画像データの視認性や内容に問題がないことを確認した後であれば、即座に廃棄することが可能となり、物理的な保管スペースと管理コストを削減できます。
例えば、多店舗展開している飲食店や小売業のように、現場で発生するレシートや納品書の量が多い企業にとって、スキャナ保存は最もコスト削減効果を実感しやすい手段です。
電子取引データ保存
電子取引データ保存とは、電子メール・Webサイトからのダウンロード・クラウドサービス・EDI取引などを通じて、デジタルデータとして授受した請求書や領収書などを、データのまま保存する区分です。
ほかの2区分が任意(希望者のみ実施)であるのに対し、この区分は2024年1月より全事業者に対して「義務化」されている点に注意を払わなければなりません。電子データで受け取った証憑を紙に出力して保存することは原則として認められておらず、データのまま法律の要件に従って保管する必要があります。
具体的には、データの改ざん防止措置(タイムスタンプなど)と、可視性の確保(取引年月日・金額・取引先での検索機能)を同時に満たす保存環境を整えなければなりません。この区分への対応は事業規模を問わず避けられない課題であるため、システム導入による自動化を最優先で検討すべき領域と言えます。
電子帳簿保存法のシステム導入時に比較すべき機能
電子帳簿保存法システムには多くの機能が存在しますが、法令遵守と業務効率化の両面から特に重視すべき機能があります。以下では、システム選定時に必ず確認すべき6つの主要機能を解説します。
- 検索機能
- タイムスタンプ機能
- 訂正削除履歴の管理機能
- セキュリティ体制と詳細なアクセス権限
- AI-OCR機能
- API連携機能
検索機能
国税庁が定める「取引年月日」「取引金額」「取引先」の主要3項目で、即座にデータを検索・抽出できる機能は、法令順守の観点から最も基本的かつ重要な比較項目です。日付や金額の範囲指定検索、および複数の項目を組み合わせた複合検索が、複雑な操作なしで直感的に行えるかを確認しなければなりません。
税務調査時には、調査官から提示を求められた特定の取引データを速やかに提示することが義務付けられているため、検索スピードの速さも実務上のポイントとなります。
例えば、検索結果をリスト形式で画面表示するだけでなく、CSV形式などで一括ダウンロードできる機能があれば、監査対応の効率が格段に向上するはずです。
検索精度と操作の直感性を、導入前のデモやトライアルで必ず確かめておきましょう。
タイムスタンプ機能
電子データの存在時刻証明と非改ざん証明を行うタイムスタンプは、真実性確保の要件を満たすための確実な手段であり、特にスキャナ保存においては必須要件となるケースが多い機能です。
ファイルのアップロードや保存と同時にタイムスタンプが自動付与される機能があれば、付与漏れのリスクや担当者の手動操作の手間を完全に排除し、業務効率化と法令順守を両立できます。
ベンダーによっては、スタンプの付与数に応じた従量課金制を採用していたり、月間の付与上限数が設定されていたりする場合があるため注意しましょう。自社の月間および年間の想定保存枚数と照らし合わせ、ランニングコストが予算内に収まるかを事前に試算しておきましょう。
訂正削除履歴の管理機能
システム上でデータの訂正や削除を行った場合にその履歴が自動的に記録される機能は、タイムスタンプ付与に代わる真実性の確保手段として認められています。
単に訂正や削除を禁止するだけでなく、「いつ・誰が・どのような理由で」変更したかのログが残り、事後に変更前の内容も含めて閲覧できる仕様が、税務上の信頼性担保に不可欠です。
例えば、JIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)の「電子取引ソフト法的要件認証」を取得しているシステムなら、この履歴要件を確実に満たしていると判断できます。こうした認証済みのシステムを選ぶことで、個別の細かな機能検証に時間を取られることなく、安心して導入を進められるはずです。
セキュリティ体制と詳細なアクセス権限
部署や役職に応じて「閲覧のみ」「アップロードのみ可能」「承認権限あり」といった詳細なアクセス権限を設定できる機能は、内部統制と情報漏洩防止の観点から必須の要件です。いつ・誰が・どのデータにアクセスしたかという操作ログを長期保管できる機能は、不正経理の抑止力になるだけでなく、税務調査時の信頼性確保にも寄与します。
クラウド型システムの場合は、通信や保存データの暗号化・定期的なバックアップ体制・データセンターの国内設置など、ベンダー側のセキュリティ対策が十分かを確認しましょう。
万が一のシステム障害時に、データが消失したり長期間アクセス不能になったりするリスクを最小限に抑えるため、SLA(サービス品質保証)の確認も欠かせません。
AI-OCR機能
領収書や請求書をスキャンした際に、日付・金額・取引先名をAIが自動で読み取りデータ化する機能は、経理担当者の入力工数を劇的に削減します。各製品を比較する際は、手書き文字や複雑なレイアウトの帳票に対する読み取り精度に加え、過去の修正データを学習して認識率が向上する仕組みがあるかに注目してください。
読み取ったデータと元の画像を同一画面で見比べながら、誤認識箇所を簡単に修正できるユーザーインターフェースになっているかが、業務スピードを左右します。
OCRの精度はカタログスペックだけでは判断しにくいため、自社が実際に取り扱う形式のサンプルデータを使用して、実機で精度をテストすることがおすすめです。
API連携機能
既存の会計ソフトや経費精算システムとAPI連携し、保存した証憑データに基づいて自動的に仕訳を作成・転送できる機能があれば、二重入力の手間とミスを排除できます。
クレジットカードの利用明細や銀行口座の入出金データを自動で取り込み、領収書データと自動で突き合わせる(消込)機能があれば、経理業務の自動化レベルはさらに高まります。
システム間でデータを移行する際のCSVインポート・エクスポート機能が充実しており、自社の勘定科目コードなどに柔軟に対応できるマッピング機能があるかも確認しましょう。
電子帳簿保存法システムの比較で失敗しない選び方
機能や価格の安さだけを見て選定を進めると、導入後に自社の運用フローと噛み合わず、かえって現場の工数が増えてしまうリスクがあります。特に電子帳簿保存法は、法的な要件をクリアすることは「最低条件」であり、その先の「業務効率化」をどこまで実現できるかが真の導入価値を左右します。
以下の6つの観点から、多角的に比較検討を行いましょう。
- 自社が必要とする保存区分に対応しているかを確認する
- 必要な機能がそろっているかを確認する
- JIIMA認証を取得している製品かをチェックする
- 既存の会計ソフトや基幹システムとAPI連携できるかを確認する
- 初期費用・月額費用・オプション料金の総額で費用対効果を比較する
- 現場担当者が迷わず使える操作性かを確認する
自社が必要とする保存区分に対応しているかを確認する
全ての機能が搭載された高額なオールインワンシステムが必ずしも必要とは限らず、自社の課題にピンポイントで合致したものを選ぶ姿勢が重要です。例えば、主にメールでの請求書受領のみが課題であれば「電子取引データ保存」に特化した安価なシステムで十分であり、過剰スペックによる無駄なコストは避けるべきといえます。
一方で、社内に溢れる領収書の紙原本を完全に破棄したいのであれば、より厳格な要件をクリアできる「スキャナ保存」対応のシステムが必須となります。「今すぐに解決すべき課題」と「数年以内に広げたい対応範囲」を時間軸で整理してから選定に入ることが、失敗を防ぐための基本です。
自社の保存すべき書類の種類をリストアップし、どの区分に該当するかを改めて定義することから始めてください。
必要な機能がそろっているかを確認する
検索機能やタイムスタンプ付与機能など、電子帳簿保存法の法的要件を、自社の運用負荷なく満たせるかを確認しましょう。
国税庁が定める「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3項目で正確かつ迅速に検索できることは絶対条件ですが、その検索データの作り方が重要です。入力作業が完全に手動なのか、あるいはAI-OCRによる自動抽出が可能なのかによって、月間の事務工数は数倍から数十倍の差となって現れます。
また、データの真実性を確保するために、タイムスタンプがアップロードと同時に自動付与される仕様か、あるいは訂正削除の履歴が改ざん不可能な形で残るかを確認しなければなりません。訂正や削除を行った場合に、変更前の内容も含めて即座に履歴を出力できる仕様になっているか、デモ画面などで必ず確認しておきましょう。
JIIMA認証を取得している製品かをチェックする
JIIMA認証とは、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会が「このシステムは法的要件を確実に満たしている」と公的に判断した製品に与えられる認証です。この認証を取得している製品を選べば、導入時に自社で一つひとつの細かい法的条文と機能を照らし合わせる手間が省け、税務署への説明も容易になります。
認証には「電子帳簿ソフト法的要件認証」や「電子書類ソフト法的要件認証」などの種類があるため、目的に合う認証を取得しているかを確認しましょう。ベンダーの公式サイトやJIIMAの公開リストを参照し、最新の認証状況をチェックすることをおすすめします。
既存の会計ソフトや基幹システムとAPI連携できるかを確認する
現在利用している会計ソフトや販売管理システムとAPIやCSVインポートで連携できるかは、業務効率を大きく左右する重要な確認事項です。自動連携機能があれば、仕訳入力の手間が省けるだけでなく、金額や日付の入力ミスも防ぐことができます。
連携の仕様が「片方向(データ送るだけ)」か「双方向(データ参照も可能)」かによって利便性が大きく異なるため、詳細な仕様確認が欠かせません。例えば、経理側で支払処理が完了した際に、保存システム側のステータスも自動的に「支払済」に更新されるような仕組みがあれば、消込作業の重複を防げるでしょう。
導入後に「連携できなかった」という事態を防ぐためにも、事前の検証は必ず行いましょう。
初期費用・月額費用・オプション料金の総額で費用対効果を比較する
目先の月額利用料の安さだけに目を奪われず、初期導入費やユーザー追加料、さらにはデータ容量の追加料金を含めた「5年間の総額」で比較することが大切です。特にクラウドサービスの場合、最初は安く見えても、保存するデータ件数や利用人数が増えるにつれて、従量課金によってコストが跳ね上がるケースが珍しくありません。
電子化によって削減できるペーパーレスコストや人件費(残業代削減など)と照らし合わせ、ROI(投資対効果)を算出してください。無料プランや安価なプランの場合、保存容量や検索期間に制限があることが多いため、将来のデータ増加も見越して試算しておきましょう。
長期保存が義務付けられている書類を扱う性質上、3年から5年単位のトータルコストを試算し、経営層が納得できる判断基準を持っておく必要があります。
現場担当者が迷わず使える操作性かを確認する
どれほど多機能なシステムであっても、画面が複雑で操作しにくければ現場に定着せず、結局は形骸化して法的なリスクを招く結果になりかねません。特に、外出先から領収書を撮影する営業担当者や、現場で検収を行うスタッフなど、ITに不慣れな層でも直感的に使えるUI(ユーザーインターフェース)であるかが重要です。
経理担当者だけでなく、実際に申請を行う営業担当者など、複数の立場の従業員に試用してもらい感想を集めることをおすすめします。無料トライアル期間を最大限に活用し、スマホアプリの起動速度やカメラの読み取り精度、メニューの分かりやすさなどを多角的に評価しましょう。
おすすめの電子帳簿保存システム比較20選
ここでは、法的要件への対応・操作性・コストパフォーマンスのバランスに優れたシステムを厳選して紹介します。自社の規模や利用目的に合わせて比較し、最適なシステムを選ぶ参考にしてください。
invox電子帳簿保存
公式サイト:https://invox.jp/storage/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | 20円~ |
| 月額費用 | 1,980円~ |
| 初期費用 | 0円 |
株式会社invox提供の「invox電子帳簿保存」は、電子帳簿保存法の電子取引とスキャナ保存の要件にまるごと対応できるクラウド文書管理システムです。JIIMAの法的要件認証を取得しており、安心して利用できます。
最大の特徴は、現在の業務フローを極力変えずに導入できる点です。メール受信やGoogleドライブなどの指定フォルダにファイルを入れるだけで自動的に書類が取り込まれ、検索要件に必要な「取引年月日・金額・取引先」やインボイス制度の登録番号を、AI OCRやオペレーターの入力によって正確にデータ化します。
また、初期費用0円、利用人数無制限で、月額1,980円(税抜)から始められる業界最安水準の料金体系も大きな魅力です。使った分だけを支払う無駄のない月額契約であり、これまで値上げも行われていないため、圧倒的なコストパフォーマンスで手軽に導入できます。
DenHo
公式サイト:https://www.smartocr.jp/denho/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | サービス、クラウド |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 9,000円~ |
| 初期費用 | お問合せ |
株式会社インフォディオが提供する「DenHo(デンホー)」は、電子帳簿保存法およびインボイス制度に対応したクラウド型の文書管理システムになります。
最大の特徴は、金融機関や国勢調査でも採用される自社開発の高精度な「AI-OCR」を標準搭載している点です。
請求書などをアップロードするだけで、電帳法で求められる検索要件項目やインボイス登録番号をAIが自動で読み取り、データ化と分類を全自動で行います。複雑な読み取り設定は不要で、導入後すぐに使えるシンプルな操作性が魅力です。
また、JIIMA認証(スキャナ保存ソフト・電子取引ソフト)を取得しており、法的要件への確実な対応を保証しています。
さらに、PDFや画像だけでなくExcelやWordファイルのアップロード、全ファイルを横断した全文検索、専用スマホアプリからのアップロードなど、多彩な機能を備えています。ISO認証取得やIP制限などのセキュリティ面も堅牢で、安全かつ手軽に経理業務を効率化できるツールです。
楽楽電子保存
公式サイト:https://www.rakus.co.jp/rakurakucloud/denshihozon/002/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | お問合せ |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 17,000円~ |
| 初期費用 | 50,000円 |
「楽楽電子保存」は電子帳簿保存法要件をしっかりと満たした保存システムで、累計導入95,000社以上の実績を持つ株式会社ラクスが提供しています。
最大の特徴は、電子データも紙の書類もまとめて一元管理できる点です。メールやシステム経由で受け取った電子データはもちろん、紙で受領した書類のスキャナ保存にも対応しています。
また、「AI-OCR機能」により、取引年月日や金額などの主要5項目を自動で読み取るため、面倒なファイル名の手入力や索引簿作成の手間を削減できます。
さらに、シンプルな画面設計で誰でも直感的に操作できる使いやすさも魅力です。充実した検索機能により必要な書類をすぐに見つけ出せるため、煩雑なチェック業務も効率化します。
最短3営業日で利用開始できるスピード感や、定着・運用までの手厚いサポート体制も整っており、システム導入に不安がある企業にもおすすめのツールです。
バクラク電子帳簿保存
公式サイト:https://bakuraku.jp/denshichobo/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | 12,000円~ |
| 初期費用 | お問合せ |
株式会社LayerXが提供する「バクラク電子帳簿保存」は、直感的な操作とAIの活用により、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応を効率化するクラウド型システムです。
最大の特徴は、高精度なAI-OCR機能です。最大100枚の書類を同時にアップロードするだけで、「取引先名・取引日・取引金額」などの電帳法の検索要件に必要な項目をAIが数秒で自動読み取りし、データ化します。
また、マニュアル不要で誰でも直感的に使える設計となっており、アップロード・入力・検索の3ステップが同じ画面で完結します。システム上でPDFの分割も可能なため、紙書類のスキャンにかかる手間も大幅に削減できるでしょう。
さらに、JIIMA認証を取得しており、保存書類へのタイムスタンプ付与機能など、法令要件を確実に満たした運用が可能です。
導入社数は15,000社を超え、サービス継続率も99%以上と豊富な実績を誇ります。月額0円(月200件まで)から試せる無料プランも用意されており、手軽に電帳法対応を始めたい企業におすすめのツールです。
DataDelivery
公式サイト:https://www.jfe-systems.com/products/datadelivery/datadelivery.html
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | オンプレミス、クラウド |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | オプションあり |
| 月額費用 | - |
| 初期費用 | 1,000,000円~ |
JFEシステムズ株式会社提供の「DataDelivery」は、契約に関するデータや電子文書の長期保存と証跡管理に特化したペーパーレスソリューションです。
このツールは、電子帳簿保存法の「帳簿」「書類」「スキャナ保存」「電子取引」という4領域全てにおいて、JIIMA認証をワンシステムで取得しています。特許取得済みの独自データベースを採用しており、登録データは非改ざんの状態で安全に長期保管され、保管期限を過ぎると自動廃棄される流れです。
また、1億件もの大規模データから数秒で目的の情報を探し出せる「汎用ビューア」を搭載しています。異なるレイアウトのデータを横断する「串刺し検索」や、関連データを双方向に追跡する「トレーサビリティ機能」など、税務調査や監査時に役立つ強力な検索機能が魅力です。
導入実績は4,000社以上、15年以上の事業継続実績があるため、安心して長期運用を任せられます。APIを利用した他システムとの連携もスムーズに行え、法令対応だけでなく企業のTCO削減にもつながるツールです。
TOKIUMインボイス
公式サイト:https://www.keihi.com/invoice/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | 10,000円~ |
| 初期費用 | お問合せ |
株式会社TOKIUM提供の「TOKIUMインボイス」は、あらゆる形式の請求書の受領からデータ化、支払い処理までをオンラインで完結できる請求書受領サービスです。電子帳簿保存法に完全対応しているため、法要件を満たしたシステムとして安心してペーパーレス化を推進できます。
最大の特徴は、AIと専任オペレーターのハイブリッドによる「99.9%の高精度なデータ化」です。請求書の受領からシステム入力までを代行してくれるため、担当者の入力や確認にかかる手間を大幅に削減できます。さらに、AIによる仕訳の自動推測や照合機能により、高度な業務自動化を実現します。
また、TOKIUMシリーズの別製品とシームレスに連携できる点も大きな魅力です。「TOKIUM経費精算」や「契約管理」などと組み合わせれば、スマホでの経費精算や出張手配、新リース会計基準への対応まで網羅できるため、経理業務全体のDXを強力に推進したい企業におすすめです。
BtoBプラットフォーム 請求書
公式サイト:https://www.infomart.co.jp/seikyu/index.asp
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | お問合せ |
| 初期費用 | お問合せ |
株式会社インフォマート提供の「BtoBプラットフォーム 請求書」は国内利用社数125万社以上、プライム上場企業の97%が利用するシェアNo.1のクラウド請求書システムです。最大の特徴は、請求書の「発行」と「受取」の双方を1つのシステムで完結できる点になります。
デジタルデータでの送受信(DtoD)はもちろん、紙やPDFの請求書もAI-OCR機能で電子化し、あらゆる形式の請求書を一元管理できます。電子帳簿保存法やインボイス制度にも完全対応しており、有料プランを利用すれば、自社だけでなく、取引先のデータも12年間安全に保存することが可能です。
さらに、請求書だけでなく納品書など、そのほかの国税関係書類の電子保存にも対応しています。関連書類を紐づけて管理できるため照合の手間も省けます。
多数の販売管理・会計システムとの自動連携も可能なため、法対応にとどまらず、ペーパーレス化や経理業務全体のDXを強力に推進したい企業に最適なツールです。
freee支出管理
公式サイト:https://www.freee.co.jp/invoice-receipt/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | お問合せ |
| 従量課金 | 650円/人~ |
| 月額費用 | 19,800円~ |
| 初期費用 | お問合せ |
フリー株式会社が提供する「freee受取請求書」は、電子帳簿保存法やインボイス制度に完全対応したクラウド型の受領・管理システムです。最大の特徴は、請求書だけでなく、見積書や納品書、自社独自の証憑などあらゆる書類を、追加費用なしで電子保存できる点にあります。
読み取り精度95%以上の高精度なAI-OCRを搭載しており、取引先や金額、適格請求書の登録番号などを自動で読み取り可能です。さらに、AIが書類を指定フォルダへ自動振り分けし、複数行の明細を含む自動仕訳まで行うため、入力業務の手間を削減できます。
書類の受取方法は、メールや直接アップロード、外部ストレージ連携などさまざまです。また、現在利用している他社製の会計ソフトを変更せずに、そのまま導入できます。ペーパーレス化と経理業務の自動化を同時に進めたい企業に、最適なツールと言えるでしょう。
Bill One請求書受領
公式サイト:https://bill-one.com/ap/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | お問合せ |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | お問合せ |
| 初期費用 | お問合せ |
Sansan株式会社提供の「Bill One請求書受領」は、あらゆる形式の請求書をオンラインで受け取り、一元管理できるクラウド請求書受領サービスです。郵送やメール、PDFなど、さまざまな形式で届く請求書を受領し、99.9%の精度でデータ化します。紙の請求書は代理で受領されるため、手入力の手間やミスを大幅に削減できます。
最大の強みは、JIIMAの電帳法対応ソフトとして認証を受けている点です。これにより、導入企業は要件を個別に確認する手間が省け、税務署への申請手続きも簡略化されます。また、法改正にも自動で対応するため、常に法令を遵守した状態で請求書を電子保存し、簡単に検索することが可能です。
請求書の受取から支払い申請、承認、保管までがシステム上で完結するため、経理部門だけでなく、企業全体の業務効率化とペーパーレス化を強力に推進するおすすめのツールです。
マネーフォワード クラウドインボイス
公式サイト:https://biz.moneyforward.com/cloud-invoice/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | お問合せ |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | お問合せ |
| 初期費用 | お問合せ |
株式会社マネーフォワード提供の「マネーフォワード クラウドインボイス」は「電子書類ソフト法的要件認証」を取得しており、電子帳簿保存法の要件を満たしているため、法対応の面でも安心して導入できる請求書送付システムです。
最大の特徴は、既存の基幹システムや業務フローを大きく変えずに電子化へ移行できる点です。柔軟なデータ連携により、システム改修なしでデータを取り込めるほか、AIが既存のフォーマットを読み取って自動生成するため、取引先が慣れ親しんだ帳票レイアウトをそのまま再現できます。
また、請求書や納品書などあらゆる帳票に対応しており、ワンクリックで一括送付(Web・メール・郵送代行)が可能です。印刷や封入などの手作業を自動化することで、発送作業時間を90%、郵送費を43%削減できます。これにより、法対応と同時にバックオフィス業務の効率化とコスト削減を同時に実現したい企業に最適なツールです。
バクラク経費精算
公式サイト:https://bakuraku.jp/expense/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | 30,000円~ |
| 初期費用 | お問合せ |
株式会社LayerX提供の「バクラク経費精算」は、電子帳簿保存法への対応と経理業務の効率化を両立するクラウド型経費精算システムになります。
最大の強みは、確実かつ手間のない法対応です。JIIMA認証(「電子取引ソフト法的要件認証」および「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証」)を取得しており、認定タイムスタンプの付与によって領収書原本の回収やファイリングが一切発生しません。
さらに、申請や承認の際にスキャナ保存要件に適合しているかをシステムが自動判定するため、目視確認や手戻りの手間を削減できます。
また、優れたAI機能も特徴です。スマホで撮影するだけで領収書を数秒で一括データ化でき、インボイスの登録番号や領収書の重複も自動で検知します。原本提出や保管のための出社をなくし、完全ペーパーレス化を実現したい企業に強くおすすめできるツールです。
楽楽精算
公式サイト:https://www.rakurakuseisan.jp/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | 30,000円~ |
| 初期費用 | 100,000円 |
株式会社ラクスが提供する「楽楽精算」は、累計導入社数および電子帳簿保存法対応社数でNo.1の実績を誇るクラウド型経費精算システムです。
最大の強みは、JIIMAの認証を受けている点です。法要件である「タイムスタンプ付与」「検索機能」「一括検証機能」を搭載しており、確実かつ安心して電子帳簿保存法に対応できます。
使い方も非常に簡単で、専用のスマホアプリで領収書を撮影するだけで、AI-OCRが金額・取引先・日付を自動でデータ化します。システム上で申請から承認・保存までが完結するため、面倒な紙の領収書のファイリングや原本保管が一切必要ありません。
さらに、インボイス制度への対応も本システム内で完結可能です。自社の既存の承認フローやフォーマットをそのまま電子化できる、高いカスタマイズ性も備えています。
経費BANK
公式サイト:https://kb2.sbi-bs.co.jp/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 中小企業向け |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | 3,000円~ |
| 初期費用 | 0円 |
SBIグループが提供する「経費BANK」は、中小企業に最適なクラウド型経費精算システムと言えます。10ID単位で月額3,000円から利用できて、業界最安水準のコストパフォーマンスが魅力です。
電子帳簿保存法に標準対応(追加料金不要)しており、法的要件を満たした「JIIMA認証」も取得しているため安心して導入できます。領収書や請求書はスマートフォンなどで撮影して読み取るだけでデータ化でき、紙の原本は捨てられるため完全なペーパーレス化につながるでしょう。
さらに、レシートだけでなく見積書などの一般書類の電子保存にも対応しており、ワークフローでの証憑確認と電帳法対応が同時に行えます。
また、オプションのAI-OCR(自動入力)や交通系ICカード・クレジットカードとの連携により、面倒な手入力の手間を大幅に削減可能です。経費精算からインボイス制度対応、会計ソフトへの自動仕訳連携までワンストップで完結し、経理業務の負担を大幅に軽減できるでしょう。
OPTiM 電子帳簿保存
公式サイト:https://www.optim.co.jp/denshichobo/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 9,980円~ |
| 初期費用 | 0円 |
株式会社オプティム提供の「OPTiM 電子帳簿保存」は、初期費用無料、月額9,980円から利用できる、コストパフォーマンスに優れたAI電子帳票管理システムです。
最大の特長は、AIを活用した入力業務の自動化にあります。請求書や領収書などの書類をアップロードするだけで、AIが取引年月日・取引金額・取引先を自動で抽出して台帳に入力するため、煩わしい手入力の手間が発生しません。また、インボイス登録番号の読み取りや有効性の自動判定にも対応しています。
機能面ではJIIMA認証(電子取引・スキャナ保存)を取得済みで、法的要件を確実に満たして、書類を保存可能です。さらに、メールやSharePointからの書類の自動取り込み機能や、電帳法対応に必要な「事務処理規程のテンプレート」の提供など、運用を支えるサポートも充実しています。
低コストで手軽に電帳法・インボイス制度に対応しつつ、日々の業務効率化を図りたい企業におすすめです。
MakeLeaps
公式サイト:https://www.makeleaps.com/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 0円~ |
| 初期費用 | 0円 |
メイクリープス株式会社が提供する「MakeLeaps(メイクリープス)」は、JIIMAの認証を取得しているクラウド型の請求管理サービスになります。電子帳簿保存法の法的要件を満たしたサービスとして認証されているため、企業側で要件を個別に確認する手間がなく、安心して導入できる点が強みです。
機能面では、見積書や請求書、領収書など、10種類の書類をクラウド上で簡単に作成できます。作成後はワンクリックで電子送付や郵送代行が選択でき、発送業務を大きく効率化できるでしょう。
さらに、銀行口座と連動した自動入金消込や、外出先からでも対応可能な承認機能を備えており、改ざん防止や確実な証跡管理を実現します。
直感的に操作できる画面設計に加えて、初期費用は0円です。そのため、まずは30日間の無料トライアルで、実際の使い勝手を手軽に試してみるのも良いでしょう。
奉行Edge 受取請求書DX クラウド
公式サイト:https://www.obc.co.jp/bugyo-edge/shiharai
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | 13,000円~ |
| 初期費用 | 0円 |
株式会社オービックビジネスコンサルタント提供の「奉行Edge 受領請求書DXクラウド」は、電子帳簿保存法やインボイス制度に標準対応し、経理業務を大幅に効率化するシステムです。
法令要件を満たしたスムーズなデータ保管に優れています。アップロードした請求書には自動でタイムスタンプが付与され、「日付・金額・支払先」などの条件ですぐに検索できる状態で、安全に保管される仕組みです。
また、高精度なAI-OCRを搭載しており、形式の異なる請求書も瞬時にデータ化し、面倒な転記や手入力作業をなくします。読み取ったデータを基に、FBデータや、他社会計システムとも連携可能な仕訳データを自動作成できる点も魅力です。
さらに、スマホやPCから場所を問わず申請・承認できるワークフロー機能も備えており、ペーパーレス化を強力に推進します。紙や手作業をなくすことで、支払業務にかかる時間を約8割削減できる、おすすめのクラウドシステムです。
Concur Invoice
公式サイト:https://www.concur.co.jp/resource-center/brochures/concur-invoice
https://www.concur.co.jp/solutions/small-business-invoice
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | 20円~ |
| 月額費用 | 1,980円~ |
| 初期費用 | 0円 |
株式会社コンカーが提供する「Concur Invoice」は、サプライヤーからの請求書に基づく支払依頼や承認などの業務プロセスを完全自動化できるシステムです。電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しており、法要件を満たした適切な請求書管理に役立ちます。
本システムの最大の魅力は、紙の請求書にまつわる課題を包括的に解決できる点です。3つの入力支援ツールによって手入力の手間を省き、圧倒的な業務効率化を実現するほか、請求書の電子化により紛失リスクの低減や、紙の保管・輸送コストが削減できます。
また、申請や発注書と請求書の照合作業もシステム化され、外出先からでも上長が承認できるため、支払いの遅延を防ぐことができます。そのため、申請者、管理職、経理財務部門のそれぞれの悩みを解消し、会
Create!Form
公式サイト:https://www.createform.jp/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | サービス、クラウド、オンプレミス |
| 従業員規模 | - |
| 従量課金 | - |
| 月額費用 | 30,000円~ |
| 初期費用 | 200,000円 |
「Create!Form」は、インフォテック株式会社が提供する、帳票の設計から出力までを最小工数で実現する帳票作成ツールです。電子帳簿保存法への対応において重要となる帳票のペーパーレス化を強力にサポートし、PDFやExcel、HTMLなど、運用要件に合わせた多彩なフォーマットでの出力ができます。
最大の特徴は「見たまま」の直感的な帳票設計です。マウス操作による簡単なレイアウト作成や、既存帳票のインポート機能により、専門知識がなくても思いどおりの帳票デザインが作りやすくなるでしょう。また、グラフやバーコード、QRコードを含む複雑な帳票にも対応しています。
さらに、JavaやPythonなどの多様なプログラミング言語のサンプルコードが公開されており、既存の業務システムへの組み込みが容易である点も魅力です。クラウド版とパッケージ版が用意されており、環境を選ばず導入できます。実際の事例でも、帳票運用の電子化による郵送コストの大幅削減や処理時間の短縮が報告されています。
Misoca
公式サイト:https://www.yayoi-kk.co.jp/seikyusho/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 小規模法人向け |
| 従量課金 | 30円~ |
| 月額費用 | 0円~ |
| 初期費用 | 0円 |
「Misoca」は、弥生株式会社が提供する、全ての機能が無料で使い始められるクラウド見積・納品・請求書作成ソフトです。電子帳簿保存法の要件を満たしたデータ保存に対応しているだけでなく、インボイス制度における適格請求書の発行・保存もスムーズに行えます。
最大の特徴は、帳票作成から送付までの圧倒的な手軽さです。豊富なテンプレートで見積書から領収書まで簡単に作成でき、見積書から請求書への変換もワンクリックで行えるため、転記ミスを防げます。
また、PDF発行やメール送信、郵送手続きもワンクリックで完了し、請求業務を大幅に効率化できます。
さらに、弥生シリーズやfreee、MFクラウドなどの主要な会計ソフトと連携し、仕訳データの自動取り込みが可能です。
スマートフォンアプリからの操作にも対応しており、場所を選ばず業務ができるため、外出先での営業が多い部署などで役立つでしょう。
Fleekdrive
公式サイト:https://www.fleekdrive.com/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | クラウド |
| 従業員規模 | 制限なし |
| 従量課金 | お問合せ |
| 月額費用 | 6,000円~ |
| 初期費用 | お問合せ |
株式会社Fleekdrive提供の「Fleekdrive」は、強固なセキュリティと豊富な管理機能を備えた企業向けオンラインストレージサービスです。専用の「電子帳簿保存法オプション」が用意されており、企業のペーパーレス化や法対応をスムーズに支援します。
このツールの特徴は、ファイルのメタ情報を活用した管理や業務の自動化機能です。例えば、メタ情報をもとに契約書などの更新日前にメール通知を行ったり、上長への承認といったルーティン業務を自動化することが可能です。
加えて、PDFダウンロード時に取得時間や取得者名を透かしで挿入できるなど、安心安全な文書管理機能も充実しています。
実際に、複写紙での運用からクラウドでの帳票出力へ移行し、電帳法に対応したDX化を実現した企業の成功事例もあります。AWS基盤の高度なセキュリティ対策に加え、クラウドセキュリティの国際認証規格(ISO/IEC 27001/27017)も取得しているため、安全かつ効率的に電子帳簿保存法へ対応したい企業におすすめです。
電子帳簿保存法システム導入のメリット
電子帳簿保存法システムの導入は、単なる法令遵守(コンプライアンス)への対応にとどまらず、経営全体にポジティブな波及効果をもたらします。ここでは、代表的な4つのメリットを詳しく解説します。
書類の検索時間短縮による、業務効率の大幅な向上
電子帳簿保存法システムを導入する最大のメリットは、検索機能の活用によって、目的の書類に辿り着くまでの時間を「秒単位」に短縮できる点にあります。紙の運用では、取引先や日付、あるいは金額で過去の書類を探す際、膨大なバインダーを棚から降ろし、一枚ずつページをめくるという非効率な作業が発生していました。
システム化されていれば、PC上で条件を入力するだけで、過去数年分のデータから即座に必要な証憑を表示し、内容を確認することが可能です。特に監査や税務調査の際、調査官から特定の取引の提示を求められても、デスクに座ったまま数クリックで対応できるため、担当者の心理的・物理的負担は劇的に軽減されます。
日々のわずかな検索時間の削減が組織全体で積み重なることで、年間を通じた業務効率の向上と、残業代の削減といった目に見える成果につながるはずです。
ペーパーレス化による印刷代・郵送費・保管コストの削減
請求書や領収書を電子データでやり取り・保存することで、紙代・トナー代・封筒代・郵送費が不要になります。さらに、法定保存期間である7年から10年にわたって、年々増え続ける書類を保管し続けるためのキャビネット設置費用や、外部倉庫の賃料も不要になる点は大きな魅力です。
物理的なスペースの削減だけでなく、ファイリング作業や年度末の箱詰め作業、倉庫への搬送作業といった「利益を生まない労力」を、本来のコア業務へシフトできます。例えば、月間数百件の請求書を発行・受領している企業であれば、切手代や封筒代だけでも年間で数十万円規模のコストカットが実現できるケースも珍しくありません。
ペーパーレス化による経費削減は、投資回収の観点でもシステム導入を正当化する大きな根拠となります。
場所を選ばないアクセスによる、テレワーク環境の実現
クラウド型システムであれば、インターネット環境さえあれば、自宅や外出先からでも証憑の確認や承認が可能になります。これまでの経理業務は、原本の確認や押印、および手渡しでの承認フローのために「出社が前提」となっており、柔軟な働き方を阻む大きな壁となっていました。
システム上でデータの閲覧と承認が完結することで、経理担当者が請求書の内容を確認するためだけに出社する必要がなくなり、在宅勤務の導入が容易になります。
さらに、支店や拠点が複数ある場合でも、原本を本社に郵送するタイムラグなくリアルタイムで経理処理が進められます。ハイブリッドワークやリモートワークを推進したい企業にとって、クラウド型システムの導入が働き方改革の基盤となるでしょう。
優良電子帳簿の要件を満たすことによる、過少申告加算税の軽減
「優良電子帳簿」の要件を満たすシステムを使用して適切に帳簿を作成・保存し、事前に届出書を提出することで、実務的なメリットに加え、税制上の優遇を受けられます。万が一、税務調査などで計算間違いや解釈の相違による修正申告が必要になった場合でも、本来課される過少申告加算税が5%軽減されるという特典があります。
優良電子帳簿への対応は、帳簿の訂正削除履歴が完全に保存されていることを意味するため、社内のガバナンスレベルが高いことを対外的に証明する証となるでしょう。
電子帳簿保存法システム導入のデメリット
システム導入には多くのメリットがある一方、事前に把握しておくべきデメリットも存在します。法令遵守のために「急いで導入すること」だけを優先すると、予期せぬ運用コストの増大や現場の混乱を招き、結果としてDX化が停滞しかねません。
導入後に「こんなはずじゃなかった」とならないよう、以下の3点を十分に理解したうえで計画を進めましょう。
システムの初期費用と月額ランニングコストが発生する
電子帳簿保存法への対応をシステムで行う場合、初期設定費用やアカウント発行手数料、およびカスタマイズ費用といった導入コストが不可欠となります。さらにクラウド型システムを選択した際は、月々の利用料が継続的に発生するため、単発の支出だけでなく長期的な予算確保が必要です。
特に注意すべきは、ユーザー数や保存データ容量に応じて料金が変動する「従量課金制」のシステムであり、将来のデータ蓄積量を見越したコスト予測を立てておかなければなりません。複数のベンダーから相見積もりを取得し、3年から5年程度のトータルコストで比較を行うことが、失敗しないための堅実な方法といえるでしょう。
既存の業務フローや社内ルールの変更工数がかかる
紙ベースで最適化されていたこれまでの業務プロセスを電子化向けに刷新するには、経理部門だけでなく、全社的な協力体制と多大な調整工数が必要になります。新しいデジタル承認ルートの設計や、電子取引データの保存ルールの策定、さらには社内規定の改定など、システム稼働前に完了すべきタスクは山積みです。
また、長年慣れ親しんだ「紙での確認」を変えることに対し、現場からの心理的な抵抗や混乱が生じる可能性があります。こうした変化に対するアレルギーを最小限に抑えるためには、トップダウンの指示だけでなく、現場向けの丁寧な説明会やマニュアル整備を並行して進めるべきでしょう。
社内のチェンジマネジメント(変更管理)を軽視して強引に進めてしまうと、システムが形骸化し、結局は紙での保存が残ってしまうという本末転倒な事態を招きかねません。
スキャン作業やデータ入力の手間が、一時的に増える可能性がある
相手先から紙で受領した書類を「スキャナ保存」へ移行する場合、封筒を開封してスキャンし、画像品質を確認するという一連の作業が新たな負担として発生します。
特に導入初期において、過去の重要書類まで遡って電子化しようとすると、バインダーの解体やホチキス留めの除去といったアナログな作業に膨大な時間を奪われるでしょう。
また、OCR(光学文字認識)の精度が低いシステムを選択してしまうと、自動で読み取られた日付や金額の誤認識が多くなり、かえって目視確認や手修正に工数がかかるリスクも否定できません。
こうした手間を最小化するためには、高性能なAI-OCRを搭載した製品を選定し、可能な限り自動でデータ化できる仕組みを構築することが重要です。
現場でのスキャン作業を効率化するために、高速スキャナーの導入やアウトソーシングサービスの利用を併せて検討しましょう。
電子帳票システムの導入・運用にかかる費用
システム導入にかかる費用は初期費用だけではなく、ランニングコストやハードウェア費用など多岐にわたります。
目先の安さだけで製品を選定してしまうと、導入後のデータ増加に伴う追加課金や、法改正に伴うシステム改修で予算を大幅に超過しかねません。全体像を正確に把握したうえで、自社の予算と投資対効果を総合的に判断しましょう。
システム構築にかかる初期費用
システム導入の最初のステップで発生する初期費用は、選択する提供形態によってその規模が大きく異なります。
クラウド型システムは、自社でサーバーを保有する必要がないため、初期費用は数万円から数十万円程度と比較的安価に抑えられる傾向にあります。対して、自社のネットワーク内にサーバーを設置するオンプレミス型は、ハードウェアの購入費やインフラ構築費などで数百万円規模の投資が必要になる場合もあるでしょう。
さらに、初期設定の代行や既存システムとの連携カスタマイズをベンダーに依頼する場合、ライセンス費用とは別に導入支援費用が発生する場合があります。クラウド型かオンプレミス型かの選択が、初期費用の規模を大きく左右します。
月額利用料とユーザー数に応じたランニングコスト
多くのクラウドシステムは「基本料金+ユーザー数(ID数)」で決まる従量課金制を採用しており、組織規模が拡大するほど維持費が比例して増加する仕組みです。
保存するデータの累計容量や、月間のアップロード枚数に上限が設けられているプランでは、規定量を超過した際に追加料金が発生するため、自社の取引件数を事前に正確に把握しておかなければなりません。
例えば、全従業員が経費精算でシステムを利用する場合、ID課金型ではコストが膨らむため、会社全体で定額利用できるプランのほうが有利になるケースもあります。ランニングコストは数年単位で試算し、予算計画に組み込むことが重要です。
保存容量の拡張や機能追加で発生するオプション費用
基本プランに含まれるデータ保存容量は、数年間の運用で上限に達する可能性が高く、容量追加オプションの購入によって年数が経つほど、維持費が増加する傾向にあります。
電子帳簿保存法では原則7年から10年のデータ保存が義務付けられているため、長期的な蓄積に伴うコスト上昇をあらかじめ見積もっておくべきです。
また、タイムスタンプの付与機能や、インボイス制度に対応した登録番号の自動照合機能などが、有料オプションとして切り分けられている製品も少なくありません。当初の見積もり価格だけで判断せず、自社が必要とする機能が標準搭載なのかオプションなのか、詳細な内訳をベンダーに確認してください。
専用スキャナやディスプレイなどのハードウェア整備費用
電子帳簿保存法が求める「可視性の確保」という要件を満たしつつ、実務効率を下げないためには、ソフトウェア以外のハードウェア整備にも相応の費用がかかります。
経理担当者が高精細な証憑データを迅速にチェックできるよう、大型モニターの設置や、紙書類を高速で取り込むための専用スキャナーの導入が必要になるケースも多いはずです。
さらに、外出先からのスマートフォンによる領収書撮影をルール化する場合、従業員へ貸与する端末の調達コストや通信費、およびセキュリティ対策ソフトの費用も考慮に入れなければなりません。
これらハードウェア関連の整備費用は、システムのライセンス料とは別に計上する必要があるため、プロジェクトの初期段階から予算に組み込んでおくべきと言えます。
電子帳簿保存法システムの導入手順
電子帳簿保存法システムの導入をスムーズに進めるには、事前準備から規程策定まで、段階的に取り組む必要があります。経理部門だけで完結させようとせず、他部署を巻き込んだ全社的なプロジェクトとして捉えることが、導入後のトラブルや業務の混乱を防ぐための近道です。
各ステップで確認すべきポイントを押さえることで、導入後のトラブルや業務混乱を防ぐことができます。
電子化する書類と保管コストを可視化し、導入目的を定める
まずは、現在紙で保存している書類の種類と量を正確に把握し、その保管にかかっているコストをスペース・人件費の両面から具体的に算出しましょう。
「電子取引の義務化対応」だけが目的なのか、「全社的なペーパーレス化」を目指すのか、プロジェクトのゴールを明確にすることが大切です。現状の課題を数値化することで、システム導入に伴う投資対効果(ROI)を経営層へ客観的に説明できるようになり、必要な予算や人員の承認が得やすくなります。
例えば、毎月のファイリング作業に費やしている総時間や、外部倉庫に支払っている月間コストを算出してみると、導入の正当性がより際立つはずです。初期段階での丁寧な現状分析こそが、導入後の「こんなはずではなかった」というミスマッチを防ぐための、重要な土台と言えるでしょう。
導入するシステムの対象範囲と導入後の業務フローを設計する
どの部署のどの書類(請求書・領収書・契約書など)を電子化の対象にするか、段階的な導入計画も含めて決定しましょう。最初から全ての書類を対象にすると現場が混乱するため、まずは義務化された電子取引から始め、徐々にスキャナ保存へ広げていくアプローチも有効です。
書類の受領からデータ化・承認・保存・原本廃棄に至るまでの新しい業務フロー図を作成し、ボトルネックを事前に潰しておくことが重要です。既存の会計システムや経費精算フローとの連携部分を詳細に詰め、データの二重入力が発生しないよう設計する必要があります。
各部門の担当者にヒアリングを行い、実際の作業現場で無理なく運用できる形を一緒に作り上げていく姿勢で取り組みましょう。
データの取り扱いに関する社内規程を策定して、説明を行う
システム自体に訂正削除の防止機能がない場合や、運用の安全性をより高めるための補完として、国税庁の雛形を参考に「事務処理規程」を必ず作成しましょう。規程には、データの保存担当者や管理責任者、および訂正削除を行う場合の申請フローや事後確認の方法などを、具体的に明記することが求められます。
これは単なる社内ルールではなく、税務調査時に「正しく運用されているか」を証明するための重要な証拠となるものです。策定した規程は役員会等で正式に承認を得たうえで、全従業員に対して説明会を実施するなど周知を徹底し、いつでも閲覧できる環境に保管してください。
電子帳簿保存法システム比較時に確認すべき法的要件
システムを選定する際には、法的要件への適合性を確認することが最も重要なステップの1つです。要件を満たさないシステムを導入してしまうと、税務調査時のリスクや重加算税の対象になる可能性があります。
以下では、確認すべき3つの主要な法的要件を解説します。
- データの改ざん防止措置を行う
- ディスプレイ・プリンタを適切に設置する
- 検索機能を確保する
データの改ざん防止措置を行う
「真実性の確保」のため、データの受領後速やかにタイムスタンプを付与するか、改ざん防止機能を持つシステムを利用することが必要です。具体的には、システム上でデータの訂正や削除が一切できない制御がかかっているか、あるいは訂正削除を行った際にその事実と内容がログとして残る仕様が求められます。
万が一、自社開発システムや簡易的なストレージを利用しており、これらの機能が備わっていない場合は、「正当な理由がない訂正削除に関する事務処理規程」を定めて運用することが認められています。
しかし、規程による運用は人的なミスや形骸化のリスクを伴うため、可能な限りシステム側で物理的に改ざんを防止できる製品を選ぶのが賢明でしょう。
JIIMA認証を受けたソフトであれば、これらの技術的要件をクリアしていることが保証されているため、選定時の強力な安心材料となるはずです。
ディスプレイ・プリンタを適切に設置する
保存された電子データを、税務調査時に速やかに画面で確認できるよう、適切なスペックのカラーディスプレイを設置しておくことが法律で求められています。一般的には14インチ以上のサイズが目安とされており、解像度や輝度についても、調査官が内容を明瞭に判別できる状態を維持しなければなりません。
税務調査の際に、調査官が操作してデータを閲覧できる状態、または担当者が操作して即座に提示できる状態にしておくことが必要です。
さらに、デジタル保存が基本であっても、必要に応じてデータを紙に出力して提示できるよう、プリンタもシステムの稼働場所から容易にアクセスできる範囲に確保しておくべきでしょう。
検索機能を確保する
保存された膨大なデータのなかから特定のデータをピンポイントで探し出せるよう、検索機能の確保が必須となります。具体的には、システムへの登録時に「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3つの情報を、正確なメタデータ(インデックス)として入力しておかなければなりません。
加えて、日付や金額の範囲指定による検索が可能であることや、2つ以上の任意の記録項目を組み合わせた「AND検索」ができる仕様も法的要件に含まれています。例えば、特定の期間内で、かつ特定の取引先との「50万円以上の取引」を即座に抽出するというケースです。
最近では、AI-OCR機能によってこれらの情報を自動抽出し、検索項目を自動生成するシステムも増えており、手入力によるミスを防ぐ上で有効な手段といえます。
電子帳簿保存法システム運用時の注意点
システムを導入した後も、日常の運用において守るべきルールや注意点が存在します。運用ミスが重大なトラブルにつながらないよう、以下の3つのポイントを現場の担当者全員で徹底するようにしましょう。
紙原本を廃棄する前に、必ず画像データの視認性を確認する
スキャナ保存を行った後、直ちに原本を廃棄せず、必ず画像が鮮明で文字が読める状態かを目視確認する必要があります。スキャン時の折れ曲がりや書類の重なりによって、重要な金額や日付、発行元などの情報が隠れていないかをチェックしてから、廃棄フローへ回すようにしてください。
例えば、定期的な内部検査が完了するまでは、原本を「月別」や「担当者別」に一時保管しておく専用の箱を用意するなど、廃棄に至るまでの物理的な動線を確保しましょう。
「スキャンさえ済めば即座に捨ててよい」という誤った解釈に基づいた運用は、後になってデータの不備が発覚した際に取り返しがつかない事態を招きます。
入力期間の制限を守る
書類を受領してからデータ化(タイムスタンプ付与など)するまでの期間には法的制限があり、原則として「最長2ヶ月+7営業日」以内となっています。この期限を1日でも過ぎてしまうと、その書類はスキャナ保存の要件を満たさなくなり、結局は紙原本のまま法定期間保存し続けなければなりません。
業務サイクルによっては「早期入力方式(概ね7営業日以内)」を採用するなど、自社の運用に合った入力期限を設定して遵守することが必要です。例えば、出張が多い営業担当者に対しては、領収書の撮影を「発生から3日以内」に義務付けるといった社内ルールを明文化し、徹底を図りましょう。
システム障害やデータ消失へのバックアップ対策が求められる
クラウドサービスを利用している場合であっても、全ての管理をベンダー任せにせず、定期的にデータをエクスポートして自社でバックアップを保持することが重要です。
万が一、サービス提供会社のサーバーに障害が発生したり、不慮の契約終了事態に陥ったりした場合でも、速やかに過去の証憑を参照できる体制を整えておかなければなりません。
近年増加しているランサムウェアなどのサイバー攻撃リスクに備え、社内ネットワークから物理的に切り離した場所や、別のクラウドストレージへの二重保存も検討すべきでしょう。「万が一のとき」に備えた二重・三重のバックアップ体制が、事業継続と法令遵守の両方を守ります。
最適な電子帳簿保存法システムを比較検討して、業務効率化を実現しよう!
電子帳簿保存法への対応は、法令遵守のためだけでなく、経理業務の効率化・ペーパーレス化・テレワーク推進といった経営全体のDX推進につながる重要な取り組みです。本記事で解説した保存区分の違いや、選定時に比較すべき6つの主要機能を踏まえ、自社に最適なシステムを見極めてください。
特にJIIMA認証の有無や既存の会計ソフトとの連携性は、導入後の運用負荷を左右する極めて重要なチェックポイントとなります。まずは自社が優先して電子化すべき書類を洗い出し、複数のサービスを比較検討することから始めましょう。
電子帳簿保存法システムに関するよくある質問
電子帳簿保存法システムの導入・運用に関してよく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。疑問点を解消してから選定・運用に臨むことで、導入後のトラブルを未然に防ぐことができます。
過去の紙書類も電子化して原本を廃棄していい?
過去に保存していた紙書類も、所轄税務署への届出不要で、要件を満たしてスキャナ保存を行えば、原本を廃棄できます。以前は税務署への事前承認が必要でしたが、現在は届出不要でいつでも過去分の電子化に着手できるようになり、導入のハードルは大きく下がっています。
ただし、過去分を電子化する際は、現在進行形で発生している書類とは管理区分を明確に分け、入力期間の特例などの適用関係を整理しなければなりません。特に数年分もの書類を遡って電子化する場合、バインダーの解体やホチキス外しの手間、スキャン後の検品作業にかかる膨大な人件費が発生します。
これらの作業コストと、倉庫の賃料削減といった長期的なメリットを天秤にかけ、本当に過去分まで全てデータ化すべきかを慎重に判断すべきでしょう。
無料のオンラインストレージでも法対応はできる?
GoogleドライブやOneDriveといった無料のオンラインストレージ単体では、法が求める「詳細な検索要件」や「改ざん防止のログ管理」を完全に満たすことは困難です。
確かにファイル名に日付や取引先を入力して保存すれば最低限の検索は可能ですが、訂正削除の履歴を税務署が求める水準で残すには、設定の工夫や外部ソフトとの連携が欠かせません。
結局のところ、要件を満たすために有料のアドオンを契約したり、管理に多大な工数を割いたりすることになり、「無料で完結させようとして逆に割高になる」ケースも少なくありません。
スマートフォンで撮影した領収書画像は有効?
スマートフォンで撮影した画像も、解像度が200dpi相当以上であり、かつカラー画像(24ビットカラー)であるなどの既定の要件を満たしていれば、法的に有効です。
最近のスマートフォンのカメラ性能であればスペック上の要件は十分にクリアしていますが、撮影時の「質」には細心の注意を払わなければなりません。
手ブレによるボケや照明の反射、あるいはレシートの端が切れているといった理由で文字が判読不能な場合は、証憑としての効力が認められないため、注意が必要です。